神経筋疾患OT(4問・推定8点)

Parkinson病・ALS・多発性硬化症・筋疾患など進行性疾患

概要

項目数値
出題数4問
実地問題2問(6点)
一般問題2問(2点)
推定配点8点(全体の3%)

配点の内訳

実地(6点)6点
一般(2点)2点

トピック別の出題数

トピック出題数主な内容
Parkinson病1問Yahr III:階段>スロープ(視覚リズムキュー)、電気シェーバー推奨
ALS1問末期:透明文字盤+眼球運動センサースイッチ
多発性硬化症1問有痛性強直性けいれんがSCDとの鑑別点、MRI診断
多発性筋炎1問BFO使用、高負荷筋トレは禁忌(炎症悪化)

全問題・解説

午前

問31(一般 1点)|Parkinson病患者(Yahr III)のADL指導で最も適切なのはどれか。

  1. ⚪ スリッパを使用する
  2. ⚪ 毛足の長いカーペットを敷く
  3. ⚪ カミソリで髭剃りをする
  4. 🟢 スロープより階段を使用する
  5. ⚪ ロフストランド杖を使用する

正答:4

解説を表示

Parkinson病Yahr III。すくみ足・突進現象があるため、スロープより階段の方が視覚的リズム手がかりとなり歩行しやすい。

  • ❌ ×:スリッパは滑りやすくすくみ足の患者には転倒リスク大。かかとのある靴推奨。
  • ❌ ×:毛足の長いカーペットはつまずきの原因。平坦な床が推奨。
  • ❌ ×:カミソリは振戦で危険。電気シェーバーが推奨。
  • ✅ ○:階段は視覚的リズムキューとなり、すくみ足が改善する。PD患者は階段の方がスロープより歩きやすいことが多い。
  • ❌ ×:PD患者にロフストランド杖は一般的ではない。必要に応じてT字杖や歩行器。

問34(一般 1点)|脊髄小脳変性症と比較した場合の多発性硬化症の特徴はどれか。

  1. ⚪ 痙縮
  2. ⚪ 運動失調
  3. ⚪ 嚥下障害
  4. ⚪ 構音障害
  5. 🟢 有痛性強直性けいれん

正答:5

解説を表示

脊髄小脳変性症と比較した多発性硬化症の特徴。有痛性強直性けいれん(tonic spasm)はMSに特徴的な症状。

  • ❌ ×:痙縮は両疾患ともにみられる。MS特有ではない。
  • ❌ ×:運動失調はSCDの主症状。MSでも生じるがSCDとの比較では特徴にならない。
  • ❌ ×:嚥下障害は両疾患ともにみられる。
  • ❌ ×:構音障害も両疾患ともにみられる。
  • ✅ ○:有痛性強直性けいれんはMSに特徴的。SCDでは通常みられない。脱髄病変による症状。

午後

問11(実地 3点)|57歳女性。多発性筋炎。食事途中で口まで運べなくなる。対応で適切なのはどれか。

  1. 🟢 BFO(バランス前腕装具)を使用する
  2. ⚪ 利き手交換を行う
  3. ⚪ スプーンの柄を太くする
  4. ⚪ 上肢の使用を控える
  5. ⚪ 高負荷の筋力増強訓練を行う

正答:1

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多発性筋炎でスプーン把持は可能だが口まで運べない=近位筋の筋力低下。BFO(バランス前腕装具)で重力を免荷し食事動作を補助。

  • ✅ ○:BFO(Balanced Forearm Orthosis)は上肢の重力免荷装置。近位筋力低下で食事動作困難な場合に最適。
  • ❌ ×:利き手交換は右手機能が残存しているため不要。把持は可能。
  • ❌ ×:スプーンの柄の問題ではなく、上肢挙上の問題。把持は可能。
  • ❌ ×:上肢の使用を控えることは廃用を助長。適切な補助具で使用を継続すべき。
  • ❌ ×:高負荷の筋力増強は炎症性筋疾患では禁忌。筋炎を増悪させる。

問12(実地 3点) ⚠️2つ選べ|48歳男性。ALS。在宅8年。手指MMT0。導入するコミュニケーション機器で適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. ⚪ 人工喉頭
  2. 🟢 透明文字盤
  3. ⚪ キーボードカバー
  4. ⚪ 音声メモ
  5. 🟢 眼球運動センサースイッチ

正答:2,5

解説を表示

ALS・手指MMT0・人工呼吸器装着。発声・手指操作は不可能。透明文字盤(視線で文字を指す)と眼球運動センサースイッチが適切。

  • ❌ ×:人工喉頭は喉頭摘出後に使用。ALSでは呼吸器装着のため不適切。
  • ✅ ○:透明文字盤は眼球運動でコミュニケーション可能。ALS進行期に広く使用。
  • ❌ ×:キーボードカバーは手指機能が必要。MMT0では操作不能。
  • ❌ ×:音声メモは発声が必要。人工呼吸器装着で発声困難。
  • ✅ ○:眼球運動センサースイッチは視線入力でPC操作可能。ALS進行期の標準的コミュニケーション機器。

学習戦略

  1. PD — すくみ足には視覚キュー(階段・床の線)
  2. ALS — 進行に応じたコミュニケーション機器の選定
  3. MS — 温熱禁忌(Uhthoff徴候)、MRIが診断に最重要
  4. 筋炎 — 低負荷運動、BFOで上肢免荷

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出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-07-27

監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)

本コンテンツは、職員の受験支援用に作成し、実際に社内で使っている教材を公開しています。

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