評価・ADL|第61回 作業療法士国家試験(17問)

第61回作業療法士国家試験の評価・ADL分野(全17問)です。正答とNetwork-Primer独自解説(正答の理由・各選択肢の○×)を載せています。各問の問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢つき)に移動できます。200問を通しで解きたいときは第61回 OT 全問ページ(演習モード・自己採点つき)へ。

概要

項目数値
出題数17問
実地問題6問(18点)
一般・共通問題11問(11点)
推定配点29点

正答一覧

問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢・正答・解説)に移動します。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問1午前実地MMTの段階5・4の抵抗方向2
問5午前実地Brunnstrom法ステージの判定5
問9午前実地Barthel Indexで10点の項目1
問28午前専門一般関節可動域測定法の基準と肢位4
問30午前専門一般FIMの移乗項目の採点規則3
問40午前専門一般心理検査と評価内容の組合せ5
問80午前共通質問紙法に該当する評価尺度1
問86午前共通MRIと比較したCTの特性2
問98午前共通人格検査に該当する検査法1/3(複数正答)
問1午後実地関節可動域測定法の正しい実施法2・4
問4午後実地遂行機能障害の初期評価法の選択3
問5午後実地脳性麻痺児のADL評価法の選択3
問24午後専門一般疼痛評価尺度と説明の組合せ2・3
問25午後専門一般IADLを評価する尺度の選択1・5
問26午後専門一般知能指数が算出できる検査5
問49午後専門一般心理社会職業機能を測る尺度選択1
問81午後共通HDS-Rに含まれる質問項目4・5

解説

午前 問1(実地・正答 2) この問題のページ →

MMTの段階5・4は、検査肢位で最終域近くに保持させ、運動方向と反対に抵抗を加えて判定する。選択肢2の図が、正しい検査肢位・抵抗方向(矢印)を示している。

  • 1:抵抗を加える方向、または検査肢位が段階5・4の基準と異なる。
  • 2:正しい検査肢位で、運動方向と反対(適切な方向)に抵抗を加えている。
  • 3:抵抗方向が運動方向と一致しておらず誤り。
  • 4:検査肢位または固定・抵抗の位置が不適切。
  • 5:抵抗を加える部位・方向が基準と異なる。

午前 問5(実地・正答 5) この問題のページ →

上肢:肘伸展位で頭上まで屈曲・外転100度可能=分離運動が進んだステージⅤ。手指:対向つまみ+集団伸展可能=ステージⅤ。よって上肢Ⅴ手指Ⅴ。

  • 1:ステージⅢは共同運動出現段階で、頭上挙上は不可。
  • 2:手指Ⅳは横つまみ程度。集団伸展可能はⅤ。
  • 3:上肢Ⅳは分離運動が一部出現する程度で頭上挙上は困難。
  • 4:手指の集団伸展可能はⅤであり、手指Ⅳは不適。
  • 5:肘伸展位での頭上挙上(分離運動)=上肢Ⅴ、対向つまみ+集団伸展=手指Ⅴ。

午前 問9(実地・正答 1) この問題のページ →

Barthel Indexで10点となる項目は食事(自立/一部介助で10点or5点)。本症例は自助具を用いて自力摂取=食事10点。移乗自立は15点、整容は5点、入浴は5点、移動(歩行不能・車椅子自力)は5点。

  • 1:食事は自助具使用でも自力摂取できれば10点。
  • 2:整容は自立で5点(10点満点ではない)。
  • 3:入浴は自立で5点。
  • 4:移動は車椅子自力操作で5点。
  • 5:移乗は自立で15点。

午前 問28(専門一般・正答 4) この問題のページ →

足関節背屈の測定では、腓腹筋(二関節筋)の影響を除くため膝関節を屈曲位にして行う。膝伸展位では腓腹筋の緊張で背屈が制限される。

  • 1:角度は原則5度刻みで記載する(1度刻みではない)。
  • 2:股関節伸展は腹臥位で行う(仰臥位ではない)。
  • 3:ROM測定は原則他動運動で行う(自動運動ではない)。
  • 4:足関節(背屈)は腓腹筋の影響を除くため膝関節屈曲位で測定する。
  • 5:手指PIP関節の基本軸は近位指節骨(基節骨)である(中節骨は移動軸)。

午前 問30(専門一般・正答 3) この問題のページ →

FIMの移乗(ベッド・椅子・車椅子)は、ベッドからの起き上がりを含めた一連の移乗動作を評価する項目である。

  • 1:FIMの移乗は3項目(ベッド・椅子・車椅子/トイレ/浴槽・シャワー)からなる。
  • 2:手すり等の使用は修正自立(6点)となる(5点は監視・準備)。
  • 3:ベッド・椅子・車椅子間の移乗にはベッド上の起き上がり動作を含む。
  • 4:往復で点数が異なる際は低い方で採点する。
  • 5:浴槽移乗の評価範囲は限定的で、この選択肢は誤り。

午前 問40(専門一般・正答 5) この問題のページ →

内田・クレペリン精神検査は連続加算作業を通じて性格・行動面の特徴(作業曲線)を評価する。

  • 1:P-Fスタディは欲求不満場面での反応(性格)を評価し、認知機能ではない。
  • 2:Rorschachテストは人格・思考を評価し、自己効力感ではない。
  • 3:TATは欲求・葛藤を投影法で評価し、介護負担度ではない。
  • 4:WCSTは前頭葉機能(概念転換)を評価し、自我状態ではない。
  • 5:内田・クレペリン検査は作業曲線から性格・行動特徴を評価する。

午前 問80(共通・正答 1) この問題のページ →

質問紙法(自記式)はBDI-Ⅱ(Beck抑うつ質問票)。他は面接者評価尺度(BPRS・HAM-D・PANSS)または検査者施行(HDS-R)。

  • 1:BDI-Ⅱは自記式質問紙法のうつ病評価尺度。
  • 2:BPRS(簡易精神症状評価尺度)は面接者による他覚的評価。
  • 3:HAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)は面接者評価。
  • 4:HDS-R(長谷川式)は検査者が施行する認知症スクリーニング。
  • 5:PANSS(陽性陰性症状評価尺度)は面接者評価。

午前 問86(共通・正答 2) この問題のページ →

頭部CTはMRIに比べ短時間で撮影できる(数秒〜数十秒)。急性期の出血診断に優れ、被曝はある。

  • 1:CTはX線を用いるため被曝する。
  • 2:CTは短時間で撮影でき、救急で有用。
  • 3:脳幹部の病巣描出はMRIが優れる(CTは骨アーチファクトが出やすい)。
  • 4:CTは急性期の脳出血診断に極めて有効(高吸収域)。
  • 5:超急性期脳梗塞の診断はMRI(拡散強調画像)が有用でCTは不得手。

午前 問98(共通・正答 1/3(複数正答)) この問題のページ →

本問は、厚生労働省の正答値表で選択肢1・3のいずれもが正答として認められた問題(複数正答)です。採点除外(その問題が採点対象から外れ、満点が減る扱い)ではありません。選択肢1・3のいずれかを選んだ場合が正解、それ以外を選んだ場合は不正解として採点されます。

  • 1:CMI ── コーネル・メディカル・インデックス。心身の自覚症状を問う質問紙で、神経症傾向の評価にも用いる。
  • 2:MMSE ── 認知機能のスクリーニング検査。
  • 3:STAI ── 状態・特性不安検査。不安の評価。
  • 4:WAIS ── 成人知能検査。
  • 5:WMS-R ── ウェクスラー記憶検査。

午後 問1(実地・正答 2・4) この問題のページ →

日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準(1995年)に照らし、基本軸・移動軸・測定肢位が正しく設定されている図が正答となる。選択肢2と4が基準どおりの正しい測定法を示している。

  • 1:基本軸または移動軸の設定、あるいは測定肢位が基準と異なる。
  • 2:基本軸・移動軸・肢位が基準どおりに設定された正しい測定法。
  • 3:代償運動を許す肢位、または軸の取り方が誤っている。
  • 4:基準に従った正しい測定法(軸・肢位が適切)。
  • 5:基本軸/移動軸の設定が基準と異なる。

午後 問4(実地・正答 3) この問題のページ →

会話が急に変わる・段取りよく片付けられない=遂行機能障害。これを評価する初期検査はBADS(遂行機能障害症候群の行動評価)。

  • 1:BITは半側空間無視の検査。
  • 2:CASは小児の認知評価尺度。
  • 3:BADSは遂行機能障害を評価する。本症例に適切。
  • 4:SLTAは失語症検査。
  • 5:HDS-Rは認知症スクリーニングで遂行機能の詳細評価には不十分。

午後 問5(実地・正答 3) この問題のページ →

脳性麻痺児のADL(身辺動作)評価にはPEDI(子どものための機能的自立度評価法)が適切。

  • 1:MASは痙縮の評価(Modified Ashworth Scale)。
  • 2:MACSは手指操作能力分類でADL全般の評価ではない。
  • 3:PEDIは小児のADL・機能的自立を包括的に評価する。
  • 4:GMFCSは粗大運動能力の重症度分類でADL評価ではない。
  • 5:SCSITは感覚統合検査。

午後 問24(専門一般・正答 2・3) この問題のページ →

Face Scaleは顔の表情の絵で痛み・気分を評価、NRSは0-10の数値で評価する。組合せが正しい。

  • 1:Abbey pain scaleは認知症患者の疼痛の観察式評価で、緩和ケアの包括的評価ではない。
  • 2:Face Scaleは顔の表情の絵による評価。
  • 3:NRSは数値的評価スケール(0-10)。
  • 4:STAS-Jは緩和ケアの評価尺度で、視覚的評価ではない。
  • 5:VASは視覚的アナログ評価で、認知症の観察式評価ではない。

午後 問25(専門一般・正答 1・5) この問題のページ →

IADL(手段的ADL)の評価法はFAI(Frenchay Activities Index)と老研式活動能力指標。

  • 1:FAIはIADL(買い物・家事・外出等)を評価する。
  • 2:PULSESは基本的ADL・全身状態の評価。
  • 3:WeeFIMは小児のADL評価。
  • 4:Katz IndexはBADL(基本的ADL)の評価。
  • 5:老研式活動能力指標はIADL・社会的役割を評価する。

午後 問26(専門一般・正答 5) この問題のページ →

Kohs立方体組み合わせテストは知能検査で、IQ(知能指数)を算出できる。

  • 1:MMSEは認知症スクリーニングでIQは算出しない。
  • 2:RBMTは日常記憶の検査。
  • 3:SLTAは失語症検査。
  • 4:Rey複雑図形検査は視覚記憶・構成能力の検査。
  • 5:Kohs立方体組み合わせテストは知能指数(IQ)を算出できる知能検査。

午後 問49(専門一般・正答 1) この問題のページ →

GAF(機能の全体的評定尺度)は、精神症状と心理的・社会的・職業的機能を総合的に評価する尺度で、訪問支援での状態把握に適する。

  • 1:GAFは心理的・社会的・職業的機能を総合的に評価する。
  • 2:OSA(作業に関する自己評価)は本人の作業遂行の自己評価。
  • 3:Rehabは精神科リハの行動評価(逸脱行動・全般的行動)。
  • 4:作業質問紙は生活の時間配分・作業バランスの評価。
  • 5:一般性自己効力感尺度は自己効力感のみを評価。

午後 問81(共通・正答 4・5) この問題のページ →

HDS-R(改訂長谷川式)には数字の逆唱(逆から言う)と、野菜の名前をできるだけ多く言う(語列挙)が含まれる。

  • 1:文章を書くのはMMSE(HDS-Rにはない)。
  • 2:手の形の模倣はHDS-Rにない。
  • 3:図版呼称はHDS-Rにない。
  • 4:数字の逆唱はHDS-Rの項目。
  • 5:野菜の名前の語列挙はHDS-Rの項目。

関連ページ


出典:「第61回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。科目分類・要旨・解説はNetwork-Primerが独自に作成したものです。

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出典:「第58回〜第61回 理学療法士国家試験、作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(第61回の公表ページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-09-10

監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)。PT・OT共通問題(問51〜100)の解説を監修しています。作業療法士専門分野の解説は当社が独自に作成したもので、作業療法士による監修は受けていません。

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