脳血管障害|第61回 理学療法士国家試験(6問)
第61回理学療法士国家試験の脳血管障害分野(全6問)です。正答とNetwork-Primer独自解説(正答の理由・各選択肢の○×)を載せています。各問の問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢つき)に移動できます。200問を通しで解きたいときは第61回 PT 全問ページ(演習モード・自己採点つき)へ。
概要
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 出題数 | 6問 |
| 実地問題 | 5問(15点) |
| 一般・共通問題 | 1問(1点) |
| 推定配点 | 16点 |
正答一覧
問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢・正答・解説)に移動します。
| 問 | 時間帯 | 区分 | 何を問うた設問か | 正答 |
|---|---|---|---|---|
| 問4 | 午前 | 実地 | Pusher現象で優先する検査の選択 | 1 |
| 問5 | 午前 | 実地 | Pusher現象例の移乗動作練習 | 5 |
| 問11 | 午後 | 実地 | 超急性期脳梗塞で次に行う画像検査 | 1 |
| 問15 | 午後 | 実地 | 下肢痙縮のボツリヌス療法投与筋 | 1 |
| 問20 | 午後 | 実地 | 失語症の症状からタイプ判別 | 5 |
| 問38 | 午後 | 専門一般 | 脳腫瘍の発生部位と症状の組合せ | 2 |
解説
午前 問4(実地・正答 1) この問題のページ →
右上下肢で押して正中位への修正に抵抗する=Pusher現象(プッシャー症候群)。これを評価するのはSCP(Scale for Contraversive Pushing)。
- ⭕ 1:SCPはPusher現象(対側への押しつけ)を定量評価する尺度。本症例の病態に最適。
- ❌ 2:SLTAは標準失語症検査。失語の記載はない。
- ❌ 3:TMTは注意・遂行機能検査。
- ❌ 4:WAIS-Ⅳは知能検査。
- ❌ 5:WCSTは前頭葉機能(概念転換)検査。
午前 問5(実地・正答 5) この問題のページ →
Pusher現象では非麻痺側へ重心移動できないことが移乗自立を妨げる。リーチ動作を用いて非麻痺側へ能動的に重心移動する練習が最も適切。
- ❌ 1:閉眼では視覚による垂直定位の手がかりが失われ、Pusherが悪化する。
- ❌ 2:右上下肢の関節可動域運動はPusher改善に直接寄与しない。
- ❌ 3:右大腿四頭筋の筋力増強は押しつけをむしろ強める可能性。
- ❌ 4:手すりを持つと押しつけの支点を与え、Pusherを助長しうる。
- ⭕ 5:非麻痺側へのリーチ動作で能動的に重心移動を促し、垂直定位を再学習させる。
午後 問11(実地・正答 1) この問題のページ →
急性期脳卒中で単純CTで異常なし=超急性期の脳梗塞が疑われる。拡散強調画像(DWI)を含むMRIが超急性期脳梗塞の検出に最も有用。
- ⭕ 1:MRI(拡散強調画像DWI)は発症数時間の超急性期脳梗塞を高感度で検出できる。
- ❌ 2:PETは代謝評価で急性期診断には用いない。
- ❌ 3:SPECTは脳血流評価だが超急性期梗塞の第一選択ではない。
- ❌ 4:造影CTは血管病変評価だが、梗塞巣そのものの早期検出はMRIに劣る。
- ❌ 5:X線検査は脳実質の評価に無効。
午後 問15(実地・正答 1) この問題のページ →
脳卒中後の下肢痙縮で内反尖足を呈する場合、ボツリヌス療法の主な投与筋は後脛骨筋(内反)・下腿三頭筋(尖足)。図が内反を示すなら後脛骨筋が適切。
- ⭕ 1:後脛骨筋は足の内反に働き、内反尖足の痙縮に対するボツリヌス投与筋として適切。
- ❌ 2:前脛骨筋は背屈筋で、痙縮による尖足では過活動筋ではない。
- ❌ 3:短腓骨筋は外반筋で内反尖足の原因筋ではない。
- ❌ 4:長腓骨筋も外反筋。
- ❌ 5:長母指伸筋は母趾背屈筋で内反尖足の主因ではない。
午後 問20(実地・正答 5) この問題のページ →
言語理解良好・発語流暢・錯語・復唱不良・自己修正の努力(接近行為)=伝導失語。復唱が特に障害されるのが特徴。
- ❌ 1:Broca失語は非流暢で努力性発話。本例は流暢。
- ❌ 2:Wernicke失語は理解障害が重度。本例は理解良好。
- ❌ 3:健忘性失語は喚語困難が主で復唱は保たれる。
- ❌ 4:全失語は理解・表出とも重度障害。
- ⭕ 5:伝導失語は理解良好・流暢だが復唱が著明に障害され、音韻性錯語と自己修正(接近行為)を認める。
午後 問38(専門一般・正答 2) この問題のページ →
脳腫瘍の部位と症状の対応で正しいのは、小脳→協調運動障害(運動失調・企図振戦・測定障害)。
- ❌ 1:視床の障害は感覚障害が主で、視力障害は後頭葉・視覚路。
- ⭕ 2:小脳腫瘍は協調運動障害(失調・企図振戦・測定異常)を来す。
- ❌ 3:視交叉の障害は両耳側半盲(視野障害)で、失語ではない。
- ❌ 4:前頭葉障害は人格変化・運動性失語等で、聴力障害ではない。
- ❌ 5:脳幹部障害は脳神経麻痺・意識障害等で、人格障害は前頭葉。
関連ページ
出典:「第61回理学療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。科目分類・要旨・解説はNetwork-Primerが独自に作成したものです。
出典:「第58回〜第61回 理学療法士国家試験、作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(第61回の公表ページ)を加工して作成
※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。
最終更新:2026-09-10
監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)
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