循環器|理学療法士(PT)国家試験 過去問まとめ

理学療法士国家試験の循環器分野を、複数年分まとめて対策できるページです。心筋梗塞・心不全・末梢動脈疾患・不整脈・心電図・起立性低血圧など、循環器領域は毎年10問前後が安定して出題される頻出分野。年度をまたいで解くことで、繰り返し問われるテーマが見えてきます。

問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答番号(厚生労働省が公表する事実データ)と、Network-Primer独自の解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は各年の全問ページからリンクする厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

収録状況

年度実施循環器 出題数収録
第61回2026年2月7問✅ 解説あり
第60回2025年2月8問✅ 解説あり
第59回2024年2月8問✅ 解説あり
第58回2023年2月7問✅ 解説あり
第57回2022年2月順次追加

頻出テーマ(複数年で繰り返し問われる論点)

  • 虚血性心疾患:急性心筋梗塞後の運動療法・Karvonen法・胸痛の特徴
  • 心不全:運動負荷の基準・心電図モニタリング・NMESなどの離床手段
  • 末梢動脈疾患(PAD):間欠性跛行に対する監視下運動療法
  • 不整脈・刺激伝導系:心電図波形(P波・QRS・T波)の読み、β遮断薬の影響
  • 自律神経・血圧調節:起立性低血圧の予防、失血性ショックの循環動態

第61回(2026年2月実施)

循環器として7問が出題されました(実地3問・一般/共通4問、推定配点13点)。全問の正答・解説は 第61回 PT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問7午前実地心電図モニター波形の所見判読4
問14午前実地末梢動脈疾患の歩行能力改善法3
問41午前専門一般大動脈解離のリハ開始基準1
問88午前共通一次救命処置で最初に確認する項目1
問18午後実地心臓リハの運動負荷様式の名称2
問39午後専門一般心電図で心室興奮を表す波形4
問86午後共通納豆で作用が減弱する薬剤5

午前 問7(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:β遮断薬内服中の心不全患者。心電図でP波があり整だが心拍数が遅い波形=洞性徐脈。β遮断薬は洞結節を抑制し徐脈を来す。

  • 1:心室期外収縮は幅広いQRSが早期に出現する。
  • 2:心房細動はP波消失+RR不整。
  • 3:心房粗動は鋸歯状のF波。
  • 4:β遮断薬による洞性徐脈。P波は正常でRR間隔が延長し規則的。
  • 5:Ⅲ度房室ブロックはP波とQRSが完全に解離する。

午前 問14(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:末梢動脈疾患FontaineⅡ度(間欠性跛行)の連続歩行能力改善には、監視下運動療法(トレッドミル歩行練習)が第一選択でエビデンスが高い。

  • 1:寒冷療法は末梢循環を悪化させ禁忌。
  • 2:足底挿板は変形のない本例には適応が薄い。
  • 3:監視下トレッドミル歩行練習が間欠性跛行の歩行距離延長に最も有効。
  • 4:コンプレッションポンプは静脈・リンパ系の治療で動脈疾患には不適。
  • 5:他動ROMは歩行能力改善に寄与しない。

午前 問41(専門一般・正答 1) 問題を見る →

ポイント:大動脈解離のリハ開始基準で基準範囲内なのはRASS -1(軽い鎮静、呼びかけで開眼)。他は逸脱値。

  • 1:RASS -1(傾眠傾向、10秒以上の開眼・アイコンタクト)は開始可能な鎮静レベル。
  • 2:体温38.8℃は発熱で基準を逸脱(通常38℃未満)。
  • 3:呼吸数38回/分は頻呼吸で基準外(目安<30回/分)。
  • 4:SaO2 85%は低酸素で基準外(目安≥90%)。
  • 5:FiO2 0.7は高濃度酸素依存で基準外(目安≤0.6)。

午前 問88(共通・正答 1) 問題を見る →

ポイント:一次救命処置(BLS)で最初に確認するのは意識(反応)の有無。反応がなければ応援要請→呼吸確認→胸骨圧迫と進む。

  • 1:まず意識(反応)を確認する。
  • 2:血圧測定はBLSの最初の手順ではない。
  • 3:呼吸確認は意識確認・応援要請の後。
  • 4:脈拍確認は呼吸確認と同時(医療者)だが最初ではない。
  • 5:対光反射はBLSの手順ではない。

午後 問18(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:高強度45秒と低強度90秒を交互に繰り返す=インターバルトレーニング。高負荷と回復を交互に行い、持続困難な運動を可能にする。

  • 1:Ramp負荷は負荷を連続的に漸増する方法。
  • 2:高強度と低強度を交互に組み合わせるのはインターバルトレーニング。
  • 3:コンディショニングは準備的な調整運動全般を指す。
  • 4:サーキットトレーニングは複数種目を巡回する方法。
  • 5:多段階漸増負荷は段階的に負荷を上げる(交互ではない)。

午後 問39(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:心電図で心室の興奮(脱分極)過程を表すのはQRS波群。心室筋の脱分極を反映する。

  • 1:P波は心房の興奮(脱分極)。
  • 2:PQ間隔は房室伝導時間。
  • 3:PR区間も房室間の伝導を反映。
  • 4:QRS波群は心室の興奮(脱分極)過程を表す。
  • 5:T波は心室の再分極(回復)過程。

午後 問86(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:納豆はビタミンK(納豆菌が産生)を多く含み、ビタミンK拮抗薬であるワルファリンの抗凝固作用を減弱させる。

  • 1:ACE阻害薬は納豆の影響を受けない。
  • 2:インスリンは納豆の影響を受けない。
  • 3:カルシウム拮抗薬はグレープフルーツで作用増強するが納豆は無関係。
  • 4:ループ利尿薬は納豆の影響を受けない。
  • 5:納豆のビタミンKがワルファリンの作用を減弱させる。

第60回(2025年2月実施)

循環器として8問が出題されました(実地3問・一般/共通5問、推定配点14点)。全問の正答・解説は 第60回 PT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問18午前実地心筋梗塞後の在宅持久力運動の条件3
問39午前専門一般血液検査項目と疾患の組合せ2
問4午後実地Karvonen法での目標心拍数算出3
問20午後実地心不全患者の心電図所見の判読4
問35午後専門一般末梢動脈疾患の臨床的特徴5
問37午後専門一般急性心筋梗塞の胸痛の特徴2
問87午後共通AED除細動の適応となる不整脈2・3
問95午後共通周術期肺塞栓症の特徴と予防4

午前 問18(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:心筋梗塞後の在宅での持久力運動は、週3〜5回、1回20〜60分、最高酸素摂取量の40〜60%程度が目安で、自覚的運動強度ではBorg指数11〜13(楽である〜ややきつい)に相当する。

  • 1:有酸素運動は週3〜5回(可能なら毎日)が推奨され、週2回以内では頻度が不足する。
  • 2:1回20〜60分程度が目安であり、10分以下では持久力向上の効果が得られにくい。
  • 3:「楽である」〜「ややきつい」に相当し嫌気性代謝閾値付近の強度。推奨範囲であり正しい。
  • 4:アンダーソン・土肥の基準では拡張期血圧120mmHg以上で運動を行わない。可能とはいえない。
  • 5:最高酸素摂取量の40〜60%程度が目安で、10〜20%では強度が低すぎ効果を期待しにくい。

午前 問39(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:血液検査は疾患特異性の高いマーカーを押さえる。CK-MBは心筋傷害、Dダイマーは血栓の存在、eGFRは腎機能、BNP・NT-proBNPは心不全、SP-DやKL-6は間質性肺疾患を反映する。

  • 1:CK-MBは心筋に多い酵素で心筋梗塞などの指標です。末梢動脈疾患はABIなどで評価します。
  • 2:Dダイマーは架橋フィブリンの分解産物で、陰性なら深部静脈血栓症の可能性は低いと判断できます。
  • 3:eGFRは糸球体濾過量の推算値で、慢性腎臓病の重症度分類に用いる腎機能の指標です。
  • 4:NT-proBNPは心室への負荷や伸展で上昇する心不全のマーカーです。
  • 5:SP-Dは肺サーファクタント蛋白で、KL-6とともに間質性肺疾患のマーカーです。

午後 問4(実地・正答 3) 問題を見る →

ポイント:Karvonen法の目標心拍数は(予測最大心拍数−安静時心拍数)×k+安静時心拍数で求める。予測最大心拍数は220−年齢=150/分なので、(150−70)×0.5+70=110/分となる。

  • 1:90/分はk=0.25に相当する。予備心拍数80の半分は40であり、70に加えると90にはならない。
  • 2:100/分はk=0.375相当で計算値と一致しない。式に当てはめると110/分が得られる。
  • 3:(220−70−70)×0.5+70=110/分。なお低左心機能ではkを0.3〜0.4に下げる配慮も要るが、本問はk=0.5の指定である。
  • 4:120/分はk=0.625相当で過大である。急性心筋梗塞後で低左心機能の本症例には強度が高すぎる。
  • 5:130/分はk=0.75相当。予測最大心拍数150に近く、明らかな過負荷であり目標心拍数にはならない。

午後 問20(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:公式正答と選択肢の内容から、心電図Bでは30W負荷中にST低下が出現していると考えられる。軽負荷で生じるST低下は労作誘発性の心筋虚血を示唆し、運動を中止して医師に報告すべき所見である。

  • 1:陰性T波は心筋虚血や心筋障害を示す所見だが、公式正答から運動開始前のAでは認められないと考えられる。
  • 2:Aの心拍数が60/分未満なら徐脈だが、公式正答からAの心拍数は60/分以上であると考えられる。
  • 3:Lown分類Ⅲは多形性(多源性)心室期外収縮を指す。公式正答からAにはその所見はないと考えられる。
  • 4:30Wという軽い負荷でST低下が出現するのは心筋虚血を示唆する。運動を中止し、医師への報告と負荷量の再検討が必要。
  • 5:30W程度の軽負荷で心拍数が120/分以上に達することは通常なく、公式正答からBは120/分未満と考えられる。

午後 問35(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:末梢動脈疾患(PAD)は下肢を中心とする動脈の狭窄・閉塞で、原因の大半は閉塞性動脈硬化症。男性・喫煙者・糖尿病患者に多く、間欠性跛行から安静時痛、潰瘍・壊疽へと進み、重症例では下肢切断に至る。

  • 1:PADは女性より男性に多い。喫煙、糖尿病、高血圧、脂質異常症、加齢が主な危険因子である。
  • 2:足関節上腕血圧比(ABI)は高いのではなく低下し、0.9以下で下肢動脈の狭窄・閉塞が疑われる。
  • 3:間欠性跛行はPADの代表的症状で、一定距離の歩行で下肢痛が出現し、休息により軽減する。
  • 4:閉塞性動脈硬化症はPADの原因として最も頻度が高く、低いという記述は誤りである。
  • 5:重症下肢虚血に進み潰瘍・壊疽をきたすと、救肢が困難な場合には下肢切断が必要となることがある。

午後 問37(専門一般・正答 2) 問題を見る →

ポイント:急性心筋梗塞の胸痛は30分以上持続する強い絞扼感・圧迫感で、冷汗、悪心・嘔吐、顔面蒼白などの自律神経症状を伴うことが多い。硝酸薬では消失せず、左肩や下顎などへの放散痛もしばしばみられる。

  • 1:数分以内に消失するのは労作性狭心症の胸痛。心筋梗塞では30分以上持続することが多い。
  • 2:冷汗は交感神経緊張による代表的な随伴症状で、悪心・嘔吐や顔面蒼白を伴うことも多い。
  • 3:感冒様の前駆症状は急性心筋炎に特徴的な所見であり、急性心筋梗塞の胸痛の特徴ではない。
  • 4:左肩・左上肢・下顎・心窩部などへの放散痛はしばしばみられる、重要な特徴である。
  • 5:硝酸薬で速やかに消失するのは狭心症。心筋梗塞は冠動脈が閉塞しており硝酸薬の効果は乏しい。

午後 問87(共通・正答 2・3) 問題を見る →

ポイント:AEDが電気ショックの適応と判定するのは心室細動と無脈性心室頻拍である。心静止や無脈性電気活動はショックの適応がなく、直ちに質の高い胸骨圧迫を継続する。

  • 1:心静止は心電図が平坦で心筋の電気活動がなく、除細動の適応はない。胸骨圧迫と薬物投与で対応する。
  • 2:心室細動は心室が無秩序に細かく興奮し拍出が失われる致死的不整脈で、除細動の絶対的な適応である。
  • 3:心室頻拍のうち脈を触れない無脈性心室頻拍は除細動の適応で、AEDもこれをショック適応と判定する。
  • 4:洞性頻脈は洞結節からの正常な調律が速いだけであり、除細動の適応はなく原因の是正を行う。
  • 5:房室ブロックは刺激伝導の遅延・途絶であり、高度例ではペーシングが必要で、除細動の適応ではない。

午後 問95(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:周術期の肺塞栓症は下肢や骨盤の深部静脈血栓が遊離して肺動脈を閉塞する病態である。予防は早期離床と下肢の自動運動、弾性ストッキングや間欠的空気圧迫法であり、安静臥床は静脈うっ滞を招き血栓形成を助長する。

  • 1:肺動脈が閉塞して換気血流不均衡と低酸素血症を生じ、突然の呼吸困難や胸痛が出現する。正しい記述である。
  • 2:広範囲の塞栓では急性右心不全やショックから突然死に至ることがあり、リスクは高い。正しい記述である。
  • 3:臥床後の初回起立や歩行開始時に血栓が遊離しやすく、離床の場面での発症が多い。正しい記述である。
  • 4:誤りはこれ。安静臥床は静脈うっ滞を強め血栓形成を促す。予防は早期離床、下肢運動、弾性ストッキング、間欠的空気圧迫である。
  • 5:原因の多くは下肢・骨盤の深部静脈血栓症であり、術後は特にその発生リスクが高い。正しい記述である。

第59回(2024年2月実施)

循環器として8問が出題されました(実地3問・一般/共通5問、推定配点14点)。全問の正答・解説は 第59回 PT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問2午前実地術後下腿腫脹で疑う血液検査項目2
問5午前実地心肺運動負荷試験から運動強度決定4
問40午前専門一般胸骨圧迫の1分間あたりの回数4
問87午前共通AEDの適応と使用方法2/5(複数正答)
問94午前共通急性心筋梗塞で優先度の低い検査5
問16午後実地心電図波形から不整脈を判読5
問36午後専門一般二重積を規定する因子2・4
問92午後共通頻度の高い先天性心疾患4

午前 問2(実地・正答 2) 問題を見る →

ポイント:大腿骨近位部骨折術後の下腿の腫脹と圧痛は深部静脈血栓症を強く疑わせる所見である。離床前にまずDダイマーを確認し、上昇があれば下肢静脈エコーなどで血栓の有無を評価する。肺血栓塞栓症の予防に直結する。

  • 1:BNPは心不全の指標だが本例は心疾患の既往がなく、下腿の局所症状も説明しない。離床前の最優先項目とはいえない。
  • 2:Dダイマーは深部静脈血栓症のスクリーニングに用いる。陰性ならほぼ除外でき、離床の可否判断に直結する。
  • 3:HbA1cは過去1〜2か月の血糖コントロールを示す指標で、急性の下腿腫脹・圧痛の原因評価には役立たない。
  • 4:PT-INRは外因系凝固能や抗凝固療法の管理指標で、血栓の存在自体は示さない。DVTの検出には用いない。
  • 5:SP-Dは間質性肺疾患などびまん性肺疾患のマーカーで、下肢の血栓症の評価とは関連しない。

午前 問5(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:ランプ負荷試験ではV-slope法で求めた嫌気性代謝閾値(AT)レベルの強度を指導する。公式正答から、グラフのATは酸素摂取量約1,150 mL/分付近と考えられ、体重55 kgで割ると約21 mL/分/kg、3.5で除して約6 METsとなる。

  • 1:3 METsは10.5 mL/分/kg、55 kgで約580 mL/分に相当し、AT よりかなり低く運動効果が乏しい。
  • 2:4 METsは14 mL/分/kg、約770 mL/分に相当し、グラフのAT点より低い強度と考えられる。
  • 3:5 METsは17.5 mL/分/kg、約960 mL/分に相当する。まだAT到達前で処方強度としては不足する。
  • 4:6 METsは21 mL/分/kg、55 kgで約1,150 mL/分。ATに相当し、糖尿病患者の有酸素運動強度として適切である。
  • 5:7 METsは24.5 mL/分/kg、約1,350 mL/分でATを超える。乳酸が蓄積し安全な処方強度とはいえない。

午前 問40(専門一般・正答 4) 問題を見る →

ポイント:成人の心肺停止に対する胸骨圧迫は、1分間に100〜120回のテンポで、深さ約5cm(6cmを超えない)、圧迫の中断を最小限にして行う。選択肢のうちこの範囲に入るのは100回である。

  • 1:20回では心拍出量をまったく維持できず、推奨回数から著しくかけ離れている。
  • 2:50回では推奨される100〜120回に達せず、脳や心臓への血流を確保できない。
  • 3:70回も推奨範囲に達しておらず、十分な循環を維持できない。
  • 4:推奨される100〜120回/分の範囲に含まれ、適切である。
  • 5:130回は推奨上限の120回を超え、圧迫が浅くなったり十分な胸壁の戻りが得られなくなる。

午前 問87(共通・正答 2/5(複数正答)) 問題を見る →

ポイント:本問は、厚生労働省の正答値表で選択肢2・5のいずれもが正答として認められた問題(複数正答)です。採点除外(その問題が採点対象から外れ、満点が減る扱い)ではありません。選択肢2・5のいずれかを選んだ場合が正解、それ以外を選んだ場合は不正解として採点されます。ペースメーカー植込み例でも部位を避ければ使用でき、心電図解析と通電の判断は機器が自動で行う点が論点となりました。

  • 1:AEDの使用に医師の指示は不要で、一般市民を含む誰でも救命処置として使用できる。
  • 2:正答の一つ。植込み部位から3cm以上離してパッドを貼れば使用でき、禁忌ではない。
  • 3:通電にはパッドと胸壁の密着が必要で、衣服を除去し皮膚を露出させて貼付する。
  • 4:通電時は感電を防ぐため誰も患者に触れてはならず、四肢を押さえることはしない。
  • 5:正答の一つ。心電図解析と通電の要否判断は機器が自動で行う。ただし半自動式では通電ボタンを押す操作が必要で、この点が論点となった。

午前 問94(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:急性心筋梗塞では来院直後の心電図が最優先で、心エコーで壁運動や合併症・鑑別疾患を評価し、確定診断とPCIを兼ねて緊急冠動脈造影を行う。心筋シンチは撮像に時間を要し急性期の優先度が最も低い。

  • 1:心電図はST上昇などを直ちに確認でき、来院後10分以内の実施が推奨される最優先検査である。
  • 2:心エコーはベッドサイドで壁運動低下や心タンポナーデ、大動脈解離の鑑別ができ優先度は高い。
  • 3:冠動脈CTは非侵襲的に冠動脈を評価でき、診断が不確実な症例で有用である。
  • 4:冠動脈造影は確定診断とともにPCIによる再灌流治療につながるため、急性期治療の中心となる。
  • 5:正しい。心筋シンチグラフィーは薬剤投与と撮像に時間がかかり、急性期の優先度は最も低い。

午後 問16(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:公式正答から、心電図は先行するP波を伴わない幅広く変形したQRS波が予定より早期に出現し、その後に休止期が続く所見と考えられる。これは心室内で興奮が発生する心室期外収縮の特徴である。

  • 1:心房細動はP波が消失して基線が細かく揺れ、RR間隔が不規則になる不整脈である。
  • 2:心房粗動は毎分約300回の規則的な鋸歯状波(F波)を示し、幅の狭いQRSが規則的に続くことが多い。
  • 3:房室ブロックはPQ時間の延長やP波に続くQRSの脱落として現れ、心房から心室への伝導障害を示す。
  • 4:心室細動は基線が不規則に揺れQRS波を同定できない致死的不整脈で、循環が停止した状態である。
  • 5:正しい。P波を伴わない幅広いQRS波が早期に出現する所見は、心室起源の期外収縮を示す。

午後 問36(専門一般・正答 2・4) 問題を見る →

ポイント:二重積(rate pressure product)は心拍数×収縮期血圧で算出され、心筋酸素消費量を間接的に反映する指標である。したがって規定因子は心拍数と収縮期血圧の2つである。

  • 1:呼吸数は換気の指標であり、二重積の算出には含まれない。
  • 2:正しい。心拍数は二重積を構成する2つの因子の一方である。
  • 3:一回拍出量は心拍出量(心拍数×一回拍出量)を規定する因子であり、二重積の構成要素ではない。
  • 4:正しい。収縮期血圧は二重積を構成する2つの因子の一方である。
  • 5:動静脈酸素較差はFickの式で酸素摂取量を規定する因子であり、二重積には含まれない。

午後 問92(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:先天性心疾患のうち最も頻度が高いのは心室中隔欠損症で、全体の約20%を占めます。次いで心房中隔欠損症、肺動脈狭窄症、動脈管開存症などが続きます。

  • 1:三尖弁狭窄症の単独例は極めてまれで、先天性心疾患の中では頻度が低い疾患である。
  • 2:動脈管開存症は比較的多く早産児で問題となるが、頻度は心室中隔欠損症には及ばない。
  • 3:肺動脈狭窄症は比較的多い部類だが、単独疾患としての頻度は心室中隔欠損症より低い。
  • 4:心室中隔欠損症は先天性心疾患の中で最も頻度が高く、およそ20%を占める。正しい。
  • 5:心房中隔欠損症は上位に入る頻度だが、心室中隔欠損症よりは少ない。最も高いとはいえない。

第58回(2023年2月実施)

循環器として7問が出題されました(実地2問・一般/共通5問、推定配点11点)。全問の正答・解説は 第58回 PT 全問ページ でも確認できます。

時間帯区分何を問うた設問か正答
問19午前実地心臓術後退院時の運動機能評価5
問85午前共通ワルファリンを減弱させる物質5
問94午前共通肺塞栓症についての誤りを選ぶ4
問2午後実地心電図波形の特徴を判読4
問26午後専門一般救急措置の手順と胸骨圧迫の回数5
問92午後共通血管疾患と危険因子の対応5
問95午後共通大動脈解離の続発症4

午前 問19(実地・正答 5) 問題を見る →

ポイント:退院時の運動機能・運動耐容能の評価には、特別な機器を要さず安全に実施できる6分間歩行テストが適する。他の選択肢は心不全の病態分類や虚血の診断のための検査であり、運動機能の評価法ではない。

  • 1:クリニカルシナリオは急性心不全の来院時収縮期血圧などで初期対応を分類するもので、運動機能の評価ではない。
  • 2:マスターシングルテストは階段昇降負荷後の心電図変化から心筋虚血を判定する検査で、運動機能評価には用いない。
  • 3:Nohria-Stevenson分類は心不全の血行動態を4群に分ける病態分類であり、運動耐容能を定量する運動機能評価法ではないため適切でない。
  • 4:ハンドグリップテストは等尺性負荷により血圧を急上昇させる検査で、弁膜症術後の運動機能評価には適さない。
  • 5:6分間歩行テストは簡便かつ安全に運動耐容能を定量でき、退院時の評価や予後の推定に広く用いられている。

午前 問85(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:ワルファリンはビタミンKに拮抗し、ビタミンK依存性凝固因子(Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ)の肝での合成を阻害して抗凝固作用を示す。したがってビタミンKを多く含む納豆・クロレラ・青汁などを摂取すると作用が減弱する。

  • 1:ビタミンAは視覚色素や上皮の維持に関与する脂溶性ビタミンで、ワルファリンの作用を減弱させることはない。
  • 2:ビタミンB1は糖代謝の補酵素で、欠乏で脚気やWernicke脳症を来すが、ワルファリンの効果には影響しない。
  • 3:ビタミンCは抗酸化やコラーゲン合成に関与するが、ワルファリンの抗凝固作用を減弱させる作用はない。
  • 4:ビタミンEは抗酸化作用をもち、大量摂取では出血傾向を助長しうるとされ、作用を減弱させる方向ではない。
  • 5:ビタミンKはワルファリンと拮抗して凝固因子の合成を回復させ、抗凝固作用を減弱させる。正答。

午前 問94(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:誤りを選ぶ問題。肺塞栓症の塞栓源の多くは下肢や骨盤内の深部静脈血栓であり、股関節・膝関節手術など下肢の術後に多く発症する。上肢の術後に多いとする選択肢4が誤りで、これが正答となる。

  • 1:脱水は血液濃縮と血流停滞を招き静脈血栓形成の危険因子となる。正しい記述である。
  • 2:換気は保たれたまま血流が途絶して換気血流比不均等となり、二酸化炭素貯留を伴わないⅠ型呼吸不全を呈する。正しい。
  • 3:血栓の形成と線溶亢進を反映してDダイマーが上昇する。陰性なら除外診断に有用で、正しい記述である。
  • 4:塞栓源は下肢・骨盤内の深部静脈が主で、下肢の手術後に多い。上肢術後に多いとするのは誤りで、これが正答。
  • 5:深部静脈血栓症と肺塞栓症は静脈血栓塞栓症として連続した病態であり、合併が多い。正しい記述である。

午後 問2(実地・正答 4) 問題を見る →

ポイント:心電図の判読問題。公式正答が4であることから、図には先行するP波を伴わずに早期に出現する幅の広いQRS波が含まれると考えられる。これは心室期外収縮の所見であり、他の選択肢の所見は認められないと判断できる。

  • 1:洞調律は一定間隔のP波に規則的にQRSが続く状態。公式正答が4であることから、早期出現の幅広いQRSが混在し洞調律とは言えないと考えられる。
  • 2:持続頻拍は頻拍が30秒以上続くものを指す。心室期外収縮は単発ないし散発的に現れる早期収縮であり、持続する頻拍には当たらない。
  • 3:ST上昇は急性心筋梗塞や心膜炎などで基線からST部分が持ち上がる所見。公式正答が4であることから、この波形にST上昇はないと考えられる。
  • 4:先行するP波がなく、幅の広い変形したQRS波が本来より早期に出現するのが心室期外収縮の特徴であり、これが認められると考えられる。
  • 5:Ⅲ度房室ブロックはP波とQRS波がまったく無関係に出現する完全房室解離を示す。P波とQRSの対応は保たれていると考えられる。

午後 問26(専門一般・正答 5) 問題を見る →

ポイント:一次救命処置では、まず周囲の安全を確認してから近づき、肩を軽くたたいて呼びかけ反応をみる。反応がなければ119番通報とAEDの手配を依頼し、正常な呼吸がなければただちに胸骨圧迫を開始する。圧迫は100〜120回/分、深さ約5cmが目安である。

  • 1:二次災害を避けるため、まず周囲の安全を確認してから近づく。一目散に駆け寄るのは不適切である。
  • 2:体をゆするのは頸椎損傷などを悪化させる恐れがある。肩を軽くたたきながら大声で呼びかけて反応をみる。
  • 3:応援者への最初の依頼は119番通報である。AEDの手配も併せて依頼するが、通報が優先される。
  • 4:反応と正常な呼吸がなければ、異物を探さずただちに胸骨圧迫を開始する。確認のための中断は避ける。
  • 5:胸骨圧迫のテンポは100〜120回/分、深さは約5cm(6cmを超えない)が推奨される。正しい。

午後 問92(共通・正答 5) 問題を見る →

ポイント:結節性多発動脈炎は中型動脈の壊死性血管炎で、B型肝炎ウイルス感染との関連が知られる。糖尿病は動脈硬化や細小血管症の危険因子ではあるが、本症の関連因子ではない。

  • 1:Buerger病(閉塞性血栓血管炎)は喫煙との関連がきわめて強く、禁煙が治療の基本となる。組合せは正しい。
  • 2:妊娠では増大した子宮による静脈還流障害とホルモンの影響で下肢静脈瘤を生じやすい。組合せは正しい。
  • 3:高血圧とアテローム硬化は大動脈解離・解離性大動脈瘤の主要な危険因子である。組合せは正しい。
  • 4:長期臥床は静脈うっ滞を招き、Virchowの3徴の一つとして深部静脈血栓症の危険因子となる。組合せは正しい。
  • 5:○(誤り)。結節性多発動脈炎はB型肝炎ウイルス感染などが関与する壊死性血管炎で、糖尿病との直接的な関連はない。

午後 問95(共通・正答 4) 問題を見る →

ポイント:大動脈解離では偽腔の拡大により分枝が閉塞し、腎不全・脳梗塞・脊髄障害(Adamkiewicz動脈の閉塞による)を生じる。上行大動脈に及ぶStanford A型では大動脈弁閉鎖不全や心タンポナーデをきたすが、三尖弁は侵されない。

  • 1:腎動脈に解離が及んで閉塞すると腎虚血となり、急性腎障害・腎不全を生じ得る。
  • 2:弓部分枝である腕頭動脈や総頸動脈が閉塞すると脳虚血を生じ、片麻痺や意識障害で発症することもある。
  • 3:肋間動脈やAdamkiewicz動脈が閉塞すると脊髄梗塞を生じ、対麻痺などの脊髄障害をきたし得る。
  • 4:○(誤り)。上行大動脈基部の解離で生じるのは大動脈弁閉鎖不全であり、右心系の三尖弁は障害されない。
  • 5:Stanford A型で解離が心嚢内に破裂すると血液が貯留し、心タンポナーデという致死的な続発症を招く。

この解説について

本コンテンツは教育目的で無償公開しています。正答番号は厚生労働省が公表する事実データ、解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。

出典:「第58回〜第61回理学療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。


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出典:「第58回〜第61回 理学療法士国家試験、作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(第61回の公表ページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-09-10

監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)

本コンテンツは、職員の受験支援用に作成し、実際に社内で使っている教材を公開しています。

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