精神障害|作業療法士(OT)国家試験 過去問まとめ

作業療法士国家試験の精神障害分野を、複数年分まとめて対策できるページです。統合失調症・気分障害・認知症・依存症・発達障害など、精神障害領域は作業療法士国家試験で最大級の頻出分野です。疾患理解とOTの関わりが問われます。

問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答番号(厚生労働省が公表する事実データ)と、Network-Primer独自の解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は各年の全問ページからリンクする厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

収録状況

年度実施精神障害 出題数収録
第61回2026年2月31問✅ 解説あり
第60回2025年2月32問✅ 解説あり
第59回2024年2月29問✅ 解説あり
第58回2023年2月29問✅ 解説あり
第57回2022年2月順次追加

頻出テーマ(複数年で押さえたい論点)

  • 統合失調症:症状・経過、作業療法プログラム、SST
  • 気分障害:うつ病・双極性障害への作業療法
  • 認知症:中核症状・BPSD、回想法・現実見当識訓練
  • 依存症・嗜癖:集団療法、動機づけ
  • 神経発達症・児童:ASD・ADHDへの支援

第61回(2026年2月実施)

精神障害として31問が出題されました(実地10問・一般/共通21問、推定配点51点)。全問の正答・解説は 第61回 OT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問14午前実地うつ症状を評価する尺度の選択4
問17午前実地統合失調症の就労準備プログラム4
問19午前実地認知症患者の作業療法導入の配慮2・3
問20午前実地うつ病者の就労準備で優先する事1
問41午前専門一般うつ病でみられる妄想の種類4
問43午前専門一般BPSDに該当する症状の選択3
問44午前専門一般服薬アドヒアランスを下げる要因2
問45午前専門一般うつ病急性期の治療上の対応1
問46午前専門一般PTSDへの作業療法の進め方4
問47午前専門一般成人ADHD患者への支援の要点1
問78午前共通精神療法における転移の理解3
問81午前共通絶対臥褥を用いる精神療法5
問95午前共通頻度が最も高い認知症の型1
問96午前共通変換症の経過と予後の特徴4
問100午前共通睡眠薬中止希望への対応2・5
問13午後実地うつ病患者の作業療法導入時対応5
問14午後実地対人場面の不安症状から診断推定2
問15午後実地統合失調症の認知機能評価の選択2
問16午後実地被害的訴えへの作業療法士の対応3
問17午後実地強迫症患者にみられる特徴2
問19午後実地Lewy小体型認知症の生活指導3
問40午後専門一般SCITが焦点を当てる機能領域2
問41午後専門一般身体症状症患者の診療場面の特徴5
問42午後専門一般境界性パーソナリティ症の危険管理5
問44午後専門一般せん妄と認知症を鑑別する所見4
問45午後専門一般回復期前期のうつ病の作業療法2
問79午後共通昇華を示す防衛機制の判別3
問80午後共通うつ病でみられる妄想の種類3
問96午後共通アルコール依存症の臨床像1
問99午後共通ACTの支援内容の特徴3・4
問100午後共通不安階層表を用いる治療法2

午前 問14(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:抑うつ気分・意欲低下・体重減少・自殺念慮=うつ病。うつ症状の評価にはSDS(自己評価式抑うつ性尺度)が適切。

  • 1:LASMIは精神障害者の社会生活評価尺度。
  • 2:NPIは認知症のBPSD評価。
  • 3:PANSSは統合失調症の陽性陰性症状評価。
  • 4:SDS(Zung自己評価式抑うつ性尺度)はうつ症状の評価に適切。
  • 5:SF-36は健康関連QOL尺度。

午前 問17(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:統合失調症で対人コミュニケーションの問題(質問できない・一方的に話す)がある。就労準備としてSST(社会生活技能訓練)で対人スキルを練習するのが適切。

  • 1:ACTは重度精神障害者への包括的地域支援で、デイケアの就労準備プログラムとしては該当しない。
  • 2:IPSは援助付き雇用(まず就職)で、対人技能の準備段階では時期尚早。
  • 3:NEARは認知機能改善療法で、本症例の主課題(対人技能)とは異なる。
  • 4:SSTで対人コミュニケーション技能を具体的に練習するのが適切。
  • 5:TEACCHは自閉スペクトラム症向けの構造化プログラム。

午前 問19(実地・正答 2・3) 問題を見る →

ポイント:認知症(HDS-R 17点)+抑うつの回復期。休憩の時間管理を作業療法士が行い(2)、本人が慣れ親しんだパッチワーク(3)を実施することで、安心して取り組める。

  • 1:全工程をまとめて説明すると認知症では理解困難。工程を分けて示す。
  • 2:休憩の時間管理を作業療法士が行い、疲労・負担を調整する。
  • 3:以前熱心だったパッチワークは馴染みがあり、意欲を引き出せる。
  • 4:複数の作業療法士が交替すると認知症では混乱する。担当は一定に。
  • 5:メンバーとの交流を制限する必要はなく、適度な交流は有益。

午前 問20(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:ハラスメントでうつ状態→退院後の就労準備。対人関係良好・作業能力高いが就労に強い不安がある。まず再発防止プラン(ストレス対処・セルフモニタリング)の作成を優先し、再休職を防ぐ。

  • 1:再発防止プランの作成で、ストレス対処法や早期対応を整理する。
  • 2:対人関係は良好でSSTの優先度は低い。
  • 3:就労移行支援事業所への紹介は段階的に検討。まず再発防止が先。
  • 4:認知機能に問題の記載はなく認知リハは不要。
  • 5:作業能力は高く単純軽作業の優先度は低い。

午前 問41(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:うつ病の微小妄想(罪業妄想)=「自分は生きているだけで迷惑をかけている」。自己を過小評価する。

  • 1:「機械を発明した」は誇大妄想(躁病・統合失調症)。
  • 2:「貴族の末裔」は血統妄想(誇大妄想)。
  • 3:「見張られている」は注察妄想(統合失調症)。
  • 4:「生きているだけで迷惑」は罪業妄想(うつ病の微小妄想)。
  • 5:「嫌がらせを受ける」は被害妄想(統合失調症)。

午前 問43(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:BPSD(認知症の行動・心理症状)に該当するのは抑うつ。失行・失認・記憶障害・見当識障害は中核症状。

  • 1:失行は中核症状(認知機能障害)。
  • 2:失認は中核症状。
  • 3:抑うつはBPSD(心理症状)。
  • 4:記憶障害は中核症状。
  • 5:見当識障害は中核症状。

午前 問44(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:1日の服薬回数を増やすと飲み忘れが増え、服薬アドヒアランスが低下する。

  • 1:内服薬の種類を減らすとアドヒアランスは向上する。
  • 2:服薬回数を増やすと飲み忘れが増えアドヒアランスが低下する。
  • 3:治療目標を患者と共有するとアドヒアランスは向上する。
  • 4:副作用に対応するとアドヒアランスは向上する。
  • 5:デポ剤(持効性注射)はむしろアドヒアランスを向上させる。

午前 問45(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:うつ病急性期の治療では、疾病や治療についての心理教育を行い、休養の重要性等を伝える。

  • 1:心理教育(疾病理解・休養の必要性の説明)は急性期治療で重要。
  • 2:自殺念慮は避けずに率直に確認し、安全を確保する。
  • 3:急性期の積極的なレクリエーション参加は負担が大きく不適。
  • 4:急性期には重要な決断(退職等)を先延ばしにさせる。
  • 5:症状改善後も抗うつ薬は再発予防のため一定期間継続する(直ちに中止は禁忌)。

午前 問46(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:PTSDに対しては、心的外傷体験に対する一般的な心理反応(正常反応であること)を説明し、心理教育を行うことが適切。

  • 1:認知行動療法(持続エクスポージャー等)はPTSDに有効。
  • 2:外傷体験直後に詳しく聞き取る(デブリーフィング)はむしろ有害とされる。
  • 3:安全な場での体験の共有は治療的でありうる(一律回避しない)。
  • 4:心的外傷体験への一般的心理反応を説明する心理教育が適切。
  • 5:心理的応急処置(PFA)は動揺のある早期にこそ行う(収まってからでは遅い)。

午前 問47(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:ADHDはうつ病・不安症等の精神疾患の併存が多く、その併存に注意する必要がある。

  • 1:ADHDはうつ病等の併存が多く、注意が必要。
  • 2:ADHDの薬物療法は成人にも行われる(20歳未満に限らない)。
  • 3:作業中の無関係な雑談は注意をそらすため避ける。
  • 4:予定の優先順位を明確にする支援が有効(こだわらないは不適)。
  • 5:スマホのスケジュール管理はむしろ有用な代償手段で禁止しない。

午前 問78(共通・正答 3) 問題を見る →

ポイント:心理治療の目的は陽性転移の出現そのものではない。転移は治療の中で生じる現象を分析・解釈する対象であり、陽性転移の出現を目的とするのは誤り。

  • 1:(正しい):転移は治療者側の逆転移を誘発しうる。
  • 2:(正しい):転移は行動化(acting out)の原因となりうる。
  • 3:(誤り):心理治療の目的は陽性転移を出現させることではない。転移は分析・解釈の対象。
  • 4:(正しい):転移の解釈は患者の無意識的葛藤の解消手段となる。
  • 5:(正しい):患者が好意を治療者に向けるのは陽性転移。

午前 問81(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:絶対臥褥(第1期に個室で終日臥床)を用いるのは森田療法。神経症治療で「あるがまま」を体得させる。

  • 1:系統的脱感作法は不安階層に沿った暴露法。
  • 2:支持的精神療法は傾聴・共感が主。
  • 3:精神分析療法は自由連想・解釈が主。
  • 4:認知行動療法は認知の歪みの修正。
  • 5:森田療法は第1期に絶対臥褥を用いる。

午前 問95(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:認知症で最も頻度が高いのはAlzheimer型認知症(全体の約6-7割)。

  • 1:Alzheimer型認知症が最も頻度が高い。
  • 2:Lewy小体型は3番目程度。
  • 3:血管性認知症は2番目に多い。
  • 4:正常圧水頭症は治療可能な認知症だが頻度は低い。
  • 5:前頭側頭型認知症は比較的まれ。

午前 問96(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:機能性神経学的症状症(変換症/転換性障害)では、患者が診断を受け入れると予後が良好とされる。

  • 1:精神療法(認知行動療法等)は有効。
  • 2:20歳以降でも発症する(稀ではない)。
  • 3:経過が短い(急性発症)ほど予後は良好(長期化で予後不良)。
  • 4:患者が診断を受け入れていると予後が良い。
  • 5:パーソナリティ症の合併は予後不良因子(良好ではない)。

午前 問100(共通・正答 2・5) 問題を見る →

ポイント:ベンゾジアゼピン中止希望には、まず心配な副作用を傾聴し(2)、主治医への相談を橋渡しする(5)。自己判断の中止・減量は離脱症状のリスクがあり不適。

  • 1:頓用への変更を独断で勧めるのは不適(主治医の判断が必要)。
  • 2:どのような副作用が心配か傾聴し、不安を把握する。
  • 3:「我慢してください」は患者の訴えを否定し不適。
  • 4:ベンゾジアゼピンの急な中止は離脱症状(不安・けいれん等)を招き危険。
  • 5:主治医への相談を橋渡しする支援は適切。

午後 問13(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:うつ病の回復期初期で意欲低下がある。負担の少ない入院生活チェックリスト(自己記入式の簡単な課題)の記入を促すことで、本人のペースで生活状況を把握しつつ作業療法へ導入する。

  • 1:身体機能評価は本症例の主課題(うつ・意欲低下)ではない。
  • 2:作業療法処方が出ており導入を中止する必要はない。
  • 3:パラレルな場での導入も一案だが、まず負担の少ない自己記入課題が適切。
  • 4:うつ病では重要な決断(退職相談)を回復まで先送りする。
  • 5:入院生活チェックリストの記入という負担の少ない課題で導入する。

午後 問14(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:人前・他者の視線がある状況(発表、知人が乗るバス)で動悸・発汗・振戦が生じ、知人がいなければ症状がない=社交不安症(社交場面に限局した不安)。

  • 1:強迫症は強迫観念・強迫行為が主。
  • 2:他者の注視・評価場面に限局した不安と自律神経症状=社交不安症。
  • 3:パニック症は状況に関係ない突然のパニック発作。
  • 4:解離性同一症は同一性の解離。
  • 5:演技性パーソナリティ症は過度な注目希求。

午後 問15(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:統合失調症で作業のケアレスミスが多く「途中から理解できなくなる」=認知機能障害。統合失調症の認知機能を評価するBACS(統合失調症認知機能簡易評価尺度)が適切。

  • 1:RASは自記式の症状評価等でこの認知評価には不適。
  • 2:BACSは統合失調症の認知機能(記憶・注意・遂行等)を評価する。
  • 3:意志質問紙は動機づけ(意志)の評価。
  • 4:VPI職業興味検査は職業興味の評価。
  • 5:役割チェックリストは生活役割の評価。

午後 問16(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:被注察感(見られている感じ)を訴えつつも作業は継続可能な状態。妄想に深入りせず、作業活動に注意を向けるよう声をかけることで、症状にとらわれず活動を続けられるよう支援する。

  • 1:活動種目の変更は根本対応にならない。
  • 2:作業療法を中止すると回復の機会を失う。無為状態の改善には活動継続が有益。
  • 3:妄想に深入りせず、作業活動に集中するよう声をかけ、症状から注意をそらす。
  • 4:訴えを詳細に聴くことは妄想を強化する恐れがあり、この場面では作業への集中を促す方が適切。
  • 5:妄想を「勘違い」と否定・指摘するのは不適(信頼関係を損なう)。

午後 問17(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:手洗いの反復・ゴミ箱の点検(強迫行為)を「ばかげている」と感じつつやめられない=強迫症。不合理さの自覚(自我違和感)が特徴。

  • 1:視線恐怖は社交不安症の症状。
  • 2:強迫症では強迫行為の不合理さを自覚している(自我違和的)。
  • 3:フラッシュバックはPTSDの再体験症状。
  • 4:孤立無援への恐れは分離不安等。
  • 5:死への恐れはパニック症の発作時症状。

午後 問19(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:物忘れ+レム睡眠行動異常(睡眠中の大声・体動)+パーキンソニズム+幻視=レビー小体型認知症。転倒しやすいため立ち上がり時のふらつきに注意する指導が適切。

  • 1:運動を控えると廃用を招く。適度な運動は推奨される。
  • 2:新奇な趣味より慣れ親しんだ活動が適する。
  • 3:レビー小体型認知症はパーキンソニズム・起立性低血圧で転倒しやすく、立ち上がり時のふらつきに注意する。
  • 4:見当識への働きかけは有用で、気にしないよう促すのは不適。
  • 5:幻視の相手を何度も話し合うのは不安を強める。

午後 問40(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:SCIT(社会認知およびコミュニケーション訓練)は、統合失調症等の社会認知(表情認知・心の理論・帰属バイアス等)に焦点を当てた介入。

  • 1:運動機能は対象ではない。
  • 2:SCITは社会認知(感情認知・対人推論等)に焦点を当てる。
  • 3:言語流暢性は対象ではない。
  • 4:機能的キャパシティは日常機能評価の概念。
  • 5:ワーキングメモリー単独ではなく社会認知全般が対象。

午後 問41(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:身体症状症の患者は、症状の背景にある心理的要因について話し合うことに抵抗を示す(身体的原因にこだわる)のが特徴。

  • 1:むしろ医学的検索を繰り返し求めることが多い(拒否は非典型)。
  • 2:奇異な症状ではなく、実在しうる身体症状を訴える。
  • 3:意図的な虚偽(詐病・作為症)とは異なり、症状は本人にとって現実。
  • 4:身体症状に強い苦痛・とらわれがある(苦痛がないは誤り)。
  • 5:心理的要因を話し合うことに抵抗を示す。

午後 問42(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:境界性パーソナリティ症のリスク管理では、自傷・自殺企図・衝動的逸脱等の行動化の履歴を優先的に把握し、安全確保に努める。

  • 1:ADLは通常保たれ、リスク管理の優先情報ではない。
  • 2:作業遂行能力もリスク管理の最優先ではない。
  • 3:対人関係は重要だが、リスク管理では行動化履歴が最優先。
  • 4:主訴の背景も重要だが、安全に直結する行動化履歴が優先。
  • 5:行動化(自傷・自殺企図等)の履歴を優先的に収集しリスク管理する。

午後 問44(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:せん妄と認知症を見分ける最も有効な所見は意識障害(意識混濁・変動)。せん妄は意識障害を伴い、認知症は通常意識清明。

  • 1:幻覚は両者でみられうる。
  • 2:不安は特異的所見ではない。
  • 3:易怒性も両者でみられる。
  • 4:意識障害(意識レベルの変動)はせん妄に特徴的で認知症との鑑別点。
  • 5:見当識障害は両者でみられる。

午後 問45(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:うつ病回復期前期は、まだ易疲労性が残るため、こまめに休憩をとるよう促し、活動と休息のバランスを保ちながら段階的に活動量を増やす。

  • 1:「元気を出せ」と励ますのはうつ病では負担・自責を強める。
  • 2:こまめに休憩をとるよう促し、無理のない活動を支援する。
  • 3:退院後の生活を考えるのは回復期後期。前期には負担。
  • 4:積極的な対人交流は前期には負担が大きい。
  • 5:経験のある作業種目は有用だが、回復期前期はまず休息と負担軽減が優先。

午後 問79(共通・正答 3) 問題を見る →

ポイント:社会的に受け入れられない欲求(性欲)を、価値ある活動(スポーツ)に振り向けるのは昇華(sublimation)。

  • 1:置き換えは対象を別のものに向け替える(八つ当たり等)。
  • 2:合理化はもっともらしい理由づけで正当化する。
  • 3:昇華は社会的に許容される形に欲求を振り向ける成熟した防衛機制。
  • 4:退行は未熟な発達段階に戻る。
  • 5:反動形成は本心と逆の態度をとる。

午後 問80(共通・正答 3) 問題を見る →

ポイント:「不治の病で助からない」と身体的健康を過度に悲観する妄想は心気妄想。うつ病の微小妄想(心気・貧困・罪業)の一つ。

  • 1:血統妄想は高貴な家系の出という誇大妄想。
  • 2:誇大妄想は自己を過大評価する妄想。
  • 3:心気妄想は重病・不治の病にかかっているという妄想。うつ病に多い。
  • 4:迫害妄想は他者から害を加えられるという妄想。
  • 5:被毒妄想は毒を盛られるという妄想。

午後 問96(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:アルコール依存症では抑うつ(うつ病)が高頻度に併存する(自己治療的飲酒や神経毒性による)。

  • 1:抑うつの併存が多い。
  • 2:依存が進むと飲酒行動は画一化・単調化する(多様性は失われる)。
  • 3:振戦せん妄では見当識障害・意識障害を伴う(保たれない)。
  • 4:進行すると耐性が生じ、以前より多い量が必要になる(少ない量ではない)。
  • 5:離脱の早期症候群は飲酒中止後6-24時間程度でみられる(72時間は振戦せん妄の時期)。

午後 問99(共通・正答 3・4) 問題を見る →

ポイント:ACT(包括型地域生活支援)はチームによるケアマネジメントを行い、必要に応じ短時間でも頻回に訪問する。重度精神障害者が対象。

  • 1:ACTは24時間365日対応で日中限定ではない。
  • 2:ACTは重度・慢性の精神障害者が対象(軽度ではない)。
  • 3:多職種チームによるケアマネジメントを行う。
  • 4:短時間でも頻回に訪問する(アウトリーチ)。
  • 5:スタッフ1人当たりの受持は10人程度に抑える(25人は多すぎる、低スタッフ比が特徴)。

午後 問100(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:系統的脱感作法では、不安階層表(不安の強さを段階的に並べたリスト)を作成し、弱い不安から順に拮抗条件づけ(リラクゼーション)を行う。

  • 1:家族療法は家族システムへの介入で不安階層表は用いない。
  • 2:系統的脱感作法は不安階層表を作成する。
  • 3:行動活性化技法はうつ病への活動賦活で不安階層表は用いない。
  • 4:内観療法は自己洞察を深める技法。
  • 5:森田療法は絶対臥褥・あるがままを用い不安階層表は使わない。

第60回(2025年2月実施)

精神障害として32問が出題されました(実地10問・一般/共通22問、推定配点52点)。全問の正答・解説は 第60回 OT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問13午前実地アルコール依存症の合併症1
問14午前実地うつ病回復期に予想される症状3
問15午前実地うつ病の復職支援の対応1
問16午前実地症状から精神疾患を診断2
問19午前実地統合失調症の妄想への対応4
問41午前専門一般常同行動を示す認知症の型3
問44午前専門一般アルコール依存症の治療法4
問45午前専門一般境界性人格障害への対応1
問46午前専門一般うつ病リワークの説明3
問47午前専門一般統合失調症への対応法3
問48午前専門一般BPSDに該当する症状2・4
問78午前共通心理療法と提唱者の組合せ3
問96午前共通アルコール離脱後の後遺症2
問97午前共通統合失調症の前駆期症状1
問14午後実地統合失調症の症状の同定2
問16午後実地うつ病作業療法開始時の情報収集5
問18午後実地前頭側頭型認知症への対応4・5
問19午後実地希死念慮の訴えへの対応4
問20午後実地境界性パーソナリティの治療法4
問39午後専門一般アルコール依存症の離脱症状4
問41午後専門一般睡眠衛生指導の正しい内容2
問42午後専門一般解離性障害への作業療法対応2
問44午後専門一般急性期後期うつ病の導入期対応1・4
問45午後専門一般統合失調症患者の作業時の特徴2
問46午後専門一般自閉スペクトラム症への対応5
問47午後専門一般ADHDを示唆する発言の同定3
問48午後専門一般統合失調症の家族心理教育3
問79午後共通無意識の葛藤を扱う精神療法2
問96午後共通うつ病の自殺危険因子1
問98午後共通統合失調症の陽性症状採点除外
問99午後共通うつ病でみられる症状5
問100午後共通強迫症〈強迫性障害〉の症状5

午前 問13(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:長期にわたる連続飲酒による肝硬変を背景に、気分の変動や失見当識といった意識障害と羽ばたき振戦(asterixis)が出現している。アンモニアなどの代謝産物が脳に作用して生じる肝性脳症を最も考える。

  • 1:肝性脳症は肝機能低下により高アンモニア血症を来し、意識変容・失見当識・羽ばたき振戦を呈する。アルコール性肝障害の経過に合致する。
  • 2:進行麻痺は梅毒トレポネーマによる脳実質梅毒で、認知症症状や誇大妄想を呈するが、羽ばたき振戦は特徴的ではない。
  • 3:正常圧水頭症は歩行障害・認知機能低下・尿失禁の三徴が特徴であり、羽ばたき振戦は認めない。
  • 4:尿毒症性脳症でも羽ばたき振戦は生じうるが、本例には腎不全を示す情報がなく、長期大量飲酒の経過から肝性脳症が優先される。
  • 5:Cushing症候群は中心性肥満や満月様顔貌などが主体で、精神症状は伴っても羽ばたき振戦や失見当識は典型的でない。

午前 問14(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:昇進を契機とした不眠・食欲不振・焦燥感・不安・希死念慮からうつ病と考えられる。入院で食欲や焦燥は改善したが意欲低下と対人交流の苦痛が残る時期であり、思考の進行が遅くなる制止症状が予想される。

  • 1:感情鈍麻は感情の表出や動きが乏しくなる状態で統合失調症の陰性症状などにみられ、うつ病の抑うつ気分とは異なる。
  • 2:強迫観念は不合理と分かっていても反復して浮かぶ考えで、強迫症に特徴的。本例の中心となる症状ではない。
  • 3:思考制止は思考の進みが遅く考えがまとまらない状態で、うつ病に典型的。意欲低下や対人交流の苦痛とも整合する。
  • 4:滅裂思考は思考のつながりが失われて意味をなさなくなる症状で、統合失調症などでみられる思考障害である。
  • 5:両価性は相反する感情や意志が同時に存在する状態で、統合失調症の基本症状として挙げられるものである。

午前 問15(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:作業療法に安定して参加できるようになり、家庭復帰・職場復帰を検討する段階だが、本人は家事・育児といった日常生活そのものに不安を訴えている。まず生活の再構築を段階的に進める時期で、いきなり職場での実務訓練を組むのは時期尚早である。

  • 1:OJTは実際の職場で業務を行う訓練。日常生活にも不安が残る段階で現職復帰を前提とした計画を立てるのは負荷が大きく適切でない。
  • 2:小グループでの家事訓練は不安の対象である家事を安全に練習でき、対人交流の再開にもつながるため適切である。
  • 3:退院後の1日・1週間の過ごし方を一緒に組み立てることは、生活リズムの安定と不安の軽減につながり適切である。
  • 4:退院後も外来作業療法で支援を継続する検討は、再燃予防と段階的な社会復帰の観点から適切である。
  • 5:退院前訪問指導で実際の生活場面や家族の状況を把握することは、具体的な不安への対応策づくりにつながり適切である。

午前 問16(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:中学生の頃から人前で話す場面で強い緊張が生じ、人と会うことを回避してきた。プレゼンテーションという注目される状況で動悸・発汗・腹痛が出現しており、他者からの否定的評価への恐怖を中心とする病態が考えられる。

  • 1:持続性抑うつ症は2年以上続く軽度の抑うつ気分が主症状。本例に慢性的な抑うつ気分の記載はなく該当しない。
  • 2:社交不安症は人前で注目される場面での著しい不安・自律神経症状とその回避が特徴で、本例の経過に合致する。
  • 3:身体症状症は身体症状へのとらわれや過度の心配・行動が中心。本例の症状は社交場面に限って生じており該当しない。
  • 4:全般不安症は多数の出来事や活動に対する持続的で過剰な心配が特徴。本例の不安は社交場面に限局している。
  • 5:パニック症は予期しない突発的なパニック発作を繰り返す。本例は社交場面という明確な状況で症状が生じている。

午前 問19(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:被害的な訴えは残るものの、本人が希望した手工芸に3週間安定して参加できている。訴えを否定も追求もせず受け止めたうえで、現実的な作業に注意を向け続けられるよう支持的に関わることが、参加の継続と自信の回復につながる。

  • 1:本人が希望して継続できている活動を安易に変更すると、意欲や達成感をさらに損なう恐れがあり、この時点の対応として最適ではない。
  • 2:妄想の内容を詳細に聞き出すと、妄想的な思考へのとらわれを強め不安を増強させる恐れがあるため避ける。
  • 3:直ちに中止すると生活リズムの改善という目的が失われ、不安に対処できたという体験も得られず適切でない。
  • 4:不安を受け止めたうえで安心して手工芸を続けられるよう声をかけることが、活動の継続と自信の回復につながり最も適切。
  • 5:事実がないと説明して妄想を否定すると、患者は理解されないと感じ治療関係を損なう。妄想の是非は論じない。

午前 問41(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:毎日同じ時刻に同じ経路をたどり同じ物を買う「時刻表的生活」は常同行動であり、前頭側頭型認知症に特徴的である。記憶障害よりも行動・人格の変化が前景に立つ点が鑑別の要点となる。

  • 1:HIV関連認知症は精神運動緩慢・無関心・集中力低下を主体とする皮質下性の認知症で、常同的な時刻表的生活を特徴とはしない。
  • 2:血管性認知症は脳血管障害に伴って階段状に進行し、麻痺などの巣症状や感情失禁を伴う。決まった行動の毎日の反復は典型症状ではない。
  • 3:常同行動・時刻表的生活・脱抑制・被影響性の亢進が中核症状であり、毎日同一の時刻と経路・同一の買い物を繰り返す本例の行動に合致する。
  • 4:Lewy小体型認知症は具体的な幻視、認知の変動、パーキンソニズム、レム睡眠行動障害が特徴で、常同行動が前景に立つことは少ない。
  • 5:Alzheimer型認知症は近時記憶障害と見当識障害が初発。同じ食材を買うのは物忘れによる重複購入で、時刻や経路まで固定する常同性は乏しい。

午前 問44(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:アルコール依存症の治療は断酒への動機づけと再飲酒予防が柱であり、集団療法・認知行動療法・動機づけ面接・家族支援が用いられる。リアリティオリエンテーションは認知症の見当識障害への働きかけであり適さない。

  • 1:自助グループや院内断酒会など、同じ問題を抱える仲間との集団療法は依存症治療の中心的技法であり適切である。
  • 2:動機づけ面接は両価性を扱い本人の変わりたい気持ちを引き出す面接法で、断酒への動機づけに有効とされ適切である。
  • 3:認知行動療法は飲酒の引き金や思考パターンを同定し対処法を学ぶもので、再飲酒予防プログラムの基本であり適切である。
  • 4:時間・場所・人物などの見当識情報を繰り返し提示する認知症へのアプローチであり、アルコール依存症の治療技法ではない。
  • 5:CRAFTは治療を拒む本人に対し家族が対応法を学び受診につなげる家族支援プログラムで、依存症治療に有用であり適切である。

午前 問45(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:境界性パーソナリティ障害では衝動性と不安定な対人関係が問題となる。作業療法では治療の枠組みを一定に保ちつつ、作業活動を通して衝動や攻撃的感情を安全に発散・昇華させることが有効である。

  • 1:作業活動は衝動や攻撃的感情を安全な形で発散・昇華させる手段となり、自傷などの行動化の予防に役立つため適切である。
  • 2:頻度や時間などの治療構造は一定に保つ。希望により変更すると操作や試し行動を助長し、治療の枠組みが崩れてしまう。
  • 3:陽性転移は理想化から脱価値化へ容易に反転する。利用するのではなく、中立的で一貫した態度を保つことが求められる。
  • 4:人の入れ替わりが多い集団は対人関係の不安定さや見捨てられ不安を刺激しやすく、混乱を招くため適さない。
  • 5:依存を深めると分離場面での不安や行動化を招く。治療者は一定の距離を保ち、自立を支える関わりが必要である。

午前 問46(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:リワークは復職を目標とする再発予防プログラムで、症状がある程度回復した回復期以降に導入する。集団での作業やグループワークを通じ、対人技能・作業耐久性・ストレス対処能力の向上を図る。

  • 1:治療初期は休養と薬物療法が優先される。急性期からの導入は負荷が大きく症状の増悪を招くため適切でない。
  • 2:医療機関のリワークは通所による集団プログラムが中心であり、積極的な訪問支援(アウトリーチ)を主体とするものではない。
  • 3:集団プログラムを通して対人技能やコミュニケーションの改善を図ることはリワークの主要な目的の一つであり適切である。
  • 4:対象は休職中で復職を目指す者である。ストレスチェックの高ストレス者は医師による面接指導など予防的対応の対象となる。
  • 5:障害者職業センターのリワークは職場復帰に向けた調整と支援が目的であり、病状の回復を担うのは医療機関のリワークである。

午前 問47(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:統合失調症では情報処理容量の低下により、変化・同時処理・曖昧な状況に弱いという行動特性がある。環境や手順を一定に保ち、指示は具体的に一つずつ、低刺激の環境で行うのが原則である。

  • 1:緊張度を高めると不安が増し幻覚妄想の再燃を招きやすい。リラックスできる低刺激の環境を整えることが望ましい。
  • 2:一度に複数の指示をまとめると処理しきれず混乱を生じる。指示は一つずつ順を追って簡潔に伝える。
  • 3:場所・時間・使用する道具・担当者などを一定に保つことで見通しが立ち、不安が軽減して作業に取り組みやすくなる。
  • 4:状況に応じた臨機応変な判断は苦手である。手順を明確化し、判断を求められる場面を減らす配慮が必要となる。
  • 5:指示の前後に無関係な話を挟むと要点が埋もれ理解が妨げられる。指示は簡潔・明確に単独で伝える。

午前 問48(専門一般・正答 2・4) 問題を見る →

ポイント:BPSDは認知症の行動・心理症状を指し、徘徊・不潔行為・興奮・妄想・幻覚・抑うつなどが該当する。記憶障害・失認・実行機能障害は認知機能そのものの障害である中核症状であり、区別して理解する。

  • 1:失認は感覚は保たれているのに対象を認知できない状態で、頭頂葉などの障害による認知機能障害すなわち中核症状である。
  • 2:徘徊は目的がはっきりしないまま歩き回る行動症状であり、BPSDの代表例として介護上の問題となりやすい。
  • 3:記憶障害は認知症の診断の基盤となる中核症状であり、行動・心理症状であるBPSDには含まれない。
  • 4:不潔行為は排泄物を弄ぶなどの行動であり、認知機能障害を背景に生じる行動症状としてBPSDに含まれる。
  • 5:実行機能障害は計画・順序立て・遂行の障害で前頭葉機能に関連する中核症状であり、BPSDではない。

午前 問78(共通・正答 3) 問題を見る →

ポイント:社会生活技能訓練(SST)を体系化したのはR. Libermanである。オペラント条件づけはSkinner、自動思考と認知療法はBeck、古典的条件づけはPavlov、マインドフルネス低減法はKabat-Zinn、動機づけ面接はMillerによる。

  • 1:オペラント条件づけを提唱したのはB. F. Skinnerである。Beckは自動思考の概念を用いた認知療法の創始者。
  • 2:自動思考はA. Beckの認知療法の中心概念である。Kabat-Zinnはマインドフルネスストレス低減法の創始者。
  • 3:R. Libermanは統合失調症者への社会生活技能訓練(SST)を体系化し、モジュール化した技法を確立した。
  • 4:I. Pavlovは古典的(レスポンデント)条件づけの研究者である。動機づけ面接を開発したのはW. Millerである。
  • 5:マインドフルネスストレス低減法を確立したのはJ. Kabat-Zinnである。Millerは動機づけ面接の提唱者である。

午前 問96(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:慢性のアルコール使用ではビタミンB₁欠乏からWernicke脳症を生じ、離脱期の振戦せん妄などを経て、記銘力障害・失見当識・作話を主徴とするKorsakoff症候群が後遺症として残ることがある。

  • 1:周期性の過眠に過食や脱抑制を伴うまれな睡眠障害で、飲酒や離脱とは関連しない。
  • 2:前向性健忘を中心とする記銘力障害、失見当識、作話を特徴とし、B₁欠乏による後遺症である。
  • 3:幼児期に発症し多彩な発作型を示す難治性てんかん性脳症で、アルコールとは無関係である。
  • 4:主に女児にみられる神経発達症で、手もみ様の常同運動と退行が特徴。飲酒とは関係ない。
  • 5:抗精神病薬などにより高熱・筋強剛・CK上昇を呈する急性の副作用で、離脱の後遺症ではない。

午前 問97(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:統合失調症の前駆期には不眠、不安、集中困難などの非特異的な症状に加え、自分の意図と無関係に考えが浮かぶ自生思考のような自我障害の初期兆候がみられる。幻覚妄想や滅裂思考は急性期、感情の平板化は消耗期以降に目立つ。

  • 1:自分の意図と無関係に考えが勝手に浮かぶ体験で、前駆期にみられる自我障害の初期像である。
  • 2:話のまとまりが失われる思考過程の障害であり、急性期に目立つ症状である。
  • 3:現実離れした内容の妄想は、幻覚とともに急性期の陽性症状の中心をなす。
  • 4:感情表出が乏しくなる陰性症状であり、消耗期から慢性期にかけて前景となる。
  • 5:昏迷や拒絶、常同姿勢などを呈する病像で、前駆期ではなく急性期に生じる。

午後 問14(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:意欲低下と不登校で始まり、幻聴・妄想・自我障害が顕在化した統合失調症の典型的な経過で、陽性症状と陰性症状がそろっている。躁状態で目立つ行為心迫は認められず、これが誤っている症状となる。

  • 1:誰もいないのに悪口が聞こえるという訴えは、対象のない音声を知覚する幻聴であり、統合失調症の代表的な陽性症状である。
  • 2:行為心迫は次々に行動を起こさずにいられない状態で躁病にみられる。本例は引きこもり行動が減っており該当しない。
  • 3:自分の考えが人に伝わってしまうという訴えは思考伝播で、自我障害の一つとして統合失調症にみられる。
  • 4:隣人が見張っているという確信は注察妄想で、被害妄想の一型である。カーテンを閉め続ける行動もこれに基づく。
  • 5:自室に引きこもり入浴もしなくなった状態は、意欲低下と自閉を示す無為自閉であり陰性症状に当たる。

午後 問16(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:入院2週目の急性期で希死念慮も認められる段階では、睡眠・活動量・疲労・病識といった現在の状態把握が中心となる。復職の時期を尋ねることは焦りや自責を強め負担となるため、開始時の情報収集としては適さない。

  • 1:うつ病では不眠が中核症状の一つで、日内変動や休息の取れ具合を知ることは活動量の設定に直結する。収集すべき情報である。
  • 2:日中の過ごし方は活動と休息のバランスや生活リズムを把握する基本情報で、導入する作業量を決める根拠になる。
  • 3:病気に対する認識は治療への参加度や自責感の程度を知るうえで重要で、関わり方や説明の仕方の調整に必要である。
  • 4:うつ病では疲労感が強く、過活動による症状悪化を防ぐために把握が必要となる。段階的な負荷設定の指標にもなる。
  • 5:回復途上で復職時期を問うことは焦りを生み、できない自分への自責を強めかねない。回復が進んだ段階で扱う話題である。

午後 問18(実地・正答 4・5) 問題を見る →

ポイント:前頭側頭型認知症では脱抑制や反社会的行動、常同行動、被影響性の亢進が目立つ。叱責や環境の変更は易怒性を高めるため避け、常同性を活かした一定の手順と、視覚的に分かりやすい環境を整えることが有効である。

  • 1:抽象的な指示は理解されにくく混乱を招く。具体的で簡潔な指示や、実際にやって見せる提示のほうが伝わりやすい。
  • 2:叱責しても病識が乏しいため行動は修正されず、易怒性や興奮を誘発する。失敗は指摘せず環境側で防ぐのがよい。
  • 3:頻繁な席替えは慣れた場所や決まった流れを崩し、常同的な行動パターンが保てず混乱や不穏の誘因となる。
  • 4:被影響性の亢進を活かし、使う道具を見える位置に置くと視覚的な手がかりとなり、作業を自然に始めやすくなる。
  • 5:常同行動の傾向を利用し、毎回決まった手順で行わせると混乱が少なく、作業を安定して継続しやすい。

午後 問19(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:希死念慮の訴えに対しては、話をそらしたり否定・激励したりせず、まず受け止めて背景にある苦痛を語ってもらう。自殺の話題を避けないことが安全確保の第一歩であり、そのうえで主治医やチームと情報を共有する。

  • 1:他者と比較する言葉は苦痛を軽んじられたと感じさせ、自責感を強める。訴えを受け止める姿勢とは相容れない。
  • 2:うつ病の患者に努力を促す激励は負担となり、頑張れない自分への自責を深める。避けるべき対応である。
  • 3:主治医への報告自体は必要だが、作業療法士が薬効を判断して伝える発言は適切でなく、目の前の訴えを受け止めていない。
  • 4:訴えを否定せず、そう感じる理由を語ってもらう対応である。感情の表出を促し、信頼関係を保ちながら危険性を評価できる。
  • 5:我慢を求める言葉は苦痛の表明を封じ、援助を求めにくくさせる。孤立を深め、かえって危険を高める。

午後 問20(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:慢性的な空虚感、理想化とこき下ろしを繰り返す不安定な対人関係、見捨てられ不安に伴う自傷や自殺のほのめかしは境界性パーソナリティ障害の特徴である。対人関係と感情調節に焦点を当てた心理療法が用いられる。

  • 1:認知行動療法は自傷につながる思考や行動のパターンを扱うもので、境界性パーソナリティ障害の治療にも用いられる。
  • 2:力動的精神療法は対人関係で反復されるパターンや無意識の葛藤を扱い、この障害の治療法として位置づけられている。
  • 3:弁証法的行動療法(DBT)は境界性パーソナリティ障害の自傷・自殺行動に対して開発された、有効性の確立した治療法である。
  • 4:TEACCHは自閉スペクトラム症の特性に合わせ環境を構造化する包括的支援プログラムで、本例の病態に対する治療法ではない。
  • 5:メンタライゼーションに基づく治療は自他の心の状態を捉える力を高めるもので、この障害を対象に開発された。

午後 問39(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:アルコール離脱症状は断酒後数時間〜数日で生じ、早期には振戦・発汗・不安・不眠・自律神経症状がみられる。重篤化すると振戦せん妄となり、意識変容とともに虫や小動物が見えるといった幻視やけいれんを呈する。

  • 1:解離症状は解離性障害や心的外傷後の反応でみられる記憶や同一性の障害であり、アルコール離脱の症状ではない。
  • 2:観念奔逸は思考が次々と飛躍して展開する躁状態に特徴的な症状であり、離脱症状ではない。
  • 3:強迫行為は不合理と分かっていても繰り返してしまう行為で、強迫症でみられる症状である。
  • 4:正しい。離脱期、特に振戦せん妄では、虫や小動物が見えるといった鮮明な幻視が特徴的にみられる。
  • 5:思考途絶は思考の流れが突然中断する症状で、統合失調症でみられるものであり離脱症状ではない。

午後 問41(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:睡眠衛生指導は生活習慣と環境を整えて自然な入眠を促す助言である。朝の高照度光は体内時計を24時間周期に同調させ、夜のメラトニン分泌を適切な時刻に導くため、起床後にカーテンを開けて光を浴びることが基本となる。

  • 1:昼寝は午後の早い時間に30分以内が原則である。2時間の長い昼寝は深い睡眠に入り夜間の睡眠圧を下げ、かえって入眠困難を招くため推奨されない。
  • 2:起床直後に太陽光を浴びると体内時計がリセットされ、睡眠・覚醒リズムが整う。睡眠衛生指導の中心的な助言であり正しい。
  • 3:就床時刻を固定すると眠気がないまま床に就いて不眠を強める。一定に保つべきは起床時刻であり、就床は眠気が来てからとするのが原則である。
  • 4:アルコールは寝つきを早めても睡眠を浅くし、中途覚醒や早朝覚醒を増やす。耐性により量も増えるため、寝酒は睡眠衛生上避けるよう指導する。
  • 5:就寝直前の明るい照明や画面の光はメラトニン分泌を抑制し入眠を遅らせる。夜間は照明を落とし、光刺激を減らして過ごすよう指導する。

午後 問42(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:解離症は心的葛藤やストレスが、意識・記憶・同一性の統合の障害として現れる病態である。作業療法では言語化しにくい無意識の葛藤を制作や表現などの作業を通じて安全に発散・昇華させつつ、一貫した治療の枠組みを保つ関わりが求められる。

  • 1:希望のままに任せると回避や退行を助長し治療構造が崩れる。患者と相談しながらも、目標に沿った一定の枠組みを保つことが必要である。
  • 2:直接には言語化されない葛藤を、作業を通じて表出・発散させることは解離症状の軽減につながる。作業療法の利点を生かした対応であり適切である。
  • 3:代わりに行うと有能感を得る機会を奪い依存を強める。困難な部分は工程を分ける、難易度を下げるなどして患者自身が行えるよう支えるのがよい。
  • 4:健忘は解離症の症状そのものであり、出現したことを理由に中止するのではなく、安全を確保しながら継続的な関わりの中で扱うことが望ましい。
  • 5:時間外の個別対応は治療の枠組みを崩し、依存的・操作的な関係を強めやすい。設定した時間と場で一貫して関わることが原則である。

午後 問44(専門一般・正答 1・4) 問題を見る →

ポイント:急性期後期のうつ病では活動性が回復し始めるが、易疲労性と自責感は残っている。導入期には休養の必要性を伝えたうえで、単純で短時間に完結し、病前の遂行水準と比較されにくい作業から始めるのが原則である。

  • 1:病前から親しんだ作業は以前の出来ばえと比べて自信を失いやすい。経験のない新奇で単純な作業のほうが自己評価の低下を招きにくく適する。
  • 2:複雑な工程は判断や決断を多く求め、思考制止や集中力低下のある患者には負担が大きい。失敗体験となりやすく導入期には不適切である。
  • 3:励ましは「もっと頑張らねば」という圧力となり自責感を強める。うつ病では原則として叱咤激励を避け、できている点を認める関わりとする。
  • 4:回復し始めても易疲労性は残り、活動過多は症状を再燃させる。休養の重要性を説明して活動量を調整することは導入期の基本であり適切である。
  • 5:うつ病は脳機能や環境要因が関与する疾患であり、気持ちの持ちようとする説明は誤りである。自責感を強め治療関係も損なうため不適切である。

午後 問45(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:統合失調症では記憶や遂行機能などの認知機能障害により、手順を保持し誤りに気づいて修正することが難しい。加えて意欲の低下や注意配分の障害があり、作業場面では同じ工程で繰り返しつまずく様子が観察される。

  • 1:陰性症状により意欲や興味は乏しくなり、活動への関心はむしろ狭まりやすい。関心の拡大が特徴的に観察されるわけではない。
  • 2:記憶や遂行機能の障害、誤りへの気づきの乏しさから、注意しても同じ失敗を反復しやすい。作業場面でよく観察される特徴である。
  • 3:注意の分配や切り替えが苦手で、複数課題の並行処理は困難である。課題は一度に一つずつ提示するほうが遂行しやすい。
  • 4:対人関係の障害や自閉的傾向から他者への関心は乏しくなりやすく、他患者の活動に口出しする姿は特徴的とはいえない。
  • 5:予定変更などの予期しない出来事への対処は苦手で、混乱や不安が強まりやすい。的確に対処できるという記述は特徴に反する。

午後 問46(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:自閉スペクトラム症は社会的コミュニケーションの障害と、限局的興味・常同行動を中核症状とする。対応は視覚的手がかりを用いた構造化と、具体的な行動レベルでの練習が基本であり、対人技能の習得にはSSTが有効である。

  • 1:内省を促す関わりは抽象的な自己理解を要し負担が大きい。問題行動には環境調整と、望ましい行動を具体的に示す対応が適する。
  • 2:言葉を省略すると意図が伝わらず混乱を招く。短くても何をどうするかを明確にし、絵や文字など視覚的手がかりを添えて具体的に伝える。
  • 3:無言の制止は理由が理解できず不安や混乱を強める。こだわりは頭ごなしに止めず、代替行動や見通しを具体的に示して調整する。
  • 4:自由度の高い課題は何をすべきか分からず不安を高める。導入期は工程・時間・場所を構造化し、見通しの立つ作業を用いる。
  • 5:SSTは場面を設定し、ロールプレイと具体的な正のフィードバックで対人技能を練習する方法であり、コミュニケーションの課題に有効である。

午後 問47(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:注意欠如・多動症は不注意・多動性・衝動性を主症状とし、じっとしていられない、結果を考えずに行動して失敗するという訴えが典型である。他の選択肢は統合失調症圏や解離、身体に関する妄想を示す発言であり鑑別を要する。

  • 1:脳が溶けて流れ出すという訴えは体感幻覚や奇異な妄想であり、統合失調症などを示唆する。ADHDを示す発言ではない。
  • 2:周囲が不気味で何かが起こりそうという訴えは妄想気分で、統合失調症の前駆期などにみられる。ADHDを示唆するものではない。
  • 3:静止していることの困難という多動性と、後先を考えず行動する衝動性を同時に述べており、ADHDの中核症状を強く示唆する発言である。
  • 4:映画を見ているようで現実感がないという訴えは離人感・現実感消失であり、解離症などにみられる。ADHDの症状ではない。
  • 5:検査で異常がないのに末期癌だと確信する訴えは心気妄想や病気不安症を示唆し、うつ病などでみられる。ADHDとは関連しない。

午後 問48(専門一般・正答 3) 問題を見る →

ポイント:家族心理教育は、疾患や対処法についての正しい知識の提供と、問題解決技法を用いた話し合いを組み合わせる支援である。家族の対処能力を高めて負担を軽減し、患者の再発を防ぐことを目的とし、家族を責めない立場をとる。

  • 1:誰を家族とみなすかは本人と当事者が決めるもので、同居や血縁の有無に限られない。専門家が範囲を線引きするのは適切でない。
  • 2:家族を発症の原因とみなす考え方は現在では否定されている。家族は治療の協力者であり支援を受ける対象でもあり、責める姿勢は逆効果である。
  • 3:知識の提供と問題解決技能の習得により、家族が困難な状況に対処できるようになることを目指す。家族心理教育の中心的な目的であり正しい。
  • 4:情緒的巻き込まれ過剰は高EEの一要素で再発率を高める。適度な心理的距離を保てるよう支援するのが目的であり、促すのは誤りである。
  • 5:高EEの家族と長時間接触すると再発の危険が高まるとされる。接触時間はむしろ調整・短縮し、距離の取り方を助言する。

午後 問79(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:精神分析療法はフロイトが創始した療法で、無意識に抑圧された欲動や葛藤が症状を形成すると考える。自由連想や転移・抵抗の分析を通じて無意識を意識化し、洞察を得て症状の改善を目指す。

  • 1:支持的精神療法は傾聴・保証・助言などで不安を和らげ適応を支える方法で、無意識の葛藤の解明は目指さない。
  • 2:正しい。無意識に抑圧された欲動や葛藤を自由連想などで意識化し、洞察により症状の改善を図る。
  • 3:認知行動療法は現在の認知の偏りと行動に働きかける技法で、無意識の葛藤の解明を目的としない。
  • 4:森田療法は不安をあるがままに受け入れ、目的本位の行動を促す日本発の療法で、葛藤の解明は行わない。
  • 5:来談者中心療法はロジャーズが創始し、受容と共感により自己成長を促す。無意識の解釈は行わない。

午後 問96(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:うつ病における自殺の危険因子は、男性、自殺企図の既往、精神科入院歴(特に退院直後)、不安障害やアルコール・薬物依存の合併、社会的孤立などである。自殺企図の頻度は女性に多いが既遂率は男性が高く、危険因子として挙げられるのは男性である。

  • 1:自殺既遂率は男性が女性の約2倍と高く、女性であることは自殺危険率を高める特徴とはいえない。
  • 2:精神科入院歴、とくに退院直後は自殺リスクが高い時期として知られ、危険因子である。
  • 3:自殺企図の既往は将来の自殺を予測する最も強力な因子であり、危険因子である。
  • 4:不安障害の合併は焦燥や不眠を強め、自殺の危険を高める因子である。
  • 5:アルコールや薬物への依存は衝動性を高め、自殺の危険因子となる。

午後 問98(共通・採点除外) 問題を見る →

ポイント:本問は採点除外となった問題です。採点除外は全員に得点が与えられるのではなく、その問題自体が採点対象から外れ、満点(分母)が減る扱いです(第60回作業療法士は採点除外1問が一般問題であるため、満点280点→279点、実地は120点のままです)。論点は「陽性症状」の範囲である。幻覚が陽性症状であることに異論はないが、連合弛緩は思考の解体(解体症状)として陽性症状に含める立場と、陽性・陰性の二分法から独立した次元として扱う立場があり、2つ目を一意に定められなかったためと考えられる。

  • 1:快感消失(アンヘドニア)はSANSに含まれる陰性症状であり、陽性症状ではない。
  • 2:会話の貧困(思考の貧困、アロギア)は発語の量や内容が乏しくなる陰性症状である。
  • 3:幻覚は幻聴を中心とし、健常時にはない体験が加わる代表的な陽性症状である。
  • 4:注意の障害はSANSに含まれ、陰性症状あるいは認知機能障害として扱われる。
  • 5:連合弛緩は思考のまとまりのなさで、解体症状として陽性症状に分類されることが多いが、独立した次元とする立場もある。

午後 問99(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:うつ病では抑うつ気分や興味・喜びの喪失に加え、自分には価値がないという無価値感や過剰な罪責感が生じ、DSM-5の診断基準にも含まれる。観念奔逸と誇大妄想は躁状態、思考奪取と思考途絶は統合失調症でみられる症状である。

  • 1:観念奔逸は考えが次々と浮かんで話題が飛ぶ状態で躁状態にみられる。うつ病では思考制止が特徴である。
  • 2:誇大妄想は自己を過大に評価する妄想で躁状態にみられる。うつ病では微小妄想(罪業・貧困・心気)が典型。
  • 3:思考奪取は自分の考えが他者に抜き取られると感じる自我障害で、統合失調症にみられる。
  • 4:思考途絶は思考の流れが突然中断される症状で、統合失調症にみられる。
  • 5:無価値感は自分に価値がないと感じる症状で、うつ病の中核症状の一つ。罪責感を伴うことが多い。

午後 問100(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:強迫症では、繰り返し浮かぶ強迫観念を本人が「不合理・過剰である」と自覚しながらも抑えられず、不安を打ち消すために強迫行為を反復する。この自我違和性が、幻聴などの精神病症状との重要な鑑別点となる。

  • 1:強迫行為は意識清明のもとで行われ、本人は自分が何をしているかを自覚し記憶している。
  • 2:確認や保証を家族に求め、家族が儀式に付き合わされる「巻き込み型」はしばしばみられる。
  • 3:強迫観念は覚醒時の思考であり、睡眠中まで持続するものではない。
  • 4:行為を命じる幻聴は統合失調症などの精神病症状であり、強迫症の強迫行為は幻聴によるものではない。
  • 5:多くの場合、強迫観念を不合理と認識しつつ抑制できない。この自我違和性が強迫症の特徴である。

第59回(2024年2月実施)

精神障害として29問が出題されました(実地6問・一般/共通23問、推定配点41点)。全問の正答・解説は 第59回 OT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問13午前実地アルコール依存症で観察される症状3
問38午前専門一般術後せん妄への適切な対応5
問42午前専門一般睡眠障害の疾患と症状の組合せ1・5
問43午前専門一般Alzheimer型認知症の特徴的症状4
問44午前専門一般死の受容過程の第3段階5
問79午前共通陽性転移にあたる患者の反応3
問80午前共通模範行動の観察による治療法4
問81午前共通宿題を用いる精神療法4
問95午前共通Lewy小体型認知症の早期症状1
問96午前共通統合失調症の予後と発症率2
問97午前共通全般性不安障害の特徴2
問100午前共通うつ病患者への睡眠衛生指導2
問14午後実地Korsakoff症候群に出現する症状4
問16午後実地Alzheimer型認知症の症状の特徴5
問17午後実地双極性障害の服薬中断相談への対応3・5
問18午後実地社交不安障害の導入期作業療法4
問19午後実地Lewy小体型認知症患者への対応3
問40午後専門一般薬物依存症離脱後初期の評価項目2
問41午後専門一般PTSDの症状と対応の誤りを問う4
問43午後専門一般せん妄への対応の正誤5
問44午後専門一般アルコール依存症の治療方針3・4
問45午後専門一般認知機能改善プログラムの名称2
問46午後専門一般SSTの実施方法の特徴2
問79午後共通願望を意識から排除する防衛機制3/4(複数正答)
問80午後共通Freud発達論の6〜12歳の段階4
問96午後共通双極性障害とうつ病の特徴比較1
問97午後共通せん妄の危険因子と症状2
問98午後共通統合失調症の陰性症状1・2
問100午後共通振戦せん妄の症状と治療3

午前 問13(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:アルコール依存症の症例である。深夜でも酒を買いに出る渇望、量が増したことによる耐性、泥酔に至る抑制喪失が読み取れる。一方、禁酒を試みたことがなく飲酒が続いているため、断酒・減酒に伴って現れる離脱症状は現時点では観察されない。

  • 1:酒がなくなると深夜でも買いに出かける行動は、飲酒への抑えがたい欲求である渇望の表れで、現時点で観察される。
  • 2:飲み始めると量や場面をコントロールできず泥酔に至っている。抑制喪失(コントロール障害)は現時点で認められる。
  • 3:離脱症状は飲酒の中断・減量後に手指振戦や発汗、不眠などとして生じる。本例は禁酒の試みがなく飲酒が続いており、現時点では観察されない。
  • 4:半年で飲酒量が徐々に増えたことは、同じ効果を得るのに必要な量が増す耐性の増大を示し、現時点で観察される。
  • 5:肝機能障害の指摘や無断欠勤といった不利益を受けても飲酒行動が修正されない状態で、本例に認められる。

午前 問38(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:術後せん妄では、感覚遮断・脱水・疼痛・睡眠覚醒リズムの乱れなどの誘因を取り除き、見当識を保つ環境調整と早期離床を図る。夜間も足元灯などわずかな明かりを残すのが原則で、完全消灯は誤りである。

  • 1:眼鏡の使用など視力補正は感覚遮断による誤認や不安を防ぎ、せん妄の予防・改善に有効な対応である。
  • 2:脱水は電解質異常や腎機能低下を招きせん妄の誘因となるため、その補正は適切な対応である。
  • 3:カレンダーや時計の設置、日時・場所を伝える声かけは見当識を保つ働きかけとして適切である。
  • 4:早期からの離床・運動は昼夜のリズムを整え、術後せん妄の発症予防に有効とされる。
  • 5:完全消灯は暗闇での不安や錯視を招きやすい。足元灯などを残して安全と見当識を確保するため、誤りである。

午前 問42(専門一般・正答 1・5) 問題を見る →

ポイント:概日リズム障害では体内時計と社会的な時刻とのずれから夜更かし・起床困難が生じ、むずむず脚症候群では下肢の不快な異常感覚が主症状となる。他の3つは、症状の組合せが別疾患のものに入れ替わっている。

  • 1:概日リズム障害のうち睡眠相後退型では入眠時刻が遅れ、夜更かしと朝の起床困難が生じる。組合せとして適切である。
  • 2:睡眠関連摂食障害は睡眠中に半覚醒状態で食べてしまう異常行動であり、症状は過食側である。拒食は当てはまらない。
  • 3:睡眠時無呼吸症候群の主症状はいびきと無呼吸、日中の眠気である。突発的に眠り込む睡眠発作はナルコレプシーの症状。
  • 4:ナルコレプシーで生じるのは情動により脱力するカタプレキシー(情動脱力発作)。カタレプシー(強硬症)は緊張病でみられる。
  • 5:むずむず脚症候群は夕方から夜間に下肢の虫が這うような異常感覚と動かしたい衝動が生じる。組合せとして適切である。

午前 問43(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:Alzheimer型認知症は緩徐かつ持続的に進行し、早期から記憶障害に加えて場所・道順がわからなくなる地誌的見当識障害を示す。階段状進行やまだら認知症は血管性認知症、錐体外路症状はLewy小体型認知症の特徴である。

  • 1:階段状の進行は梗塞の再発ごとに悪化する血管性認知症の特徴。Alzheimer型は緩やかに持続的に進行する。
  • 2:パーキンソニズムなどの錐体外路症状はLewy小体型認知症に特徴的で、Alzheimer型では原則として初期には目立たない。
  • 3:保たれる能力と障害された能力が混在するまだら認知症は血管性認知症の特徴で、Alzheimer型では全般的に低下する。
  • 4:道順や場所がわからなくなる地誌的見当識障害は比較的早期から出現し、Alzheimer型に特徴的な症状である。
  • 5:Alzheimer型では病識は早期から低下しやすく、取り繕い反応もみられる。末期まで保たれるとするのは誤り。

午前 問44(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:Kübler-Rossが示した死に至る心理過程は、否認・隔離→怒り→取り引き→抑うつ→受容の5段階である。第3段階は「何かと引き換えに延命を」と願う取り引きの段階にあたる。

  • 1:怒りは第2段階。「なぜ自分なのか」という感情が医療者や家族など周囲に向けられる時期である。
  • 2:受容は第5段階(最終段階)。死を静かに受け入れ、心の平穏が訪れる時期とされる。
  • 3:否認は第1段階。診断を「何かの間違いだ」と認めようとしない時期である。
  • 4:抑うつは第4段階。取り引きが通じないと悟り、喪失感から深い落胆に至る時期である。
  • 5:取り引きが第3段階。善行や信仰などを条件に延命や苦痛の軽減を願う時期であり、これが正答となる。

午前 問79(共通・正答 3) 問題を見る →

ポイント:転移とは、患者が過去の重要な人物に向けていた感情を治療者に向ける現象である。好意・信頼・依存など肯定的な感情が向かうものを陽性転移、敵意・不信など否定的な感情が向かうものを陰性転移といい、治療者から患者への感情は逆転移という。

  • 1:医療者から患者へ向けられた感情であり、転移ではなく逆転移(陽性の逆転移)にあたる。
  • 2:医療者から患者へ向けられた怒りの感情であり、陰性の逆転移にあたる。
  • 3:正しい。患者が医療者に好意や信頼、親愛の情を寄せるのが陽性転移である。
  • 4:患者から医療者への強い軽蔑は否定的感情であり、陽性転移ではなく陰性転移である。
  • 5:患者が医療者に嫌悪を示すのも否定的感情の向かうもので、陰性転移にあたる。

午前 問80(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:モデリング法は、他者(モデル)の適切な行動を観察・模倣させることで新しい行動の学習や行動変容を促す行動療法の技法である。Banduraの社会的学習理論に基づき、恐怖症や社会生活技能訓練などに用いられる。

  • 1:系統的脱感作法は弛緩訓練を行いながら不安階層表に沿って弱い刺激から段階的に直面させ、不安を軽減する技法である。
  • 2:行動活性化技法は主にうつ病に対し、活動記録をもとに快や達成感の得られる行動を増やしていく技法である。
  • 3:マインドフルネスは「今ここ」での体験に評価を加えずに注意を向ける瞑想的な手法で、模倣学習ではない。
  • 4:正しい。モデリング法は他者の模範行動を観察・模倣させることで自らの行動変容を図る技法である。
  • 5:問題解決技法は問題の明確化から解決案の産出・選択・実行・評価までを段階的に進める認知行動療法の技法である。

午前 問81(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:ホームワーク〈宿題〉は認知行動療法の中核技法である。面接で扱った認知の検討や行動実験、活動記録などを日常生活で実践・記録し、次回セッションで振り返ることで、治療効果を生活場面へ般化させる。

  • 1:支持的精神療法は傾聴・保証・励ましによって自我を支えることが中心で、課題を設定して実生活で行わせる技法は用いない。
  • 2:精神分析療法は自由連想と抵抗・転移の解釈を通して無意識的葛藤を扱う技法であり、宿題を課すという構造は取らない。
  • 3:内観療法は「してもらったこと・して返したこと・迷惑をかけたこと」を集中的に想起する面接法で、集中内観が基本形であり宿題を技法の柱とはしない。
  • 4:正しい。認知行動療法ではコラム法(思考記録表)、活動記録表、行動実験、曝露課題などをホームワークとして課すのが標準的である。
  • 5:森田療法は不安を「あるがまま」に受け入れ、絶対臥床期から作業期へ進む段階的治療と日記指導が特徴で、課題設定型のホームワークを中核技法とはしない。

午前 問95(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:Lewy小体型認知症の中核的特徴は、具体的で繰り返す幻視、認知機能の変動、REM睡眠行動障害、パーキンソニズムである。幻視は病初期から出現しやすく、診断の手がかりとなる。

  • 1:正しい。「子どもが座っている」「虫が這っている」など具体的でありありとした幻視が早期からみられる。
  • 2:考想伝播は自分の考えが他人に伝わってしまうと感じる症状で、統合失調症の自我障害にあたる。
  • 3:失語はAlzheimer型認知症の進行期や意味性認知症などで目立つ症状で、Lewy小体型認知症の早期症状ではない。
  • 4:人格変化は前頭側頭型認知症で早期から前景に立つ症状である。
  • 5:脱抑制も行動障害型前頭側頭型認知症の早期症状であり、Lewy小体型認知症の初期像とは異なる。

午前 問96(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:統合失調症の予後不良因子は、若年発症、緩徐な発症、明らかな誘因がないこと、陰性症状優位、病前の社会適応不良、精神病未治療期間〈DUP〉が長いことなどである。

  • 1:急性・突然の発症は緩徐な発症より予後が良いとされる。誘因が明確な例も比較的経過が良い。
  • 2:正しい。思春期〜青年期早期の若年発症は、人格形成や社会的機能の獲得が妨げられ予後不良となりやすい。
  • 3:女性は男性より発症年齢が遅く、社会機能が保たれやすいため予後は比較的良好とされる。
  • 4:生涯有病率は男女でほぼ同等(男性がやや高い程度)であり、約2倍という差はない。
  • 5:精神病未治療期間〈DUP〉が長いほど予後は不良で、早期発見・早期治療介入が重視されている。

午前 問97(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:全般性不安障害は、さまざまな事柄に対する過剰な心配が6か月以上続き、落ち着かなさ・易疲労・集中困難・筋緊張・睡眠障害を伴う。女性は男性の約2倍で、慢性の経過をとり他の精神疾患との併存が多い。

  • 1:経過は慢性・変動性で、寛解と増悪を繰り返しながら年単位で持続することが多い。慢性化はまれではない。
  • 2:正しい。有病率は女性が男性の約2倍とされる。
  • 3:動悸・発汗・口渇・消化器症状・振戦など自律神経系の過活動に基づく身体症状を伴う。
  • 4:生活上のストレスや環境の変化によって心配の対象や症状の強さは消長する。
  • 5:うつ病、パニック症、社交不安症、物質使用障害などとの併存率が高いことが知られている。

午前 問100(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:睡眠衛生指導の基本は、就床時刻ではなく起床時刻を一定に保って概日リズムを整えることである。長く遅い昼寝、眠気がないうちの就床、就寝前のアルコールはいずれも入眠困難を悪化させる。

  • 1:夕方の長い昼寝は夜間の睡眠圧を下げて入眠困難を悪化させる。昼寝をとるなら午後の早い時刻に30分以内が原則である。
  • 2:正しい。起床時刻を一定にすると体内時計と光曝露のリズムが安定し、夜間の入眠が改善する。
  • 3:アルコールは入眠を早めるように感じられても睡眠後半の中途覚醒と睡眠の分断を招き、耐性・依存の危険もある。
  • 4:眠気がないまま就床すると床で覚醒したまま過ごす時間が増え、「床=眠れない場所」という条件づけを強めてしまう。
  • 5:眠れないときは一度離床して別の場所で過ごし、眠気が出てから戻る(刺激制御法)ほうが不眠の維持を防げる。

午後 問14(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:Wernicke脳症に続いて残遺するKorsakoff症候群では、新しいことを覚えられない前向性健忘(記銘力障害)が中核で、見当識障害や作話を伴います。作業療法では記憶の代償手段や環境の構造化が中心になります。

  • 1:観念奔逸は思考が次々に移り変わる躁状態の症状で、Korsakoff症候群の症状ではありません。
  • 2:体感幻覚は身体内部の異常な感覚を訴える幻覚で、統合失調症などでみられ本症候群の特徴ではありません。
  • 3:不安発作はパニック障害やアルコール離脱期にみられますが、残遺した本症候群の中核症状ではありません。
  • 4:新しい情報を覚えられない前向性健忘が中核症状で、見当識障害や作話を伴い最も出現しやすい症状です。
  • 5:フラッシュバックは心的外傷後ストレス障害や薬物使用後にみられる再体験症状で、本症候群では典型的ではありません。

午後 問16(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:Alzheimer型認知症は近時記憶の障害で始まり、物盗られ妄想などの被害的言動、意欲低下や閉じこもりを伴います。進行に伴い時間・場所の見当識障害が現れ、外出先から帰宅できなくなるのが特徴的です。

  • 1:認知機能が日によって大きく動揺するのはLewy小体型認知症の中核的特徴で、Alzheimer型では目立ちません。
  • 2:決まった席に固執する常同行動は前頭側頭型認知症でみられる特徴で、本例の特徴ではありません。
  • 3:具体的で繰り返し現れる幻視はLewy小体型認知症の中核的特徴で、Alzheimer型では初期からはみられません。
  • 4:睡眠中の大声の寝言や行動化はREM睡眠行動障害で、Lewy小体型認知症に先行してみられる症状です。
  • 5:場所の見当識障害により外出先から帰れず道に迷うのはAlzheimer型認知症で典型的にみられます。

午後 問17(実地・正答 3・5) 問題を見る →

ポイント:服薬の中止や減量を判断するのは医師であり、作業療法士が指示することはできません。まず本人が心配している副作用の内容を具体的に聴き取り、そのうえで主治医に相談できるよう橋渡しするのが適切な対応です。

  • 1:減量は医師の指示によるもので、作業療法士が量の変更を勧めるのは職種の範囲を超え不適切です。
  • 2:一般論で片づける言い方は本人の不安を受け止めず、相談を打ち切ってしまうため適切ではありません。
  • 3:心配している副作用を具体的に聴くことで不安の内容が明確になり、支援の第一歩として適切です。
  • 4:双極性障害では自己判断の中止が再燃につながります。中止を促す助言は医師の判断を超え不適切です。
  • 5:服薬に関する判断は主治医が行うため、次回外来で相談するよう促す橋渡しは適切です。

午後 問18(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:社交不安障害の導入期は、対人場面の負荷を最小限にして通所の定着と安心感を優先します。本人が長年親しんだ個人作業から始め、成功体験を積んだうえで段階的に対人交流や就労の話題へ広げていきます。

  • 1:言語的交流を要する作業は導入期には不安を強め、中断につながりやすいため適切ではありません。
  • 2:就職の話題は導入期には焦りと負担になります。まず作業療法への定着を図ってから扱います。
  • 3:他者との共同製作は対人緊張が高く、導入期の課題としては負荷が大きすぎます。
  • 4:長年慣れ親しんだ個人作業で安心感と成功体験を得られ、導入期の作業として最も適切です。
  • 5:学習会は集団の対人場面であり、就労準備の段階でもないため導入期には適しません。

午後 問19(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:便秘や立ちくらみといった自律神経症状が先行し、人物誤認や具体的な幻視、小刻み歩行・振戦などのパーキンソニズムを認めることからLewy小体型認知症が考えられます。認知機能の変動が中核的特徴で、その日その時の状態に応じた対応が必要です。

  • 1:性的逸脱などの脱抑制行動は前頭側頭型認知症の特徴で、本例で特に注意すべき点ではありません。
  • 2:注意の障害と変動があるため、複数課題の同時進行は混乱や失敗を招き適切ではありません。
  • 3:認知機能の変動は本症の中核的特徴で、覚醒や集中の良い時間帯に合わせて関わることが最も適切です。
  • 4:未経験の活動は認知的負荷が高く混乱や不安を強めます。慣れた活動を中心に組み立てます。
  • 5:メンバーの入れ替えは人物誤認や幻視のある本例の不安を強めるため、安定した構成が望まれます。

午後 問40(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:亜急性期(離脱後初期)は遷延する離脱症状に加え、低栄養や肝障害など身体面の問題が残る時期である。まず身体症状を評価して全身状態の安定を図ることが最優先となる。

  • 1:作業能力の評価は身体状態が安定し、社会復帰を視野に入れる回復期以降に行う項目である。
  • 2:○。遷延する離脱症状や合併する身体疾患の把握が最優先で、安全な治療継続の基礎となる。
  • 3:生活リズムの調整も重要だが、身体症状が安定してから取り組むべき課題である。
  • 4:渇望への対処能力の評価は、身体が回復した後の再発予防に取り組む段階で重視される。
  • 5:対人関係の評価は自助グループ参加など社会適応を目指す段階になって優先度が高くなる。

午後 問41(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:PTSDは再体験・回避・認知と気分の陰性変化・過覚醒を中核症状とする。外傷体験の直後に体験を詳細に語らせる心理的デブリーフィングは、再外傷化のおそれがあり現在は推奨されていない。

  • 1:アンヘドニア(快感消失)は認知と気分の陰性変化に含まれ、PTSDでみられる。正しい記述。
  • 2:苦痛を紛らわすための飲酒からアルコール乱用・依存に至ることが多く、正しい記述である。
  • 3:過覚醒症状により驚愕反応が亢進し、小さな物音にも過敏に反応する。正しい記述である。
  • 4:外傷直後に詳しく語らせると再外傷化を招くおそれがあり推奨されない。誤りでこれが正答。
  • 5:フラッシュバックは侵入的な再体験症状の代表であり、正しい記述である。

午後 問43(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:せん妄は身体疾患・薬剤・環境要因によって生じる意識障害である。対応の基本は誘因となる身体疾患の治療と環境調整であり、感覚遮断や身体拘束はむしろ悪化因子となる。

  • 1:感覚遮断はせん妄の誘発因子。眼鏡や補聴器を用い適度な感覚入力と見当識情報を保つ。
  • 2:興奮や幻覚に対しハロペリドールなど抗精神病薬が用いられ、無効とはいえない。
  • 3:身体拘束は不穏や不動化を助長しせん妄を悪化させるため、原則として最小限にとどめる。
  • 4:強い口調は不安と興奮を強める。穏やかに簡潔に伝え安心感を与える対応が基本である。
  • 5:脱水・感染・低酸素・薬剤など原因となる身体疾患の治療を並行して行う。これが正答。

午後 問44(専門一般・正答 3・4) 問題を見る →

ポイント:アルコール依存症治療の中心は断酒の継続を支える心理社会的支援であり、家族への介入と自助グループの活用が柱となる。抗酒薬や断酒補助薬はあくまで補助的な手段である。

  • 1:抗酒薬は補助的手段であり、治療の中心は断酒継続を支える心理社会的アプローチである。
  • 2:診断は飲酒行動と依存症候群の問診によって行い、脳波検査は必須の検査ではない。
  • 3:飲酒を結果的に支えてしまう家族の共依存への働きかけは重要である。これが正答の一つ。
  • 4:AAや断酒会など自助グループへの参加は断酒継続に有効とされる。これが正答の一つ。
  • 5:肝不全や離脱せん妄など重症の身体合併症は優先して治療する。改善後まで待たない。

午後 問45(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:NEAR(神経心理学的教育アプローチによる認知矯正療法)は、パソコンの教育用ソフトウェア課題を各人の水準に合わせて用い、グループ討議で日常生活への般化を図るプログラムである。

  • 1:LASMIは精神障害者社会生活評価尺度で、生活障害を測る評価尺度でありプログラムではない。
  • 2:NEARはパソコンの教育用ソフトを用いる認知機能改善プログラムであり、これが正答。
  • 3:SCITは社会認知ならびに対人関係のトレーニングで、集団討議を中心とする技法である。
  • 4:SFSは社会機能評価尺度であり、社会生活の遂行状況を測る評価尺度である。
  • 5:WRAPは元気回復行動プランで、当事者が自ら作成する自己管理のプランである。

午後 問46(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:SSTは学習理論・社会的学習理論を基盤とする認知行動療法的技法である。具体的な対人場面を設定し、ロールプレイと正のフィードバック、宿題を通じて対人技能の般化を目指す。

  • 1:基盤は学習理論・社会的学習理論に基づく認知行動療法であり、精神分析理論ではない。
  • 2:あいさつや依頼など具体的な対人場面を設定しロールプレイで練習する。これが正答。
  • 3:人前で実演し評価を受けるため一定の緊張を伴い、ストレスのかからない技法ではない。
  • 4:生活リズムが整うことは開始の前提条件ではなく、状態に応じて早期からでも導入できる。
  • 5:相手役は他の参加メンバーが担うことが多く、スタッフが優先して行うわけではない。

午後 問79(共通・正答 3/4(複数正答)) 問題を見る →

ポイント:本問は、厚生労働省の正答値表で選択肢3・4のいずれもが正答として認められた問題(複数正答)です。採点除外(その問題が採点対象から外れ、満点が減る扱い)ではありません。選択肢3・4のいずれかを選んだ場合が正解、それ以外を選んだ場合は不正解として採点されます。抑圧は無意識のうちに願望や思考を意識に上らせない機制、抑制は意識的・意図的に意識から遠ざける機制で、設問文の解釈により両者が正答とされました。

  • 1:昇華は受け入れがたい欲動を、社会的に価値のある活動へ振り向ける成熟した機制で、意識からの排除ではない。
  • 2:統制(コントロール)は、不安を避けるために周囲の出来事や人を過度に管理しようとする機制である。
  • 3:抑圧は無意識の願望や思考を意識に上らせないよう無意識的に締め出す機制で、防衛機制の基本となる。正答の一つ。
  • 4:抑制は不快な考えや衝動を意図的・意識的に意識から遠ざける機制で、比較的成熟した防衛とされる。正答の一つ。
  • 5:歪曲は外的現実を自分の内的欲求に合わせて作り変える機制で、幻覚や誇大妄想などにみられる。

午後 問80(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:Freudの心理性的発達段階は、口唇期(0〜1歳ころ)、肛門期(1〜3歳ころ)、男根期(3〜6歳ころ)、潜在期〈潜伏期〉(6〜12歳ころ)、性器期(思春期以降)の順に進む。潜在期は性的関心が潜み、学習や同性の仲間関係が発達する時期である。

  • 1:感覚運動期(0〜2歳ころ)はPiagetの認知発達段階の用語であり、Freudの発達論の段階ではない。
  • 2:形式的操作期(11〜12歳以降)もPiagetの段階で、抽象的・論理的な思考が可能になる時期を指す。
  • 3:性器期はFreudの段階だが、思春期以降にあたる。6〜12歳ころの段階ではない。
  • 4:潜在期(潜伏期)は6〜12歳ころで、性的関心が潜伏し学業や同性の仲間関係が広がる時期である。正しい。
  • 5:前操作期(2〜7歳ころ)はPiagetの段階で、象徴機能の出現や自己中心性を特徴とする。

午後 問96(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:双極性障害はうつ病より発症年齢が低く、多くは10代後半から20代に発症する。生涯有病率は約1%でうつ病より低く、遺伝的素因はより強く、自殺のリスクは高い。男女比はほぼ同等である。

  • 1:双極性障害の平均発症年齢は20歳前後で、30〜40代に発症のピークがあるうつ病より低い。
  • 2:双極性障害の生涯有病率は約1%で、6%前後とされるうつ病より低い。
  • 3:一卵性双生児での一致率が高く、遺伝的素因はうつ病より強いとされる。少ないわけではない。
  • 4:気分の変動が大きく混合状態も生じうるため、自殺のリスクはうつ病より高いとされる。
  • 5:双極性障害の男女比はほぼ1:1で差は小さい。女性が男性の約2倍とされるうつ病の方が男女差は大きい。

午後 問97(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:せん妄は身体疾患・薬剤・手術などを直接因子として急性に発症する意識障害で、注意と認知機能の障害、幻視、日内変動、睡眠覚醒リズムの障害を伴う。加齢による脳の予備能低下があるため、高齢は代表的な準備因子(危険因子)である。

  • 1:注意障害を中心に認知機能は障害され、見当識障害や記憶障害を伴う。保たれるわけではない。
  • 2:加齢に伴う脳の予備能低下により高齢は代表的な準備因子であり、認知症や感覚器障害も危険因子となる。
  • 3:睡眠覚醒リズムは障害され、昼夜逆転や不眠がしばしば前駆症状としてみられる。
  • 4:脱水・感染・薬剤など原因の除去により改善しうる、原則として可逆的な病態である。
  • 5:夕方から夜間にかけて増悪する夜間せん妄が典型的であり、まれではない。

午後 問98(共通・正答 1・2) 問題を見る →

ポイント:統合失調症の陰性症状は、本来ある機能が失われる方向の症状で、意欲低下(意欲欠如)、感情の平板化、社会的引きこもり、思考内容の貧困などが該当する。幻覚・妄想や連合弛緩などの思考解体は陽性症状に分類される。

  • 1:意欲や自発性が乏しくなる意欲欠如は、無為・自閉とともに代表的な陰性症状である。
  • 2:表情や感情表出が乏しくなる感情鈍麻・平板化は、陰性症状の中核をなす症状である。
  • 3:実際にない知覚が生じる症状で幻聴が代表的である。本来ない体験が加わるため陽性症状に分類される。
  • 4:訂正不能な誤った確信であり、被害妄想などが典型的である。陽性症状に分類される。
  • 5:思考のまとまりが失われ話が飛躍する思考過程の障害で、思考解体として陽性症状に含まれる。

午後 問100(共通・正答 3) 問題を見る →

ポイント:振戦せん妄はアルコール離脱症状の重症型で、断酒後おおむね72〜96時間をピークに出現する。粗大な振戦、発汗・頻脈などの自律神経症状、幻視を伴い、けいれんや高体温から生命の危険を生じうる。治療の中心はベンゾジアゼピン系薬である。

  • 1:自律神経の過活動、けいれん、脱水、高体温を伴い、適切な治療がなければ死亡することもある。危険性は低くない。
  • 2:羽ばたき振戦は肝性脳症などでみられる。振戦せん妄では全身性の粗大な振戦がみられる。
  • 3:GABA受容体を介して離脱症状を抑えるベンゾジアゼピン系薬が第一選択で、ビタミンB1投与と輸液を併用する。
  • 4:断酒後24時間以内に多いのは自律神経症状やけいれん発作であり、振戦せん妄の好発は72〜96時間後である。
  • 5:血中アルコール濃度の低下(断酒・減酒)に伴って生じる離脱症状であり、上昇時に生じるものではない。

第58回(2023年2月実施)

精神障害として29問が出題されました(実地11問・一般/共通18問、推定配点51点)。全問の正答・解説は 第58回 OT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問13午前実地Parkinson病の精神医学的合併症1
問15午前実地パニック発作時にみられる症状3・5
問17午前実地アルコール依存症離脱後のOT目的2
問18午前実地統合失調症のデイケアプログラム4
問20午前実地統合失調症回復期のOTの役割5
問45午前専門一般依存症と治療法の組合せ1
問46午前専門一般亜急性期統合失調症への作業療法4
問48午前専門一般認知症の認知機能を高める介入法5
問78午前共通知性化などの防衛機制の同定3
問79午前共通Freud発達論の1〜3歳の段階2
問80午前共通障害受容の5段階の順序を問う5
問81午前共通コラム表を用いる認知行動療法技法1
問96午前共通アルコール依存症の誤りを選ぶ採点除外
問97午前共通意志発動異常が主体の統合失調症病型1
問100午前共通強迫性障害の治療と症状の正誤2
問14午後実地うつ病の作業療法初期評価5
問15午後実地演技性パーソナリティの行動特徴1
問16午後実地生活歴から精神疾患を鑑別2
問17午後実地うつ病急性期の作業療法対応2
問19午後実地認知症のBPSDへの対応3
問20午後実地統合失調症の外来作業療法の優先対応2
問41午後専門一般せん妄の症状と脳波所見の特徴5
問43午後専門一般統合失調症の再発防止と家族対応4
問45午後専門一般うつ病回復期前期の作業療法5
問46午後専門一般解離性障害への初期の対応1・4
問47午後専門一般Lewy小体型認知症の特徴的症状5
問98午後共通パーソナリティ障害の型判別5
問99午後共通鉄欠乏性貧血に伴う睡眠障害4
問100午後共通神経性無食欲症の身体所見5

午前 問13(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:経過と症状(安静時振戦・固縮・すくみ足・仮面様顔貌)からParkinson病が考えられる。本症では非運動症状としてうつが高頻度に併存し、意欲低下や治療への不参加として現れるため、その評価が治療方針上重要となる。

  • 1:○。Parkinson病では高頻度に併存し、興味の減退や意欲低下として現れ、作業療法参加の不良を招きやすい。
  • 2:解離性障害は健忘や同一性の障害が主体で、本例の意欲低下や無為な過ごし方を説明できない。
  • 3:強迫性障害は強迫観念と儀式的行為が中心で、参加を渋る背景として最も重要とはいえない。
  • 4:身体表現性障害は身体症状の訴えが前景に立つもので、意欲低下が目立つ本例とは合致しない。
  • 5:統合失調症は幻覚・妄想などを伴う。この年齢・経過で新たに発症すると考えるのは無理がある。

午前 問15(実地・正答 3・5) 問題を見る →

ポイント:電車内で突然生じる強い恐怖と自律神経症状、予期不安による外出困難から、広場恐怖を伴うパニック症が考えられる。発作時は動悸・発汗・身震い・息切れ・めまいなどが数分でピークに達し、意識は清明で意識障害は伴わない。

  • 1:健忘は体験の記憶が失われる症状。パニック発作では意識が保たれ、発作の様子を本人が語れる。
  • 2:昏迷は意欲や行動が停止した状態で、緊張病やうつ病でみられる。パニック発作の症状ではない。
  • 3:○。身震い・振戦はパニック発作の診断項目に含まれる代表的な自律神経症状である。
  • 4:せん妄は意識混濁を伴う急性の脳機能障害で、意識が清明なパニック発作とは区別される。
  • 5:○。動悸・心悸亢進はパニック発作で最も高頻度にみられる症状のひとつである。

午前 問17(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:振戦せん妄が消失した直後は離脱期を脱した回復初期にあたる。長期の飲酒による低栄養や廃用で体力が低下しているため、まず身体面の回復と生活リズムの安定を図り、心理社会的な課題は状態が安定してから扱う。

  • 1:家族関係の調整は重要だが、暴力の経緯もあり、本人の状態が安定してから段階的に取り組む課題。
  • 2:○。離脱期を脱した直後は栄養状態や体力が低下しており、基礎体力の回復・維持が最優先となる。
  • 3:ストレス対処技能の獲得は再飲酒予防に不可欠だが、心身が回復したリハビリテーション期の課題。
  • 4:集団での協調的な活動は有用だが、体力と集中力が回復してから段階的に導入するのが順序。
  • 5:職業的技能の修得は退院を見据えた社会復帰期の目標であり、この時期に優先する内容ではない。

午前 問18(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:就労は継続できている一方で、同僚の言動を被害的に解釈する社会認知(表情や意図の読み取り、結論への飛躍、被害的な原因帰属)の問題が前景にある。この領域を直接扱う訓練プログラムが治療目的に合致する。

  • 1:ACTは重症で頻回に入院する人への多職種訪問型の包括的支援で、就労を続けている本例の目的とは異なる。
  • 2:IPSは援助付き雇用による就労支援。すでにパート勤務中で、課題は被害的な対人認知にある。
  • 3:NEARは記憶や注意など神経認知機能の改善を図る方法で、対人場面の解釈の偏りを直接扱うものではない。
  • 4:○。SCITは表情認知や結論への飛躍、被害的な帰属の修正を扱う社会認知の訓練で、本例に適する。
  • 5:TEACCHは自閉スペクトラム症に対する構造化を用いた支援体系であり、対象が異なる。

午前 問20(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:幻聴・妄想は改善したが無為の生活が続く回復期前期である。この時期はまず起床・食事・活動・就寝という基本的な生活リズムを整えて活動性を高めることが優先され、対人技能や社会生活技能はその後の段階で扱う。

  • 1:仲間づくりは有用だが、生活リズムが整い活動に参加できるようになってから取り組む課題である。
  • 2:社会生活技能の習得は退院・社会復帰を見据えた段階の目標であり、この時期には早すぎる。
  • 3:身辺処理も無為により低下しうるが、その前提として一日の生活の枠組みを整えることが先である。
  • 4:対人交流技能の向上は、活動性が回復し他者と関わる余裕が生まれてから取り組む段階の目標。
  • 5:○。昼夜の乱れや無為を改善し、規則的な生活リズムを取り戻すことがこの時期の中心的な役割。

午前 問45(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:依存症とその治療法の組合せを問う。AA〈Alcoholics Anonymous〉はアルコール依存症の当事者による自助グループで、12ステップに基づき断酒の継続を支え合う。他の肢はいずれも対象疾患と治療法の対応がずれている。

  • 1:AAはアルコール依存症者の自助グループで、断酒会と並ぶ代表的な回復資源である。組合せは正しい。
  • 2:コリンエステラーゼ阻害薬はアルツハイマー型認知症の治療薬。覚醒剤依存症にはSMARPPなど認知行動療法的プログラムが用いられる。
  • 3:ビタミンB1(チアミン)補充はアルコール依存症に伴うWernicke脳症の予防・治療で行う。大麻依存症の治療法ではない。
  • 4:SMARPPは覚醒剤など薬物依存者向けに開発された再発予防プログラムであり、タバコ依存症に対するものではない。
  • 5:ニコチン置換療法はタバコ(ニコチン)依存の禁煙治療。ヘロインなどオピオイド依存には該当しない。

午前 問46(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:亜急性期は急性期の激しい症状が収まりつつも消耗しやすく、刺激に過敏な時期である。低負荷で個別性の高い活動から始め、病気と回復の見通しを伝える心理教育によって不安を和らげ、主体的な療養につなげることが適切である。

  • 1:行動範囲を速やかに拡大すると刺激が過剰となり、疲労や症状の再燃を招きやすい。回復に合わせて段階的に広げる。
  • 2:亜急性期は易疲労性が強く、身体的負荷の高い活動は消耗や症状悪化を招く。負荷の少ない活動から始める。
  • 3:妄想をその都度訂正すると否定されたと受け取られ、不信を強めて治療関係を損なう。訂正せず受け止める対応が原則である。
  • 4:回復の道筋や対処法を伝える心理教育は不安を軽減し、治療への主体的な取り組みを促すため、この時期に適切である。
  • 5:対人交流は緊張と負担を強いる。この時期は交流の少ない個別活動から始め、状態に応じて交流の機会を広げる。

午前 問48(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:認知機能そのものへの働きかけを問う。リアリティオリエンテーションは日時・場所・人物などの基本情報を繰り返し提示して見当識をはじめとする認知機能の維持・改善を図る介入で、認知症に対する代表的な認知刺激法である。

  • 1:回想法は昔の思い出を語り合って情緒の安定やQOLの向上を図る方法で、認知機能を高めることを主目的とはしない。
  • 2:ピアサポートは同じ立場の当事者同士による支え合いで、心理的な支援や孤立の防止が中心となる。
  • 3:マインドフルネスは「今ここ」への気づきを促す方法で、ストレスや不安の低減を目的とする。
  • 4:バリデーション療法は認知症の人の感情や訴えを受容・共感し、尊厳と情緒的安定を支える方法で、認知機能訓練ではない。
  • 5:日時・場所・人物などを繰り返し提示して見当識を保つ訓練であり、認知機能を高める介入として最も適切である。

午前 問78(共通・正答 3) 問題を見る →

ポイント:知性化は、受け入れがたい感情や欲動を直接体験する代わりに抽象的・理論的な言葉で扱い、情動から距離をとる防衛機制である。性的な事柄を学術的・分析的に論じることで不安を回避する例が典型とされる。

  • 1:誤り。抑圧は受け入れがたい欲動や記憶を無意識に押し込めて意識に上らせない機制で、理論的分析は伴わない。
  • 2:誤り。行動化は言語化されない葛藤が衝動的な行動として直接表出されるもので、欲動を統制する働きではない。
  • 3:正しい。知性化は欲動や感情を理屈・理論の言葉に置き換えて扱い、情動的な体験を回避する防衛機制である。
  • 4:誤り。反動形成は受け入れがたい欲動と正反対の態度や行動をとる機制で、理論化によって扱うものではない。
  • 5:誤り。スプリッティングは対象を全面的に良い/悪いへと二分する機制で、境界性パーソナリティ症などで目立つ。

午前 問79(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:Freudの心理性的発達段階は、口唇期(0〜1歳ころ)、肛門期(1〜3歳ころ)、男根期(3〜6歳ころ)、潜伏期(6歳ころ〜思春期)、性器期(思春期以降)の順に進む。1〜3歳ころは排泄のしつけが課題となる肛門期にあたる。

  • 1:誤り。口唇期は生後1歳ころまでで、吸う・かむなど口唇を通じた快が中心となる時期である。
  • 2:正しい。肛門期は1〜3歳ころで、排泄の自律とそのしつけを通じて自己統制を学ぶ時期である。
  • 3:誤り。性器期は思春期以降の最終段階で、成熟した対象への性愛が確立していく時期である。
  • 4:誤り。潜在(潜伏)期は6歳ころから思春期までで、性的関心が潜み学習や仲間関係が広がる時期である。
  • 5:誤り。男根期は3〜6歳ころで、性器への関心やエディプス葛藤が生じる時期である。

午前 問80(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:上田敏による障害受容の過程は、ショック期→否認期→混乱期→解決への努力期→受容期の5段階で示される。2番目にあたるのは、障害の永続性を認めず回復を期待しようとする否認期である。

  • 1:誤り。解決への努力期は4番目で、他者への依存から脱し価値の転換が進んでいく時期である。
  • 2:誤り。ショック期は1番目で、受傷直後に現実感が乏しく、かえって平静にみえることもある時期である。
  • 3:誤り。混乱期は3番目で、否認が維持できなくなり怒りや恨み、悲嘆や抑うつが表れる時期である。
  • 4:誤り。受容期は5番目(最終段階)で、障害を自己の一部として受け入れ社会的役割を再獲得していく時期。
  • 5:正しい。否認期は2番目で、障害の永続性を認めず回復を期待する心理的防衛が働く時期である。

午前 問81(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:認知行動療法の技法の識別問題。思考記録表(コラム表)は、出来事・自動思考・感情・根拠・反証・適応的思考を書き出し、偏った認知を検証して現実に沿った考え方に修正していく道具であり、認知再構成法の中核をなす。

  • 1:正しい。コラム表に自動思考と根拠・反証を記載して検証し、より現実的でバランスのとれた考えに修正する技法である。
  • 2:モデリング法は、手本となる他者の行動を観察・模倣することで新しい行動を学習させる技法で、コラム表は用いない。
  • 3:問題解決技法は、問題の明確化・解決策の案出・選択・実行・評価という手順を踏んで対処能力を高める技法である。
  • 4:系統的脱感作法は、不安階層表とリラクセーションを組み合わせ、弱い刺激から段階的に慣らして不安反応を減らす技法である。
  • 5:行動活性化技法は、活動記録表を使って快や達成感を伴う行動を増やす技法。用いるのは思考記録表ではなく活動記録表である。

午前 問96(共通・採点除外) 問題を見る →

ポイント:採点除外は全員に得点が与えられるのではなく、その問題自体が採点対象から外れ、満点(分母)が減る扱いです。第58回作業療法士は午前96問1問が除外され、一般問題は160点満点が159点となり、実地問題120点と合わせた総得点の満点が280点から279点となりました。

  • 1:依存性パーソナリティ障害などのパーソナリティ特性は依存形成の危険因子として挙げられており、明らかな誤りとはいえない。
  • 2:依存が成立した時期には中枢神経の適応により耐性が増大し、同じ効果を得るのに必要な飲酒量が増えるとされる。
  • 3:断酒後も一口の飲酒をきっかけに短期間で以前の依存状態へ戻りやすく、再発性の高さは本症の重要な特徴である。
  • 4:アルコール幻覚症は意識清明下で幻聴を主症状とする。振戦せん妄で幻視が主体となるのとは区別される。
  • 5:双生児研究や家族研究から遺伝的要因の関与が示されており、環境要因とともに発症に影響するとされる。

午前 問97(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:統合失調症の病型分類を問う問題。緊張型は昏迷と興奮を両極とする精神運動性の障害(意志発動の異常)を主体とし、カタレプシー、常同、拒絶症、反響言語などを伴う。急性に発症し比較的予後は良好とされる。

  • 1:正しい。昏迷と興奮という意志発動の異常が前景に立ち、カタレプシーや常同、拒絶症などの緊張病症候群を呈する病型である。
  • 2:残遺型は急性期の陽性症状が軽減した後に、感情鈍麻や意欲低下などの陰性症状が遷延している状態を指す。
  • 3:単純型は目立った幻覚・妄想を欠いたまま、意欲低下や社会的引きこもりが緩徐に進行する病型である。
  • 4:破瓜型(解体型)は思春期・青年期に緩徐に発症し、感情の平板化や思考の解体、意欲低下が主体となる。
  • 5:妄想型は比較的遅い年齢で発症し、被害妄想や幻聴が主体で、人格の統合や社会機能は比較的保たれることが多い。

午前 問100(共通・正答 2) 問題を見る →

ポイント:強迫性障害は、不合理と自覚しながらも繰り返し浮かぶ強迫観念と、それによる不安を打ち消すための強迫行為を特徴とする。治療はSSRIによる薬物療法と、認知行動療法である曝露反応妨害法が中心となる。

  • 1:SSRIが薬物療法の第一選択で有効性が確立している。無効という記述は誤りで、認知行動療法との併用も広く行われる。
  • 2:正しい。不安を生じる刺激にあえて曝し(曝露)、強迫行為を行わせない(反応妨害)ことで不安の減衰を体験させる技法である。
  • 3:させられ体験(作為体験)は統合失調症の自我障害である。強迫行為は自分の意志による行為で、自分のものと自覚されている。
  • 4:うつ病の併存は高頻度で、生涯経過中に多くの患者が合併するとされる。まれという記述は誤りである。
  • 5:原則として患者は強迫観念や行為の不合理性を自覚し苦痛を感じている。ただし病識に乏しい例もあり、程度には幅がある。

午後 問14(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:うつ病で薬物療法により症状が軽快し、病棟内ADLが自立した段階での初期評価である。この時期は負荷の高い課題や失敗体験、症状への注意を高める関わりを避け、まずは負担の少ない方法で生活状況や活動量を把握することが求められる。

  • 1:調理は工程が多く判断や段取りの負荷が高い。回復途上で失敗体験になりやすく、初期評価としては不適切である。
  • 2:疲労度を頻繁に問うことは症状への注意を強め、かえって負担となる。確認は必要最小限にとどめる。
  • 3:裁縫は元来の趣味だが、開始早々に作業遂行を観察するのは負荷が高く、できない体験につながる恐れがある。
  • 4:集団活動は対人的な負荷が大きく、意欲が十分に回復していない初期には適さない。個別的な関わりから始める。
  • 5:面接で日中の過ごし方や睡眠・活動リズムを聞き取る方法は負担が少なく、生活状況と回復の程度を把握でき最も適切である。

午後 問15(実地・正答 1) 問題を見る →

ポイント:芝居がかった振る舞い、派手な外観、見栄を張る言動、感情の不安定さから演技性パーソナリティ障害が考えられる。他者の注目を求め、自己演出的で、他者や場の影響を受けやすい(被暗示性が高い)ことが特徴である。

  • 1:演技性パーソナリティ障害では被暗示性が高く、他者の言動や場の雰囲気に影響されやすい。作業療法場面でも周囲に流されやすい。
  • 2:注目を集めたい傾向が強く他者のいる場を好む。単独での活動を好むのはシゾイドパーソナリティ障害の特徴である。
  • 3:感情表出はむしろ誇張的で移ろいやすい。平板化した感情は統合失調症の陰性症状などにみられる特徴である。
  • 4:過度の依存や決断を他者に委ねる傾向が前面に出るのは依存性パーソナリティ障害であり、本例で最も予想される特徴ではない。
  • 5:作業工程の細部への固執は強迫性パーソナリティ障害の特徴で、本例の演技的で情緒不安定な像とは合わない。

午後 問16(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:幼少期から人見知りがなく、雑談や場の雰囲気に合わせることが苦手で孤立し、一方で成績は優秀で一人での読書を好むという一貫した経過は、社会的コミュニケーションの障害と限局した興味を特徴とする自閉症スペクトラム障害に合致する。

  • 1:うつ病は抑うつ気分や興味の喪失が一定期間続く病相をもって発症する。幼少期から持続する対人特性は説明できない。
  • 2:対人的相互交渉や非言語的文脈の理解の困難が幼少期から持続し、就労後に対人面で行き詰まった経過が典型的である。
  • 3:双極性障害は躁病相とうつ病相を繰り返す疾患だが、気分の高揚や活動性亢進、抑うつの病相の記載がなく該当しない。
  • 4:統合失調症では幻覚・妄想や思考のまとまりのなさがみられるが、そうした記載はなく、大学院修了に至る経過も異なる。
  • 5:パニック障害は予期しないパニック発作と予期不安が中核だが、動悸や呼吸困難などの発作の記載がなく該当しない。

午後 問17(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:希死念慮を伴ううつ病で入院・薬物療法を開始してまだ2週の時期である。この段階は十分な休息の保証と心理的負担の軽減が最優先であり、負荷の高い活動や発症契機となった職務に関する具体的な検討、重大な決断は避ける。

  • 1:気分がよいときに自己判断で服薬を中断すると再燃を招く。抗うつ薬は医師の指示どおり継続するよう伝えるべきである。
  • 2:この時期は休息が治療の柱であり、休むことへの罪責感を和らげる説明は真面目で几帳面な本例に最も適切な対応である。
  • 3:集団でのスポーツは身体的にも対人的にも負荷が大きく、疲労や劣等感を強める恐れがあり、開始時に優先すべきではない。
  • 4:授業のやり方は心労の原因そのものであり、この時期に話題にすると負担を高め、決断を迫ることになる。
  • 5:抑うつ状態では判断力が低下しており、退職などの重大な決定は回復してから行うよう先送りするのが原則である。

午後 問19(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:見当識障害、物盗られ妄想、歩き回りや暴言といったBPSDが前面に出ている導入期である。この時期はまず不安や混乱を和らげ、作業療法室という場と人に安心して馴染めるよう関わることが優先され、能力を試す課題の導入は後になる。

  • 1:厳しい叱責は自尊心を傷つけ不安と興奮を強めてBPSDを悪化させるため、原則として行わない。
  • 2:「仕事がある」という発言は見当識障害に基づくもので、実際の就労を目指す段階ではなく職業リハビリテーションの適応ではない。
  • 3:混乱と不安が強い導入期には、安心できる環境と受容的な関わりで場の雰囲気に馴染めるよう援助することが最優先である。
  • 4:木工は趣味を生かせる活動だが、興奮や暴言がみられる導入期に工具や刃物を扱う作業を始めるのは危険で時期尚早である。
  • 5:記憶課題は失敗体験となって不安や混乱を強めやすく、Alzheimer型認知症の記憶障害そのものの改善も期待しにくい。

午後 問20(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:訪問看護を受けながら地域生活ができており、幻聴にもある程度対処できている。一般就労という本人の希望がある開始当初は、信頼関係の形成と本人の興味・関心の把握が優先され、生活上の指摘や指導から入るべきではない。

  • 1:本人が困っていない部屋の状態をまず指摘すると、関係づくりを妨げ意欲を損ないやすく、開始当初の優先事項ではない。
  • 2:本人の興味や関心を把握することが目標設定と信頼関係の基盤となり、一般就労の希望を支える出発点として最も優先される。
  • 3:服薬は不規則になることがあるが本人なりに対処できている。開始当初に指導から入ると指示的な関係になりやすい。
  • 4:幻聴に対処しながら社会生活が営めており入院の必要はない。生活基盤を損ない、本人の希望にも反する対応である。
  • 5:作業療法士が自身の私生活を積極的に伝えることは治療関係の枠を崩し、専門職としての関わりとして適切でない。

午後 問41(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:せん妄は身体疾患や薬剤を背景に急性発症する意識障害で、注意障害を中核とし、夕方から夜間に増悪する日内変動を示す。過活動型と低活動型があり、脳波では基礎律動の徐波化がみられ、認知症との鑑別に役立つ。

  • 1:急性・突然に発症し数時間〜数日で症状が出そろう。緩徐発症は認知症の特徴であり誤り。
  • 2:注意の集中・維持・転換の障害はせん妄の中核症状であり、注意力は保たれない。
  • 3:過活動型では活動性が亢進するが、低活動型では活動性が低下し、傾眠様にもみえる。
  • 4:夕方から夜間に悪化する日内変動(夜間せん妄)が典型的で、症状は時間帯で動揺する。
  • 5:正しい。脳波で基礎律動の徐波化(θ・δ波の出現)を認め、意識障害の存在を裏づける。

午後 問43(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:統合失調症の再発には家族の感情表出(EE)が関与し、批判的コメント・敵意・情緒的に巻き込まれ過ぎが強い高EE家族では再発率が高い。口論が生じるなら対面接触時間を減らし、距離を保つ対応が有用とされる。

  • 1:外出への毎回の同行は情緒的に巻き込まれ過ぎにあたり、自立を妨げ再発の危険を高める。
  • 2:無条件の返済は問題行動を強化し、本人の責任や現実検討力を育てないため適切でない。
  • 3:人格への批判は高EEの批判的コメントそのもので、再発の危険因子となるため避ける。
  • 4:正しい。口論が生じる高EE状況では、対面接触時間を減らすことが再発防止に有効とされる。
  • 5:叱責は批判的関与を強めるだけで、副作用や病識など服薬中断の背景把握と工夫が先である。

午後 問45(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:うつ病回復期前期は休息中心から活動へ移行する時期で、負担の軽い作業や集団活動を通じて生活リズムを整える段階にあたる。集団での心理教育により疾患・服薬・再発サインの理解を深めることが適切とされる。

  • 1:活動を短時間にとどめるのは急性期の対応であり、回復期前期では活動時間を徐々に延ばしていく。
  • 2:リワークプログラムは復職準備であり、症状が安定した回復期後期以降に導入する内容である。
  • 3:新たな生きがい探しは価値観の再検討を伴い負担が大きく、回復期後期以降に扱う課題である。
  • 4:家族を交えた再発予防の話し合いは、状態が安定し退院後を見据える回復期後期以降が適する。
  • 5:正しい。集団の心理教育で疾患理解や服薬・再発予防の知識を得ることは回復期前期から有用。

午後 問46(専門一般・正答 1・4) 問題を見る →

ポイント:解離性障害の初期は、安心できる治療関係の構築が基盤となる。支持的・受容的に接し、葛藤への直面化や退行の助長は避けながら、作業を通じてストレスへの現実的な対処法や適応的な行動パターンの獲得を促す。

  • 1:正しい。受容的・支持的に接して安全感と信頼関係を築くことが初期対応の基本となる。
  • 2:退行の促進は依存を強め症状を遷延させる恐れがあり、初期の作業療法では適切でない。
  • 3:要求通りに進めることは治療構造を失わせ、依存的・操作的な関係を助長するため不適切。
  • 4:正しい。作業を通じて現実的な対処や適応的な新しい行動パターンを形成することが目標となる。
  • 5:解離症状は心理的葛藤やストレスと関連して生じるため、無関係と説明するのは誤りである。

午後 問47(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:Lewy小体型認知症は、変動する認知機能、繰り返す具体的な幻視、パーキンソニズム、レム睡眠行動異常症を中核的特徴とする。パーキンソニズムとして静止時振戦・筋強剛・動作緩慢がみられやすい点が他の認知症との違いである。

  • 1:失行はAlzheimer型認知症など大脳皮質の変性で目立ち、本疾患に特徴的な所見とはいえない。
  • 2:失語はAlzheimer型や前頭側頭葉変性症でみられる症状で、本疾患の中核的特徴ではない。
  • 3:視空間認知の低下は生じうるが、失認そのものは他の認知症と比べた鑑別点にはならない。
  • 4:尿失禁は正常圧水頭症や血管性認知症で早期からみられやすく、本疾患に特有ではない。
  • 5:正しい。パーキンソニズムが中核的特徴で、静止時振戦や筋強剛、動作緩慢が出現しやすい。

午後 問98(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:統合失調型パーソナリティ障害は、親密な関係を築けないことに加え、魔術的思考や奇異な信念・風変わりな行動・話し方を特徴とするA群のパーソナリティ障害であり、設問の記述に最も合致する。

  • 1:演技性パーソナリティ障害は過度に情緒的で注目を集めようとするB群で、奇異な考えや対人回避が特徴ではない。
  • 2:回避性パーソナリティ障害は否定的評価への過敏さから対人接触を避けるC群で、奇異な考えや行動は特徴でない。
  • 3:猜疑性〈妄想性〉パーソナリティ障害は他者への強い不信・猜疑が中心で、奇異な思考や風変わりな行動は主体でない。
  • 4:シゾイド〈統合失調質〉パーソナリティ障害は孤立を好み感情表出が乏しいが、奇異な考えや行動は目立たない。
  • 5:統合失調型パーソナリティ障害は、対人関係の障害に加え奇異な考え・風変わりな行動を示し、記述に最も合致する。

午後 問99(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)は、脳内ドパミン系の機能に関与する鉄の不足が病態に関わるとされ、鉄欠乏性貧血や透析患者に高頻度に合併する。鉄補充で改善することも多い。

  • 1:睡眠時遊行症はノンレム睡眠からの覚醒障害で小児に多く、鉄欠乏との関連は知られていない。
  • 2:ナルコレプシーはオレキシン神経の脱落による過眠症で、鉄欠乏性貧血との関連はない。
  • 3:睡眠相前進症候群は入眠・覚醒が早まる概日リズム睡眠障害で、高齢者に多く鉄欠乏とは無関係。
  • 4:むずむず脚症候群は鉄欠乏が病態に関わり、鉄欠乏性貧血の患者に高頻度に合併する。
  • 5:閉塞性睡眠時無呼吸障害は上気道の閉塞によるもので、肥満などが危険因子。鉄欠乏との関連はない。

午後 問100(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:神経性無食欲症(神経性やせ症)では飢餓に対する代謝適応が働き、徐脈・低血圧・低体温を呈する。脂質代謝の変化により血清総コレステロールはむしろ高値を示すことが多い。

  • 1:エネルギー消費を抑える適応と交感神経活動の低下により、頻脈ではなく徐脈がみられる。
  • 2:循環血液量の減少と交感神経活動の低下により、高血圧ではなく低血圧・起立性低血圧を生じやすい。
  • 3:摂取エネルギー不足により高血糖ではなく低血糖をきたしやすく、重症例では致死的となりうる。
  • 4:低栄養によりリンは低下傾向で、とくに再栄養(リフィーディング)時に低リン血症が問題となる。
  • 5:低栄養にもかかわらず脂質代謝の変化により血清総コレステロールは高値を示すことが多い。

この解説について

本コンテンツは教育目的で無償公開しています。正答番号は厚生労働省が公表する事実データ、解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。

出典:「第58回〜第61回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。


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出典:「第58回〜第61回 理学療法士国家試験、作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(第61回の公表ページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-09-10

監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)。PT・OT共通問題(問51〜100)の解説を監修しています。作業療法士専門分野の解説は当社が独自に作成したもので、作業療法士による監修は受けていません。

本コンテンツは、職員の受験支援用に作成し、実際に社内で使っている教材を公開しています。

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