発達・小児|第61回 作業療法士国家試験(11問)
第61回作業療法士国家試験の発達・小児分野(全11問)です。正答とNetwork-Primer独自解説(正答の理由・各選択肢の○×)を載せています。各問の問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢つき)に移動できます。200問を通しで解きたいときは第61回 OT 全問ページ(演習モード・自己採点つき)へ。
概要
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 出題数 | 11問 |
| 実地問題 | 3問(9点) |
| 一般・共通問題 | 8問(8点) |
| 推定配点 | 17点 |
正答一覧
問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢・正答・解説)に移動します。
| 問 | 時間帯 | 区分 | 何を問うた設問か | 正答 |
|---|---|---|---|---|
| 問8 | 午前 | 実地 | 重症心身障害児への最初の支援 | 3 |
| 問16 | 午前 | 実地 | 読み書き困難児の障害の判別 | 3 |
| 問35 | 午前 | 専門一般 | ASD児のADHD児との相違点 | 5 |
| 問42 | 午前 | 専門一般 | 精神年齢12歳に相当する知的障害 | 採点除外 |
| 問85 | 午前 | 共通 | 遠城寺式で最も早く獲得する項目 | 4 |
| 問18 | 午後 | 実地 | 多動な学童への作業療法の対応 | 3 |
| 問34 | 午後 | 専門一般 | Down症候群の合併症の判別 | 採点除外 |
| 問43 | 午後 | 専門一般 | 0歳から成人に適用できる発達検査 | 2 |
| 問46 | 午後 | 専門一般 | 自閉スペクトラム症の治療法選択 | 3 |
| 問91 | 午後 | 共通 | アテトーゼ型脳性麻痺の特徴 | 5 |
| 問98 | 午後 | 共通 | ASDを示唆する患者の発言 | 4 |
解説
午前 問8(実地・正答 3) この問題のページ →
重症心身障害児で強い筋緊張・重度側弯・経管栄養。まず座位ポジショニングにより姿勢を安定させ、変形進行予防・呼吸/摂食環境の改善など生活の基盤を整えるのが最優先。
- ❌ 1:経管栄養で嚥下困難があり、飲水訓練を最初に行うのは危険。
- ❌ 2:重度障害児に複雑な課題を自力では不適。
- ⭕ 3:座位ポジショニングで姿勢を安定させ、変形予防・生活基盤づくりを行う。
- ❌ 4:言語表示困難な児に言語訓練中心は不適。
- ❌ 5:他児交流による社会性養成は基盤整備の後。
午前 問16(実地・正答 3) この問題のページ →
知的発達に遅れがないのに読み書き(音読・書字)に特異的な困難=限局性学習症(読字・書字障害、ディスレクシア)。
- ❌ 1:素行症は反社会的行動が主。
- ❌ 2:反抗挑発症は反抗的・挑戦的行動が主。
- ⭕ 3:知的遅れなく読み書きに限局した困難=限局性学習症。
- ❌ 4:脱抑制型対人交流症は愛着障害(無差別な馴れ馴れしさ)。
- ❌ 5:反応性アタッチメント症は愛着形成不全(引きこもり的)。
午前 問35(専門一般・正答 5) この問題のページ →
ASD児はこだわり・常同性が強く、いつもと違う道でパニックになる(同一性保持)。ADHDとの鑑別点。
- ❌ 1:他児とよく遊ぶのはASDの特徴ではない(対人相互性の障害)。
- ❌ 2:物をよくなくすのはADHDの不注意症状。
- ❌ 3:待てないのはADHDの衝動性。
- ❌ 4:すぐ他のことを始めるのはADHDの不注意・多動。
- ⭕ 5:いつもと違う道でパニックになるのはASDの同一性保持(こだわり)。
午前 問42(専門一般・採点除外) この問題のページ →
本問は採点除外となった問題です。採点除外は全員に得点が与えられるのではなく、その問題自体が採点対象から外れ、満点(分母)が減る扱いです(第61回作業療法士は採点除外2問により満点278点)。精神年齢と知的障害の程度の対応を問う設問ですが、選択肢・基準に不備があり一意の正解を定められないと判断されました。以下は学習用に各肢の考え方を整理したものです。
- ❌ 1:境界知能 ── IQ約70〜85で、精神年齢は12歳前後に相当しうる。
- ❌ 2:軽度知的障害 ── IQ約50〜69で、精神年齢は概ね9〜12歳。
- ❌ 3:中等度知的障害 ── IQ約35〜49で、精神年齢は6〜9歳程度。
- ❌ 4:重度知的障害 ── IQ約20〜34で、精神年齢は3〜6歳程度。
- ❌ 5:最重度知的障害 ── IQ20未満で、精神年齢は3歳未満。精神年齢12歳の該当区分が境界知能・軽度で分かれ採点除外となった。
午前 問85(共通・正答 4) この問題のページ →
遠城寺式発達検査で最も早く獲得するのは人見知り(生後6-7か月頃)。走る(2歳)、2語文(2歳)、排尿予告(1歳半-2歳)、積み木2つ(1歳-1歳半)より早い。
- ❌ 1:走るのは約2歳。
- ❌ 2:2語言えるのは約1歳。
- ❌ 3:排尿予告は約1歳半〜2歳。
- ⭕ 4:人見知りは生後6-7か月頃で最も早く獲得する。
- ❌ 5:積み木を2つ重ねるのは約1歳〜1歳半。
午後 問18(実地・正答 3) この問題のページ →
多動・不注意・衝動性(ADHD)の男児。適切な行動ができたら賞賛する(正の強化)ことで望ましい行動を増やすのが有効。
- ❌ 1:言語的介入中心よりも、具体的・視覚的な手がかりと行動強化が有効。
- ❌ 2:集団活動から排除せず、適切な支援下で参加を促す。
- ⭕ 3:適切な行動を賞賛し正の強化で望ましい行動を増やす。
- ❌ 4:保護者の関わりはむしろ重要(ペアレントトレーニング等)。
- ❌ 5:作業手順は一度にまとめず、短く区切って提示する。
午後 問34(専門一般・採点除外) この問題のページ →
本問は採点除外となった問題です。採点除外は全員に得点が与えられるのではなく、その問題自体が採点対象から外れ、満点(分母)が減る扱いです(第61回作業療法士は採点除外2問により満点278点)。Down症候群の合併症を問う設問ですが、選択肢・基準に不備があり一意の正解を定められないと判断されました。以下は学習用に各肢の考え方を整理したものです。
- ❌ 1:近視 ── Down症候群では屈折異常(近視含む)を合併しやすい。
- ❌ 2:てんかん ── Down症候群でてんかんの合併がみられる。
- ❌ 3:外反扁平足 ── 関節弛緩・低緊張により外反扁平足を合併しやすい。
- ❌ 4:環軸椎亜脱臼 ── 靱帯弛緩により環軸椎亜脱臼を合併しやすい(体育活動での注意点)。
- ❌ 5:先天性心疾患 ── 心内膜床欠損等を高率に合併する。「合併症でないもの」の該当が判然とせず採点除外となった。
午後 問43(専門一般・正答 2) この問題のページ →
新版K式発達検査は適用年齢が0歳(生後100日頃)から成人までと幅広く、乳児から成人までを対象とできる。
- ❌ 1:WISC-Ⅴは5歳~16歳11か月(児童)が対象。
- ⭕ 2:新版K式発達検査は0歳(生後約100日)から成人まで適用できる。
- ❌ 3:田中・ビネー知能検査は2歳~成人が対象(0歳は含まない)。
- ❌ 4:ASQは1か月~66か月の乳幼児スクリーニング。
- ❌ 5:デンバー式は0~6歳の発達スクリーニング(成人は含まない)。
午後 問46(専門一般・正答 3) この問題のページ →
自閉スペクトラム症では、感覚統合療法(感覚処理の問題への介入)が用いられる治療法の一つ。
- ❌ 1:回想法は認知症へのアプローチ。
- ❌ 2:内観療法は自己洞察を深める精神療法。
- ⭕ 3:感覚統合療法はASDの感覚処理・適応行動の改善に用いられる。
- ❌ 4:曝露反応妨害法は強迫症の治療。
- ❌ 5:電気けいれん療法は重症うつ病等の治療。
午後 問91(共通・正答 5) この問題のページ →
アテトーゼ型脳性麻痺は錐体外路(大脳基底核)障害で、不随意運動(アテトーゼ)が特徴的。痙直型は錐体路障害で痙縮が主。
- ❌ 1:視覚障害は両型でみられ、アテトーゼ型に特異的ではない。
- ❌ 2:知的障害はむしろ痙直型で合併しやすい。
- ❌ 3:てんかんは痙直型で合併が多い。
- ❌ 4:歩行障害は両型でみられる。
- ⭕ 5:不随意運動(アテトーゼ)はアテトーゼ型に特徴的。
午後 問98(共通・正答 4) この問題のページ →
自閉スペクトラム症は、予定変更など環境の変化への適応困難(こだわり・柔軟性の欠如)が特徴。突然の予定変更で感情が乱れる発言がこれを強く示唆。
- ❌ 1:発作が心配で移動できないのはパニック症・広場恐怖。
- ❌ 2:何度も確認するのは強迫症。
- ❌ 3:現実感がないのは離人・現実感消失症。
- ⭕ 4:予定変更に対応できず感情が乱れるのはASDの柔軟性欠如・こだわりを示唆。
- ❌ 5:人前で緊張して話せないのは社交不安症。
関連ページ
出典:「第61回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。科目分類・要旨・解説はNetwork-Primerが独自に作成したものです。
出典:「第58回〜第61回 理学療法士国家試験、作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(第61回の公表ページ)を加工して作成
※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。
最終更新:2026-09-10
監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)。PT・OT共通問題(問51〜100)の解説を監修しています。作業療法士専門分野の解説は当社が独自に作成したもので、作業療法士による監修は受けていません。
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