作業療法学|第61回 作業療法士国家試験(14問)

第61回作業療法士国家試験の作業療法学分野(全14問)です。正答とNetwork-Primer独自解説(正答の理由・各選択肢の○×)を載せています。各問の問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢つき)に移動できます。200問を通しで解きたいときは第61回 OT 全問ページ(演習モード・自己採点つき)へ。

概要

項目数値
出題数14問
実地問題8問(24点)
一般・共通問題6問(6点)
推定配点30点

正答一覧

問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢・正答・解説)に移動します。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問6午前実地片麻痺者の復職支援での対応2
問10午前実地初回面接後に行う評価の選択2
問13午前実地被殻出血例への作業療法の方針2
問15午前実地適応障害の導入時に聴取する情報3
問18午前実地摂食障害の導入時プログラム選択5
問22午前専門一般作業療法の歴史上の人物と業績3
問24午前専門一般革細工で使用する道具の選択3・5
問29午前専門一般作業療法の目標設定の考え方3
問31午前専門一般MTDLPの特徴と適用範囲5
問50午前専門一般開かれた質問に該当する問いかけ2/4(複数正答)
問8午後実地片麻痺者への復職支援の進め方3
問10午後実地Parkinson病の住環境整備の優先4
問12午後実地SOAP記録の各項目の記載内容3
問28午後専門一般作業療法プログラム立案の原則5

解説

午前 問6(実地・正答 2) この問題のページ →

BRSがほぼ良好(上肢Ⅵ・下肢Ⅵ)で認知・言語・移動に問題なく、経理事務(PC作業)に復帰予定。復職支援としてまず通勤手段の確認など実際的な環境調整を行う。

  • 1:機能が良好で配置転換を求める必要はない。
  • 2:通勤手段の確認は復職に向けた実際的・環境的支援として適切。
  • 3:ADLは自立しており集中的ADL訓練は不要。
  • 4:診断書だけで復職できると断定するのは不適切(職場との調整が必要)。
  • 5:手指Ⅴで事務作業は可能。運動機能改善を待つ必要はない。

午前 問10(実地・正答 2) この問題のページ →

「退屈・早く帰りたい」としか答えない場面で、次に行うべきは生活行為への関心把握(興味関心チェックシート等)。本人の意欲や大切にしたい作業を引き出すことが目標設定につながる。

  • 1:痛みの訴えはなく、痛み確認は優先度が低い。
  • 2:生活行為への関心を把握し、本人の意欲・目標を引き出すのが適切。
  • 3:他職種同席の面接は現段階で必須ではない。
  • 4:BRS手指Ⅴで会話も成立しており言語機能の問題は考えにくい。
  • 5:アンケートより面接で関心を掘り下げるのが適切。

午前 問13(実地・正答 2) この問題のページ →

右利きで右上肢が重度麻痺(BRS上肢Ⅲ・手指Ⅱ)。右手の実用的回復が困難なため、左手(非麻痺側)への利き手交換訓練を行い、更衣・食事等のADL自立を図るのが現実的で適切。

  • 1:集団活動の導入は現段階の最優先ではない。
  • 2:右利きで右手が重度麻痺のため、左手への利き手交換訓練でADL自立を図る。
  • 3:上肢機能回復のみを優先せず、実用的なADL獲得(利き手交換)を進める。
  • 4:食事はFIM6(自立に近い)で積極訓練の優先度は低い。
  • 5:園芸への関心は尊重すべきで、退院後課題と切り捨てるのは不適切。

午前 問15(実地・正答 3) この問題のページ →

適応障害の原因が職場の管理方法変更(人的環境)にあるため、導入時にまず職場の人的環境を聴取し、ストレス源を把握する。

  • 1:親との関係は本症例の主要ストレス源ではない。
  • 2:休職中の収入は重要だが最優先の聴取事項ではない。
  • 3:ストレス源である職場の人的環境をまず聴取する。
  • 4:寝室レイアウトは睡眠衛生の一要素だが最優先ではない。
  • 5:学生時代の就労経験は現在のストレス対応に直結しない。

午前 問18(実地・正答 5) この問題のページ →

神経性やせ症(るいそう進行後の回復期)で、身体状態改善後の導入時は、負荷が少なく達成感を得やすい軽作業(アイロンビーズでコースター作成)が適切。

  • 1:院外ウォーキングは消費エネルギーが大きく、やせ症の回復期には不適。
  • 2:集団作業療法は対人負荷が大きく導入時には不適。
  • 3:完成作品の改善点を話し合うのは自己批判的思考を強める恐れ。
  • 4:食品の知識学習は摂食へのこだわりを強めるリスク。
  • 5:短時間で完成し達成感を得やすい軽作業(アイロンビーズ)が導入に適切。

午前 問22(専門一般・正答 3) この問題のページ →

再建療法(reconstruction therapy)を提唱したのはGeorge Barton等であり、Adolf Meyerは作業療法の哲学的基盤(心理生物学・作業の治療的意義)を築いた人物。「Meyerが再建療法を確立」は誤り。

  • 1:(正しい):Jean Ayresは感覚統合療法を考案した。
  • 2:(正しい):Philippe Pinelは道徳療法(人道的処遇)を始めた。
  • 3:(誤り):Adolf Meyerは作業療法の哲学的基盤を築いたが、再建療法の確立者ではない。
  • 4:(正しい):高木憲次は肢体不自由児の療育を確立した。
  • 5:(正しい):呉秀三は精神科医療の改善(開放化・処遇改善)に尽力した。

午前 問24(専門一般・正答 3・5) この問題のページ →

革細工で使用する道具はモデラ(革に模様を付ける)とスーベルカッター(革を彫る)。

  • 1:切弓は陶芸の道具で、弓状の柄に張ったワイヤーで粘土を切断したり作品の高さを揃えたりするのに用いる(たたら板と同じく陶芸用具)。
  • 2:整経台は織物(機織り)の道具。
  • 3:モデラは革細工でスタンピング・模様付けに用いる。
  • 4:たたら板は陶芸(粘土を板状にする)の道具。
  • 5:スーベルカッターは革細工で線彫り(カービング)に用いる。

午前 問29(専門一般・正答 3) この問題のページ →

作業療法の目標設定は患者の価値観・希望を反映させ、クライアント中心で行う。

  • 1:目標は具体的(測定可能)に設定する(抽象的は不適)。
  • 2:状態変化に応じて目標は適宜見直す。
  • 3:患者の価値観・希望を反映させる(クライアント中心)。
  • 4:標準的病期対応に画一的に合わせるのではなく個別性を重視。
  • 5:復職は機能改善を待たず、環境調整も含め段階的に設定できる。

午前 問31(専門一般・正答 5) この問題のページ →

MTDLP(生活行為向上マネジメント)の社会適応プログラムは、環境因子(人的・物的環境、社会資源)へのアプローチで構成される。

  • 1:MTDLPは機能訓練ではなく生活行為の向上が目的。
  • 2:活動性が低い人も対象に含む。
  • 3:導入前に認知機能検査が必須ではない。
  • 4:訪問リハビリテーションでも活用できる。
  • 5:社会適応プログラムは環境因子へのアプローチで構成する。

午前 問50(専門一般・正答 2/4(複数正答)) この問題のページ →

本問は、厚生労働省の正答値表で選択肢2・4のいずれもが正答として認められた問題(複数正答)です。採点除外(その問題が採点対象から外れ、満点が減る扱い)ではありません。選択肢2・4のいずれかを選んだ場合が正解、それ以外を選んだ場合は不正解として採点されます。

  • 1:「痛みますか」 ── はい/いいえで答える閉じた質問。
  • 2:「今日はいかがですか」 ── 自由な回答を促す開かれた質問。
  • 3:「お住まいはどこですか」 ── 特定の情報を問う限定的な質問。
  • 4:「痛みについて詳しく説明してください」 ── 自由な説明を促す開かれた質問。
  • 5:「前ですか。後ろですか。全体ですか」 ── 選択を求める閉じた質問。

午後 問8(実地・正答 3) この問題のページ →

BRS良好(上肢Ⅴ・手指Ⅴ)・認知良好で、内装業からの転職を含む復職支援。職場環境での職業評価(実際の作業能力・環境適合の評価)を行うのが適切。

  • 1:運動機能は良好で機能改善のみを目指す段階ではない。
  • 2:就労後の定着支援も重要で、雇用されたら終了は不適。
  • 3:職場環境での職業評価を行い、適職・必要な配慮を検討する。
  • 4:認知・運動とも良好で通勤に家族付き添いは不要。
  • 5:課題がなくなるまで無期限に続けるのは非現実的。

午後 問10(実地・正答 4) この問題のページ →

すくみ足・姿勢反射障害があり後方転倒歴のあるParkinson病患者では、転倒予防が最優先である。選択肢4の図が示す整備(手すりの設置など、立ち座り・移動時の支持と転倒予防に直結する整備)が最優先となる。

  • 1:転倒予防への寄与が小さく、最優先とはいえない整備。
  • 2:本症例の最大リスクである転倒予防に直結しない整備。
  • 3:優先度はあるが、後方転倒歴のある本症例では手すり等の転倒対策が先。
  • 4:立ち座り・移動時の支持と転倒予防に直結し、最優先すべき住環境整備。
  • 5:あれば有用だが、転倒予防の緊急性に比べ優先度は低い。

午後 問12(実地・正答 3) この問題のページ →

SOAP記録で、A(Assessment)には評価・目標設定が入る。「短期目標設定は〜」はA(アセスメント/計画的判断)として正しい組合せ。

  • 1:血圧の測定値は客観的情報でO(Objective)に記載する(Sではない)。
  • 2:訓練の実施予定はP(Plan)に記載する(Oではない)。
  • 3:短期目標の設定はA(Assessment)として妥当。
  • 4:BRSの評価結果は客観的情報でO(Objective)に記載する(Pではない)。
  • 5:患者の発言はS(Subjective)に記載する(Pではない)。

午後 問28(専門一般・正答 5) この問題のページ →

作業療法プログラムは、対象者が成功体験を得られやすいように難易度を調整して設定するのが適切(自己効力感を高める)。

  • 1:訓練内容を毎回変更すると学習・般化が進まない。
  • 2:環境調整は入院中から計画的に進める(退院後では遅い)。
  • 3:IADL向上には機能訓練偏重でなく実際の生活行為訓練を組み合わせる。
  • 4:個人の経験のみでなくエビデンス・評価に基づき決定する。
  • 5:成功体験を得られやすいように課題の難易度を設定する。

関連ページ


出典:「第61回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。科目分類・要旨・解説はNetwork-Primerが独自に作成したものです。

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出典:「第58回〜第61回 理学療法士国家試験、作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(第61回の公表ページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-09-10

監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)。PT・OT共通問題(問51〜100)の解説を監修しています。作業療法士専門分野の解説は当社が独自に作成したもので、作業療法士による監修は受けていません。

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