神経筋疾患|作業療法士(OT)国家試験 過去問まとめ

作業療法士国家試験の神経筋疾患分野を、複数年分まとめて対策できるページです。Parkinson病・ALS・多発性硬化症・筋ジストロフィー・重症筋無力症・末梢神経障害など、進行性・神経難病は評価と生活支援が問われる頻出分野です。

問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答番号(厚生労働省が公表する事実データ)と、Network-Primer独自の解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は各年の全問ページからリンクする厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

収録状況

年度実施神経筋疾患 出題数収録
第61回2026年2月7問✅ 解説あり
第60回2025年2月12問✅ 解説あり
第59回2024年2月10問✅ 解説あり
第58回2023年2月10問✅ 解説あり
第57回2022年2月順次追加

頻出テーマ(複数年で押さえたい論点)

  • Parkinson病:Hoehn-Yahr重症度、すくみ足、ADL支援
  • ALS・神経難病:進行に応じた支援、コミュニケーション機器
  • 多発性硬化症:易疲労性への配慮、再発寛解
  • 末梢神経障害:絞扼性ニューロパチー、感覚障害の分布
  • 筋疾患:筋ジストロフィー・重症筋無力症の特徴

第61回(2026年2月実施)

神経筋疾患として7問が出題されました(実地1問・一般/共通6問、推定配点9点)。全問の正答・解説は 第61回 OT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問37午前専門一般多発性硬化症の疫学と症状1
問83午前共通多発性硬化症のリハビリ治療3・4
問84午前共通Parkinson病の治療薬の選択2
問91午前共通感覚障害を合併する神経筋疾患2・5
問11午後実地Parkinson病の運動機能維持訓練5
問27午後専門一般Guillain-Barré症候群の特徴4
問90午後共通ALS診断に有用な検査3

午前 問37(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:多発性硬化症は女性に多い(男女比約1:2-3)。若年成人に好発する脱髄疾患。

  • 1:多発性硬化症は女性に多い。
  • 2:高体温(体温上昇)で症状が悪化する(Uhthoff現象)。
  • 3:高緯度地域で有病率が高い(低緯度は少ない)。
  • 4:Phalenテストは手根管症候群の検査でMSとは無関係。
  • 5:MSは自己免疫性で免疫不全とは異なる。

午前 問83(共通・正答 3・4) 問題を見る →

ポイント:多発性硬化症のリハでは、運動失調に対する重錘負荷(四肢の安定化)と、視野欠損に対する環境整備(照明の工夫等)が正しい。温熱・高強度運動・体温上昇はUhthoff現象を招くため避ける。

  • 1:痙縮に対する温熱療法は体温上昇でUhthoff現象(症状悪化)を招き不適。
  • 2:1RMを反復する高強度筋力強化は易疲労性のMSでは過用を招き不適。
  • 3:運動失調に対し重錘を負荷して四肢を安定させる練習は有効。
  • 4:視野欠損に対し照明など環境整備を行うのは適切。
  • 5:歩行障害に対し一律に早期から下肢装具を作製するのは画一的で、病状に応じて判断すべき。

午前 問84(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:Parkinson病の治療薬はL-dopa(レボドパ)。ドパミン前駆物質で不足したドパミンを補充する。

  • 1:NSAIDsは消炎鎮痛薬。
  • 2:L-dopaはPD治療の中心薬(ドパミン補充)。
  • 3:コリン作動薬はPDではむしろ症状を悪化させる(抗コリン薬が用いられる)。
  • 4:カルシウム拮抗薬は降圧薬。
  • 5:セフェム系抗菌薬は感染症治療薬。

午前 問91(共通・正答 2・5) 問題を見る →

ポイント:感覚障害を合併するのは多発性硬化症(中枢脱髄)と慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP、末梢脱髄で感覚障害あり)。

  • 1:重症筋無力症は神経筋接合部の障害で感覚障害はない。
  • 2:多発性硬化症は感覚障害を合併する。
  • 3:筋萎縮性側索硬化症は運動ニューロン疾患で感覚は保たれる。
  • 4:肢帯型筋ジストロフィーは筋疾患で感覚障害はない。
  • 5:CIDPは脱髄性で感覚障害を合併する。

午後 問11(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:Parkinson病の運動機能維持には、大きくリズミカルな全身運動や体幹回旋・上肢の広い可動域を促す活動が有効である。選択肢5の図が示す活動が、これらの要素を最もよく引き出す。

  • 1:動作範囲が狭く、Parkinson病の無動・寡動の改善に乏しい活動。
  • 2:リズムや大きな動きの要素が乏しい活動。
  • 3:座位中心で可動域や体幹の動きを引き出しにくい活動。
  • 4:運動機能維持に必要な大きな動き・リズムの要素が不十分。
  • 5:大きくリズミカルな動きと広い可動域を促し、運動機能維持に適した活動。

午後 問27(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:Guillain-Barré症候群は運動神経優位だが感覚神経も障害される(運動・感覚の末梢神経障害)。

  • 1:球麻痺(嚥下・構音障害)を生じることがある。
  • 2:先行感染は細菌(Campylobacter)・ウイルスで、原虫ではない。
  • 3:髄液は蛋白細胞解離(蛋白増加・細胞正常)で蛋白は増加する。
  • 4:運動神経と感覚神経の障害(脱髄性多発神経炎)である。
  • 5:脱髄により神経伝導速度は低下する(正常ではない)。

午後 問90(共通・正答 3) 問題を見る →

ポイント:ALSは下位運動ニューロン障害を反映する針筋電図(脱神経所見・線維束性収縮)が診断に最も有用。

  • 1:SPECTは脳血流評価でALS診断には不適。
  • 2:頭部CTは他疾患の除外に用いるが確定診断にはならない。
  • 3:針筋電図は下位運動ニューロン障害(脱神経・再神経支配)を検出し診断に有用。
  • 4:頸部超音波はALS診断の主検査ではない。
  • 5:体性感覚誘発電位は感覚路の評価でALS(運動系)には不適。

第60回(2025年2月実施)

神経筋疾患として12問が出題されました(実地2問・一般/共通10問、推定配点16点)。全問の正答・解説は 第60回 OT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問31午前専門一般Parkinson病のADL指導4
問34午前専門一般多発性硬化症に特有の症状5
問86午前共通神経伝導検査が有用な疾患2
問91午前共通Parkinson病の治療薬2
問92午前共通Guillain-Barré症候群の初期症状5
問98午前共通てんかん発作時にまず行う対応3
問11午後実地多発性筋炎増悪時の食事対応1
問12午後実地ALS患者のコミュニケーション機器2・5
問83午後共通小脳障害でみられる症候1・3
問86午後共通多発性硬化症の病態と診断5
問88午後共通神経ブロックとボツリヌス療法2
問93午後共通Duchenne型筋ジストロフィーの特徴1

午前 問31(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:Yahrの重症度分類ステージIIIでは姿勢反射障害が出現し、すくみ足や突進現象により転倒しやすい。段差は視覚的手がかりとなって歩行を誘発しやすいため、傾斜のみのスロープより階段の利用が勧められる。

  • 1:スリッパはすり足歩行で脱げやすく、つまずきや転倒の原因となるため勧められない。
  • 2:毛足の長いカーペットはすり足の足先が引っ掛かりやすく、転倒の危険を高めるため避ける。
  • 3:動作緩慢や振戦があるためカミソリは切創の危険がある。電気シェーバーの使用が安全である。
  • 4:階段の段差は視覚的手がかりとなりすくみ足を軽減する。手がかりに乏しいスロープは加速や突進を招きやすい。
  • 5:ステージIIIでは姿勢反射障害があり、ロフストランド杖では支持性が不十分である。歩行器等が適する。

午前 問34(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:有痛性強直性けいれんは脱髄病巣に起因する数秒から数十秒の有痛性強直発作で、多発性硬化症に特徴的な発作性症状である。運動失調・構音障害・嚥下障害は脊髄小脳変性症でも高頻度にみられ鑑別点にならない。

  • 1:痙縮は多発性硬化症の錐体路病変でみられるが、脊髄小脳変性症にも痙性を伴う病型があり特徴的とはいえない。
  • 2:運動失調は脊髄小脳変性症の中核症状であり、多発性硬化症に特徴的な所見とはいえない。
  • 3:嚥下障害は両疾患とも進行期にみられ、脊髄小脳変性症でも高頻度であるため鑑別点にならない。
  • 4:構音障害は脊髄小脳変性症で断綴性・失調性構音障害として典型的にみられ、特徴とはいえない。
  • 5:有痛性強直性けいれんは脱髄に起因する発作性症状で、多発性硬化症に特徴的な症候である。

午前 問86(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:末梢神経伝導検査は末梢神経の伝導速度・潜時・活動電位振幅を調べる検査で、絞扼性ニューロパチーや末梢神経障害の診断に有用である。中枢神経の変性疾患、筋そのものの疾患、血管の疾患の評価には向かない。

  • 1:中脳黒質の変性による中枢性疾患で末梢神経は障害されず、診断は臨床症状と経過による。
  • 2:手根管部での正中神経の絞扼を、遠位潜時の延長や伝導速度低下として捉えられ有用である。
  • 3:小脳・線条体・自律神経系が障害される中枢性の変性疾患で、画像や臨床所見で診断する。
  • 4:病変は筋線維自体にあり、針筋電図やCK値、遺伝子検査・筋生検が診断に用いられる。
  • 5:下肢動脈の狭窄・閉塞が本態で、足関節上腕血圧比や超音波、造影検査で評価する。

午前 問91(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:Parkinson病は中脳黒質のドパミン神経細胞が変性し線条体のドパミンが減少する疾患である。L-ドーパはドパミンの前駆物質で血液脳関門を通過し、脳内でドパミンに変換されて症状を改善する中心的な治療薬である。

  • 1:高血圧や不整脈、本態性振戦などに用いる薬で、Parkinson病の標準治療薬ではない。
  • 2:血液脳関門を通過して脳内でドパミンに変換され、寡動や固縮を改善する中心的薬剤である。
  • 3:糖尿病の血糖コントロールに用いるホルモン製剤で、ドパミン系には作用しない。
  • 4:血管平滑筋に作用する降圧薬などで、一部は逆に薬剤性パーキンソニズムの原因となりうる。
  • 5:細菌感染症の治療薬であり、神経変性疾患であるParkinson病には効果がない。

午前 問92(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:Guillain-Barré症候群は先行感染の1〜3週後に発症する急性の免疫性ニューロパチーである。両側性・左右対称性に下肢遠位から始まって上行する筋力低下と腱反射の消失が特徴で、数日から数週で進行のピークに達する。

  • 1:悪性腫瘍や消耗性疾患、内分泌疾患を示唆する所見で、本症の初期症状として特徴的でない。
  • 2:筋痛や神経根痛を訴えることはあるが、激しい関節痛はむしろ関節疾患を疑う所見である。
  • 3:視神経炎や網膜動脈閉塞などでみられる症状で、本症の典型的な初発症状ではない。
  • 4:Addison病などでみられる所見で、本症の初期症状として特徴的なものではない。
  • 5:下肢遠位から左右対称性に始まり上行する筋力低下と腱反射消失が本症の典型像である。

午前 問98(共通・正答 3) 問題を見る →

ポイント:焦点意識減損発作(複雑部分発作)では意識が曇ったまま自動症や徘徊がみられ、通常は数分以内に終息する。まず行うのは環境の安全確保で、危険物を除いて見守る。無理な抑制や口腔内への物の挿入は外傷や窒息を招くため行わない。

  • 1:発作の多くは数分で自然に治まるため、まず搬送を要請する場面ではない。重積や外傷時は要請する。
  • 2:意識が減損した状態で一人にすると転倒や事故の危険があり、見守りを続ける必要がある。
  • 3:刃物や熱源、階段など周囲の危険物を取り除くことが、まず行うべき安全確保である。
  • 4:強く押さえると本人や介助者の外傷、興奮の助長を招くため、無理な抑制は避ける。
  • 5:口腔内に物を入れると窒息や口腔・歯の損傷の危険があり、現在は行わない対応である。

午後 問11(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:多発性筋炎の増悪期で近位筋の筋力低下が強く、肘や肩を抗重力位で保てないため食事が途中で中断している。把持自体は可能なので、上肢の重さを支えて水平方向の動きを助ける装具が有効である。

  • 1:BFO(平衡式前腕装具)は前腕を支持台に載せ、わずかな筋力で手を口元まで運べる。近位筋力低下による食事中断の解決に適する。
  • 2:利き手交換は一側の障害に対する方法である。本例は四肢の脱力で非利き手も同様に弱く、交換しても口元まで運べない。
  • 3:スプーンの把持自体は可能で、問題は肩・肘の抗重力保持にある。柄の太さや形状を変えても食事の中断は解決しない。
  • 4:使用を控えれば廃用が進み活動範囲が狭まる。増悪期でも過負荷を避けながら日常生活動作は続けるのが原則である。
  • 5:増悪期の高負荷抵抗運動は筋線維の破壊を助長し、CK上昇や症状悪化を招く。低負荷で疲労を残さない範囲にとどめる。

午後 問12(実地・正答 2・5) 問題を見る →

ポイント:発症8年、手指はMMT0で人工呼吸器を装着しており、発声と上肢操作の双方が使えない。ALSでは眼球運動が末期まで比較的保たれるため、視線を用いる手段が現実的で、介助者が読み取る文字盤と眼球運動スイッチが適する。

  • 1:人工喉頭は喉頭摘出者が頸部や食道の振動を利用して発声する機器で、ALSの構音・呼吸筋麻痺による発話障害には対応できない。
  • 2:透明文字盤は向かい合った介助者が患者の視線を読み取る方法で、機器を操作する力を要さず眼球運動だけで意思を伝えられる。
  • 3:キーボードカバーは誤打鍵を防ぐ補助具で、指をキーまで運べることが前提となる。手指MMT0では打鍵自体ができない。
  • 4:ICレコーダーは発声と手指操作の両方を必要とする。人工呼吸器を装着し発声が困難な本例には適さない。
  • 5:眼球運動センサースイッチは視線や眼球の動きを入力信号とするため、四肢が動かなくても意思伝達装置を操作できる。

午後 問83(共通・正答 1・3) 問題を見る →

ポイント:小脳は筋緊張の調節と運動の測定・協調を担う。障害されると筋緊張低下や、運動が目標を行き過ぎる・届かないジスメトリー(測定障害)が生じる。振戦は運動時に増強する企図振戦が特徴で、静止時振戦や病的反射は小脳以外の病変を示唆する。

  • 1:小脳障害では筋緊張が低下し、膝蓋腱反射が振り子様となるなどの所見がみられる。
  • 2:静止時振戦はParkinson病など大脳基底核障害の特徴であり、小脳障害では企図振戦がみられる。
  • 3:ジスメトリー(測定障害)は目標への距離を誤る現象で、鼻指鼻試験などで確認される小脳症候である。
  • 4:深部感覚障害は脊髄後索や末梢神経の障害で生じる。小脳自体の障害では感覚は保たれる。
  • 5:Babinski徴候などの病的反射は錐体路障害の所見であり、小脳障害では原則みられない。

午後 問86(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:多発性硬化症は中枢神経の脱髄疾患で、若年女性に多い。MRIは脳室周囲などの脱髄斑を描出でき、病変の空間的・時間的多発性の証明に有用で、McDonald診断基準でも中心的な役割を担う。体温上昇で症状が一過性に悪化するUhthoff現象に注意を要する。

  • 1:男性より女性に多く、男女比はおよそ1対2〜3である。20〜30歳代の発症が多い。
  • 2:遺伝的素因と環境因子が関与する多因子疾患であり、単一遺伝子による遺伝性疾患ではない。
  • 3:体温上昇で症状が一過性に悪化するUhthoff現象があるため、温熱療法や高温環境は原則避ける。
  • 4:脱髄が起こるのは脳・脊髄・視神経などの中枢神経である。末梢神経の脱髄疾患はGuillain-Barré症候群などである。
  • 5:MRIで脱髄斑を検出でき、時間的・空間的多発性の証明を通じて診断に有用である。

午後 問88(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:星状神経節ブロックは頸部で行うため、局所麻酔薬が近傍の反回神経に及んで一過性の嗄声をきたすことがある。ほかにHorner徴候、気胸、血腫などが合併症となる。ボツリヌス毒素は神経筋接合部でアセチルコリン放出を阻害し、効果は約3〜4か月持続する。

  • 1:三叉神経痛にはガッセル神経節ブロックなど三叉神経のブロックを行う。硬膜外ブロックは脊髄神経領域の疼痛に用いる。
  • 2:頸部で施行するため反回神経が影響を受け嗄声を生じうる。ほかにHorner徴候や気胸も合併症となる。
  • 3:作用部位は神経筋接合部の運動神経終末で、そこからのアセチルコリン放出を阻害する。筋内の神経線維自体ではない。
  • 4:効果発現は投与後数日で、持続はおよそ3〜4か月である。約3日というのは短すぎる。
  • 5:Lambert-Eaton症候群は神経筋接合部でのアセチルコリン放出障害が病態であり、症状を悪化させるため原則禁忌である。

午後 問93(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:Duchenne型筋ジストロフィーはジストロフィン遺伝子の変異によるX連鎖潜性(劣性)遺伝疾患で、通常2〜5歳頃に男児で発症する。呼吸筋障害と心筋症が進行するが、人工呼吸管理と心不全治療の進歩により、現在の平均寿命は30歳代とされる。

  • 1:X染色体上のジストロフィン遺伝子の変異による遺伝性疾患である。家族歴のない新生突然変異例も約3分の1ある。
  • 2:X連鎖潜性遺伝のため発症するのはほぼ男児であり、女性は通常は保因者にとどまる。
  • 3:発症は幼児期(2〜5歳頃)で、歩行の遅れや動揺性歩行、登はん性起立で気づかれる。
  • 4:原因は遺伝子変異であり、感染が発症の契機となることはない。
  • 5:呼吸管理・心不全管理の進歩で延命し、現在の平均寿命は30歳代とされる。約60歳ではない。

第59回(2024年2月実施)

神経筋疾患として10問が出題されました(実地1問・一般/共通9問、推定配点12点)。全問の正答・解説は 第59回 OT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問92午前共通手根管症候群でみられる症候4
問98午前共通ミオクロニー発作の特徴4
問2午後実地Parkinson病退院後の運動プログラム3
問23午後専門一般Parkinson病で早期に困難な動作1
問24午後専門一般重症筋無力症の病態と検査所見3
問28午後専門一般筋ジストロフィー重度期の生活指導5
問78午後共通Duchenne型筋ジストロフィーの特徴1
問84午後共通抗てんかん薬の副作用の頻度5
問85午後共通Guillain-Barré症候群の診断検査3
問91午後共通ALSの典型的筋電図所見3

午前 問92(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:手根管症候群は手根管内での正中神経絞扼で生じる。母指から環指橈側のしびれ・痛み(夜間や明け方に増悪)が主症状で、進行すると短母指外転筋など母指球筋が萎縮し、母指対立が障害される。

  • 1:下垂手は上腕での橈骨神経麻痺により手関節・手指の背屈ができなくなる症候で、正中神経障害では生じない。
  • 2:背側・掌側骨間筋は尺骨神経支配であり、その萎縮は肘部管症候群やGuyon管症候群でみられる。
  • 3:小指は尺骨神経の支配領域である。手根管症候群のしびれは母指・示指・中指・環指橈側に生じ、小指は侵されない。
  • 4:正しい。母指球筋(短母指外転筋、短母指屈筋浅頭、母指対立筋)の萎縮が進行例でみられる。
  • 5:Guyon管は尺骨神経が通る手関節尺側の管である。手根管症候群では手関節掌側の正中神経上でTinel徴候が陽性となる。

午前 問98(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:ミオクロニー発作は瞬間的で不随意な筋の収縮であり、両側性・左右対称に上肢優位で生じ、意識は保たれることが多い。覚醒直後や光刺激で誘発されやすく、若年ミオクロニーてんかんが代表的である。

  • 1:持続が一瞬であるため意識は保たれることが多い。全身の強直間代発作へ移行した場合に意識消失を伴う。
  • 2:小児期から思春期の発症が多く、若年ミオクロニーてんかんはおおむね12〜18歳で発症する。
  • 3:持続時間は1秒に満たない瞬間的な収縮で、数分間続くことはない。
  • 4:正しい。光過敏性を示すことが多く、点滅光やテレビ・ゲーム画面で誘発される。脳波検査でも光刺激による賦活が用いられる。
  • 5:両側性・左右対称に出現することが多い。片側性に限られるわけではない。

午後 問2(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:Hoehn&YahrステージⅠでADL自立のParkinson病です。すり足や固縮に対しては歩行量の確保、バランス、巧緻動作の維持が目標になります。フレンケル体操は深部感覚障害による運動失調に視覚代償で対処する協調訓練であり、本例には適応がなく「適切でない」に当たります。

  • 1:歩行量を確保でき、すり足や下肢筋力低下の進行予防、心肺機能の維持につながるため適切です。
  • 2:ゆっくりした重心移動を繰り返す運動でバランス能力の改善に有効とされ、Parkinson病に適切です。
  • 3:脊髄癆など深部感覚障害による運動失調に対し視覚で代償させる協調訓練で、固縮・振戦が主体の本例には適応がありません。
  • 4:箸や書字の巧緻性低下に対し、手内筋の伸張は固縮による手指のこわばりを軽減でき適切です。
  • 5:しゃがみ・立ち上がりや体幹運動を伴い、姿勢保持やバランス、ADLの実践的練習となり適切です。

午後 問23(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:Parkinson病では体軸内回旋の減少と筋強剛のため、上肢での代償がなければ寝返りが早期から困難になる。歩行や立ち上がりなど他の動作は進行してから障害されることが多い。

  • 1:○。体軸内回旋の減少と筋強剛により、上肢の代償なしでは早期から寝返りが困難となる。
  • 2:平地歩行は小刻み歩行やすくみが出るものの比較的長く保たれ、早期に困難となる動作ではない。
  • 3:階段昇りは段差が視覚的手がかりとなるため、平地歩行より保たれることも少なくない。
  • 4:端座位保持は姿勢反射障害が進む中期以降に不安定となる動作で、早期には保たれる。
  • 5:椅子からの立ち上がりは中期以降に困難となる動作で、寝返りより遅れて障害される。

午後 問24(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:重症筋無力症は神経筋接合部のアセチルコリン受容体などに対する自己抗体による疾患。抗コリンエステラーゼ薬を用いたテンシロン試験で筋力が一時的に改善するのが特徴である。

  • 1:肺小細胞癌を合併するのはLambert-Eaton筋無力症候群。本症は胸腺腫・胸腺過形成の合併が多い。
  • 2:重症筋無力症の患者数は約3万人とされ、約29万人と推計されるParkinson病より少ない。
  • 3:○。エドロホニウム(テンシロン)静注により、眼瞼下垂などの症状が一時的に改善する。
  • 4:筋線維自体の障害ではなく神経筋接合部の伝達障害であるため、血清クレアチンキナーゼ値は正常である。
  • 5:反復刺激試験では低頻度刺激で複合筋活動電位の振幅が漸減する(waning)。漸増ではない。

午後 問28(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類ステージ7は座位保持が可能な段階で、上肢の筋力低下も高度である。わずかな残存筋力で操作できるスイッチや環境制御装置を用いた活動が中心となる。

  • 1:上肢を頭部まで挙上して保持する筋力が残っておらず、片手での洗髪動作は困難である。
  • 2:上肢近位筋の筋力低下が高度で自走式車椅子の駆動は難しく、電動車椅子が適応となる。
  • 3:ソックスエイドの使用には体幹の前傾と上肢の操作が必要で、この段階では実用的でない。
  • 4:かぶりシャツは上肢の挙上が必要となる。この段階では前開きシャツの方が適している。
  • 5:○。わずかな残存筋力で操作できるスイッチを用いたパソコン操作は、この時期に適した活動である。

午後 問78(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:Duchenne型筋ジストロフィーはX連鎖潜性(劣性)遺伝で、ジストロフィン遺伝子の異常により筋形質膜のジストロフィンが欠損する。3〜5歳ころに動揺性歩行やGowers徴候で気づかれ、進行して心筋障害や呼吸筋障害を伴う。

  • 1:3〜5歳ころに転びやすさや登攀性起立(Gowers徴候)で気づかれることが多く、幼少期発症という記述は正しい。
  • 2:拡張型心筋症などの心筋障害は高頻度に合併し、呼吸不全とともに主要な死因となる。まれではない。
  • 3:進行に伴い股関節・膝関節の屈曲拘縮や足関節の尖足(底屈拘縮)をきたす。伸展拘縮という記述は誤り。
  • 4:X連鎖潜性(劣性)遺伝で、原則として男児に発症し女性は保因者となる。常染色体劣性遺伝ではない。
  • 5:ジストロフィン遺伝子の異常により、筋形質膜のジストロフィン蛋白はほぼ欠損する。みられるという記述は誤り。

午後 問84(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:抗てんかん薬に共通して多いのは、傾眠・めまい・複視・失調といった用量依存性の中枢神経系有害事象と、肝代謝薬にみられる肝機能障害である。末梢神経障害は抗てんかん薬の副作用としては頻度が低く、選択肢のなかで最もまれである。

  • 1:多くの抗てんかん薬に共通する用量依存性の中枢抑制作用によるもので、最も頻度の高い副作用の一つである。
  • 2:カルバマゼピンやフェニトインなどで血中濃度が上がった際にしばしばみられる眼球運動系の有害事象である。
  • 3:ふらつきや失調とともに代表的な中枢神経系副作用で、増量時や多剤併用時に高頻度で生じる。
  • 4:バルプロ酸やカルバマゼピンなどで肝酵素上昇がみられ、定期的な血液検査が行われる程度には頻度がある。
  • 5:長期のフェニトイン投与などで報告はあるがまれであり、選択肢のなかでは最も頻度の低い副作用である。

午後 問85(共通・正答 3) 問題を見る →

ポイント:Guillain-Barré症候群は先行感染後に急性発症する免疫介在性の末梢神経障害である。発症1〜2週後の髄液で、細胞数増加を伴わない蛋白増加(蛋白細胞解離)を認めることが診断上有用で、神経伝導検査と併せて評価される。

  • 1:CTでは末梢神経の脱髄や軸索障害は描出されず、他疾患の除外に用いられるにとどまる。
  • 2:馬尾や神経根の造影増強を認めることはあるが特異度は高くなく、診断の主軸にはならない。
  • 3:発症1〜2週後に細胞数増加を伴わない蛋白増加(蛋白細胞解離)を示し、本症の診断に有用である。
  • 4:脳波は大脳皮質の電気活動をみる検査であり、末梢神経が障害される本症の診断には役立たない。
  • 5:血流感染や敗血症の起因菌検出に用いる検査で、自己免疫機序による本症の診断には結びつかない。

午後 問91(共通・正答 3) 問題を見る →

ポイント:筋萎縮性側索硬化症は上位・下位運動ニューロンが選択的に障害される疾患である。針筋電図では脱神経所見(線維自発電位、陽性鋭波)と線維束攣縮電位、再支配による高振幅・長持続時間の運動単位電位がみられる。感覚神経は原則として保たれる。

  • 1:遠位潜時延長は脱髄性ニューロパチーの所見である。本症は運動ニューロンの変性が主体で、伝導速度や潜時は比較的保たれる。
  • 2:本症では感覚神経は原則として保たれ、感覚神経伝導検査は正常である。伝導ブロックは多巣性運動ニューロパチーなど脱髄性疾患の運動神経伝導検査でみられる所見である。
  • 3:線維束攣縮電位は下位運動ニューロン障害を示す所見で、脱神経電位とともに本症の典型的な針筋電図所見である。
  • 4:漸減現象は重症筋無力症でみられる神経筋接合部(後シナプス)障害の所見であり、本症の典型所見ではない。
  • 5:漸増現象はLambert-Eaton筋無力症候群など前シナプス性障害でみられる所見で、本症では認めない。

第58回(2023年2月実施)

神経筋疾患として10問が出題されました(実地3問・一般/共通7問、推定配点16点)。全問の正答・解説は 第58回 OT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問5午前実地脊髄小脳変性症の頭部MRI所見4
問23午前専門一般脊髄性運動失調で陽性となる徴候5
問38午前専門一般YahrⅢのParkinson病への作業療法4
問77午前共通末梢神経の脱髄をきたす疾患5
問91午前共通糖尿病性神経障害の特徴的所見4
問98午前共通欠神発作の特徴の正誤4
問2午後実地多発性硬化症への作業療法方針5
問4午後実地ギラン・バレー急性期の訓練選択3
問84午後共通痙縮を生じ得る神経疾患4
問91午後共通手根管症候群の典型的所見1

午前 問5(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:脊髄小脳変性症では小脳半球・虫部の萎縮による小脳溝の開大や第四脳室の拡大がみられ、多系統萎縮症では橋・中小脳脚の萎縮を伴う。公式正答から、④はこうした小脳(および脳幹)の萎縮を示す画像と考えられる。

  • 1:①は小脳や脳幹の萎縮を示す画像ではないと考えられ、脊髄小脳変性症の所見としては適さない。
  • 2:②は小脳虫部・半球の萎縮を示す所見に乏しいと考えられ、本症の典型像とはいえない。
  • 3:③は小脳の萎縮を示していないと考えられる。脳室拡大や大脳皮質萎縮は他疾患を示唆する所見である。
  • 4:○。公式正答から、④は小脳の萎縮と小脳溝の開大が明らかな画像と考えられ、脊髄小脳変性症に合致する。
  • 5:⑤は小脳の萎縮所見に乏しいと考えられ、本症の画像診断の根拠にはならない。

午前 問23(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:脊髄性(後索性)運動失調は深部感覚の伝導障害によるもので、視覚による代償が働くため開眼では保てるが閉眼で著明に動揺する。この閉眼時の動揺増強がRomberg徴候陽性である。小脳性失調では開眼でも動揺し、閉眼による増悪は目立たない。

  • 1:Babinski徴候は足底刺激で母趾が背屈する病的反射で、錐体路障害を示し深部感覚性の失調とは異なる。
  • 2:Hoover徴候は下肢麻痺が器質性か非器質性かを鑑別する際にみる徴候で、運動失調の指標ではない。
  • 3:Kernig徴候は髄膜刺激徴候であり、髄膜炎やくも膜下出血で陽性となる。
  • 4:Myerson徴候は眉間叩打反射の消失がみられない状態で、Parkinson病など前頭葉徴候として現れる。
  • 5:Romberg徴候は閉眼で動揺が増強する所見で、後索障害による脊髄性運動失調で陽性となる。

午前 問38(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:Hoehn&YahrのステージIIIは姿勢反射障害が出現し方向転換などで不安定となるが、日常生活は介助なしにおおむね自立している段階である。前傾前屈姿勢や体幹の固縮が進む時期であり、伸展方向の運動やバランス練習が適する。

  • 1:ステージIIIでは歩行が可能であり、この段階での車椅子操作の導入は時期尚早で廃用を招きやすい。
  • 2:把持機能は保たれている段階であり、握りを代償する万能カフの導入は必要性が乏しい。
  • 3:小字症はみられうるが上肢操作は可能な段階で、音声入力への切り替えは優先度が低い。
  • 4:棒体操による頸部・体幹の伸展運動は、前傾姿勢や体幹の固縮に対する可動域維持として適切である。
  • 5:机上での細かいビーズ手芸は姿勢反射障害や体幹の可動性低下の改善にはつながらず、優先度が低い。

午前 問77(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:Guillain-Barré症候群は先行感染後に生じる自己免疫性の急性炎症性脱髄性多発根神経炎で、末梢神経の髄鞘が障害され神経伝導検査で伝導速度低下や伝導ブロックを示す。中枢神経の脱髄疾患である多発性硬化症と対比して覚えるとよい。

  • 1:誤り。多発性硬化症は脳・脊髄・視神経など中枢神経の脱髄疾患であり、末梢神経の脱髄は原則としてみられない。
  • 2:誤り。de Quervain病は短母指伸筋腱・長母指外転筋腱の狭窄性腱鞘炎であり、神経の脱髄とは無関係である。
  • 3:誤り。進行性核上性麻痺はタウ蛋白の蓄積による中枢の神経変性疾患で、末梢神経の脱髄は生じない。
  • 4:誤り。腰部脊柱管狭窄症は馬尾や神経根が機械的に圧迫される疾患であり、免疫性の脱髄が主体ではない。
  • 5:正しい。Guillain-Barré症候群は末梢神経の髄鞘を標的とする自己免疫機序による急性脱髄性多発根神経炎である。

午前 問91(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:糖尿病性神経障害で最も多いのは、高血糖の持続による左右対称性の遠位優位多発神経障害である。長い神経線維から侵されるため、足趾・足底から始まり下肢に広がる靴下型(手袋靴下型)の感覚障害が特徴となる。

  • 1:多発神経障害は数年単位で緩徐に進行するのが典型である。急激に発症するのは血管障害による単神経障害などで、特徴的所見ではない。
  • 2:自律神経過反射はT6より高位の脊髄損傷でみられる病態である。糖尿病では起立性低血圧や無自覚性低血糖などの自律神経障害を生じる。
  • 3:末梢神経の障害であるため、アキレス腱反射をはじめ深部腱反射は低下・消失する。亢進は中枢(上位運動ニューロン)障害の所見である。
  • 4:正しい。長い軸索から障害されるため、足部から左右対称性に始まる靴下型(進行すれば手袋靴下型)の感覚障害が特徴である。
  • 5:筋力低下も遠位優位に出現する。近位筋優位の筋力低下は糖尿病性筋萎縮症など比較的まれな病型で、典型像ではない。

午前 問98(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:欠神発作は小児期に好発する特発性全般てんかんの発作型で、数秒から十数秒の意識消失と動作停止を示し、脳波では3Hz棘徐波複合を認める。過換気で誘発されやすく、診断的検査として過呼吸賦活が用いられる。

  • 1:心因性ではなく、大脳の同期性異常放電による全般てんかん発作である。脳波で3Hz棘徐波複合が確認される。
  • 2:多くは学童期(おおむね4〜10歳、6〜7歳ごろ)に発症する。高齢発症のてんかんでは焦点意識減損発作などが多い。
  • 3:発作は数秒から十数秒で終わり、直後にもとの動作を再開できる。発作後の睡眠やもうろう状態は強直間代発作の特徴である。
  • 4:正しい。3分間程度の過呼吸で誘発されやすく、光刺激でも誘発される。過呼吸賦活は診断に用いられる。
  • 5:短時間の動作停止と一点凝視のみで痙攣を伴わないため、ぼんやりしている・集中力がないと誤解され見過ごされやすい。

午後 問2(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:選択肢は別冊の図版のため、公式PDFをご参照ください。多発性硬化症では易疲労性が強く、過度な運動負荷や体温上昇(Uhthoff現象)が症状を悪化させるため、エネルギー節約と休息を組み込んだ活動が原則となる。本例は視覚障害も進行しており、視覚に頼りすぎない方法や環境調整も要点である。公式正答は5で、これらに合う場面と考えられる。

  • 選択肢が図版のため、全問ページと公式PDFでご確認ください。

午後 問4(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:Guillain-Barré症候群は発症からおよそ2〜4週まで症状が進行し、その後回復に向かう。入院5日目は進行期にあたり、球麻痺や呼吸筋麻痺への備えと廃用・変形の予防が中心となる。負荷の高い運動は過用性筋力低下を招くため避ける。

  • 1:水でむせており誤嚥の危険がある。安全な姿勢や食形態の調整を含む嚥下訓練は進行期でも必要であり、行う。
  • 2:呼吸筋麻痺が起こりうる時期であり、換気の維持や排痰、呼吸状態の観察を目的とした呼吸訓練は必須である。
  • 3:脱髄が進行している時期に抵抗運動を行うと過用性筋力低下を招く恐れがあり、入院5日目の進行期には原則として行わない。
  • 4:筋力低下による関節拘縮を防ぐため、愛護的な自動介助運動や他動的関節可動域訓練は進行期から行う。
  • 5:座位保持が困難になっており、褥瘡や変形の予防、呼吸を助ける姿勢設定としてポジショニングは行う。

午後 問84(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:痙縮は錐体路(上位運動ニューロン)障害で生じる速度依存性の筋緊張亢進である。多発性硬化症は中枢神経の脱髄疾患で錐体路が障害されうるため痙縮が出現する。他の4疾患は筋自体または末梢神経の障害であり、上位運動ニューロン徴候としての痙縮は生じない。

  • 1:筋強直性ジストロフィーは筋原性疾患で、みられるのは把握後の弛緩が遅れるミオトニアであり痙縮ではない。
  • 2:Guillain-Barré症候群は末梢神経の脱髄で、弛緩性麻痺と腱反射消失を示し痙縮は生じない。
  • 3:多発性筋炎は骨格筋の炎症性疾患で近位筋の筋力低下をきたすが、筋緊張の亢進は生じない。
  • 4:多発性硬化症は中枢神経の脱髄疾患で、錐体路病巣により痙縮・腱反射亢進・Babinski徴候がみられる。
  • 5:腕神経叢麻痺は末梢の神経叢損傷で、支配領域の弛緩性麻痺と感覚障害を生じ痙縮は伴わない。

午後 問91(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:手根管症候群は手根管内で正中神経が絞扼される疾患で、母指球筋(短母指外転筋など)の萎縮により母指の対立が困難となる猿手を呈する。感覚障害は母指から環指橈側にみられる。

  • 1:母指球筋の萎縮で手掌が平坦化し母指の対立が困難となる猿手は、手根管症候群の典型的所見である。
  • 2:骨間筋は尺骨神経支配であり、その萎縮(鷲手)は肘部管症候群など尺骨神経麻痺でみられる。
  • 3:前腕回内時に増強する疼痛は円回内筋症候群を示唆する所見で、手根管症候群の典型ではない。
  • 4:Froment徴候は母指内転筋(尺骨神経支配)の麻痺を示す所見で、尺骨神経麻痺の検査である。
  • 5:環指尺側から小指の感覚障害は尺骨神経領域。手根管症候群では母指〜環指橈側に感覚障害が出る。

この解説について

本コンテンツは教育目的で無償公開しています。正答番号は厚生労働省が公表する事実データ、解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。

出典:「第58回〜第61回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。


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出典:「第58回〜第61回 理学療法士国家試験、作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(第61回の公表ページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-09-10

監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)。PT・OT共通問題(問51〜100)の解説を監修しています。作業療法士専門分野の解説は当社が独自に作成したもので、作業療法士による監修は受けていません。

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