解剖学|第61回 作業療法士国家試験(21問)

第61回作業療法士国家試験の解剖学分野(全21問)です。正答とNetwork-Primer独自解説(正答の理由・各選択肢の○×)を載せています。各問の問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢つき)に移動できます。200問を通しで解きたいときは第61回 OT 全問ページ(演習モード・自己採点つき)へ。

概要

項目数値
出題数21問
実地問題0問(0点)
一般・共通問題21問(21点)
推定配点21点

正答一覧

問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢・正答・解説)に移動します。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問51午前共通手根骨で三角骨に隣接する骨1
問52午前共通白線が存在する筋の同定4
問53午前共通中心後回にある皮質領野5
問54午前共通外側毛帯が伝える感覚の種類3
問55午前共通動脈壁の構造と性質の正誤3
問56午前共通呼吸器の構造と位置関係2
問58午前共通上前腸骨棘遠位に触れる筋5
問59午前共通身体構造と通過する神経の組合せ3
問60午前共通扁平上皮が存在する部位3/4(複数正答)
問61午前共通骨格筋線維の微細構造3
問71午前共通血液供給を伴う股関節の靱帯3
問52午後共通視床へ上行する伝導路の同定2
問53午後共通橈骨神経の支配筋と分枝2・5
問54午後共通橋から出る脳神経の同定2
問55午後共通広背筋を支配する神経2
問56午後共通後大脳動脈が栄養する部位1
問57午後共通尿路・膀胱の構造と開口部1/4(複数正答)
問58午後共通甲状腺の位置とホルモン分泌2
問59午後共通平衡聴覚器の構造と受容4
問60午後共通末梢神経の体表触知部位2
問83午後共通角膜反射に関与する脳神経3・4

解説

午前 問51(共通・正答 1) この問題のページ →

三角骨(手根骨近位列の尺側)は橈側で月状骨と接し、掌側に豆状骨が乗り、遠位で有鈎骨と接する。選択肢中では月状骨が接する。

  • 1:三角骨は近位手根列で月状骨と橈側で接する。
  • 2:舟状骨は近位列橈側にあり三角骨と接しない。
  • 3:小菱形骨は遠位列にあり接しない。
  • 4:大菱形骨は遠位列橈側で接しない。
  • 5:有頭骨は遠位列中央で三角骨とは直接接しない(有鈎骨を介する)。

午前 問52(共通・正答 4) この問題のページ →

白線(linea alba)は腹部正中を縦走する腱膜で、腹直筋の内側縁(腹直筋鞘の癒合部)に存在する。

  • 1:僧帽筋は背部の筋で白線を持たない。
  • 2:上腕二頭筋は上肢の筋。
  • 3:大胸筋は胸部の筋。
  • 4:白線は腹直筋の正中で左右の腹直筋鞘が癒合して形成される。
  • 5:半膜様筋は大腿後面の筋。

午前 問53(共通・正答 5) この問題のページ →

中心後回(頭頂葉)は一次体性感覚野(S1)で、触覚・位置覚等の体性感覚を受容する。

  • 1:一次運動野は中心前回(前頭葉)。
  • 2:一次嗅覚野は側頭葉内側(梨状皮質等)。
  • 3:一次視覚野は後頭葉。
  • 4:一次聴覚野は側頭葉(横側頭回)。
  • 5:中心後回は一次体性感覚野。

午前 問54(共通・正答 3) この問題のページ →

外側毛帯(lateral lemniscus)は聴覚伝導路で、蝸牛神経核からの聴覚情報を下丘・内側膝状体へ伝える。

  • 1:嗅覚は嗅索を通り毛帯を経ない。
  • 2:視覚は視索・視放線を通る。
  • 3:外側毛帯は聴覚情報を伝導する。
  • 4:痛覚は外側脊髄視床路→内側毛帯系とは別経路(前外側系)。
  • 5:深部覚(触・圧・固有覚)は内側毛帯を通る。

午前 問55(共通・正答 3) この問題のページ →

動脈壁は内膜・中膜・外膜の3層構造からなる。中膜に平滑筋・弾性線維が発達している。

  • 1:弁があるのは静脈(動脈にはない)。
  • 2:容量血管とよばれるのは静脈(血液を貯留)。
  • 3:動脈壁は内膜・中膜・外膜の3層構造からなる。
  • 4:動脈は静脈より血流速度が速い。
  • 5:血管平滑筋には交感神経が分布する(副交感ではない)。

午前 問56(共通・正答 2) この問題のページ →

咽頭(上咽頭)は耳管を介して中耳(鼓室)と交通する。

  • 1:鼻前庭は皮膚(重層扁平上皮・鼻毛)で覆われ、粘膜ではない。
  • 2:咽頭は耳管を介して中耳と交通する。
  • 3:喉頭は上気道に含まれる(下気道は気管以下)。
  • 4:気管は第6頸椎の高さ(輪状軟骨下縁)から始まる(第4頸椎ではない)。
  • 5:蝸牛管では基底膜の振動が受容器(有毛細胞)を刺激する。内リンパの流れを感知するのは半規管。

午前 問58(共通・正答 5) この問題のページ →

上前腸骨棘(ASIS)のすぐ遠位で触知でき、ASISから起始するのは縫工筋。

  • 1:大腿直筋は下前腸骨棘(AIIS)から起始し、ASIS遠位ではない。
  • 2:薄筋は恥骨から起始し大腿内側にある。
  • 3:半腱様筋は坐骨結節から起始。
  • 4:半膜様筋も坐骨結節から起始。
  • 5:縫工筋はASISから起始し、そのすぐ遠位で筋緊張を触知できる。

午前 問59(共通・正答 3) この問題のページ →

Scarpa三角(大腿三角)には大腿神経・大腿動静脈が通る。「Scarpa三角:大腿神経」が正しい組合せ。

  • 1:Frohseアーケードは後骨間神経(橈骨神経深枝)が通る(坐骨神経ではない)。
  • 2:Guyon管は尺骨神経が通る(正中神経ではない)。
  • 3:Scarpa三角(大腿三角)を大腿神経が通る。
  • 4:手根管は正中神経が通る(尺骨神経ではない)。
  • 5:タバコ窩(解剖学的嗅ぎタバコ入れ)には橈骨動脈が通る(後骨間神経ではない)。

午前 問60(共通・正答 3/4(複数正答)) この問題のページ →

本問は、厚生労働省の正答値表で選択肢3・4のいずれもが正答として認められた問題(複数正答)です。採点除外(その問題が採点対象から外れ、満点が減る扱い)ではありません。選択肢3・4のいずれかを選んだ場合が正解、それ以外を選んだ場合は不正解として採点されます。

  • 1:胃 ── 単層円柱上皮で覆われる(扁平上皮ではない)。
  • 2:気管 ── 多列線毛円柱上皮。
  • 3:結膜 ── 重層円柱〜扁平上皮で、部位により扁平上皮を含む。
  • 4:腟 ── 重層扁平上皮で覆われる。
  • 5:尿管 ── 移行上皮(尿路上皮)。

午前 問61(共通・正答 3) この問題のページ →

骨格筋の筋線維内では、筋原線維が筋節(サルコメア)に細分化される。筋節が収縮の基本単位。

  • 1:骨格筋は多核である(単核は心筋・平滑筋)。
  • 2:骨格筋はミトコンドリアを豊富に持つ(特に遅筋)。
  • 3:筋原線維は筋節(サルコメア)に細分化される。
  • 4:筋小胞体はCa2+の貯蔵部位である(Na+ではない)。
  • 5:ミオシンフィラメント(太いフィラメント)は主にA帯に存在する(I帯ではない)。

午前 問71(共通・正答 3) この問題のページ →

大腿骨頭靱帯(円靱帯)内には大腿骨頭への栄養血管(閉鎖動脈の枝)が走行し、血液供給を伴う。

  • 1:寛骨臼横靱帯は血行に乏しい。
  • 2:坐骨大腿靱帯は関節包靱帯で栄養血管を伴わない。
  • 3:大腿骨頭靱帯(円靱帯)は大腿骨頭への栄養血管を含む。
  • 4:恥骨大腿靱帯は関節包靱帯。
  • 5:腸骨大腿靱帯(Y靱帯)は関節包靱帯。

午後 問52(共通・正答 2) この問題のページ →

内側毛帯は後索-内側毛帯系の一部で、触覚・深部覚を視床(VPL核)へ上行性に伝える。

  • 1:副神経は運動神経(僧帽筋・胸鎖乳突筋支配)で上行性感覚路ではない。
  • 2:内側毛帯は触覚・深部覚を視床へ上行性に伝える。
  • 3:皮質橋路は下行性(大脳→橋)。
  • 4:赤核脊髄路は下行性運動路。
  • 5:皮質脊髄路は下行性運動路。

午後 問53(共通・正答 2・5) この問題のページ →

橈骨神経は腕橈骨筋を支配し、腕神経叢の後神経束から分枝する。

  • 1:円回内筋は正中神経支配。
  • 2:腕橈骨筋は橈骨神経支配。
  • 3:前骨間神経は正中神経の分枝(後骨間神経が橈骨神経の分枝)。
  • 4:手掌の皮膚感覚は主に正中神経・尺骨神経支配(橈骨神経は手背橈側)。
  • 5:橈骨神経は腕神経叢の後神経束から分枝する。

午後 問54(共通・正答 2) この問題のページ →

三叉神経(Ⅴ)は橋から出る脳神経。橋と中小脳脚の境界付近から起こる。

  • 1:滑車神経(Ⅳ)は中脳背側から出る。
  • 2:三叉神経(Ⅴ)は橋から出る。
  • 3:舌咽神経(Ⅸ)は延髄から出る。
  • 4:動眼神経(Ⅲ)は中脳から出る。
  • 5:迷走神経(Ⅹ)は延髄から出る。

午後 問55(共通・正答 2) この問題のページ →

広背筋は胸背神経(C6〜C8、腕神経叢後神経束の枝)に支配される。肩関節の内転・内旋・伸展に働き、腋窩後壁を構成する。

  • 1:腋窩神経は三角筋・小円筋を支配。
  • 2:広背筋は胸背神経支配。
  • 3:筋皮神経は上腕屈筋群(上腕二頭筋等)を支配。
  • 4:肩甲上神経は棘上筋・棘下筋を支配。
  • 5:長胸神経は前鋸筋を支配。

午後 問56(共通・正答 1) この問題のページ →

後大脳動脈は視床(視床膝状体動脈等の穿通枝)・後頭葉・側頭葉下面を栄養する。視床が該当。

  • 1:視床は後大脳動脈の穿通枝により栄養される。
  • 2:被殻は中大脳動脈(レンズ核線条体動脈)。
  • 3:淡蒼球は前脈絡叢動脈・中大脳動脈。
  • 4:尾状核は前・中大脳動脈。
  • 5:扁桃体は前脈絡叢動脈・後大脳動脈枝だが主たる正答は視床。

午後 問57(共通・正答 1/4(複数正答)) この問題のページ →

本問は、厚生労働省の正答値表で選択肢1・4のいずれもが正答として認められた問題(複数正答)です。採点除外(その問題が採点対象から外れ、満点が減る扱い)ではありません。選択肢1・4のいずれかを選んだ場合が正解、それ以外を選んだ場合は不正解として採点されます。

  • 1:男性の尿道は前立腺を貫く ── 前立腺部尿道として解剖学的に正しい記述。
  • 2:内尿道口は膀胱尖部に開く ── 内尿道口は膀胱頸部(三角の前下角)に開く(尖部ではない)。
  • 3:内尿道括約筋は横紋筋である ── 内尿道括約筋は平滑筋(横紋筋は外尿道括約筋)。
  • 4:尿管口は膀胱底部に開口する ── 膀胱三角の後上角に開口し、正しい記述。
  • 5:膀胱の粘膜は線毛上皮である ── 膀胱粘膜は移行上皮。

午後 問58(共通・正答 2) この問題のページ →

甲状腺は傍濾胞細胞(C細胞)からカルシトニンを分泌し、血中Ca濃度を低下させる。

  • 1:甲状腺の重量は約15-20gである(100gは過大)。
  • 2:甲状腺(傍濾胞細胞)はカルシトニンを分泌する。
  • 3:副甲状腺は通常4個(上下2対)からなる。
  • 4:甲状腺は甲状軟骨の下方に位置する。
  • 5:上甲状腺動脈は外頸動脈から分岐する(内頸動脈ではない)。

午後 問59(共通・正答 4) この問題のページ →

半規管は頭部の回転運動(角加速度)を感知する平衡覚器。

  • 1:耳石は前庭(卵形嚢・球形嚢)に存在する(蝸牛管ではない)。
  • 2:コルチ器は蝸牛管に存在する(半規管ではない)。
  • 3:半規管は前庭神経の支配(蝸牛神経ではない)。
  • 4:半規管は頭部の回転運動(角加速度)を感知する。
  • 5:蝸牛管は音(リンパの振動)を受容するが、「内リンパの流れ」ではなく基底膜の振動が刺激。半規管が内リンパの流れを感知。

午後 問60(共通・正答 2) この問題のページ →

尺骨神経は肘部で肘頭と上腕骨内側上顆の間(肘部管)を通り、体表から触知できる。

  • 1:脛骨神経は内果とアキレス腱の間(足根管)を通る(外果ではない)。
  • 2:尺骨神経は肘頭と上腕骨内側上顆の間で触知できる。
  • 3:正中神経は上腕内側を走行(烏口腕筋の外側ではない)。
  • 4:腕神経叢は斜角筋隙・鎖骨上窩で触知(胸鎖乳突筋の頭間ではない)。
  • 5:総腓骨神経は腓骨頭後方で触知(膝窩の半腱様筋内側ではない)。

午後 問83(共通・正答 3・4) この問題のページ →

角膜反射は、三叉神経(求心路:角膜の感覚)と顔面神経(遠心路:眼輪筋の閉眼)で構成される。

  • 1:視神経は視覚の求心路で角膜反射には関与しない。
  • 2:外転神経は外直筋支配で角膜反射に関与しない。
  • 3:顔面神経は角膜反射の遠心路(眼輪筋→閉眼)。
  • 4:三叉神経は角膜反射の求心路(角膜の感覚)。
  • 5:動眼神経は瞳孔反射・眼球運動に関与するが角膜反射の主経路ではない。

関連ページ


出典:「第61回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。科目分類・要旨・解説はNetwork-Primerが独自に作成したものです。

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出典:「第58回〜第61回 理学療法士国家試験、作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(第61回の公表ページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-09-10

監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)。PT・OT共通問題(問51〜100)の解説を監修しています。作業療法士専門分野の解説は当社が独自に作成したもので、作業療法士による監修は受けていません。

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