OT基礎・評価|作業療法士(OT)国家試験 過去問まとめ

作業療法士国家試験のOT基礎・評価分野を、複数年分まとめて対策できるページです。作業療法の基礎概念・評価法・ADL・作業分析など、OTの土台となる分野です。評価尺度や作業療法理論は毎年出題されます。

問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答番号(厚生労働省が公表する事実データ)と、Network-Primer独自の解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は各年の全問ページからリンクする厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

収録状況

年度実施OT基礎・評価 出題数収録
第61回2026年2月31問✅ 解説あり
第60回2025年2月28問✅ 解説あり
第59回2024年2月28問✅ 解説あり
第58回2023年2月35問✅ 解説あり
第57回2022年2月順次追加

頻出テーマ(複数年で押さえたい論点)

  • 評価尺度:MMSE・FIM・各種標準化評価の目的
  • ADL・IADL:自立度評価、環境調整
  • 作業療法理論:作業の意味、クライエント中心
  • 作業分析:活動の段階づけ・応用
  • 面接・観察:評価の進め方

第61回(2026年2月実施)

OT基礎・評価として31問が出題されました(実地14問・一般/共通17問、推定配点59点)。全問の正答・解説は 第61回 OT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問1午前実地MMTの段階5・4の抵抗方向2
問5午前実地Brunnstrom法ステージの判定5
問6午前実地片麻痺者の復職支援での対応2
問9午前実地Barthel Indexで10点の項目1
問10午前実地初回面接後に行う評価の選択2
問13午前実地被殻出血例への作業療法の方針2
問15午前実地適応障害の導入時に聴取する情報3
問18午前実地摂食障害の導入時プログラム選択5
問22午前専門一般作業療法の歴史上の人物と業績3
問24午前専門一般革細工で使用する道具の選択3・5
問28午前専門一般関節可動域測定法の基準と肢位4
問29午前専門一般作業療法の目標設定の考え方3
問30午前専門一般FIMの移乗項目の採点規則3
問31午前専門一般MTDLPの特徴と適用範囲5
問40午前専門一般心理検査と評価内容の組合せ5
問50午前専門一般開かれた質問に該当する問いかけ2/4(複数正答)
問80午前共通質問紙法に該当する評価尺度1
問86午前共通MRIと比較したCTの特性2
問98午前共通人格検査に該当する検査法1/3(複数正答)
問1午後実地関節可動域測定法の正しい実施法2・4
問4午後実地遂行機能障害の初期評価法の選択3
問5午後実地脳性麻痺児のADL評価法の選択3
問8午後実地片麻痺者への復職支援の進め方3
問10午後実地Parkinson病の住環境整備の優先4
問12午後実地SOAP記録の各項目の記載内容3
問24午後専門一般疼痛評価尺度と説明の組合せ2・3
問25午後専門一般IADLを評価する尺度の選択1・5
問26午後専門一般知能指数が算出できる検査5
問28午後専門一般作業療法プログラム立案の原則5
問49午後専門一般心理社会職業機能を測る尺度選択1
問81午後共通HDS-Rに含まれる質問項目4・5

午前 問1(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:MMTの段階5・4は、検査肢位で最終域近くに保持させ、運動方向と反対に抵抗を加えて判定する。選択肢2の図が、正しい検査肢位・抵抗方向(矢印)を示している。

  • 1:抵抗を加える方向、または検査肢位が段階5・4の基準と異なる。
  • 2:正しい検査肢位で、運動方向と反対(適切な方向)に抵抗を加えている。
  • 3:抵抗方向が運動方向と一致しておらず誤り。
  • 4:検査肢位または固定・抵抗の位置が不適切。
  • 5:抵抗を加える部位・方向が基準と異なる。

午前 問5(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:上肢:肘伸展位で頭上まで屈曲・外転100度可能=分離運動が進んだステージⅤ。手指:対向つまみ+集団伸展可能=ステージⅤ。よって上肢Ⅴ手指Ⅴ。

  • 1:ステージⅢは共同運動出現段階で、頭上挙上は不可。
  • 2:手指Ⅳは横つまみ程度。集団伸展可能はⅤ。
  • 3:上肢Ⅳは分離運動が一部出現する程度で頭上挙上は困難。
  • 4:手指の集団伸展可能はⅤであり、手指Ⅳは不適。
  • 5:肘伸展位での頭上挙上(分離運動)=上肢Ⅴ、対向つまみ+集団伸展=手指Ⅴ。

午前 問6(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:BRSがほぼ良好(上肢Ⅵ・下肢Ⅵ)で認知・言語・移動に問題なく、経理事務(PC作業)に復帰予定。復職支援としてまず通勤手段の確認など実際的な環境調整を行う。

  • 1:機能が良好で配置転換を求める必要はない。
  • 2:通勤手段の確認は復職に向けた実際的・環境的支援として適切。
  • 3:ADLは自立しており集中的ADL訓練は不要。
  • 4:診断書だけで復職できると断定するのは不適切(職場との調整が必要)。
  • 5:手指Ⅴで事務作業は可能。運動機能改善を待つ必要はない。

午前 問9(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:Barthel Indexで10点となる項目は食事(自立/一部介助で10点or5点)。本症例は自助具を用いて自力摂取=食事10点。移乗自立は15点、整容は5点、入浴は5点、移動(歩行不能・車椅子自力)は5点。

  • 1:食事は自助具使用でも自力摂取できれば10点。
  • 2:整容は自立で5点(10点満点ではない)。
  • 3:入浴は自立で5点。
  • 4:移動は車椅子自力操作で5点。
  • 5:移乗は自立で15点。

午前 問10(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:「退屈・早く帰りたい」としか答えない場面で、次に行うべきは生活行為への関心把握(興味関心チェックシート等)。本人の意欲や大切にしたい作業を引き出すことが目標設定につながる。

  • 1:痛みの訴えはなく、痛み確認は優先度が低い。
  • 2:生活行為への関心を把握し、本人の意欲・目標を引き出すのが適切。
  • 3:他職種同席の面接は現段階で必須ではない。
  • 4:BRS手指Ⅴで会話も成立しており言語機能の問題は考えにくい。
  • 5:アンケートより面接で関心を掘り下げるのが適切。

午前 問13(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:右利きで右上肢が重度麻痺(BRS上肢Ⅲ・手指Ⅱ)。右手の実用的回復が困難なため、左手(非麻痺側)への利き手交換訓練を行い、更衣・食事等のADL自立を図るのが現実的で適切。

  • 1:集団活動の導入は現段階の最優先ではない。
  • 2:右利きで右手が重度麻痺のため、左手への利き手交換訓練でADL自立を図る。
  • 3:上肢機能回復のみを優先せず、実用的なADL獲得(利き手交換)を進める。
  • 4:食事はFIM6(自立に近い)で積極訓練の優先度は低い。
  • 5:園芸への関心は尊重すべきで、退院後課題と切り捨てるのは不適切。

午前 問15(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:適応障害の原因が職場の管理方法変更(人的環境)にあるため、導入時にまず職場の人的環境を聴取し、ストレス源を把握する。

  • 1:親との関係は本症例の主要ストレス源ではない。
  • 2:休職中の収入は重要だが最優先の聴取事項ではない。
  • 3:ストレス源である職場の人的環境をまず聴取する。
  • 4:寝室レイアウトは睡眠衛生の一要素だが最優先ではない。
  • 5:学生時代の就労経験は現在のストレス対応に直結しない。

午前 問18(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:神経性やせ症(るいそう進行後の回復期)で、身体状態改善後の導入時は、負荷が少なく達成感を得やすい軽作業(アイロンビーズでコースター作成)が適切。

  • 1:院外ウォーキングは消費エネルギーが大きく、やせ症の回復期には不適。
  • 2:集団作業療法は対人負荷が大きく導入時には不適。
  • 3:完成作品の改善点を話し合うのは自己批判的思考を強める恐れ。
  • 4:食品の知識学習は摂食へのこだわりを強めるリスク。
  • 5:短時間で完成し達成感を得やすい軽作業(アイロンビーズ)が導入に適切。

午前 問22(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:再建療法(reconstruction therapy)を提唱したのはGeorge Barton等であり、Adolf Meyerは作業療法の哲学的基盤(心理生物学・作業の治療的意義)を築いた人物。「Meyerが再建療法を確立」は誤り。

  • 1:(正しい):Jean Ayresは感覚統合療法を考案した。
  • 2:(正しい):Philippe Pinelは道徳療法(人道的処遇)を始めた。
  • 3:(誤り):Adolf Meyerは作業療法の哲学的基盤を築いたが、再建療法の確立者ではない。
  • 4:(正しい):高木憲次は肢体不自由児の療育を確立した。
  • 5:(正しい):呉秀三は精神科医療の改善(開放化・処遇改善)に尽力した。

午前 問24(専門一般・正答 3・5) 問題を見る →

ポイント:革細工で使用する道具はモデラ(革に模様を付ける)とスーベルカッター(革を彫る)。

  • 1:切弓は陶芸の道具で、弓状の柄に張ったワイヤーで粘土を切断したり作品の高さを揃えたりするのに用いる(たたら板と同じく陶芸用具)。
  • 2:整経台は織物(機織り)の道具。
  • 3:モデラは革細工でスタンピング・模様付けに用いる。
  • 4:たたら板は陶芸(粘土を板状にする)の道具。
  • 5:スーベルカッターは革細工で線彫り(カービング)に用いる。

午前 問28(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:足関節背屈の測定では、腓腹筋(二関節筋)の影響を除くため膝関節を屈曲位にして行う。膝伸展位では腓腹筋の緊張で背屈が制限される。

  • 1:角度は原則5度刻みで記載する(1度刻みではない)。
  • 2:股関節伸展は腹臥位で行う(仰臥位ではない)。
  • 3:ROM測定は原則他動運動で行う(自動運動ではない)。
  • 4:足関節(背屈)は腓腹筋の影響を除くため膝関節屈曲位で測定する。
  • 5:手指PIP関節の基本軸は近位指節骨(基節骨)である(中節骨は移動軸)。

午前 問29(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:作業療法の目標設定は患者の価値観・希望を反映させ、クライアント中心で行う。

  • 1:目標は具体的(測定可能)に設定する(抽象的は不適)。
  • 2:状態変化に応じて目標は適宜見直す。
  • 3:患者の価値観・希望を反映させる(クライアント中心)。
  • 4:標準的病期対応に画一的に合わせるのではなく個別性を重視。
  • 5:復職は機能改善を待たず、環境調整も含め段階的に設定できる。

午前 問30(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:FIMの移乗(ベッド・椅子・車椅子)は、ベッドからの起き上がりを含めた一連の移乗動作を評価する項目である。

  • 1:FIMの移乗は3項目(ベッド・椅子・車椅子/トイレ/浴槽・シャワー)からなる。
  • 2:手すり等の使用は修正自立(6点)となる(5点は監視・準備)。
  • 3:ベッド・椅子・車椅子間の移乗にはベッド上の起き上がり動作を含む。
  • 4:往復で点数が異なる際は低い方で採点する。
  • 5:浴槽移乗の評価範囲は限定的で、この選択肢は誤り。

午前 問31(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:MTDLP(生活行為向上マネジメント)の社会適応プログラムは、環境因子(人的・物的環境、社会資源)へのアプローチで構成される。

  • 1:MTDLPは機能訓練ではなく生活行為の向上が目的。
  • 2:活動性が低い人も対象に含む。
  • 3:導入前に認知機能検査が必須ではない。
  • 4:訪問リハビリテーションでも活用できる。
  • 5:社会適応プログラムは環境因子へのアプローチで構成する。

午前 問40(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:内田・クレペリン精神検査は連続加算作業を通じて性格・行動面の特徴(作業曲線)を評価する。

  • 1:P-Fスタディは欲求不満場面での反応(性格)を評価し、認知機能ではない。
  • 2:Rorschachテストは人格・思考を評価し、自己効力感ではない。
  • 3:TATは欲求・葛藤を投影法で評価し、介護負担度ではない。
  • 4:WCSTは前頭葉機能(概念転換)を評価し、自我状態ではない。
  • 5:内田・クレペリン検査は作業曲線から性格・行動特徴を評価する。

午前 問50(専門一般・正答 2/4(複数正答)) 問題を見る →

ポイント:本問は、厚生労働省の正答値表で選択肢2・4のいずれもが正答として認められた問題(複数正答)です。採点除外(その問題が採点対象から外れ、満点が減る扱い)ではありません。選択肢2・4のいずれかを選んだ場合が正解、それ以外を選んだ場合は不正解として採点されます。

  • 1:「痛みますか」 ── はい/いいえで答える閉じた質問。
  • 2:「今日はいかがですか」 ── 自由な回答を促す開かれた質問。
  • 3:「お住まいはどこですか」 ── 特定の情報を問う限定的な質問。
  • 4:「痛みについて詳しく説明してください」 ── 自由な説明を促す開かれた質問。
  • 5:「前ですか。後ろですか。全体ですか」 ── 選択を求める閉じた質問。

午前 問80(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:質問紙法(自記式)はBDI-Ⅱ(Beck抑うつ質問票)。他は面接者評価尺度(BPRS・HAM-D・PANSS)または検査者施行(HDS-R)。

  • 1:BDI-Ⅱは自記式質問紙法のうつ病評価尺度。
  • 2:BPRS(簡易精神症状評価尺度)は面接者による他覚的評価。
  • 3:HAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)は面接者評価。
  • 4:HDS-R(長谷川式)は検査者が施行する認知症スクリーニング。
  • 5:PANSS(陽性陰性症状評価尺度)は面接者評価。

午前 問86(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:頭部CTはMRIに比べ短時間で撮影できる(数秒〜数十秒)。急性期の出血診断に優れ、被曝はある。

  • 1:CTはX線を用いるため被曝する。
  • 2:CTは短時間で撮影でき、救急で有用。
  • 3:脳幹部の病巣描出はMRIが優れる(CTは骨アーチファクトが出やすい)。
  • 4:CTは急性期の脳出血診断に極めて有効(高吸収域)。
  • 5:超急性期脳梗塞の診断はMRI(拡散強調画像)が有用でCTは不得手。

午前 問98(共通・正答 1/3(複数正答)) 問題を見る →

ポイント:本問は、厚生労働省の正答値表で選択肢1・3のいずれもが正答として認められた問題(複数正答)です。採点除外(その問題が採点対象から外れ、満点が減る扱い)ではありません。選択肢1・3のいずれかを選んだ場合が正解、それ以外を選んだ場合は不正解として採点されます。

  • 1:CMI ── コーネル・メディカル・インデックス。心身の自覚症状を問う質問紙で、神経症傾向の評価にも用いる。
  • 2:MMSE ── 認知機能のスクリーニング検査。
  • 3:STAI ── 状態・特性不安検査。不安の評価。
  • 4:WAIS ── 成人知能検査。
  • 5:WMS-R ── ウェクスラー記憶検査。

午後 問1(実地・正答 2・4) 問題を見る →

ポイント:日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準(1995年)に照らし、基本軸・移動軸・測定肢位が正しく設定されている図が正答となる。選択肢2と4が基準どおりの正しい測定法を示している。

  • 1:基本軸または移動軸の設定、あるいは測定肢位が基準と異なる。
  • 2:基本軸・移動軸・肢位が基準どおりに設定された正しい測定法。
  • 3:代償運動を許す肢位、または軸の取り方が誤っている。
  • 4:基準に従った正しい測定法(軸・肢位が適切)。
  • 5:基本軸/移動軸の設定が基準と異なる。

午後 問4(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:会話が急に変わる・段取りよく片付けられない=遂行機能障害。これを評価する初期検査はBADS(遂行機能障害症候群の行動評価)。

  • 1:BITは半側空間無視の検査。
  • 2:CASは小児の認知評価尺度。
  • 3:BADSは遂行機能障害を評価する。本症例に適切。
  • 4:SLTAは失語症検査。
  • 5:HDS-Rは認知症スクリーニングで遂行機能の詳細評価には不十分。

午後 問5(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:脳性麻痺児のADL(身辺動作)評価にはPEDI(子どものための機能的自立度評価法)が適切。

  • 1:MASは痙縮の評価(Modified Ashworth Scale)。
  • 2:MACSは手指操作能力分類でADL全般の評価ではない。
  • 3:PEDIは小児のADL・機能的自立を包括的に評価する。
  • 4:GMFCSは粗大運動能力の重症度分類でADL評価ではない。
  • 5:SCSITは感覚統合検査。

午後 問8(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:BRS良好(上肢Ⅴ・手指Ⅴ)・認知良好で、内装業からの転職を含む復職支援。職場環境での職業評価(実際の作業能力・環境適合の評価)を行うのが適切。

  • 1:運動機能は良好で機能改善のみを目指す段階ではない。
  • 2:就労後の定着支援も重要で、雇用されたら終了は不適。
  • 3:職場環境での職業評価を行い、適職・必要な配慮を検討する。
  • 4:認知・運動とも良好で通勤に家族付き添いは不要。
  • 5:課題がなくなるまで無期限に続けるのは非現実的。

午後 問10(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:すくみ足・姿勢反射障害があり後方転倒歴のあるParkinson病患者では、転倒予防が最優先である。選択肢4の図が示す整備(手すりの設置など、立ち座り・移動時の支持と転倒予防に直結する整備)が最優先となる。

  • 1:転倒予防への寄与が小さく、最優先とはいえない整備。
  • 2:本症例の最大リスクである転倒予防に直結しない整備。
  • 3:優先度はあるが、後方転倒歴のある本症例では手すり等の転倒対策が先。
  • 4:立ち座り・移動時の支持と転倒予防に直結し、最優先すべき住環境整備。
  • 5:あれば有用だが、転倒予防の緊急性に比べ優先度は低い。

午後 問12(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:SOAP記録で、A(Assessment)には評価・目標設定が入る。「短期目標設定は〜」はA(アセスメント/計画的判断)として正しい組合せ。

  • 1:血圧の測定値は客観的情報でO(Objective)に記載する(Sではない)。
  • 2:訓練の実施予定はP(Plan)に記載する(Oではない)。
  • 3:短期目標の設定はA(Assessment)として妥当。
  • 4:BRSの評価結果は客観的情報でO(Objective)に記載する(Pではない)。
  • 5:患者の発言はS(Subjective)に記載する(Pではない)。

午後 問24(専門一般・正答 2・3) 問題を見る →

ポイント:Face Scaleは顔の表情の絵で痛み・気分を評価、NRSは0-10の数値で評価する。組合せが正しい。

  • 1:Abbey pain scaleは認知症患者の疼痛の観察式評価で、緩和ケアの包括的評価ではない。
  • 2:Face Scaleは顔の表情の絵による評価。
  • 3:NRSは数値的評価スケール(0-10)。
  • 4:STAS-Jは緩和ケアの評価尺度で、視覚的評価ではない。
  • 5:VASは視覚的アナログ評価で、認知症の観察式評価ではない。

午後 問25(専門一般・正答 1・5) 問題を見る →

ポイント:IADL(手段的ADL)の評価法はFAI(Frenchay Activities Index)と老研式活動能力指標。

  • 1:FAIはIADL(買い物・家事・外出等)を評価する。
  • 2:PULSESは基本的ADL・全身状態の評価。
  • 3:WeeFIMは小児のADL評価。
  • 4:Katz IndexはBADL(基本的ADL)の評価。
  • 5:老研式活動能力指標はIADL・社会的役割を評価する。

午後 問26(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:Kohs立方体組み合わせテストは知能検査で、IQ(知能指数)を算出できる。

  • 1:MMSEは認知症スクリーニングでIQは算出しない。
  • 2:RBMTは日常記憶の検査。
  • 3:SLTAは失語症検査。
  • 4:Rey複雑図形検査は視覚記憶・構成能力の検査。
  • 5:Kohs立方体組み合わせテストは知能指数(IQ)を算出できる知能検査。

午後 問28(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:作業療法プログラムは、対象者が成功体験を得られやすいように難易度を調整して設定するのが適切(自己効力感を高める)。

  • 1:訓練内容を毎回変更すると学習・般化が進まない。
  • 2:環境調整は入院中から計画的に進める(退院後では遅い)。
  • 3:IADL向上には機能訓練偏重でなく実際の生活行為訓練を組み合わせる。
  • 4:個人の経験のみでなくエビデンス・評価に基づき決定する。
  • 5:成功体験を得られやすいように課題の難易度を設定する。

午後 問49(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:GAF(機能の全体的評定尺度)は、精神症状と心理的・社会的・職業的機能を総合的に評価する尺度で、訪問支援での状態把握に適する。

  • 1:GAFは心理的・社会的・職業的機能を総合的に評価する。
  • 2:OSA(作業に関する自己評価)は本人の作業遂行の自己評価。
  • 3:Rehabは精神科リハの行動評価(逸脱行動・全般的行動)。
  • 4:作業質問紙は生活の時間配分・作業バランスの評価。
  • 5:一般性自己効力感尺度は自己効力感のみを評価。

午後 問81(共通・正答 4・5) 問題を見る →

ポイント:HDS-R(改訂長谷川式)には数字の逆唱(逆から言う)と、野菜の名前をできるだけ多く言う(語列挙)が含まれる。

  • 1:文章を書くのはMMSE(HDS-Rにはない)。
  • 2:手の形の模倣はHDS-Rにない。
  • 3:図版呼称はHDS-Rにない。
  • 4:数字の逆唱はHDS-Rの項目。
  • 5:野菜の名前の語列挙はHDS-Rの項目。

第60回(2025年2月実施)

OT基礎・評価として28問が出題されました(実地12問・一般/共通16問、推定配点52点)。全問の正答・解説は 第60回 OT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問1午前実地ROM測定の基本軸と移動軸1・5
問7午前実地移乗動作のFIM採点4
問8午前実地片麻痺の移乗動作指導1
問11午前実地遂行機能障害の検査選択1
問18午前実地認知症の症状評価尺度1
問20午前実地ストレングスモデルの同定4
問28午前専門一般MMT段階2の検査肢位1・4
問29午前専門一般発達検査と下位項目の対応4
問32午前専門一般金銭管理を含む評価法3・5
問35午前専門一般AIS評価の実施内容2・4
問39午前専門一般精神科集団作業療法の運営5
問40午前専門一般インテーク面接の聴取内容3
問42午前専門一般小児の知能検査の選択5
問81午前共通投影法にあたる人格検査2
問87午前共通股関節屈曲拘縮の徒手検査5
問1午後実地MMTの抵抗を加える位置を判定3・4
問7午後実地車椅子使用者の住宅改修寸法3
問10午後実地認知症検査結果から重症度判定2
問13午後実地SOAP記録の記入箇所の適否5
問15午後実地認知機能検査が評価する領域2
問17午後実地うつ病評価の非自記式尺度選択2
問24午後専門一般高次脳機能障害の検査法の同定3
問26午後専門一般作業活動と改善される機能1
問27午後専門一般MTDLPの面接後に用いる書式2/5(複数正答)
問40午後専門一般精神科評価尺度の項目内容3
問43午後専門一般精神科デイケアの小集団療法1
問80午後共通数字順唱で評価する記憶の種類4
問82午後共通深部感覚障害で陽性の徴候4

午前 問1(実地・正答 1・5) 問題を見る →

ポイント:選択肢は別冊の図版のため、公式PDFをご参照ください。各図の基本軸(近位の固定側)と移動軸(遠位の動く側)が関節可動域表示ならびに測定法の規定と一致するかを問う問題で、公式正答は1と5です。同測定法は2022年4月に改訂されており、現行版での確認をすすめます。

  • 選択肢が図版のため、全問ページと公式PDFでご確認ください。

午前 問7(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:FIMの移乗(ベッド・椅子・車椅子)は一連の動作をまとめて評価し、実際に行っている状況のうち最も介助を要する場面で採点する。本例はベッドから車椅子へ触れる程度の最小介助を要しており、これが判定の基準となる。

  • 1:7点は補助具も介助も不要で、安全性・所要時間にも問題なく完全に自立している場合。介助を要する本例は該当しない。
  • 2:6点は補助具の使用や時間がかかるなどの修正自立で、人の手助けは不要な場合。本例は介助を受けており当てはまらない。
  • 3:5点は監視・準備・指示のみで身体接触を伴わない場合。本例は触れる介助を受けているため5点にはならない。
  • 4:触れる程度の介助は患者自身が75%以上を遂行している最小介助にあたり、FIMでは4点と採点する。
  • 5:3点は中等度介助で、患者の遂行が50〜74%の場合。本例は触れる程度の介助であり該当しない。

午前 問8(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:立ち上がりでは足底に荷重を移せる姿勢づくりが要点となる。浅く腰掛け、足部は膝より後方に引き、支持性のある非麻痺側を軸に回転する。車椅子はベッドに対して斜め(およそ20〜30度)に置き、起点となるベッドをやや高くすると起立が容易になる。

  • 1:浅く腰掛けると足底に体重を移しやすく、体幹を前傾させて殿部を持ち上げやすいため、立ち上がりの指導として適切。
  • 2:回転の軸にするのは支持性のある非麻痺側下肢である。麻痺側を軸にすると膝折れを起こし転倒の危険が高い。
  • 3:平行に置くと回転角度が大きくなり移乗の負担が増す。斜め(およそ20〜30度)に設置して回転量を減らすとよい。
  • 4:足部を膝より前方に出すと重心を足底へ移せず立ち上がれない。足部は膝より後方に引かせる必要がある。
  • 5:起立の負担を減らすには起点となるベッドをやや高くする。車椅子より低くすると立ち上がりがかえって困難になる。

午前 問11(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:運動麻痺はなく、指示されたことは意欲的に集中して遂行できる一方、自分で段取りを考えて行動できない。目標設定・計画立案・実行・修正といった遂行機能の障害が疑われ、日常に近い課題で遂行機能を捉える検査が優先される。

  • 1:BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)は計画立案や状況変化への対応を日常に近い課題で評価し、段取り困難の把握に最も適する。
  • 2:BITは半側空間無視を評価する検査。本例に無視をうかがわせる所見はなく、優先して行う必要はない。
  • 3:CAS(標準意欲評価法)は意欲・自発性の低下を評価する。本例は意欲的に集中して取り組めており該当しない。
  • 4:CAT(標準注意検査法)は注意機能の検査。与えられた仕事に集中できていることから注意障害は主たる問題ではない。
  • 5:RBMTは日常記憶を評価する検査。指示された内容は実行できており、記憶障害を第一に疑う所見はない。

午前 問18(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:Alzheimer型認知症では記憶障害や地誌的失見当に加え、不安・抑うつ・興奮・易怒性などの行動・心理症状(BPSD)が生活上の問題となる。これらを介護者からの聴取で多面的に評価できる尺度が最も適している。

  • 1:NPIは妄想・幻覚・興奮・抑うつ・意欲低下など認知症の行動・心理症状を介護者からの聴取で評価する尺度で、本例に最も適切。
  • 2:PANSSは統合失調症の陽性症状・陰性症状と総合精神病理を評価する尺度であり、認知症の症状評価には用いない。
  • 3:RASは精神障害のある人の主観的なリカバリーの程度を評価する尺度であり、認知症の症状そのものの評価には適さない。
  • 4:SANSは統合失調症の陰性症状を評価する尺度であり、Alzheimer型認知症の症状把握を目的としたものではない。
  • 5:SMSFは気分と疲労感を本人が自己記入するチェックリストで、主に統合失調症の主観的体験の把握に用いられる。

午前 問20(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:本人の関心・才能・性格・環境という強みを、日常生活状況や経済、就労・教育、支持関係、健康、余暇などの生活領域ごとに本人と一緒に確認し、本人の言葉で望む目標を記載する方法である。これは強みに着目したアセスメントの枠組みにあたる。

  • 1:CMOP(カナダ作業遂行モデル)は人・環境・作業と精神性の関係を示すモデルで、評価にはCOPMを用いる。領域別の強み確認とは異なる。
  • 2:IPSモデルは重度精神障害のある人の一般就労を支える援助付き雇用の方法で就労に特化し、生活全般の領域を扱う枠組みではない。
  • 3:人間作業モデルは意志・習慣化・遂行能力と環境から作業行動を捉える理論で、MOHOSTなどを用いる。強みの領域別確認が主眼ではない。
  • 4:ストレングスモデルは関心・才能・性格・環境の強みを生活領域ごとに本人の言葉で確認し目標を立てる方法で、本例のアセスメントに合致する。
  • 5:エンパワメントアプローチは力を取り戻す過程を支える広い理念であり、7領域という構造化されたアセスメント様式を規定するものではない。

午前 問28(専門一般・正答 1・4) 問題を見る →

ポイント:Danielsらの徒手筋力テストの段階2は、重力の影響を除いた肢位で全可動域を動かせる状態をいう。肩甲骨挙上は腹臥位、股外転は背臥位が段階2の検査肢位であり、この2つの組合せが正しい。

  • 1:肩甲骨挙上は段階3以上を座位、段階2以下を腹臥位で重力を除いて検査する。組合せは正しい。
  • 2:肩屈曲の段階2は側臥位で重力を除いて検査する。座位は重力に抗する段階3以上の肢位である。
  • 3:肘伸展の段階2は座位で肩関節90度外転位に上肢を支え、水平面で行う。側臥位ではない。
  • 4:股外転は段階3以上を側臥位、段階2を背臥位で重力を除いて検査する。組合せは正しい。
  • 5:膝伸展の段階2は側臥位で重力を除いて検査する。腹臥位ではなく、段階3以上は座位で行う。

午前 問29(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:S-M社会生活能力検査は、身辺自立・移動・作業・コミュニケーション・集団参加・自己統制の6領域から社会生活能力を評価する検査である。自己統制はその下位領域であり、組合せとして正しい。

  • 1:WPPSIは幼児用のWechsler式知能検査で、言語理解や知覚推理などの指標からなる。集団参加はS-M社会生活能力検査の領域である。
  • 2:新版K式発達検査は姿勢・運動、認知・適応、言語・社会の3領域からなる。処理速度はWechsler式知能検査の指標である。
  • 3:田中・ビネー知能検査は精神年齢とIQを求める検査である。ワーキングメモリーはWISC-IVなどWechsler式検査の指標である。
  • 4:S-M社会生活能力検査の6領域の一つが自己統制であり、組合せとして正しい。
  • 5:日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査は基礎能力・協応性・言語・非言語・複合能力で構成され、社会性という領域はない。

午前 問32(専門一般・正答 3・5) 問題を見る →

ポイント:老研式活動能力指標は手段的自立に「請求書の支払い」「預貯金の出し入れ」を含み、介護予防事業の基本チェックリストにも「預貯金の出し入れをしていますか」の項目がある。いずれも金銭管理を評価している。

  • 1:FAIは食事の用意・買い物・外出・勤労など15項目の応用的活動を評価する尺度で、金銭管理の項目はない。
  • 2:SF-36は身体機能や日常役割機能など8つの下位尺度で健康関連QOLを測る尺度で、金銭管理の項目はない。
  • 3:老研式活動能力指標は手段的自立の下位項目に「請求書の支払い」「預貯金の出し入れ」を含み、金銭管理を評価する。
  • 4:興味・関心チェックリストは生活行為への興味や実施状況を尋ねるもので、金銭管理能力を評価する検査ではない。
  • 5:基本チェックリストには「預貯金の出し入れをしていますか」という金銭管理に関する項目が含まれている。

午前 問35(専門一般・正答 2・4) 問題を見る →

ポイント:ASIA/ISNCSCIでは、上肢C5〜T1と下肢L2〜S1の各キーマッスルを0〜5の6段階で評価し、感覚はC2〜S4-5の各皮膚分節のキーポイントで軽い触覚と痛覚を評価する。握力や関節可動域は評価項目に含まれない。

  • 1:握力は評価項目に含まれない。運動機能は定められたキーマッスルの徒手筋力テストで評価する。
  • 2:感覚は各皮膚分節のキーポイントで軽い触覚と痛覚(ピンプリック)を0〜2の3段階で評価する。
  • 3:関節可動域は評価項目に含まれない。麻痺の程度は運動・感覚スコアとAIS(A〜E)で判定する。
  • 4:運動はキーマッスルの筋力を0〜5の6段階(徒手筋力テストに準拠)で評価する。
  • 5:運動のキーマッスルはC5の肘屈筋群から始まり、第4頸髄節に対応するキーマッスルは設定されていない。

午前 問39(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:精神科の集団作業療法では、集団力動を治療的に活用しつつ、メンバー一人ひとりがその場で何を感じ何を体験したかという主観的体験を尊重することが基本となる。集団の凝集性を高めること自体が目的ではない。

  • 1:オープングループはメンバーの出入りが自由な集団である。固定メンバーで行うのはクローズドグループ。
  • 2:クローズドグループはメンバーと期間が固定されるため、途中での離脱はむしろ起こりにくい。
  • 3:治療者1名に15名程度では個々への配慮が難しい。小集団は5〜8名程度を目安とすることが多い。
  • 4:共感が得られやすいのは背景や課題が近い同質集団である。異質集団は多様な視点が得られる点に利点がある。
  • 5:集団の凝集性を高めること自体を目的とせず、メンバー個人の主観的体験を尊重することが優先される。

午前 問40(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:インテーク面接は作業療法導入のための初回面接であり、本人の困りごとや希望、興味を聞き取って信頼関係を築く場である。発病時の状況は診療録や主治医から得られる情報で、初回に本人へ語らせるのは適切でない。

  • 1:趣味は本人の関心や強みを知る手がかりとなり、種目の選択にもつながるため聞き取る内容として適切である。
  • 2:将来の希望は作業療法の目標設定の基礎となる情報であり、インテークで確認すべき内容である。
  • 3:発病時の状況は診療録等から把握できる情報であり、初回面接で本人に想起させるのは心理的負担が大きく適切でない。
  • 4:困っていることは作業療法のニーズそのものであり、優先して聞き取るべき内容である。
  • 5:作業療法でやりたい種目は導入の動機づけと具体的な計画立案に直結するため、適切な聞き取り内容である。

午前 問42(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:WISCはWechsler Intelligence Scale for Childrenの略で、児童を対象とするWechsler式知能検査である。成人用のWAISと対象年齢によって区別する点が要点である。

  • 1:MMPIはミネソタ多面的人格目録で、多数の質問項目からなる成人用の質問紙式人格検査であり、知能検査ではない。
  • 2:MMSEは見当識・記銘・計算などを30点満点で評価する認知症スクリーニング用の認知機能検査で、小児の知能検査ではない。
  • 3:POMSは緊張・抑うつ・怒りなど一時的な気分状態を測定する質問紙であり、知能を測る検査ではない。
  • 4:WAISはWechsler成人知能検査で対象は16歳以上。知能検査ではあるが小児には用いないため本問には該当しない。
  • 5:WISCはWechsler児童用知能検査で、おおむね5歳から16歳11か月を対象とし、小児の知能検査として広く用いられている。

午前 問81(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:人格検査は質問紙法・作業検査法・投影法に大別される。投影法はあいまいな刺激への反応から無意識的な側面をとらえる方法で、TATやロールシャッハテストが代表である。他の4つはいずれも質問紙法か作業検査法にあたる。

  • 1:ミネソタ多面人格目録。数百項目の質問に本人が答える質問紙法であり、投影法ではない。
  • 2:主題統覚検査。あいまいな人物画を見て物語を作らせ、その内容から欲求や葛藤を読み取る投影法である。
  • 3:東大式エゴグラム。交流分析に基づく質問紙法で、5つの自我状態をプロフィール化する。
  • 4:矢田部・ギルフォード性格検査。多数の質問項目に答える質問紙法で、投影法ではない。
  • 5:一桁の連続加算という単純作業の量と変化から性格や作業能力をみる作業検査法である。

午前 問87(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:Thomasテストは背臥位で対側の股関節を最大屈曲させて腰椎前弯を消した際、検査側の大腿が床から浮き上がるかをみる。浮けば腸腰筋などの短縮による股関節屈曲拘縮があると判定する。

  • 1:背臥位で両膝を立てたときの膝の高さの左右差をみる検査で、大腿の短縮や発育性股関節形成不全を疑う。
  • 2:膝を屈伸しながら下腿を回旋させ、クリックや疼痛の誘発から半月板損傷をみる検査である。
  • 3:股関節を屈曲・外転・外旋させ、股関節や仙腸関節の病変による疼痛を誘発する検査である。
  • 4:腹臥位で下腿三頭筋を把握し足関節が底屈するかをみる、アキレス腱断裂の検査である。
  • 5:対側股関節の屈曲で腰椎前弯を除いたときの大腿の挙上をみて、股関節屈曲拘縮を判定する。

午後 問1(実地・正答 3・4) 問題を見る →

ポイント:選択肢は別冊の図版のため、公式PDFをご参照ください。段階5と4は最大または強い抵抗に抗して最終可動域を保持できるかで判定する。抵抗は運動する分節の遠位端に運動方向と反対向きへ加えるのが原則で、遠位の関節をまたいだ位置に加えると他の筋の影響が混じる。

  • 選択肢が図版のため、全問ページと公式PDFでご確認ください。

午後 問7(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:全幅70cm・全長120cmの車椅子を自走するための住宅寸法を問う問題である。回転に要する広さ、通過に要する幅、勾配、移乗時の高さの目安を数値で押さえる。第6頸髄節まで機能残存では操作に余裕が必要な点も考慮する。

  • 1:1/6は自走にも介助にも急すぎる。屋外スロープは1/12以下、自走を前提とするなら1/15程度の緩やかな勾配が望ましい。
  • 2:有効幅80cmは車椅子が直進で通過できる最低限の寸法で、全幅70cmの車椅子では左右5cmずつしか余裕がない。居間と台所の間のように方向転換を伴う出入口では、通過しやすい寸法とされる90cm以上を確保したい。開口部の幅は建具の厚み分だけ有効幅が狭くなる点にも注意する。
  • 3:切り返しを伴う180度の転回には140cm角、その場での360度回転には直径150cm程度が目安とされる。全長120cmの車椅子であればポーチ幅140cmは方向転換のスペースとして確保されており、5肢の中で唯一寸法上妥当である。
  • 4:車椅子使用者と歩行者がすれ違うには有効幅150cm程度が必要とされる。120cmは車椅子が通行できる寸法にすぎず、人が横向きにならなければすれ違えないため、すれ違いを前提とする廊下幅としては不足する。
  • 5:縁の高さが80cmでは車椅子の座面よりはるかに高く移乗できない。洗い場から40〜45cm程度、座面と同程度の高さに揃える。

午後 問10(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:公式正答と日本作業療法士協会の意見書から、別冊は長谷川式簡易知能評価スケールで合計19点前後の結果と考えられる。20点以下が認知症疑いで、加藤らの重症度別平均では軽度認知症(19.10±5.04点)に該当する。※解答が分かれた問題

  • 1:長谷川式は20点以下で認知症が疑われる。19点はこれを下回るため、認知症なしとは判定できない。
  • 2:軽度認知症群の平均は19.10±5.04点とされ、19点はこの範囲に最もよく当てはまる。日常生活はおおむね自立している段階である。
  • 3:中等度認知症群の平均は15.43±3.68点で19点はやや高い。学会が複数正答を求めた点だが、公式正答は軽度とされた。
  • 4:やや高度とされる段階の平均は10.73±5.40点で、19点よりかなり低い。19点はこの水準には当たらない。
  • 5:非常に高度な段階の平均は4.04±2.62点で、意思疎通も困難な水準である。19点とは大きく隔たる。

午後 問13(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:SOAPはS(患者の訴えなど主観的情報)、O(観察・測定による客観的情報)、A(それらの解釈・評価)、P(今後の計画)に分けて記載する。公式正答から、⑤は置かれた欄の性質と記載内容が対応していない箇所と考えられる。

  • 1:公式正答では適切とされた箇所。S欄には患者や家族の発言・訴えをそのまま記し、療法士の解釈を混ぜないことが判断の基準となる。
  • 2:公式正答では適切とされた箇所。O欄には可動域や筋力、動作の様子など、測定や観察で確かめられる事実のみを記す。
  • 3:公式正答では適切とされた箇所。A欄はSとOを踏まえた解釈や問題点の分析を書く欄で、事実の再掲だけでは不十分である。
  • 4:公式正答では適切とされた箇所。P欄には今後行う介入内容や目標、プログラムの変更点など具体的な計画を記載する。
  • 5:公式正答から、⑤は欄の性質と内容が食い違う記載と考えられる。主観的情報と客観的情報の混同や、解釈を計画欄に書く誤りが典型である。

午後 問15(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:統合失調症の認知機能検査として広く用いられるBACS-Jには6領域の下位検査があり、選択肢はその領域名に対応する。公式正答と選択肢の内容から、図版は目標の配置を見て最少手数の手順を考えるロンドン塔テストなど、遂行機能をみる課題と考えられる。

  • 1:運動機能はトークン運動課題で評価し、制限時間内にトークンを容器へ入れる速さをみる。手順を考える課題ではない。
  • 2:遂行機能は目標に向けて計画を立て順序立てて実行する能力で、ロンドン塔テストで評価する。作業の手順が分からないという訴えとも整合する。
  • 3:言語流暢性は制限時間内に決められた分類や語頭音から語を挙げる課題で、口頭で実施し図版を用いない。
  • 4:注意と処理速度は対応表を見て数字を速く書き写す符号課題で評価するが、公式正答から本問の検査はこれではないと考えられる。
  • 5:ワーキングメモリーは数字順列課題で評価し、聞いた数字を小さい順に並べ替えて答える聴覚的な課題である。

午後 問17(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:非自記式とは、検査者が面接や観察に基づいて採点する他者評価尺度を指す。うつ病の重症度評価で他者評価の代表となるのがHAM-Dであり、自記式質問紙との区別が問われている。

  • 1:BDI-Ⅱはうつ症状に関する21項目を患者自身が選んで回答する自記式質問紙であり、非自記式には当たらない。
  • 2:HAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)は評価者が面接で症状を聴取して採点する他者評価尺度で、うつ病の重症度判定に広く用いられる。
  • 3:L-SASは社交不安症の恐怖と回避を評価する尺度で、日本語版は自記式で用いられることが多い。うつ病の評価目的にも合わない。
  • 4:SDS(自己評価式抑うつ性尺度)はその名のとおり、患者自身が20項目に回答する自記式尺度である。
  • 5:STAIは状態不安と特性不安を患者自身が回答する自記式尺度で、うつ病ではなく不安の評価に用いられる。

午後 問24(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:図は見えないが、公式正答と選択肢の内容から、別冊No.7は前頭葉機能検査FABの下位課題(手の運動系列課題など)を示したものと考えられる。FABは概念化・語の流暢性・運動系列・葛藤指示・Go/No-go・把握行動の6課題18点満点で構成される。

  • 1:BADSは遂行機能の行動評価で、規則変換カードや鍵探し、動物園地図など6下位検査と質問紙から成る。
  • 2:BITは半側空間無視の検査で、線分抹消・模写・線分二等分などの通常検査と行動検査から構成される。
  • 3:正しい。FAB(前頭葉機能検査)は6課題からなり、前頭葉機能を短時間でベッドサイド評価できる検査である。
  • 4:RBMTは日常記憶を評価する検査で、姓名・持ち物・約束・道順・用件などの下位項目から成る。
  • 5:SLTAは標準失語症検査で、聞く・話す・読む・書く・計算の26項目により失語症状を評価する。

午後 問26(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:作業の工程が実際に要求する機能と、改善を期待する機能が一致しているかを問う問題。籐のかご編みは編み目を目で追いながら両手で籐を通す反復作業であり、視覚運動協応の改善に適する。

  • 1:正しい。籐のかご編みは編み目を注視しながら籐を差し込む工程が続き、目と手の協調(視覚運動協応)を促す。
  • 2:機織りの整経は経糸を一定の長さと張力で並べる準備工程で、両手の粗大な動作と持続性・注意が主となり、手指巧緻性を主眼とする作業ではない。
  • 3:陶芸のたたら作りは粘土を板状に伸ばす反復動作が中心で上肢の筋力や両手動作を要し、構成能力の改善を主目的とする作業とは言いにくい。
  • 4:和紙のちぎり絵は指先でちぎり貼る巧緻動作と注意集中を要する作業であり、記憶力の改善を期待する作業ではない。
  • 5:フィンガーペインティングは抵抗がほとんどなく筋力増強にはつながらない。感覚刺激や情緒の解放・表出を目的とする作業である。

午後 問27(専門一般・正答 2/5(複数正答)) 問題を見る →

ポイント:本問は、厚生労働省の正答値表で選択肢2・5のいずれもが正答として認められた問題(複数正答)です。採点除外(その問題が採点対象から外れ、満点が減る扱い)ではありません。選択肢2・5のいずれかを選んだ場合が正解、それ以外を選んだ場合は不正解として採点されます。MTDLPでは、望む生活を把握した後はアセスメント段階に進み、生活行為向上マネジメントシートに情報を整理しつつ、生活行為課題(アセスメント)分析シートで要因を分析する。

  • 1:生活行為申し送り表は、他機関や他職種へ支援内容を引き継ぐ最終段階で用いる様式であり、アセスメント段階のものではない。
  • 2:正答の一つ。心身機能・活動と参加・環境の各要因から実行状況と背景を分析する様式で、望む生活の把握に続くアセスメント段階で用いる。
  • 3:生活行為聞き取りシートは、望む生活行為とその状況を聴取するための様式。本問では既に望む生活の把握が済んでおり、次段階には当たらない。
  • 4:興味・関心チェックシートは、対象者の興味や希望を引き出す導入段階の用具であり、既に終えたインテークの段階に相当する。
  • 5:正答の一つ。生活行為向上マネジメントシートはアセスメント・合意目標・プラン・実行を一連で記載する中核様式で、把握後に記入を進める。

午後 問40(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:LASMI(精神障害者社会生活評価尺度)は、日常生活・対人関係・労働または課題の遂行・持続性安定性・自己認識の5領域から構成され、「持続性・安定性」の下位項目に現在の社会適応度が含まれる。

  • 1:BPRSは陽性・陰性症状など精神症状の重症度を評定する尺度であり、持続性・安定性という社会生活の評価領域はもたない。
  • 2:GAFは心理的・社会的・職業的機能を0〜100の単一得点で表す全体的評定であり、下位項目に分かれていない。
  • 3:正しい。LASMIの「持続性・安定性」領域に、現在の社会適応度の項目が含まれる。
  • 4:Rehabは全般的行動と逸脱行動を観察により評価する尺度で、現在の社会適応度という項目は含まない。
  • 5:精神障害者ケアアセスメント(日本作業療法士協会版)はケアマネジメントのための情報収集用の様式であり、持続性・安定性という評価領域はない。

午後 問43(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:精神科デイケアの小集団療法では、メンバー同士の相互作用そのものが治療因子となる。スタッフは主導者ではなく促進者として場を支え、相互交流や自己開示、相互支持が生まれるよう働きかける。

  • 1:集団力動を治療に生かすにはメンバー間の言語的・非言語的なやりとりが不可欠である。相互交流を促すことは小集団療法の基本であり適切である。
  • 2:多数決は少数意見を切り捨て、話し合いの過程で得られる相互理解の機会を失わせる。混乱時こそ感情や意見を言語化する支援を行う。
  • 3:スタッフが主導するとメンバーは受け身になり集団の自律性が育たない。リーダーシップはメンバーの中から育つよう促進役に徹する。
  • 4:感情的な発言は集団力動の重要な素材であり、集団内で取り上げ共有することで相互理解が深まる。回避すると凝集性が育ちにくい。
  • 5:沈黙は各自が考えを整理する意味のある時間でもある。直ちに議題を与えず、メンバーから話題が生まれるのを待つ姿勢が求められる。

午後 問80(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:数唱の順唱は、提示された数字をそのまま復唱させる課題で、干渉を挟まない短時間の保持、すなわち即時記憶を評価する。数字を逆順に言わせる逆唱では、保持に加え操作が加わる。

  • 1:遠隔記憶は数年から数十年前の出来事の記憶で、生育歴や社会的事件の聴取などで評価する。数唱では測れない。
  • 2:近時記憶は数分から数日保持される記憶で、他課題を挟んだ後の遅延再生で評価する。順唱では評価できない。
  • 3:作動記憶は情報を保持しながら操作する能力で、逆唱などが該当する。順唱は保持のみで操作を伴わない。
  • 4:正しい。順唱は干渉を挟まず直後に再生させる課題であり、即時記憶(短期記憶)の評価にあたる。
  • 5:手続き記憶は技能や習慣に関する記憶で、反復練習による遂行の上達で評価する。数唱では測れない。

午後 問82(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:Romberg徴候は、開眼では保てる立位が閉眼で著明に動揺する所見をいう。視覚による代償が外れることで、脊髄後索障害などによる深部感覚(位置覚)障害が露呈するため陽性となる。他の徴候は錐体路障害や髄膜・神経根の刺激症状をみるものである。

  • 1:Barré徴候は上下肢の保持試験で軽度の錐体路障害(運動麻痺)を検出する所見で、深部感覚の指標ではない。
  • 2:Kernig徴候は髄膜刺激徴候であり、髄膜炎やくも膜下出血で陽性となる。
  • 3:Lasègue徴候(SLR)は下肢挙上で坐骨神経・腰仙部神経根を伸張し疼痛を誘発する検査である。
  • 4:閉眼で立位動揺が増強すれば陽性。視覚で代償されていた深部感覚障害が明らかになる。
  • 5:カーテン徴候は舌咽・迷走神経麻痺で咽頭後壁が健側へ引かれる所見で、球麻痺を示す。

第59回(2024年2月実施)

OT基礎・評価として28問が出題されました(実地10問・一般/共通18問、推定配点48点)。全問の正答・解説は 第59回 OT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問3午前実地MMT段階5・4の検査肢位と抵抗方向1
問14午前実地神経性やせ症の導入時作業種目選択5
問16午前実地統合失調症の就労支援で優先する対応2
問17午前実地うつ病導入期の作業療法の対応5
問18午前実地境界性人格障害の家族への助言4
問20午前実地BPSD評価に適切な尺度の選択5
問22午前専門一般情報収集項目とICF構成要素の対応5
問25午前専門一般作業の選択における要素1
問27午前専門一般図版から高次脳機能検査を同定1
問28午前専門一般近時記憶を評価する検査の選択3・5
問29午前専門一般四肢長・幅の計測方法の正誤3
問30午前専門一般各種感覚検査の実施方法5
問34午前専門一般Barthel Indexの項目と配点区分3
問35午前専門一般MTDLPの実施方法と特徴2
問36午前専門一般関節リウマチの日常生活評価尺度3
問40午前専門一般インテイク面接での適切な対応1
問41午前専門一般Rehabの構成と評価方法3
問45午前専門一般回復期前期の統合失調症OTの目的4
問78午前共通インクのシミを用いる心理検査4
問82午前共通ADLの概念と定義1
問91午前共通脳卒中の身体機能評価尺度の選択3・4
問1午後実地関節可動域測定法の基準を問う1・5
問6午後実地GMFCS-E&Rのレベル判定2
問7午後実地MMSE結果から次の検査を選択3
問9午後実地人工骨頭置換術後の家屋環境調整1
問22午後専門一般COPMのスコア化の手順3
問30午後専門一般FIM食事項目6点の判定基準1・5
問81午後共通日常記憶障害の検出に適した検査4

午前 問3(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:選択肢は別冊の図版のため、公式PDFをご参照ください。段階5・4は抗重力肢位で最終域を保持させ、運動方向と正反対の向きに抵抗を加えて判定する。抵抗を加える部位が筋の停止より遠位にあり、検査肢位と固定が適切な図を選ぶ問題で、公式正答は1である。

  • 選択肢が図版のため、全問ページと公式PDFでご確認ください。

午前 問14(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:神経性やせ症の症例で、BMIは約13と著明な低体重、歩行困難もあり全身状態は不良である。導入時は身体的負荷が小さく、短時間で完成して達成感が得られ、体重や食物を直接扱わない活動を選ぶ。

  • 1:食物を直接扱う活動は食行動への葛藤やこだわりを刺激しやすく、立位での調理動作の負担も大きい。導入時には適さない。
  • 2:エネルギー消費が大きく、低体重で歩行も困難な本例には身体的危険が高い。過活動を助長する点でも不適切である。
  • 3:競争性と身体活動、対人緊張を伴う。低栄養で体力が低下し自己評価も不安定な導入時には負担が大きすぎる。
  • 4:土練りや成形は上肢の持続的な力を要し工程も長い。完成までに時間がかかり、体力の低下した導入時には負荷が大きい。
  • 5:座位で短時間に行え、工程が単純で失敗が少なく完成しやすい。低負荷で達成感を得やすく、導入時の活動として最も適切である。

午前 問16(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:ACTやIPSに基づく就労支援では、症状や生活能力を参加の条件とせず、本人の希望を出発点に支援を組み立てる。幻聴に対処でき服薬も自己管理できている本例では、まず希望する職種や働き方を聞き取ることが最も優先される。

  • 1:幻聴には自分で対処できており生活は安定している。頻度の確認は就労支援を始める段階で最優先とすべき事項ではない。
  • 2:本人の希望や好みを支援の中心に置くのが原則。職種や労働時間などの条件を聞き取ることが、その後の具体的支援の土台となる。
  • 3:本人の希望を聞く前に支援者が行き先を決めており順序が逆である。福祉的就労の場が本人の希望に合うとも限らない。
  • 4:整理整頓の可否を就労の前提条件とするのは、症状や能力で対象から除外しないという原則に反する。生活支援は並行して行えばよい。
  • 5:服薬は自己管理できており症状も安定している。就労を理由に服薬の相談を先行させる必要性は低い。

午前 問17(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:うつ病の入院早期は、意欲低下と易疲労、判断力の低下が強い時期である。不安の軽減が目的であるから、休息と活動のバランスを整え、無理のない一日の過ごし方を本人と一緒に確認して見通しを持たせる関わりが優先される。

  • 1:体力増強を目的とした運動は負荷が大きく、易疲労で意欲の低下した導入時には疲労を強め、できないことへの自責を招きやすい。
  • 2:趣味を新たに探すことは選択と決断を要する。物事の判断が鈍っている時期の課題としては負担が大きく、優先度は低い。
  • 3:育児がおろそかになったことへの自責が背景にある。子育ての助言は責任を意識させ、かえって不安を強めるため導入時は避ける。
  • 4:集団レクリエーションは対人刺激と活動量が大きい。入院早期には疲労と緊張を招きやすく、導入時の第一選択ではない。
  • 5:ゆとりのある日中の過ごし方を一緒に決めることで休息が保証され、生活の見通しが立つ。不安の軽減に直結し導入時に最も優先される。

午前 問18(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:境界性パーソナリティ障害の家族支援では、家族自身の生活と安全を守りながら、一貫した態度と適切な距離を保つことが基本となる。過度に巻き込まれる関わりは家族を疲弊させ、患者との関係もかえって不安定にする。

  • 1:家族会では同じ立場の家族から情報や支持を得られ、孤立感や自責の軽減につながる。情報提供は適切な支援である。
  • 2:対応が長期に及ぶと家族が疲弊しやすい。家族自身の時間を確保することは支援を続けるために必要で、適切な助言である。
  • 3:不安定な言動に家族が動揺すると対応が揺れ、患者の不安をさらに強める。一貫した落ち着いた態度を保つ助言は適切である。
  • 4:常時監視は家族に過大な負担を強い、現実にも実行できない。監視される関係は緊張と巻き込みを強め、かえって行動を助長しかねない。
  • 5:暴力が生じた場面ではまず家族自身の安全確保が優先される。その場を離れるよう助言することは適切である。

午前 問20(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:問われているのは行動・心理症状(BPSD)の評価である。夜間不眠・妄想・興奮といった症状の頻度と重症度、介護者の負担度を数量化できる尺度を選ぶ。認知機能検査や重症度分類ではBPSDそのものは評価できない。

  • 1:ADASは記憶・言語・行為などの認知機能を評価する検査で、抗認知症薬の効果判定に用いられる。BPSDの評価尺度ではない。
  • 2:CDRは記憶や見当識など6項目の観察から認知症の重症度を段階判定する。全般的な重症度の評価でBPSDは対象外である。
  • 3:FABは概念化・語想起・抑制などを調べる前頭葉機能検査。遂行機能の評価であり、妄想や興奮の評価には用いない。
  • 4:FASTはAlzheimer型認知症をADL障害の程度から7段階に分類する重症度尺度。BPSDの内容や重症度は評価できない。
  • 5:NPIは妄想・幻覚・興奮・不安・脱抑制・夜間行動など複数領域の頻度と重度、介護者の負担度を評価する。BPSDの評価に適する。

午前 問22(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:ICFは心身機能・身体構造、活動、参加、環境因子、個人因子から構成される。制度やサービス、物的・人的環境は環境因子に、年齢や学歴・生活歴など個人の背景は個人因子に分類される。

  • 1:教育歴はその人固有の背景であり個人因子に分類される。環境因子ではない。
  • 2:睡眠機能はb134睡眠機能として心身機能に分類される。個人因子ではない。
  • 3:家族の態度はe410(家族の態度)として環境因子に分類される。活動と参加ではない。
  • 4:日課の遂行はd230(日課の遂行)として活動と参加に分類される。心身機能・身体構造ではない。
  • 5:介護保険サービスはe5のサービス・制度・政策にあたり環境因子である。組合せとして正しい。

午前 問25(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:作業(活動)分析では、所要時間、必要な運動の範囲や強度、対人交流の程度、素材の性質などを検討して対象者に適した作業を選ぶ。「使役」は人を使って働かせる意味であり、作業選択の要素ではない。

  • 1:使役は人を使って労働させることを指す語で、治療手段として作業を選ぶ際の観点ではない。誤りであり、これが正答となる。
  • 2:作業の所要時間や1回の実施時間は、耐久性や集中力の持続に合わせて調整する選択要素である。
  • 3:作業に必要な関節運動の範囲は、可動域や筋力に見合う作業を選ぶうえで重要な要素である。
  • 4:個人作業・並行作業・協同作業など対人交流の程度は、社会性や集団適応を促す選択要素となる。
  • 5:木・革・粘土など素材の硬さや抵抗性は、運動量や心理的効果を左右する選択要素である。

午前 問27(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:公式正答と選択肢の内容から、図はBADSの下位検査(動物園地図検査や鍵探し検査など)の図版と考えられる。BADSは遂行機能障害症候群の行動評価で、計画の立案や方略の効率を紙面課題で評価する検査である。

  • 1:BADSは規則変換カード、行為計画、鍵探し、動物園地図など図版を用いる下位検査を含み、遂行機能を評価する。
  • 2:BITは行動性無視検査で、線分抹消や模写など半側空間無視をみる図版を用いる。遂行機能の検査ではない。
  • 3:FABは前頭葉機能検査で、類似性・語想起・運動系列・Go/No-goなど口頭と動作の課題からなり、図版を用いない。
  • 4:SLTAは標準失語症検査で、絵カードや文字カードを用いて聴く・話す・読む・書くの言語機能を評価する。
  • 5:WAIS-Ⅳは知能検査で積木模様や行列推理の図版を用いるが、遂行機能の評価に特化した検査ではない。

午前 問28(専門一般・正答 3・5) 問題を見る →

ポイント:近時記憶は数分から数日前の出来事の記憶で、単語や対語を提示し一定時間をおいて再生・再認させる検査で評価する。選択肢のうちRAVLTと三宅式記銘力検査がこれに該当する。

  • 1:CATは標準注意検査法で、抹消課題や聴覚性検出課題などにより注意機能を評価する検査である。
  • 2:TMTは数字や文字を順に結ぶ課題で、注意の持続・配分と処理速度を評価する。記憶検査ではない。
  • 3:RAVLTは15単語を繰り返し提示し、遅延再生・再認まで行う聴覚性言語学習検査で、近時記憶を評価する。
  • 4:ハノイの塔は円板の移動手順を計画させる課題で、遂行機能(問題解決能力)の検査である。
  • 5:三宅式記銘力検査は有関係・無関係の対語を提示して再生させる検査で、言語性の近時記憶を評価する。

午前 問29(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:四肢長は原則として体表の指標点間の直線距離で測る。上肢長は肩峰点〜橈骨茎突点、前腕長は上腕骨外側上顆〜橈骨茎突点、大腿長は大転子〜大腿骨外側上顆、下腿長は脛骨点〜脛骨内果下端が基準である。

  • 1:上肢長は肩峰点から橈骨茎突点まで(第3指先端までを全上肢長とする)で測る。母指先端を用いる規定はない。
  • 2:前腕長は上腕骨外側上顆から橈骨茎突点までの距離。内側上顆を起点とする点が誤りである。
  • 3:手の幅は第2中手骨骨頭の橈側端と第5中手骨骨頭の尺側端との直線距離で、組合せとして正しい。
  • 4:大腿長は大転子から大腿骨外側上顆(膝関節外側)までを測る。内側上顆を用いる点が誤りである。
  • 5:下腿長は脛骨点から脛骨内果下端までを測る。踵点までとすると足部の高さが含まれてしまう。

午前 問30(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:感覚検査では目的の感覚以外の手がかりを与えないことが原則である。温度覚は温水・冷水を入れた試験管、痛覚は先の鈍い針で軽く突く方法、振動覚はC128Hzの音叉を骨突出部に当てる方法で行う。

  • 1:氷は0℃で痛覚刺激となり水滴も生じるため用いない。温度覚は約40〜45℃と約10℃の水を入れた試験管を用いる。
  • 2:痛覚検査は針で皮膚を軽く突くか触れる。こすると触圧覚が混入し、痛覚だけを評価できない。
  • 3:立体識別覚は鍵・硬貨・鉛筆など日常物品を閉眼で触らせて答えさせる。鈴は音という別の手がかりが入る。
  • 4:位置覚・運動覚では指の側面をつまむ。指腹と爪をつまむと圧の手がかりから動かす方向が分かってしまう。
  • 5:振動覚はC128Hzの音叉を叩いて橈骨茎突や内果などの骨突出部に当て、振動の有無と持続時間をみる。正しい。

午前 問34(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:Barthel Indexは10項目を自立・部分介助・全介助で採点するが、整容と入浴の2項目だけは自立5点・介助0点の2段階しかなく、中間にあたる部分介助の判定が設けられていない。

  • 1:更衣は10点(自立)・5点(部分介助)・0点(全介助)の3段階で、部分介助の判定がある。
  • 2:食事は10点(自立)・5点(部分介助)・0点(全介助)の3段階で、部分介助の判定がある。
  • 3:整容は自立5点・介助0点の2段階のみで、中間の部分介助にあたる判定がない。これが正答である。
  • 4:階段昇降は10点(自立)・5点(部分介助)・0点(不能)の3段階で、部分介助の判定がある。
  • 5:トイレ動作は10点(自立)・5点(部分介助)・0点(全介助)の3段階で、部分介助の判定がある。

午前 問35(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:MTDLP(生活行為向上マネジメント)は日本作業療法士協会が開発した、ICFの視点で対象者の「したい生活行為」の実現を支援する手順である。本人だけでなく家族や支援者からも聞き取り、合意目標を設定する。

  • 1:MTDLPで聞き取るのは合意目標に対する「実行度」と「満足度」である。遂行度と満足度を尋ねるのはCOPMである。
  • 2:本人からの聞き取りが難しい場合を含め、家族や支援者からも生活行為の希望や生活状況を聞き取る。正しい。
  • 3:MTDLPはICIDHではなくICFの視点に基づき、心身機能・活動と参加・環境因子・個人因子を整理する。
  • 4:対象疾患は限定されず、精神障害や認知症、がんなどの領域でも活用されている。
  • 5:アセスメントではFIMやBarthel IndexなどADLの客観的評価も併用して現状を把握する。

午前 問36(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:Steinbrockerの分類にはX線所見に基づく病期(stage)と、日常生活動作の自立度に基づく機能障害度(class)があり、classⅠ〜Ⅳが日常生活の評価にあたる。他は画像所見や疾患活動性、QOLの指標である。

  • 1:Larsen分類は関節のX線所見をgrade0〜5で評価する画像上の分類で、日常生活の評価ではない。
  • 2:Lansbury指数は朝のこわばりの時間、握力、赤沈などから疾患活動性を数値化する指標である。
  • 3:Steinbrockerのクラス分類は日常生活動作の自立度からclassⅠ〜Ⅳに分ける機能障害度分類である。
  • 4:DAS28は28関節の腫脹・圧痛関節数、赤沈またはCRP、患者全般評価から疾患活動性を算出する指標である。
  • 5:AIMSは疼痛や心理面を含む健康関連QOLを幅広く測る自記式尺度で、日常生活動作の機能障害度分類ではない。

午前 問40(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:インテイク面接は作業療法導入時の初回面接で、目的や内容、実施場所と時間などを説明して不安を和らげ、参加への動機づけと信頼関係づくりを図る場である。患者の状態に合わせた進め方の配慮も求められる。

  • 1:何のために行うのかを分かりやすく説明することで不安が減り、参加への同意と動機づけが得られる。適切である。
  • 2:幻聴があっても直ちに中止する必要はない。負担の程度をみて時間を短縮するなど配慮しながら進める。
  • 3:ベッドサイドが基本ではない。臥床が続く場合を除き、落ち着いて話せる静かな場所を選ぶのが望ましい。
  • 4:正面で向き合う配置は視線が合い緊張を高めやすい。緊張が強い場合は90度法など視線が外せる配置がよい。
  • 5:作業療法士自身の詳細な個人情報を伝える必要はなく、治療関係を保つうえでも適切ではない。

午前 問41(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:Rehab(精神科リハビリテーション行動評価尺度)は、第1部の逸脱行動7項目と第2部の全般的行動16項目の計23項目からなる。全般的行動は複数のサブカテゴリーに分かれるが項目数は均等ではないため、「各3項目」とする選択肢3が誤りとなる。

  • 1:全般的行動は100mmの直線(VAS)上で評定し、線上に最重度・中程度・最軽度に相当する3点の目安が示される。記述は正しい。
  • 2:第1部は逸脱行動が実際に観察されたかどうかを判定するもので、その行動が幻覚・妄想など病的体験に基づくかは問わない。正しい。
  • 3:第2部の全般的行動は計16項目で、社会的活動性やセルフケアなどのサブカテゴリーごとに項目数は異なる。「各3項目」は誤り。
  • 4:評定は過去1週間以上にわたる直接の行動観察に基づいて行うことが前提とされている。記述は正しい。
  • 5:長期入院の慢性精神障害者を主な想定として開発されたが、適用対象は精神障害者全般とされる。記述は正しい。

午前 問45(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:統合失調症の回復期前期は、急性期の休息から活動へ移行し始める時期で、疲れやすさや身体感覚の鈍さが残る。この段階ではまず身体を動かす体験を通じた身体感覚と心身の活動性の回復を図る。生活リズムや対人技能は回復期後期以降の課題である。

  • 1:十分な休息の援助と刺激の調整は急性期の目的。現実感が戻り始めた回復期前期では、少しずつ活動を再開する段階に入る。
  • 2:現実への移行準備は急性期から亜急性期にかけての課題であり、すでに現実感が回復し始めた段階の主目的とはいえない。
  • 3:起床・食事・活動といった社会生活リズムの習得は、活動性が安定した回復期後期から維持期の目的である。
  • 4:軽い運動や手工芸などを通して身体感覚を取り戻し、疲労感と活動のバランスを体験することがこの時期の主目的である。
  • 5:集団活動を通じた対人交流技能の改善・習得は、活動への耐性がついた回復期後期に取り組む課題である。

午前 問78(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:左右対称のインクのしみが描かれた図版10枚を順に提示し、何に見えるかという反応の内容や形式からパーソナリティを把握する投影法検査がRorschachテストである。

  • 1:バウムテストは「実のなる木」を1本描かせ、その特徴から人格を把握する描画による投影法検査である。
  • 2:MMPI(ミネソタ多面的人格目録)は多数の質問項目に回答させる質問紙法の人格検査である。
  • 3:P-Fスタディは欲求不満場面の絵に対する言語反応から、攻撃の方向と型をみる投影法検査である。
  • 4:正しい。Rorschachテストは左右対称のインクのしみ図版10枚を順に提示する代表的な投影法検査である。
  • 5:WPPSIは幼児を対象とするWechsler式知能検査で、インクのしみは用いない。

午前 問82(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:ADL(日常生活活動)は食事・整容・排泄・移動など基本的な活動を指す。同じ能力でも手すりや福祉用具、住環境、介助者の有無といった環境要因によって実行状況が大きく変わる点が特徴である。

  • 1:正しい。ADLは環境要因の影響を受ける。能力(できるADL)と実行状況(しているADL)の差は環境調整で埋められることが多い。
  • 2:関係は逆である。ADLが基本的活動であり、買い物・金銭管理・服薬管理などのIADLはADLの上位に位置する応用的活動である。
  • 3:生活機能は心身機能・身体構造、活動、参加を包含するICFの上位概念であり、ADLはその「活動」の一部にすぎない。
  • 4:ADLは1940年代の米国リハビリテーション領域で提唱・体系化された概念で、2000年代にWHOが定義したものではない。
  • 5:Fugl-Meyer Assessmentは脳卒中片麻痺の運動機能・感覚・関節可動域・バランスなどを測る機能障害の評価であり、ADL評価尺度ではない。

午前 問91(共通・正答 3・4) 問題を見る →

ポイント:NIHSSは脳卒中急性期の神経学的重症度を意識・眼球運動・運動麻痺・言語など11項目で定量化する尺度、SIAS(脳卒中機能評価法)は麻痺側運動機能・筋緊張・感覚・関節可動域・体幹機能などを総合評価する脳卒中専用の尺度である。

  • 1:GMFCSは脳性麻痺児の粗大運動能力を5レベルに分類する尺度で、脳卒中患者の評価には用いない。
  • 2:MMPIはミネソタ多面的人格目録で、人格特性や心理的傾向を測る質問紙法の心理検査である。
  • 3:正しい。NIHSSは脳卒中の神経学的重症度を評価する国際的な尺度である。
  • 4:正しい。SIASは麻痺側運動機能や体幹機能などを評価する脳卒中の身体機能評価尺度である。
  • 5:UPDRSはParkinson病の日常生活動作・運動症状・合併症などを評価する統一尺度である。

午後 問1(実地・正答 1・5) 問題を見る →

ポイント:選択肢は別冊の図版のため、公式PDFをご参照ください。各図で基本軸・移動軸・基本肢位や測定肢位が規定どおりかを判断させる問題で、公式正答は1と5です。他の3つは軸の取り方または測定肢位が規定と異なると考えられます。なお本測定法は2022年4月に改訂されています。

  • 選択肢が図版のため、全問ページと公式PDFでご確認ください。

午後 問6(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:GMFCS-E&Rの6歳から12歳の記述では、手すりを使って階段を昇降し、長距離歩行やバランスに制限があり、狭い場所や混雑した場所・不整地で介助や補助を要するのがレベルⅡです。設問の状況はこれに合致します。

  • 1:制限なく歩き、階段も手すりなしで昇降できるレベルで、手すりを要する本児は該当しません。
  • 2:手すりを用いた階段昇降、長距離歩行や狭い場所での制限という記述に合致し、正解です。
  • 3:屋内でも杖や歩行器など手に持つ移動器具を用いて歩くレベルで、本児より歩行能力が低い水準です。
  • 4:制限を伴って自力移動し、屋外や地域では車椅子や電動移動機器を用いるレベルで該当しません。
  • 5:手動車椅子で移送され、抗重力での頭頸部・体幹の保持も困難なレベルで該当しません。

午後 問7(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:四肢麻痺はほぼ消失し高次脳機能障害が残存した例です。公式正答から、MMSEでは図形模写や書字・注意の課題で一側(左)の見落としを示唆する所見があったと考えられます。次に優先すべきは半側空間無視を定量する検査です。

  • 1:AMPSはADL・IADLの遂行技能を実際の作業観察から評価する尺度で、無視の有無を特定する検査ではありません。
  • 2:BADSは遂行機能障害の評価バッテリーで、まず疑われる半側空間無視の確認より優先度は下がります。
  • 3:BIT行動性無視検査は線分抹消・模写などの通常検査と行動検査で半側空間無視を定量でき、最も優先されます。
  • 4:RBMTは日常記憶の評価で、記憶障害が主体と判断された場合に用いる検査であり本例では優先されません。
  • 5:VPTAは視覚失認や視空間障害を広く調べる標準検査で有用ですが、無視の確認にはBITが第一選択です。

午後 問9(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:選択肢は別冊の図版のため、公式PDFをご参照ください。後方アプローチの人工骨頭置換術後は、股関節の過度な屈曲・内転・内旋が脱臼肢位です。屈曲100度・伸展0度で杖歩行自立の独居例として、脱臼肢位を避けつつ安全に生活できる環境調整を選ぶ問題と考えられます。

  • 選択肢が図版のため、全問ページと公式PDFでご確認ください。

午後 問22(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:COPMは面接で作業遂行上の問題を挙げさせ、次に各作業の重要度を10段階で採点し、重要度の高い上位5つを選んで遂行度と満足度を採点する。6つ特定した次の手順は重要度の評価となる。

  • 1:緊急度はCOPMの採点項目に含まれない。採点するのは重要度・遂行度・満足度の3つである。
  • 2:自立度はCOPMの採点項目ではなく、FIMやBarthel指数など別の尺度で評価する。
  • 3:○。特定された作業すべてについて重要度を10段階で採点し、上位5つを絞り込む手順である。
  • 4:遂行度は重要度で絞り込んだ上位5つの作業について採点する。順序としては重要度の後になる。
  • 5:満足度も上位5つの作業に対し遂行度と併せて採点する。6作業を特定した直後の手順ではない。

午後 問30(専門一般・正答 1・5) 問題を見る →

ポイント:FIMの食事6点は修正自立で、自助具の使用や食物形態の事前調整など、介助者なしで補助手段を用いて摂取する場合が該当する。補助手段を要さず自立していれば7点、動作の一部を他者が行えば介助となる。

  • 1:○。介助皿(すくいやすい皿)は自助具にあたり、これを用いて自立していれば修正自立の6点。
  • 2:減塩食は食事内容の変更にすぎず動作の難易度を変えない。動作が自立していれば7点である。
  • 3:醤油をかけてもらうのは食事動作の一部を他者が行う介助にあたり、6点とはならない。
  • 4:スプーンは一般的な食具で自助具ではないため、これで自立していれば完全自立の7点となる。
  • 5:○。配膳前の調理段階で刻んでもらうのは食物形態の調整であり、修正自立の6点と判定する。

午後 問81(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:記憶検査のうち、姓名・約束・道順・持ち物の想起など日常生活に近い課題で、展望記憶を含めた日常記憶を評価できるのはRBMT(リバーミード行動記憶検査)である。他は机上式の記憶検査や認知機能スクリーニングで、日常生活場面での障害検出には向かない。

  • 1:改訂長谷川式簡易知能評価スケールで、認知症のスクリーニングを目的とする。日常生活場面での記憶障害を評価する検査ではない。
  • 2:見当識・記銘・計算・言語などを短時間でみる認知機能スクリーニング検査であり、日常記憶の検出に特化していない。
  • 3:Rey聴覚性言語学習検査。単語リストの学習と再生を繰り返す机上検査で、言語性の記銘力評価が主体である。
  • 4:リバーミード行動記憶検査。姓名・約束・道順・用件の想起など日常場面を模した下位検査で構成され、展望記憶も評価できる。
  • 5:ウェクスラー記憶検査改訂版。記憶の下位領域を詳細に定量できるが課題は机上式で、日常場面での障害の再現性は低い。

第58回(2023年2月実施)

OT基礎・評価として35問が出題されました(実地9問・一般/共通26問、推定配点53点)。全問の正答・解説は 第58回 OT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問3午前実地前頭葉損傷の高次脳機能検査選択2
問4午前実地胸郭出口症候群の徒手検査名3
問6午前実地STEF検査の実施方法と設定3
問7午前実地関節可動域測定法の正しい基準1・3
問10午前実地車椅子使用者の住宅改修の適否5
問14午前実地身体症状を訴える患者への対応1
問16午前実地強迫性障害患者の訴えへの対応5
問19午前実地境界性人格障害への作業療法の対応5
問28午前専門一般作業分析の基本的な考え方3
問29午前専門一般FIMの評定基準の解釈1
問33午前専門一般作業療法の歴史上の人物と業績1
問34午前専門一般手指巧緻性向上に適した作業活動2・3
問36午前専門一般摂食嚥下障害の一般的特徴5
問37午前専門一般関節リウマチの日常生活評価尺度4
問39午前専門一般SOAP記録の各項目の内容1・5
問41午前専門一般9適性能を測る職業評価の同定1
問44午前専門一般精神科作業療法の治療的態度4
問47午前専門一般境界性パーソナリティ障害への対応4
問50午前専門一般精神科作業療法の医療安全対策4
問82午前共通脳卒中評価法と含まれる項目4
問84午前共通ASIAの評価対象となる項目4
問99午前共通統合失調症のQOL測定尺度4
問1午後実地MMT段階3の測定時の体位1・3
問21午後専門一般洗顔動作に必要な関節可動域3
問22午後専門一般FAIに含まれる評価項目3・5
問24午後専門一般障害と就労支援機器の組合せ1
問28午後専門一般満足度を直接聞ける評価法の選択2・4
問29午後専門一般知覚検査の実施方法の正誤5
問30午後専門一般Brunnstrom法の段階と検査動作1
問31午後専門一般FABに含まれる下位課題5
問40午後専門一般精神科評価法と実施形式の対応4
問42午後専門一般統合失調症の認知機能検査の選択2
問50午後専門一般精神障害のある高校生への就学支援2
問79午後共通即時記憶を調べる検査手技1
問87午後共通ICFの参加に該当する情報3

午前 問3(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:右前頭葉背外側部の損傷で、運動麻痺や感覚障害はなく、発動性の低下・自発性の乏しさが前景に立つ。計画を立て行動を開始・切り替える遂行機能の障害を、日常場面に近い課題で評価する検査が適する。

  • 1:CBSは日常生活場面での半側空間無視の程度を評価する尺度で、本例の主症状には合致しない。
  • 2:○。BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)は計画・実行・切り替えの障害を生活に近い課題で評価でき、本例に最も適する。
  • 3:SLTAは標準失語症検査で言語機能をみる。会話が成立している本例の評価目的には合わない。
  • 4:SPTAは標準高次動作性検査で失行の評価に用いる。動作の誤りは本例の主症状ではない。
  • 5:VPTAは標準高次視知覚検査で視覚失認などをみる。視知覚の障害は問題になっていない。

午前 問4(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:胸郭出口症候群の誘発テストは、圧迫が起こる部位ごとに肢位が定められている。公式正答が③であることから、③には肩90°外転・外旋、肘90°屈曲で頭部を反対側へ回旋させるAllenテストの手技が描かれていると考えられる。

  • 1:Morleyテストは鎖骨上窩の斜角筋間を指で圧迫し上肢への放散痛を誘発する手技で、①の図とは一致しないと考えられる。
  • 2:Attention(気をつけ)テストは気をつけ姿勢で両肩を後下方に引き肋鎖間隙を狭める手技で、②の図とは一致しないと考えられる。
  • 3:○。Allenテストは肩90°外転・外旋、肘90°屈曲で頭部を対側へ回旋させ、橈骨動脈拍動の減弱と症状再現をみる。
  • 4:Adsonテストは頸部を患側へ回旋・伸展させ深呼吸させて前斜角筋部の圧迫をみる手技で、④の図とは一致しないと考えられる。
  • 5:Wrightテストは肩を過外転させ小胸筋下での圧迫をみる手技で、⑤の図とは一致しないと考えられる。

午前 問6(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:STEFは10種の物品を規定の枠から枠へ運ぶ速さで上肢の動作能力をみる検査で、物品ごとに配置と移動方向、傾きが定められている(検査は原則として右手から実施)。公式正答から、③が右手検査時の設定と移動方向を正しく示していると考えられる。

  • 1:①は物品の配置または移動方向が右手検査の規定と異なると考えられ、正しい実施とはいえない。
  • 2:②も定められた枠間の移動方向と合致しないと考えられ、標準的な検査設定にあたらない。
  • 3:○。公式正答から、③は右手検査時の物品の配置と運ぶ方向が規定どおりに示されていると考えられる。
  • 4:④は移動方向が規定と逆になっているなど、標準の設定と一致しないと考えられる。
  • 5:⑤は物品の傾きや置く枠(例えばピンは右手検査では右傾きに配置する)が規定と異なると考えられる。

午前 問7(実地・正答 1・3) 問題を見る →

ポイント:選択肢は別冊の図版のため、公式PDFをご参照ください。2022年4月改訂の「関節可動域表示ならびに測定法」に照らし、各図の基本軸・移動軸・測定肢位・運動方向が規定どおりかを判断する問題で、公式正答は1と3の2つである。

  • 選択肢が図版のため、全問ページと公式PDFでご確認ください。

午前 問10(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:第5胸髄節まで機能残存の対麻痺では下肢の随意運動がなく、実用的な立位・歩行は困難で日常は車椅子を使用し、便器上で排泄する。住宅改修は車椅子での進入・接近のしやすさと、座位のまま行う移乗を支える視点で考える。公式正答から、⑤は移乗に活かしにくい手すりの設置と考えられる。

  • 1:引き戸は開閉時に車椅子を後退させる必要がなく、狭い空間でも出入りしやすいため適切である。
  • 2:車椅子の全幅58cmに対し開口幅85cmは余裕があり、正面からの進入が可能になるため適切である。
  • 3:洗面台に下部空間があれば車椅子に座ったまま正面から近づけ、上肢が届くようになるため適切である。
  • 4:フローリングは畳やカーペットより駆動抵抗が小さく、車椅子の操作性が高まるため適切である。
  • 5:○(適切でない)。立位がとれない対麻痺では縦手すりは活かしにくく、側方移乗を支える横手すりやL字型手すりが有用。

午前 問14(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:身体的疾患が否定され、心理的要因の関与する身体症状と考えられる。作業療法の導入当初は訴えを否定も肯定もせず傾聴し、信頼関係を築くことが優先される。心理的背景への直面化や説得は時期尚早で、抵抗を強めやすい。

  • 1:○。訴えを受け止めて傾聴に留めることで、患者の体験を否定せずに治療関係を築くことができる。
  • 2:受診を約束することは作業療法士の役割を超え、身体症状へのとらわれを強める恐れもある。
  • 3:精神的な問題だと繰り返し説明すると、否定されたと感じて反発を招き、治療中断につながりやすい。
  • 4:開始当初から発症の心理的背景に踏み込むのは時期尚早で、防衛を強めて関係形成を妨げる。
  • 5:参加すれば症状が軽減すると保証するのは根拠がなく、改善しなかった場合に不信を招く。

午前 問16(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:強迫性障害では完璧主義的なとらわれから「完全でなければ意味がない」と感じ、作業が進まなくなることがある。中断や種目変更は回避を助長するため、達成できている部分に目を向けさせ、不完全でも進められる体験を積ませる関わりが有効。

  • 1:種目を変えても完璧主義のとらわれは新しい作業にも持ち込まれ、回避を助長するだけで解決にならない。
  • 2:中止は成功体験の機会を奪い、家庭復帰という目標からも遠ざかるため適切でない。
  • 3:訴えを聞くだけで様子をみると、とらわれが続いたまま症状の増悪を放置することになりかねない。
  • 4:担当者の交代は関係形成をやり直すことになり、症状増悪への対応としての根拠に乏しい。
  • 5:○。できている部分へ注意を向けることで完璧主義的な自己評価を修正し、達成感と自己効力感を高められる。

午前 問19(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:境界性パーソナリティ障害では、見捨てられ不安や理想化と脱価値化により治療関係が揺れやすく、自傷などの行動化も生じやすい。時間・場所・約束事といった枠組み(治療構造)を明確にし、一貫した対応を保つことが基本となる。

  • 1:交際トラブルを指導する立場をとると、批判されたと受け取られて治療関係が不安定になりやすい。
  • 2:対人交流を限定すると孤立感や見捨てられ感を強め、対人関係を学び直す機会も失われる。
  • 3:時間や場所を決めない対応は要求の拡大や行動化を招きやすく、治療構造を曖昧にしてしまう。
  • 4:トラブルのたびに担当を替えることは、理想化と脱価値化(スプリッティング)を助長する。
  • 5:○。双方が守る規則を明確にすることで一貫した関わりが可能となり、行動化の予防にもつながる。

午前 問28(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:作業分析は作業活動を工程(段階)ごとに分解し、各工程が要求する身体機能・認知機能・心理社会的要素や、道具・環境の条件を明らかにする方法である。結果だけでなく遂行の過程を多面的に観察する。

  • 1:道具や場所、人的環境は作業の遂行に大きく影響するため、環境条件も分析の対象に含まれる。
  • 2:動作の把握には正面・側面など複数方向から、また複数場面での観察が必要で、一方向では不十分である。
  • 3:作業を工程ごとに分解し、各工程に要求される機能や条件を分類・分析するのが作業分析である。
  • 4:完成した作品などの結果だけでなく、どのように遂行したかという過程の分析が重要である。
  • 5:観察と解釈に基づくため、分析者の知識や経験の程度によって結果は左右されうる。

午前 問29(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:FIMは実際に行っている介助量で7〜1点に評定する。用具の準備やセッティングのみの介助は5点、患者が75%以上を自分で行えば4点、50〜74%なら3点、自助具や補助具を用いて自立していれば6点となる。

  • 1:万能カフの装着は食事の準備(セッティング)にあたり、食べる動作自体は自分で行うため5点でよい。
  • 2:タオルを持ってきてもらうのは準備介助にあたるため5点であり、4点とするのは誤りである。
  • 3:下着やズボンを膝まで通してもらう場合、本人の遂行割合は50〜74%程度にとどまり3点が妥当である。
  • 4:拭く紙を用意してもらうのは準備介助なので5点となる。6点は用具を用いた自立の場合である。
  • 5:自らメモという代償手段を用いて生活できているのは修正自立にあたり、6点と評定される。

午前 問33(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:設問は誤っているものを問うている。加藤普佐次郎は東京府巣鴨病院(後の松沢病院)で精神障害者に対する作業療法(作業治療)を実践・体系化した人物であり、結核患者の作業療法への貢献ではない。

  • 1:加藤普佐次郎は精神科領域における作業療法の実践者であり、結核患者の作業療法とするのは誤りである。
  • 2:呉秀三は巣鴨病院長として欧州の無拘束の理念と作業の治療的効果をわが国に紹介した。正しい記述である。
  • 3:Jean Ayresは米国の作業療法士で、感覚統合理論・感覚統合療法を提唱した。正しい記述である。
  • 4:高木憲次は「療育」の概念を提唱し整肢療護園を創設するなど肢体不自由児の療育を体系化した。正しい。
  • 5:Philippe Pinelは精神障害者を鎖から解放し、道徳療法(モラルトリートメント)を始めた。正しい。

午前 問34(専門一般・正答 2・3) 問題を見る →

ポイント:手指の巧緻性向上には、指先での物のつまみ・持ち替えや両手の協調を反復して要求する作業が適する。素材が細く、指腹での操作が中心となる編む・結ぶ作業が該当し、粗大な力や上肢全体の運動が主体の作業は目的に合わない。

  • 1:陶芸の菊練りは体重を乗せた上肢・体幹の粗大な力を用いる作業で、巧緻性より筋力や協調的な全身運動の要素が大きい。
  • 2:籐細工の編み込みは細い籐を指先でつまみ、通す・引き締める分離運動を反復するため巧緻性向上に適する。
  • 3:マクラメの平結びは複数のひもを指先で持ち替えて結ぶ作業で、両手の協調と手指の巧緻動作が中心となる。
  • 4:木版画の摺りはバレンを手掌で押し当てる上肢の圧迫・粗大運動が主体で、手指の巧緻性が主目的とはならない。
  • 5:木工の鋸挽きは把持力と上肢の反復的な粗大運動が中心で、手指の巧緻性向上を目的とする作業ではない。

午前 問36(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:嚥下後に食塊が残りやすい部位は喉頭蓋谷と梨状窩である。梨状窩の残留は咽頭収縮力の低下や食道入口部の開大不全で生じ、残留物が嚥下後に気道へ流入して誤嚥の原因となる。

  • 1:液体は流速が速くまとまりにくいため最も誤嚥しやすく、必要に応じてとろみ付けで対応する。
  • 2:先行期(認知期)の障害により食物の認識や一口量・ペースの調整が困難となるなど、認知機能の影響を受ける。
  • 3:咳反射が低下していると、むせのない不顕性誤嚥(silent aspiration)が起こりうる。
  • 4:頸部前屈(屈曲)は咽頭と気道の位置関係を整え誤嚥を防ぐ姿勢であり、嚥下反射が遅れるわけではない。
  • 5:梨状窩は喉頭蓋谷とともに咽頭残留の好発部位であり、正しい記述である。

午前 問37(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:関節リウマチの評価は、疾患活動性・関節破壊・機能(日常生活)で用いる指標が異なる。日常生活動作の遂行能力を表すのがSteinbrockerのclass(機能)分類である。同じSteinbrockerでもstage分類はX線所見に基づく病期分類なので区別する。

  • 1:DAS28は28関節の腫脹・圧痛関節数、炎症反応、患者全般評価から算出する疾患活動性の指標である。
  • 2:Larsen分類はX線像による関節破壊の程度の評価であり、日常生活の評価ではない。
  • 3:Lansbury指数は朝のこわばりや握力、赤沈などから算出する疾患活動性の指標である。
  • 4:Steinbrockerのclass分類は身のまわり動作や職業活動の可否でclassI〜IVに分ける機能(生活)の分類である。
  • 5:AIMSはQOLを含む健康状態を多面的に測る患者立脚型の包括的尺度で、日常生活の機能分類として用いる指標ではない。

午前 問39(専門一般・正答 1・5) 問題を見る →

ポイント:SOAPはWeedが提唱した問題志向型診療記録(POMR/POS)の経過記録の書式である。S(主観的情報)は患者・家族の訴え、O(客観的情報)は観察や検査所見、A(評価)は情報の解釈と分析、P(計画)はAを踏まえた具体的な対応を記載する。

  • 1:SOAPは問題志向型システム(POS)に基づく問題指向型診療記録の経過記録形式であり、正しい。
  • 2:Sは患者や家族の訴えなど主観的情報を記載する。作業療法士が観察した情報はOに記載する。
  • 3:Oは観察・測定・検査などの客観的情報を記載する。本人や家族から得た訴えはSに記載する。
  • 4:Aは情報の解釈・分析(評価)を記載する欄であり、作業療法プログラムはPに記載する。
  • 5:PはAに基づく治療・訓練・指導などの具体的な対応や計画を記載するもので、正しい。

午前 問41(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:職業評価法の識別問題。GATB(厚生労働省編一般職業適性検査)は11種の紙筆検査と4種の器具検査から、知的能力・言語能力・数理能力・書記的知覚・空間判断力・形態知覚・運動共応・指先の器用さ・手腕の器用さの9適性能を測定し、適職を吟味する。

  • 1:11種の筆記検査と4種の器具検査で9つの適性能を測定し、適性職業群と照合して適職を検討する検査で、記述と一致する。
  • 2:MODAPTSは身体各部の動作を記号化して所要時間を見積もる動作時間分析法で、作業の標準時間設定に用いる。適性能の測定ではない。
  • 3:マイクロタワー法は13種の作業標本(ワークサンプル)で職業能力をみる評価法で、筆記11種・器具4種という構成ではない。
  • 4:ワークサンプル幕張版(MWS)は障害者職業総合センターが開発した作業課題による職業評価・訓練ツールで、9適性能を測るものではない。
  • 5:内田クレペリン精神検査は一桁数字の連続加算作業から作業曲線を求め、作業能率や性格・行動面の特徴を把握する検査である。

午前 問44(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:精神科作業療法では、幻覚・妄想などの異常体験を頭ごなしに否定したり訂正したりしないことが原則である。訂正は「わかってもらえない」という不信を生み治療関係を損なう。訴えは受け止めつつ、現実的な作業に注意が向くよう関わる。

  • 1:退院後の生活を見据えた支援は、地域生活への移行と再入院予防に不可欠であり、精神科作業療法の重要な役割で正しい。
  • 2:過度に巻き込まれず適切な心理的距離を保つことは、治療関係を安定して維持するために必要な態度で正しい。
  • 3:患者の主体性・自己決定を尊重して活動を支援することは作業療法の基本姿勢であり、治療的態度として正しい。
  • 4:異常体験の訴えをその都度訂正すると、否定されたと感じて不信や被害的解釈を強め治療関係が崩れる。否定も肯定もせず受け止めるのが原則で、誤り。
  • 5:無理に活動しなくてよいと保障することは安心感を生み、参加への意欲を引き出すことにつながる態度で正しい。

午前 問47(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:境界性パーソナリティ障害では強い陽性・陰性の転移が生じやすく、転移を治療的に扱うのは高度な精神療法の技法である。作業療法士は転移を利用するのではなく、治療の枠組みを保った一貫性のある現実的な関わりを維持することが求められる。

  • 1:治療目標を適宜確認することは治療の枠組みを保ち、行動化を防いで治療を進めるうえで適切な対応である。
  • 2:主体的な参加を促すことは、自律性と自己責任を育て、行動の自己調整を支えるうえで適切である。
  • 3:疾患に伴う問題を率直に説明することは、患者と課題を共有し治療への動機づけを高めるうえで適切である。
  • 4:転移を利用する関わりは陽性・陰性転移の激化や自傷などの行動化を招きやすく、作業療法士の対応としては適切でない。
  • 5:薬物療法や他職種による支援を含めた統合的な治療の検討は、この疾患の対応として適切である。

午前 問50(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:医療安全では、患者の安全確保と自由・主体性の尊重を両立させることが原則である。無断離院のリスクがある患者は集団場面では所在の把握が難しく、当面は1対1で実施して状態と所在を確認できるようにすることが適切である。

  • 1:必要性の根拠なく室内の自由な移動を一律に禁じるのは行動制限にあたり、患者の自由の尊重に反するため適切でない。
  • 2:切り絵はカッターなど鋭利な道具を使う。自傷行為がある患者に希望のまま行わせるのは危険で、道具の管理や代替活動の検討が必要である。
  • 3:易怒性のある患者を集団で行うと対人刺激で興奮が誘発され、他患者とのトラブルや事故につながりやすい。
  • 4:無断離院のリスクがある患者は、1対1であれば所在と状態を継続して把握でき、当面の安全確保として適切である。
  • 5:過負荷の状態で励まして継続させると疲弊や症状悪化を招く。早期改善を優先せず負荷を調整すべきである。

午前 問82(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:脳卒中の代表的評価法の構成項目を問う問題。SIASは9領域22項目からなる総合評価で、腹筋力と垂直性からなる体幹機能が含まれる。他の4つはいずれも組合せの項目を評価内容に含まない。

  • 1:JSS(Japan Stroke Scale)は意識・言語・運動麻痺など神経学的重症度を数量化する尺度で、ADLの項目は含まない。
  • 2:mRSは介助の必要度から生活自立度を0〜6の段階で表す包括的な尺度であり、バランス機能を個別に評価する項目はない。
  • 3:Fugl-Meyer Assessmentは運動機能・バランス・感覚・関節可動域と疼痛を評価する。歩行速度の測定項目は含まれない。
  • 4:正しい。SIASには腹筋力と垂直性(座位保持)を評価する体幹機能の項目が含まれ、体幹の機能を数量的に把握できる。
  • 5:NIHSSは意識・視野・眼球運動・顔面/四肢の運動・失調・感覚・言語・構音・無視の11項目で、関節可動域は含まない。

午前 問84(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:ASIA(ISNCSCIによる脊髄損傷の神経学的分類)は、左右各10筋の徒手筋力検査、28か所のkey sensory pointの触覚・痛覚、深部肛門圧覚と随意的肛門収縮を評価する。仙髄機能の残存が完全麻痺と不全麻痺の判定を左右する。

  • 1:意識レベルはJCSやGCSで評価するもので、脊髄損傷の神経学的高位と残存機能を判定するASIAの評価項目には含まれない。
  • 2:運動失調は主に小脳や後索の障害でみられる症候で、ASIAの評価項目ではない。ASIAは筋力と感覚を髄節ごとに採点する。
  • 3:眼球運動は脳神経の評価項目であり、脊髄損傷の残存高位を判定するASIAには含まれない。
  • 4:正しい。深部肛門圧覚(肛門感覚)と随意的肛門収縮は仙髄S4-5の機能を示し、完全損傷か不全損傷かの判定に必須である。
  • 5:深部腱反射はASIAの採点項目に含まれない。ASIAで用いるのは徒手筋力検査と触覚・痛覚の点数、および仙髄機能の有無である。

午前 問99(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:健康関連QOLの測定尺度を選ぶ問題。SF-36は身体機能・日常役割機能・体の痛み・全体的健康感・活力・社会生活機能・心の健康の8下位尺度からなる包括的尺度で、疾患を問わず使えるため統合失調症患者にも適用できる。

  • 1:BPRSは面接に基づき精神症状の重症度を評価する尺度で、症状の程度を測るものであり健康関連QOLの測定尺度ではない。
  • 2:NEO-PI-Rは神経症傾向や外向性など5因子でパーソナリティ特性を測る性格検査であり、QOLの測定には用いない。
  • 3:RDQは腰痛による日常生活の支障度を測る腰痛特異的尺度で、統合失調症患者の健康関連QOL測定には適さない。
  • 4:正しい。SF-36は8下位尺度からなる包括的な健康関連QOL尺度で、疾患を限定せず統合失調症患者にも使用できる。
  • 5:SFSは統合失調症患者の社会機能(対人交流や自立生活能力など)を評価する尺度で、健康関連QOLそのものの測定尺度ではない。

午後 問1(実地・正答 1・3) 問題を見る →

ポイント:選択肢は別冊の図版のため、公式PDFをご参照ください。Danielsらの徒手筋力テストの段階3は、重力に抗して全可動域を動かせるが徒手抵抗には抗せない状態で、判定は抗重力肢位で行う。したがって対象筋の運動方向(矢印)が重力と反対向きになる開始肢位が正しい。公式正答は1と3の2つであり、この2つが各筋の抗重力肢位と運動方向に合致していると考えられる。

  • 選択肢が図版のため、全問ページと公式PDFでご確認ください。

午後 問21(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:洗顔は手を顔面まで運ぶ動作で、肘関節屈曲の可動域が最も強く要求される。洗顔には概ね100〜140°の肘屈曲が必要とされ、屈曲50°では手が顔に届かず、肩や体幹の代償でも補いにくいため洗顔が成立しない。

  • 1:肩屈曲40°でも肘を深く曲げれば手は顔面に届き、体幹を前傾させる代償も使えるため洗顔は可能である。
  • 2:洗顔で主に必要なのは肘屈曲であり、内旋60°あれば手を体幹前面から顔前へ運べるので支障は生じない。
  • 3:正しい。洗顔にはおよそ100°以上の肘屈曲が要り、50°では手が顔面に届かず洗顔動作が成立しない。
  • 4:洗顔では手掌で水をすくうため前腕回外を用いるが、正常可動域90°に対し60°まで回外できれば洗顔は可能である。
  • 5:手関節背屈10°でも手掌や指腹を顔に当てられ、肩・肘の運動で代償できるため洗顔は可能である。

午後 問22(専門一般・正答 3・5) 問題を見る →

ポイント:FAI(Frenchay Activities Index)は脳卒中者のIADLを実施頻度で評価する15項目の尺度で、食事の用意・片づけ、洗濯、掃除、力仕事、買い物、外出、屋外歩行、趣味、交通手段の利用、旅行、庭仕事、家や車の手入れ、読書、勤労からなる。

  • 1:階段昇降はFAIの項目に含まれない。Barthel IndexやFIMなど基本的ADLの評価に含まれる移動関連項目である。
  • 2:銀行貯金の出し入れなどの金銭管理はFAIにはなく、LawtonのIADL尺度や老研式活動能力指標で扱われる。
  • 3:正しい。自転車・車・バス・電車・飛行機などの利用として、交通手段の利用はFAIの項目に含まれる。
  • 4:請求書の支払いもFAIの項目ではない。金銭管理や服薬管理はLawtonのIADL尺度などで評価される。
  • 5:正しい。庭仕事はFAIの項目の一つで、過去6か月間の実施頻度を4段階(0〜3点)で評価する。

午後 問24(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:就労支援機器は障害特性に応じて選択する。記憶障害では指示や作業手順を記録して必要時に何度も確認できる代償手段が有効であり、録音再生機はその代表である。他の肢は障害と機器の対応が入れ替わっている。

  • 1:正しい。録音再生機は指示や作業手順を録音して繰り返し聞き返せ、記憶障害の外的代償手段として有効である。
  • 2:磁気誘導ループは音声を磁気信号に変えて補聴器に直接届ける装置で、視覚障害ではなく聴覚障害への支援機器である。
  • 3:筆談支援機器は聴覚障害者との意思疎通を助ける機器である。四肢麻痺では書字操作自体が困難で適合しない。
  • 4:音声メールソフトは画面の文字情報を読み上げるもので視覚障害向け。聴覚障害では文字情報の方が有用である。
  • 5:活字文章読み上げ装置は印刷物を音声化する視覚障害用機器。両上肢切断では入力補助や環境制御装置が必要となる。

午後 問28(専門一般・正答 2・4) 問題を見る →

ポイント:COPMは本人が挙げた作業課題について遂行度と満足度を各10段階で自己採点させる面接評価である。MTDLPも合意目標に対する実行度と満足度を本人に10段階で確認する。いずれも対象者に直接、満足度を問うことができる。

  • 1:AMPSは作業療法士がADL・IADL課題の遂行を観察し運動技能とプロセス技能を採点する観察評価で、満足度は問わない。
  • 2:正しい。カナダ作業遂行測定は、本人が特定した作業課題の遂行度と満足度を各10段階で自己評価してもらう。
  • 3:作業に関する自己評価(OSAⅡ)は自記式だが、各項目の遂行状況と自分にとっての価値(重要度)を評定する。
  • 4:正しい。生活行為向上マネジメントでは、合意した生活行為目標の実行度と満足度を本人に10段階で自己評価してもらう。
  • 5:NPI興味チェックリストは多数の活動について興味の程度や経験の有無を問うもので、満足度を評価する尺度ではない。

午後 問29(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:2点識別覚はノギスやディスクリミネーター(2点識別器)で2点間の距離を変えながら刺激し、2点として識別できる最小距離を測定する。他の肢は用具や刺激条件が本来の検査法と一致しない。

  • 1:触覚は毛筆や脱脂綿で四肢の長軸方向に沿って(平行に)触れるのが原則で、直角方向に触れるのではない。
  • 2:温度覚は40〜45℃の温水と5〜10℃程度の冷水を用いる。0℃では痛覚も刺激され温度覚の判定ができない。
  • 3:振動覚は音叉を橈骨茎状突起や内果などの骨の突出部に当てて調べる。筋腹では振動が骨に伝わらない。
  • 4:Semmes-Weinstein monofilamentは触圧覚の閾値検査である。受動運動覚は他動的に関節を動かし方向を答えさせる。
  • 5:正しい。2点識別覚はノギスやディスクリミネーターで2点間距離を変えて刺激し、識別可能な最小距離を測る。

午後 問30(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:Brunnstrom法ステージのテスト動作の対応が問われている。上肢Ⅳは共同運動からの分離が始まる段階で、手を腰の後ろへ回す・肘伸展位で前方水平位へ挙上する・肘90°屈曲位で前腕回内外を行う、の3つがテスト動作である。

  • 1:正しい。手を背中(腰)の後ろへ回す動作は、上肢ステージⅣのテスト動作の一つである。
  • 2:肘伸展位で上肢を前方水平位へ挙げるのは上肢Ⅳのテスト動作。Ⅴは肩90°外転や上肢の頭上挙上である。
  • 3:肘伸展位・肩90°屈曲位での前腕回内外は上肢Ⅴのテスト動作。Ⅵは分離運動が自由で協調性がほぼ正常となる段階である。
  • 4:横つまみ(側つまみ)ができるのは手指Ⅳ。手指Ⅲは全指同時握りが可能だが随意的な手指伸展はできない段階である。
  • 5:全可動域にわたる指の伸展は手指Ⅵ。手指Ⅴは随意的な集団伸展が可能だが、その可動域は一定しない段階である。

午後 問31(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:FAB(Frontal Assessment Battery)は前頭葉機能を簡便に評価する検査で、類似性(概念化)、語の流暢性(知的柔軟性)、運動系列(Luria)、葛藤指示、Go/No-Go(抑制制御)、把握行動の6課題・18点満点からなる。

  • 1:計算はMMSEやHDS-Rなどに含まれる課題であり、FABの6課題には含まれていない。
  • 2:色の呼称は失語症検査や視覚性呼称課題などで用いられるもので、FABの課題ではない。
  • 3:書き取りはMMSEや失語症検査で用いられる課題で、FABに書字を求める課題は含まれない。
  • 4:左右判別はGerstmann症候群の評価などで用いる頭頂葉機能の課題であり、FABには含まれない。
  • 5:正しい。指定した頭文字で始まる語をできるだけ多く挙げる語の流暢性課題が、知的柔軟性の項目として含まれる。

午後 問40(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:Rehab(精神科リハビリテーション行動評価尺度)は、対象者を一定期間観察した結果に基づき、スタッフが逸脱行動と全般的行動を評定する行動観察式の尺度である。他の肢は検査法と実施方法の対応が誤っている。

  • 1:BPRS(簡易精神症状評価尺度)は面接と観察に基づき評価者が精神症状を評定する他者評価尺度で、自記式ではない。
  • 2:GAFは機能の全体的評定尺度で、臨床情報をもとに0〜100点で評定する。半構造化面接という形式の検査ではない。
  • 3:HTP(House-Tree-Person)テストは家・木・人を描かせる描画法(投影法)であり、構造化面接ではない。
  • 4:正しい。Rehabは一定期間の行動観察に基づき、逸脱行動と全般的行動をスタッフが評定する尺度である。
  • 5:SDS(自己評価式抑うつ性尺度)は20項目を本人が4段階で回答する自記式質問紙であり、描画法ではない。

午後 問42(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:BACS(統合失調症認知機能簡易評価尺度)は、言語性記憶・作動記憶・運動機能・言語流暢性・注意と情報処理速度・遂行機能の6領域を約30分で測る、統合失調症の認知機能評価に特化した検査バッテリーである。

  • 1:遅発性ジスキネジアなど抗精神病薬による不随意運動の重症度を評価する尺度で、認知機能は測らない。
  • 2:正しい。統合失調症の認知機能を6領域から簡便に測定する検査で、本問の目的に合致する。
  • 3:精神障害者社会生活評価尺度で、日常生活・対人関係・労働などの生活障害の程度を評価する。
  • 4:陽性・陰性症状評価尺度で、精神症状の重症度を測る面接尺度であり認知機能検査ではない。
  • 5:陽性症状評価尺度で、幻覚・妄想・奇異な行動など陽性症状の重症度を評価する。

午後 問50(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:精神障害を有する高校生の就学支援では、担当医・家族・学校が情報を共有し、通学の負担や出席・単位の扱い、復学の進め方を調整することが要となる。本人の意思を尊重し、休学や転校も選択肢として柔軟に扱う。

  • 1:通信制や定時制への転校が負担軽減と就学継続につながることもあり、一律に避けるのは不適切。
  • 2:正しい。医療・家族・学校が連携して情報を共有し、支援方針を調整することが最も適切である。
  • 3:年限内の卒業を最優先すると無理な登校を強いる。回復状況と本人の状態を優先すべきである。
  • 4:本人の希望や意思を中心に据えるべきで、親の希望のみで方針を決めるのは適切でない。
  • 5:試験登校(慣らし登校)は復学に向けた段階的な準備として有用であり、禁止する必要はない。

午後 問79(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:即時記憶は情報を提示された直後に干渉を挟まずに保持・再生する記憶で、数字の順唱(digit span)が代表的な検査である。数分後の遅延再生や昨夜の夕食は近時記憶、結婚年齢や過去の社会的事件の想起は遠隔記憶に相当する。

  • 1:○ 数唱(順唱)は提示直後に干渉なく再生させる課題であり、即時記憶の代表的な検査である。
  • 2:以前の社会的な事件の想起は、長期にわたり保持された遠隔記憶を調べる課題である。
  • 3:結婚した年齢の想起は数十年前の個人的な出来事であり、遠隔記憶に相当する。
  • 4:昨夜の夕食の想起は数時間から1日前の出来事であり、近時記憶に相当する。
  • 5:3分後の遅延再生は間に干渉課題を挟むため、即時記憶ではなく近時記憶の検査である。

午後 問87(共通・正答 3) 問題を見る →

ポイント:ICFの「参加」は生活・人生場面への関わりを指し、就労・就学・地域活動などが該当する。選択肢のうち職業に就くことに直接つながる職業適性が最も関連が深い。

  • 1:教育歴は過去の経歴であり、背景因子(個人因子)として扱われる。現在の関わりを示す参加そのものではない。
  • 2:住環境は環境因子に分類される。参加を促進・阻害する条件ではあるが、参加の評価情報そのものではない。
  • 3:職業適性は就労という生活・人生場面への関わりに直結し、参加の評価に最も関連する情報である。
  • 4:認知機能は心身機能に分類され、参加を支える要素ではあるが参加そのものの評価情報ではない。
  • 5:セルフケア能力は日常の課題遂行であり「活動」に分類される。社会参加の水準を示すものではない。

この解説について

本コンテンツは教育目的で無償公開しています。正答番号は厚生労働省が公表する事実データ、解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。

出典:「第58回〜第61回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。


関連ページ

国家試験リベンジ採用

国家試験に惜しくも届かなかった方へ。株式会社Network-Primer(高松市のデイサービス)では、正社員として働きながら再挑戦できる「国家試験リベンジ枠」を設けています。先輩メンター制度・受験サポートあり。→ 採用情報を見る

出典:「第58回〜第61回 理学療法士国家試験、作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(第61回の公表ページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-09-10

監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)。PT・OT共通問題(問51〜100)の解説を監修しています。作業療法士専門分野の解説は当社が独自に作成したもので、作業療法士による監修は受けていません。

本コンテンツは、職員の受験支援用に作成し、実際に社内で使っている教材を公開しています。

国家試験リベンジ採用

落ちた年を、「空白の1年」にしない。

内定が取り消しになっても、同期が先に働き始めても——ここでは正社員として現場に立ちながら、翌年の合格を目指せます。

不合格の春に入社し、翌年合格した先輩がいます。先輩メンターと、この無料教材のすべてがあなたのものです。