脳血管障害(10問)

概要

項目数値
出題数10問
実地問題4問(配点12点)
一般問題6問(配点6点)
図表問題1問
配点合計18点

出題一覧

#時間帯区分問題(要約)正答
問5午前実地65歳の男性。脳出血による弛緩性右片麻痺で肩関節に2横指の亜脱臼がある。関節可動域測定法に従って右肩...4
問10午前実地65歳の女性。右利き。脳出血。左上下肢の運動麻痺、感覚障害は中等度。端座位では体幹が麻痺側に傾く。常...3
問12午前実地70歳の女性。脳出血による右片麻痺。Brunnstrom法ステージ上肢Ⅳ、下肢Ⅳ。歩行時にふらつき、...1
問24午前一般障害者自立支援法が障害者総合支援法になったことに伴い新たに支援対象として追加されたのはどれか。1
問30午前一般Fugl-Meyer Assessmentで正しいのはどれか。2つ選べ。2,5
問48午前一般小脳梗塞でみられるのはどれか。2つ選べ。1,3
問50午前一般三次予防にあたるのはどれか。4
問15午後実地25歳の女性。右の手足に一時的な脱力。脳血管造影検査を示す。疑う疾患はどれか。3
問91午後一般くも膜下出血の早期診断で優先度の高い検査はどれか。2
問92午後一般脳血管障害のうち、日本で2021年以降に発症数が最も多いのはどれか。1

重要問題の解説

午前 問5(正答:4)

65歳の男性。脳出血による弛緩性右片麻痺で肩関節に2横指の亜脱臼がある。関節可動域測定法に従って右肩関節外転の関節可動域検査を行う際に正しいのはどれか。

正答の理由:肩関節外転の参考可動域は180度。90度以上の外転では前腕を回外させることで、前腕の回旋による代償を防ぎ、純粋な肩関節外転を測定できる。

  • ❌ ×:肩関節外転の基本軸は肩峰を通る床への垂直線であり、体幹ではない。
  • ❌ ×:肘関節は伸展位で計測するのが原則。屈曲位にする必要はない。
  • ❌ ×:肩関節外転の測定では肩甲骨の動きも含めて計測する。肩甲骨を固定するのは肩甲上腕関節の運動のみを評価する場合。
  • ✅ ○:90度以上の外転時に前腕を回外することで、上腕骨の外旋を促し、大結節と肩峰のインピンジメントを回避できる。
  • ❌ ×:亜脱臼があっても牽引を加えての測定は標準的な方法ではない。脱臼悪化のリスクもある。

午前 問10(正答:3)

65歳の女性。右利き。脳出血。左上下肢の運動麻痺、感覚障害は中等度。端座位では体幹が麻痺側に傾く。常に非麻痺側を向いている。麻痺側の食べ残し・磨き残しが多い。最も優先順位が高い検査はどれか。

正答の理由:左片麻痺で麻痺側の食べ残し・磨き残し=左半側空間無視の疑い。線分抹消試験は半側空間無視のスクリーニングに最も適した検査。

  • ❌ ×:WAB(Western Aphasia Battery)は失語症の評価。本症例は右利きで左片麻痺(右半球損傷)であり失語は典型的ではない。
  • ❌ ×:WCST(Wisconsin Card Sorting Test)は前頭葉機能(遂行機能)の評価。半側空間無視の評価には不適切。
  • ✅ ○:線分抹消試験は左半側空間無視の標準的なスクリーニング検査。紙面上の線分を抹消させ、左側の見落としを評価する。
  • ❌ ×:パントマイムは失行の評価。本症例の主訴と合致しない。
  • ❌ ×:SCP(Scale for Contraversive Pushing)はpusher症候群の評価。体幹が麻痺側に傾く所見はあるが、食べ残しの主症状は半側空間無視を示唆。

午前 問12(正答:1)

70歳の女性。脳出血による右片麻痺。Brunnstrom法ステージ上肢Ⅳ、下肢Ⅳ。歩行時にふらつき、転倒への不安。通所リハ利用。転倒リスク評価で適切なのはどれか。

正答の理由:TUG(Timed Up and Go)は高齢者の動的バランス・歩行能力・転倒リスクを簡便に評価できる検査。通所リハでの転倒リスク評価に最適。

  • ✅ ○:TUGは椅子からの起立→3m歩行→方向転換→着座の時間を計測。転倒リスクの評価に広く使用。13.5秒以上で転倒リスク高い。
  • ❌ ×:NIHSS(NIH Stroke Scale)は脳卒中の重症度評価。転倒リスク評価ではない。
  • ❌ ×:UPDRS(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)はParkinson病の評価。本症例は脳出血。
  • ❌ ×:modified Tardieu scaleは痙縮の評価。転倒リスク評価ではない。
  • ❌ ×:PCI(Physiological Cost Index)は歩行の生理的コスト指標。転倒リスクの直接評価ではない。

午前 問24(正答:1)

障害者自立支援法が障害者総合支援法になったことに伴い新たに支援対象として追加されたのはどれか。

正答の理由:2013年に障害者自立支援法が障害者総合支援法に改正された際、新たに難病患者が支援対象に追加された。

  • ✅ ○:難病(治療方法が確立されていない疾病その他の特殊の疾病)が新たに対象として追加。
  • ❌ ×:身体障害は元から支援対象。
  • ❌ ×:精神障害は元から支援対象。
  • ❌ ×:知的障害は元から支援対象。
  • ❌ ×:高次脳機能障害は精神障害の範疇で元から対象。

午前 問30(正答:2,5)

Fugl-Meyer Assessmentで正しいのはどれか。2つ選べ。

正答の理由:FMAの満点は226点(運動機能100点+バランス14点+感覚24点+関節可動域/疼痛88点)。Brunnstrom法ステージの考え方を基盤とし共通する評価項目がある。

  • ❌ ×:評価は3段階(0/1/2点)で行う。4段階ではない。
  • ✅ ○:満点は226点。運動・感覚・バランス・関節可動域/疼痛の総合評価。
  • ❌ ×:感覚は触覚と位置覚を評価する。痛覚ではない。
  • ❌ ×:評価項目は5つ(運動機能・感覚・バランス・関節可動域・疼痛)。4つではない。
  • ✅ ○:FMAはBrunnstromの回復段階の概念を基盤としており、共同運動パターンの評価など共通点がある。

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出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-07-27

監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)

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