内部障害|第61回 理学療法士国家試験(12問)

第61回理学療法士国家試験の内部障害分野(全12問)です。正答とNetwork-Primer独自解説(正答の理由・各選択肢の○×)を載せています。各問の問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢つき)に移動できます。200問を通しで解きたいときは第61回 PT 全問ページ(演習モード・自己採点つき)へ。

概要

項目数値
出題数12問
実地問題2問(6点)
一般・共通問題10問(10点)
推定配点16点

正答一覧

問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢・正答・解説)に移動します。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問18午前実地メタボリックシンドロームの運動形式2
問43午前専門一般術後廃用症候群と予防法の組合せ5
問92午前共通慢性腎臓病でみられる臨床所見1
問94午前共通緩和期がんのリハビリの原則5
問97午前共通Wilson病で異常となる金属4
問14午後実地糖尿病足病変への理学療法2
問35午後専門一般がん性疼痛のマネジメント2
問43午後専門一般リンパ浮腫の複合的治療1
問44午後専門一般腎機能評価に適した検査項目5
問77午後共通がん骨転移で生じる症候1
問92午後共通糖尿病合併症の検査の優先度2
問94午後共通放射線療法の晩期有害事象2

解説

午前 問18(実地・正答 2) この問題のページ →

肥満・高血圧のメタボリックシンドロームには、関節負荷が少なく強度調整しやすい有酸素運動が適切。自転車エルゴメーターが最適。

  • 1:階段昇降は膝への負担が大きい。
  • 2:自転車エルゴメーターは非荷重で膝負担が少なく、有酸素運動として強度管理も容易。
  • 3:腹筋トレーニングは無酸素・局所運動で減量効果が低い。
  • 4:プランクは静的な体幹運動で有酸素運動ではない。
  • 5:ランニングは体重90kgでは膝・腰への衝撃が大きい。

午前 問43(専門一般・正答 5) この問題のページ →

起立性低血圧の予防にはヘッドアップ(ギャッチアップ)座位で徐々に頭位を上げ、起立耐性を高めるのが正しい。

  • 1:筋萎縮の予防は運動(筋収縮)で、ポジショニングのみでは不十分。
  • 2:骨萎縮の予防は荷重・運動で、弾性ストッキングは静脈血栓予防。
  • 3:関節拘縮の予防はROM運動が主で、下肢外転枕は脱臼予防等。
  • 4:静脈血栓症の予防は弾性ストッキング・早期離床・薬物で、斜面台立位は起立性低血圧対策。
  • 5:起立性低血圧の予防にはギャッチアップ座位で段階的に頭位を上げ起立耐性を養う。

午前 問92(共通・正答 1) この問題のページ →

慢性腎臓病では糸球体の障害により蛋白が尿中に漏出し、蛋白尿がみられる。これは腎障害を示す代表的な所見で、eGFR低下とともに診断・重症度分類の指標となる。

  • 1:蛋白尿は慢性腎臓病の代表的所見。
  • 2:慢性腎臓病では高血圧を来す(低血圧ではない)。
  • 3:代謝性アシドーシスを来す(アルカローシスではない)。
  • 4:低カルシウム血症を来す(活性型VD低下)。
  • 5:エリスロポエチン産生は低下する(腎性貧血)。

午前 問94(共通・正答 5) この問題のページ →

緩和期のがんリハでは、患者の全身状態・意思に合わせて柔軟にプログラムを変更する。QOL維持が最優先。

  • 1:疲労骨折ではなく、骨転移による病的骨折に注意する。
  • 2:疼痛への温熱療法は状況により用いる(一律禁忌ではない)が、骨転移部への温熱は注意。「禁忌」と断定は不適。
  • 3:緩和期はQOLを優先し、機能回復を最優先にはしない。
  • 4:治療前ADLへの完全回復を目標にするのは緩和期には非現実的。
  • 5:患者の意思・全身状態に合わせてプログラムを柔軟に変更する。

午前 問97(共通・正答 4) この問題のページ →

Wilson病は銅代謝異常で、銅が肝・脳・角膜(Kayser-Fleischer輪)等に蓄積する。

  • 1:亜鉛はWilson病の治療薬(銅吸収抑制)だが蓄積物質ではない。
  • 2:コバルトは関与しない。
  • 3:鉄の蓄積はヘモクロマトーシス。
  • 4:Wilson病は銅の代謝異常で銅が蓄積する。
  • 5:マンガンは関与しない。

午後 問14(実地・正答 2) この問題のページ →

糖尿病性足病変(右第1指の暗赤色=虚血・壊疽の初期)。潰瘍・壊疽の悪化を防ぐため前足部の免荷が最優先。荷重を避け組織の悪化を防ぐ。

  • 1:寒冷療法は末梢循環をさらに悪化させ禁忌。
  • 2:前足部の免荷で虚血部への荷重ストレスを減らし、壊疽の進行を防ぐ。
  • 3:速く歩くと虚血部への負荷が増し悪化。
  • 4:足関節ROM運動を控える理由はなく、拘縮予防に必要。
  • 5:歩容の左右差指導は病態改善に直結しない。

午後 問35(専門一般・正答 2) この問題のページ →

がん性疼痛のマネジメントは身体的側面だけでなく、精神的・心理的ケア(全人的苦痛への対応)を含む包括的アプローチが重要。

  • 1:突出痛はある程度予測可能なもの(体動時など)もあり、予防的対応が可能。
  • 2:がん性疼痛のマネジメントには精神的ケア(全人的苦痛への対応)を含む。
  • 3:がん性疼痛は複数の原因が絡むことが多く、単一原因に絞れないことが多い。
  • 4:がんと診断された時点で既に疼痛を伴うことがある。
  • 5:オピオイドはWHO方式で中等度以上の痛みに用い、軽度にはまず非オピオイドを用いる。

午後 問43(専門一般・正答 1) この問題のページ →

リンパ浮腫の複合的治療(複合的理学療法)では、体重管理(肥満はリンパ浮腫を悪化させる)が重要な要素。スキンケア・用手的リンパドレナージ・圧迫・運動と並ぶ。

  • 1:体重管理は複合的治療の重要な柱。肥満は浮腫を悪化させる。
  • 2:運動は圧迫(弾性着衣・包帯)を装着した状態で行うのが効果的。
  • 3:皮膚は保湿しスキンケアを行う(乾燥はバリア機能低下で感染リスク)。
  • 4:用手的リンパドレナージは禁忌(急性感染・心不全・悪性腫瘍活動期等)があり、疾患を問わず実施可能ではない。
  • 5:多層包帯法は指導のうえ患者本人・家族も実施する(セルフケア)。

午後 問44(専門一般・正答 5) この問題のページ →

腎機能の評価に最も適するのは推算糸球体濾過量(eGFR)。血清クレアチニンと年齢・性別から算出し、糸球体濾過量を推定する。

  • 1:HbA1cは血糖コントロールの指標。
  • 2:白血球数は感染・炎症の指標。
  • 3:Dダイマーは血栓(凝固線溶)の指標。
  • 4:LDLコレステロールは脂質代謝の指標。
  • 5:eGFRは腎機能(糸球体濾過量)を推定する最適な指標。

午後 問77(共通・正答 1) この問題のページ →

がんの骨転移による症候は疼痛・病的骨折・脊髄圧迫・高カルシウム血症。振戦は骨転移の症候ではない。

  • 1:振戦は骨転移による症候ではない。
  • 2:疼痛は骨転移の主症状。
  • 3:脊椎転移による脊髄圧迫は重要な症候。
  • 4:病的骨折は骨転移の合併症。
  • 5:高カルシウム血症は骨破壊による症候。

午後 問92(共通・正答 2) この問題のページ →

糖尿病の三大合併症は網膜症・腎症・神経障害。眼底・尿蛋白・足部感覚・アキレス腱反射は必須検査。聴力は優先度が低い。

  • 1:眼底検査は網膜症の評価で優先度が高い。
  • 2:聴力は糖尿病合併症の主要検査ではなく優先度が低い。
  • 3:尿蛋白は腎症の評価で重要。
  • 4:足部感覚は神経障害・足病変の評価で重要。
  • 5:アキレス腱反射は末梢神経障害の評価で重要。

午後 問94(共通・正答 2) この問題のページ →

放射線療法の晩期(数か月〜数年後)の副作用に骨壊死(放射線骨壊死)がある。結膜炎・脱毛・宿酔は早期(急性期)副作用。

  • 1:結膜炎は早期(急性期)反応。
  • 2:骨壊死は晩期(遅発性)の副作用。
  • 3:脱毛は早期反応。
  • 4:脳浮腫は照射早期〜亜急性。
  • 5:放射線宿酔は照射直後の急性反応。

関連ページ


出典:「第61回理学療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。科目分類・要旨・解説はNetwork-Primerが独自に作成したものです。

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出典:「第58回〜第61回 理学療法士国家試験、作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(第61回の公表ページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-09-10

監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)

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