呼吸器(17問)
概要
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 出題数 | 17問 |
| 実地問題 | 6問(配点18点) |
| 一般問題 | 11問(配点11点) |
| 図表問題 | 1問 |
| 配点合計 | 29点 |
出題一覧
| # | 時間帯 | 区分 | 問題(要約) | 正答 |
|---|---|---|---|---|
| 問2 | 午前 | 実地 | 80歳の男性。間質性肺疾患の急性増悪で入院中。酸素化が不良で気管切開による人工呼吸管理を受けている。... | 4 |
| 問3 | 午前 | 実地 | その後、人工呼吸器を離脱して気管切開孔を閉鎖したが、右肺に気胸を生じ、経鼻酸素療法中である。この時... | 採点除外 |
| 問14 | 午前 | 実地 | 56歳の男性。肺癌の外来化学療法中。呼吸困難が増悪し緊急入院。両肺の癌性胸膜炎。SpO2 95%(r... | 4 |
| 問16 | 午前 | 実地 | 70歳の男性。COVID-19による肺炎で入院。PaO2は背臥位では60mmHg、腹臥位では100m... | 2 |
| 問33 | 午前 | 一般 | フレイルの判定要件はどれか。2つ選べ。 | 4,5 |
| 問35 | 午前 | 一般 | 酸素療法機器で正しいのはどれか。 | 5 |
| 問36 | 午前 | 一般 | 口すぼめ呼吸の指導で正しいのはどれか。 | 3 |
| 問39 | 午前 | 一般 | 血液検査項目と疾患の組合せで正しいのはどれか。 | 2 |
| 問55 | 午前 | 一般 | 食道で正しいのはどれか。 | 4 |
| 問64 | 午前 | 一般 | 呼吸の調節機構で正しいのはどれか。 | 5 |
| 問70 | 午前 | 一般 | 肺気量分画のうちの2つを用いて肺胞換気量を算出する場合、使用するのはどれか。2つ選べ。 | 2,3 |
| 問75 | 午前 | 一般 | 疾病発症の外因のうち、物理的要因はどれか。 | 3 |
| 問85 | 午前 | 一般 | 加齢で低下するのはどれか。 | 1 |
| 問14 | 午後 | 実地 | 75歳の男性。間質性肺疾患で入院中。安静時も頻呼吸で、頸部の呼吸補助筋活動が亢進。最も適切な理学療法... | 4 |
| 問16 | 午後 | 実地 | 75歳の男性。糖尿病性腎症のため維持血液透析中。運動耐容能を評価する検査はどれか。 | 5 |
| 問61 | 午後 | 一般 | 心筋で正しいのはどれか。 | 3 |
| 問95 | 午後 | 一般 | 周術期の肺塞栓症で誤っているのはどれか。 | 4 |
重要問題の解説
午前 問2(正答:4)
80歳の男性。間質性肺疾患の急性増悪で入院中。酸素化が不良で気管切開による人工呼吸管理を受けている。肺炎は認めないが血圧変動が大きい。理学療法で最も適切なのはどれか。
正答の理由:人工呼吸管理中で血圧変動が大きい重症患者では、積極的な運動は禁忌。関節可動域運動(ROM運動)は最も低侵襲で、拘縮予防を目的に安全に実施可能。
- ❌ ×:咳嗽練習は気管切開中で自発呼吸が不十分なため不適切。人工呼吸器管理下では咳嗽の効果が得られにくい。
- ❌ ×:歩行練習は人工呼吸管理中の患者には過負荷。血行動態が不安定(血圧変動大)なため禁忌。
- ❌ ×:移乗動作練習も歩行と同様に過負荷。人工呼吸器装着中は安全に実施困難。
- ✅ ○:関節可動域運動は他動的に実施可能で、心肺への負荷が最小限。ICUでの早期リハの基本として推奨。
- ❌ ×:等尺性筋力増強運動はバルサルバ効果により血圧変動を助長するリスクがあり、血圧不安定な本症例では不適切。
午前 問3(正答:採点除外)
その後、人工呼吸器を離脱して気管切開孔を閉鎖したが、右肺に気胸を生じ、経鼻酸素療法中である。この時期の理学療法で最も適切なのはどれか。
正答の理由:不適切問題として採点除外。気胸の存在下での理学療法の原則を問う問題。
- ❌ 気胸があっても酸素療法下で段階的な離床は可能な場合がある。一律に床上安静は過度な制限。
- ❌ 気胸側の胸郭拡張は気胸を悪化させるため禁忌。呼吸理学療法は健側を中心に行う。
- ❌ 修正Borgスケール9以上は「非常にきつい」であり、気胸患者には過負荷で危険。
- ❌ 呼吸筋力低下があれば吸気筋トレーニングは検討されるが、気胸急性期は慎重に。
- ❌ f/TV≧150は人工呼吸器離脱困難の指標(RSBI)。この値以上では運動は推奨されない。
午前 問14(正答:4)
56歳の男性。肺癌の外来化学療法中。呼吸困難が増悪し緊急入院。両肺の癌性胸膜炎。SpO2 95%(room air)。痰の喀出量が多く努力性の咳嗽が出現。理学療法の方針で適切なのはどれか。
正答の理由:癌性胸膜炎で痰が多い患者。安静時呼吸困難があるため有酸素運動は困難。ハフィングは気道クリアランスの有効な手技。
- ❌ ×:背臥位は胸水により呼吸困難を増悪させる。起座位やファウラー位が推奨。
- ❌ ×:安静時でも呼吸困難があり、有酸素運動は過負荷。
- ❌ ×:痰の喀出困難に対する呼吸理学療法は必要。中止は不適切。
- ✅ ○:ハフィングは声門を開いた状態での強制呼出。努力性咳嗽より負荷が少なく、効率的に痰を喀出できる。
- ❌ ×:口すぼめ呼吸はCOPD等の閉塞性疾患に有効。痰の喀出促進が主目的の本症例では優先度が低い。
午前 問16(正答:2)
70歳の男性。COVID-19による肺炎で入院。PaO2は背臥位では60mmHg、腹臥位では100mmHgに改善。PaO2の改善に最も大きく影響した要因はどれか。
正答の理由:腹臥位でPaO2が改善した主因は換気血流比(V/Q比)の改善。背臥位では背側肺(重力依存部位)に血流が集中し、同部位の無気肺により換気が不十分→V/Qミスマッチ。腹臥位で背側肺が上になり換気が改善。
- ❌ ×:肺拡散能は体位変換では大きく変わらない。
- ✅ ○:腹臥位にすることで背側(重力依存部位)の肺が上になり換気が改善し、V/Q比が是正される。ARDS/重症肺炎の腹臥位療法の原理。
- ❌ ×:解剖学的死腔は体位変換では変化しない。
- ❌ ×:肺動静脈奇形は構造的問題で体位変換では改善しない。
- ❌ ×:吸入気酸素濃度は同じマスク同じ流量なら体位では変わらない。
午前 問33(正答:4,5)
フレイルの判定要件はどれか。2つ選べ。
正答の理由:Friedのフレイル判定基準は①体重減少②疲労感③筋力低下④歩行速度の低下⑤身体活動量の減少の5項目。
- ❌ ×:骨密度の減少はフレイルの判定要件に含まれない。骨粗鬆症の指標。
- ❌ ×:柔軟性の低下はフレイルの判定要件に含まれない。
- ❌ ×:肺活量の低下はフレイルの判定要件に含まれない。
- ✅ ○:歩行速度の低下はフレイルの5項目の1つ。
- ✅ ○:身体活動量の減少はフレイルの5項目の1つ。
出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成
※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。
最終更新:2026-07-27
監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)
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