老年期|第61回 理学療法士国家試験(6問)
第61回理学療法士国家試験の老年期分野(全6問)です。正答とNetwork-Primer独自解説(正答の理由・各選択肢の○×)を載せています。各問の問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢つき)に移動できます。200問を通しで解きたいときは第61回 PT 全問ページ(演習モード・自己採点つき)へ。
概要
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 出題数 | 6問 |
| 実地問題 | 1問(3点) |
| 一般・共通問題 | 5問(5点) |
| 推定配点 | 8点 |
正答一覧
問番号から、その問題だけのページ(設問文・選択肢・正答・解説)に移動します。
| 問 | 時間帯 | 区分 | 何を問うた設問か | 正答 |
|---|---|---|---|---|
| 問19 | 午前 | 実地 | 入院関連機能障害を示す用語の同定 | 2 |
| 問32 | 午前 | 専門一般 | 加齢による筋萎縮への理学療法 | 3 |
| 問23 | 午後 | 専門一般 | ロコモティブシンドロームの概念 | 2 |
| 問27 | 午後 | 専門一般 | 転倒予防を目的とした理学療法 | 2・3 |
| 問30 | 午後 | 専門一般 | フレイル判定の基本チェックリスト | 4/5(複数正答) |
| 問82 | 午後 | 共通 | サルコペニアAWGS2019の評価項目 | 1・5 |
解説
午前 問19(実地・正答 2) この問題のページ →
入院に伴う安静で生じた活動制限=HAD(Hospitalization Associated Disability、入院関連機能障害)。廃用による生活機能低下。
- ❌ 1:AE(急性増悪)は疾患自体の悪化を指す。
- ⭕ 2:HADは入院中の安静により生じる新たな生活機能低下。本例に合致。
- ❌ 3:ICU-AWはICU在室に伴う筋力低下で、一般病棟の本例とは異なる。
- ❌ 4:NYHA Ⅰは無症状の心機能分類で状態説明にならない。
- ❌ 5:PICSは集中治療後症候群でICU治療歴が前提。
午前 問32(専門一般・正答 3) この問題のページ →
加齢性筋萎縮(サルコペニア)では、抗重力筋(下肢・体幹の姿勢保持筋)の筋力トレーニングが日常生活機能維持に最も重要。
- ❌ 1:高齢者には短期集中でなく、継続的・漸進的な負荷が適する。
- ❌ 2:加齢では速筋(TypeⅡ)線維が優先的に萎縮するため、Type Ⅱの強化を意識する。
- ⭕ 3:抗重力筋の筋力トレーニングは立位・歩行など生活機能維持に直結し最も適切。
- ❌ 4:併存疾患があっても安全に配慮して集団運動は実施可能。除外する必要はない。
- ❌ 5:高齢者には最大負荷の90%は高すぎ危険。中等度(60-80%)で行う。
午後 問23(専門一般・正答 2) この問題のページ →
ロコモティブシンドロームは運動器の障害により移動機能が低下した状態。サルコペニア(筋量・筋力低下)はロコモの一因となる。
- ❌ 1:ロコモは運動器の障害で、社会的脆弱性はフレイルの概念に含まれる。
- ⭕ 2:サルコペニアは筋量・筋力低下でロコモの主要な一因。
- ❌ 3:ロコモ度は3段階(ロコモ度1・2・3)で5段階ではない。
- ❌ 4:診断はロコモ度テスト(立ち上がり・2ステップ・ロコモ25)で、筋力測定必須ではない。
- ❌ 5:ロコトレは開眼片脚立ちとスクワット。閉眼スクワットは転倒リスクで不適。
午後 問27(専門一般・正答 2・3) この問題のページ →
転倒予防では、認知機能低下が転倒リスクに関連することを踏まえ、静的バランスから動的バランスへ段階的に練習を進めるのが適切。
- ❌ 1:転倒高リスク群ではTUG時間は延長する(短くない)。
- ⭕ 2:認知機能の低下(注意・遂行機能低下)は転倒リスクと強く関連する。
- ⭕ 3:静的バランス→動的バランスへ段階的に難度を上げるのが安全で効果的。
- ❌ 4:歩行速度を上げることを最優先すると転倒リスクが増す。安全性が優先。
- ❌ 5:バランスに関与する感覚は体性感覚・前庭・視覚で、温痛覚が最重要ではない。
午後 問30(専門一般・正答 4/5(複数正答)) この問題のページ →
本問は、厚生労働省の正答値表で選択肢4・5のいずれもが正答として認められた問題(複数正答)です。採点除外(その問題が採点対象から外れ、満点が減る扱い)ではありません。選択肢4・5のいずれかを選んだ場合が正解、それ以外を選んだ場合は不正解として採点されます。
- ❌ 1:経済状況を含む ── 基本チェックリストは生活機能・運動・栄養・口腔・認知・うつ等25項目で、経済状況は含まない。
- ❌ 2:指輪っかテストを含む ── サルコペニアの簡易スクリーニングで、基本チェックリストの項目ではない。
- ❌ 3:反復唾液嚥下テストを含む ── 嚥下機能の検査で、基本チェックリストの項目ではない。
- ⭕ 4:対象者に対面せず評価できる ── 自記式で郵送等も可能な面はある。
- ⭕ 5:二次予防事業対象者を選定する ── かつての介護予防の枠組みに関する記述。
午後 問82(共通・正答 1・5) この問題のページ →
AWGS 2019のサルコペニア診断は、筋量低下+(筋力低下 or 身体機能低下)。評価項目は筋量・握力(筋力)・歩行速度(身体機能)。選択肢中は筋量と歩行速度。
- ⭕ 1:筋量(骨格筋量指数)はサルコペニアの必須評価項目。
- ❌ 2:身長は単独の評価項目ではない。
- ❌ 3:体重は単独の評価項目ではない。
- ❌ 4:骨密度は骨粗鬆症の指標でサルコペニア診断項目ではない。
- ⭕ 5:歩行速度は身体機能の評価項目。
関連ページ
出典:「第61回理学療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。科目分類・要旨・解説はNetwork-Primerが独自に作成したものです。
出典:「第58回〜第61回 理学療法士国家試験、作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(第61回の公表ページ)を加工して作成
※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。
最終更新:2026-09-10
監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)
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