精神障害OT(31問・推定59点)
統合失調症・うつ病・認知症・依存症・パーソナリティ障害など精神科領域のOT
概要
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 出題数 | 31問 |
| 実地問題 | 14問(42点) |
| 一般問題 | 17問(17点) |
| 推定配点 | 59点(全体の21%) |
配点の内訳
トピック別の出題数
| トピック | 出題数 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 統合失調症 | 6問 | 急性期〜回復期の作業療法、行動特性への対応、家族心理教育、SST |
| うつ病 | 6問 | 思考制止、復職支援(リワーク)、Borg指数、HAM-D、希死念慮への対応 |
| 認知症 | 4問 | NPI評価、BPSD(徘徊・不潔行為)、前頭側頭型の常同行動、AD評価 |
| 依存症 | 3問 | アルコール離脱(幻視)、肝性脳症(羽ばたき振戦)、CRAFT |
| パーソナリティ障害 | 2問 | 境界性PD(衝動発散・DBT)、TEACCHは不適切 |
| 不安症・解離症 | 2問 | 社交不安症、解離症への作業療法 |
| 集団療法 | 2問 | オープン/クローズドグループ、小集団の相互交流 |
| リワーク・心理教育 | 3問 | 復職プログラム、家族の対処能力向上、OT理論(ストレングスモデル) |
| 評価尺度 | 3問 | LASMI、HAM-D(非自記式)、NPI、BACS |
全問題・解説
午前
問13(実地 3点)|63歳男性。アルコール依存症。失見当識、羽ばたき振戦。最も考えられるのはどれか。
- 🟢 肝性脳症
- ⚪ 進行麻痺
- ⚪ 正常圧水頭症
- ⚪ 尿毒症性脳症
- ⚪ Cushing症候群
正答:1
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アルコール依存症+失見当識+羽ばたき振戦=肝性脳症。長期大量飲酒→肝硬変→肝性脳症の経過。羽ばたき振戦は肝性脳症の特徴的所見。
- ✅ ○:肝性脳症はアンモニア等の代謝産物が脳に蓄積。羽ばたき振戦(flapping tremor)は病的所見として典型的。
- ❌ ×:進行麻痺は神経梅毒。アルコールとは無関係。
- ❌ ×:正常圧水頭症は認知症・歩行障害・尿失禁の三徴。羽ばたき振戦は見られない。
- ❌ ×:尿毒症性脳症は腎不全が原因。本症例は肝障害の経過。
- ❌ ×:Cushing症候群は副腎皮質ホルモン過剰。本症例とは無関係。
問14(実地 3点)|34歳女性。うつ病入院3週目。作業療法開始時に予想される症状はどれか。
- ⚪ 感情鈍麻
- ⚪ 強迫観念
- 🟢 思考制止
- ⚪ 滅裂思考
- ⚪ 両価性
正答:3
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うつ病入院3週目。意欲低下が続く段階。思考制止はうつ病の中核症状で、思考の速度や流暢性が低下。
- ❌ ×:感情鈍麻は統合失調症の陰性症状。うつ病では悲哀感が主体。
- ❌ ×:強迫観念は強迫症の症状。うつ病の主症状ではない。
- ✅ ○:思考制止はうつ病の典型症状。思考が遅く、言葉が出にくく、決断できない。
- ❌ ×:滅裂思考は統合失調症の思考障害。うつ病では見られない。
- ❌ ×:両価性(アンビバレンス)は統合失調症に特徴的。
問15(実地 3点)|同患者。家庭復帰・職場復帰検討。作業療法士の対応で適切でないのはどれか。
- 🟢 現職復帰にむけたOJTを計画する
- ⚪ 小グループでの家事訓練を計画する
- ⚪ 退院後の生活スケジュールを検討する
- ⚪ 退院後の外来作業療法での支援を検討する
- ⚪ 退院前訪問指導による生活場面の把握を行う
正答:1
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入院5週後で安定。家庭復帰と職場復帰の検討段階。OJT(職場内訓練)はまだ早い。まず日常生活の安定が優先。
- ✅ ○(不適切):この時点でのOJTは時期尚早。まず家庭生活の安定と段階的な活動拡大が先。
- ❌ ×(適切):家事訓練は家庭復帰に向けた実践的アプローチ。
- ❌ ×(適切):生活スケジュールの検討は退院後の生活リズム構築に重要。
- ❌ ×(適切):外来OTでの継続支援は退院後のフォローとして適切。
- ❌ ×(適切):退院前訪問指導は生活場面の把握に有用。
問16(実地 3点)|30歳男性。プレゼン時に動悸・発汗・腹痛。最も考えられるのはどれか。
- ⚪ 持続性抑うつ症
- 🟢 社交不安症
- ⚪ 身体症状症
- ⚪ 全般不安症
- ⚪ パニック症
正答:2
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人前での緊張、プレゼン時の動悸・発汗・腹痛=社交不安症(社交不安障害)の典型像。
- ❌ ×:持続性抑うつ症は2年以上続く慢性的な抑うつ気分。本症例は社交場面での症状。
- ✅ ○:社交不安症は人前での行為に強い不安を感じ、動悸・発汗等の身体症状を伴う。
- ❌ ×:身体症状症は身体症状への過度な不安。特定場面ではなく持続的。
- ❌ ×:全般不安症は多領域にわたる過度な心配。社交場面に限定されない。
- ❌ ×:パニック症は突発的なパニック発作。社交場面に限定されない。
問18(実地 3点)|50歳男性。Alzheimer型認知症。症状評価尺度で最も適切なのはどれか。
- 🟢 NPI
- ⚪ PANSS
- ⚪ RAS
- ⚪ SANS
- ⚪ SMSF
正答:1
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Alzheimer型認知症の症状評価にはNPI(Neuropsychiatric Inventory)が最適。BPSDを包括的に評価。
- ✅ ○:NPIはBPSD(行動・心理症状)を12項目で評価。認知症の症状変化を追跡するのに最適。
- ❌ ×:PANSSは統合失調症の陽性・陰性症状評価尺度。
- ❌ ×:RASはリカバリー評価尺度。精神障害のリカバリー過程の評価。
- ❌ ×:SANSは統合失調症の陰性症状評価尺度。
- ❌ ×:SMSFは不明確な略称(一般的な認知症評価尺度ではない)。
問19(実地 3点)|33歳女性。統合失調症。「見張られて不安」と訴え。作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
- ⚪ 作業種目を変更する
- ⚪ 妄想の内容を詳細に聞き出す
- ⚪ 作業療法の参加を直ちに中止する
- 🟢 手工芸を継続できるような声かけを行う
- ⚪ 「見張られている」という事実がないことを説明する
正答:4
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統合失調症で妄想的不安がある患者。活動を中止するのではなく、安心感を与えながら継続を支援するのが原則。
- ❌ ×:種目変更は不安の根本対処にならない。
- ❌ ×:妄想の内容を詳細に聞き出すのは妄想を強化するリスク。
- ❌ ×:即座の中止は治療関係の断絶につながる。
- ✅ ○:不安を受容しつつ、手工芸を続けられるよう穏やかに声かけする。支持的な関わりが基本。
- ❌ ×:妄想を否定する説明は逆効果。信頼関係を損なう。
問20(実地 3点)|37歳女性。統合失調症。7つの領域で確認しアセスメント。根拠となるのはどれか。
- ⚪ CMOP
- ⚪ IPSモデル
- ⚪ 人間作業モデル
- 🟢 ストレングスモデル
- ⚪ Empowerment approach
正答:4
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7つの領域で本人と確認し、本人の言葉で目標を記載=ストレングスモデル。本人の強みと希望に焦点。
- ❌ ×:CMOP(カナダ作業遂行モデル)はクライアント中心の実践だが7領域ではない。
- ❌ ×:IPSモデルは個別就労支援モデル。就労に特化。
- ❌ ×:人間作業モデルは意志・習慣化・遂行能力の3要素。7領域ではない。
- ✅ ○:ストレングスモデルは個人の関心・才能・性格・環境等の強みを7つの領域で評価し、本人の言葉で目標設定。
- ❌ ×:エンパワメントアプローチは概念的枠組みで、7領域の構造化はない。
問39(一般 1点)|精神科の集団作業療法で適切なのはどれか。
- ⚪ オープングループではメンバーを固定する
- ⚪ クローズドグループではメンバーの離脱が起こりやすい
- ⚪ 治療者1名に対してメンバー15名が適切である
- ⚪ 異質集団の方が同質集団よりも共感を得やすい
- 🟢 メンバー個人の主観的体験を優先する
正答:5
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精神科集団作業療法では集団の凝集性よりもメンバー個人の主観的体験を優先する。OTの基本原則。
- ❌ ×:オープングループはメンバーの入れ替わりがある。固定メンバーはクローズドグループ。
- ❌ ×:クローズドグループは固定メンバーで凝集性が高く、離脱は起こりにくい。
- ❌ ×:治療者1名に15名は多すぎる。通常5-8名程度。
- ❌ ×:異質集団は多様な視点が得られるが、同質集団の方が共感を得やすい。
- ✅ ○:作業療法では集団の力学よりも個人の主観的体験(作業の意味・達成感)を重視する。
問40(一般 1点)|精神科作業療法のインテーク面接時に聞き取る内容で適切でないのはどれか。
- ⚪ 趣味
- ⚪ 将来の希望
- 🟢 発病時の状況
- ⚪ 困っていること
- ⚪ やりたい種目
正答:3
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インテーク面接で聞き取るのは現在の状況と希望。発病時の状況は医学的情報であり、主治医から情報収集すべき内容。
- ❌ ×(適切):趣味は作業療法の種目選択に必要。
- ❌ ×(適切):将来の希望は目標設定に重要。
- ✅ ○(不適切):発病時の状況は医学的情報。カルテや主治医から得るべきで、インテーク面接で直接聞くのは不適切。
- ❌ ×(適切):困っていることはニーズ把握の基本。
- ❌ ×(適切):やりたい種目は本人の意欲と関心を把握するのに重要。
問41(一般 1点)|毎日同じ行動を繰り返す認知症患者。最も考えられるのはどれか。
- ⚪ HIV認知症
- ⚪ 血管性認知症
- 🟢 前頭側頭型認知症
- ⚪ レビー小体型認知症
- ⚪ Alzheimer型認知症
正答:3
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毎日同じコース・同じ食材を購入する常同的行動パターン=前頭側頭型認知症(FTD)の特徴。脱抑制・常同行動・人格変化が特徴。
- ❌ ×:HIV認知症は免疫不全に伴う。常同行動は特徴的ではない。
- ❌ ×:血管性認知症はまだら認知症。常同行動は非典型的。
- ✅ ○:FTDは常同行動(時刻表的生活)、脱抑制、共感の欠如が特徴。毎日同じ行動パターンの反復は典型的。
- ❌ ×:レビー小体型は幻視・パーキンソニズム・認知の変動が特徴。
- ❌ ×:Alzheimer型は記憶障害が主体。常同行動は非典型的。
問44(一般 1点)|アルコール依存症の治療で適切でないのはどれか。
- ⚪ 集団療法
- ⚪ 動機づけ面接
- ⚪ 認知行動療法
- 🟢 リアリティオリエンテーション
- ⚪ CRAFT
正答:4
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アルコール依存症の治療で不適切なのはリアリティオリエンテーション。ROは認知症に対する治療法であり依存症には不適切。
- ❌ ×(適切):集団療法は同じ問題を持つ者同士の共感と支持を得られる。
- ❌ ×(適切):動機づけ面接は変化への動機を引き出すカウンセリング技法。
- ❌ ×(適切):認知行動療法は飲酒パターンの認知的再構成に有効。
- ✅ ○(不適切):リアリティオリエンテーションは認知症の見当識訓練。依存症の治療法ではない。
- ❌ ×(適切):CRAFTは家族を対象とした介入法。患者の治療参加を促す。
問45(一般 1点)|境界性パーソナリティ障害の患者に対する作業療法士の対応で適切なのはどれか。
- 🟢 作業活動による衝動の建設的な発散を促す
- ⚪ 本人の希望に合わせて頻度を変更する
- ⚪ 陽性転移を積極的に利用する
- ⚪ 人の入れ替わりの多い集団に参加させる
- ⚪ 依存関係を構築する
正答:1
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境界性パーソナリティ障害では衝動性が高い。作業を通じて衝動の建設的な表現と発散を促す。
- ✅ ○:作業活動による衝動の建設的な発散は境界性PDに対するOTの基本的アプローチ。
- ❌ ×:頻度は一定に保つ。希望に合わせると操作的になりやすい。
- ❌ ×:陽性転移は境界性PDでは治療関係を混乱させるリスク。利用は慎重に。
- ❌ ×:人の入れ替わりの多い集団は見捨てられ不安を増強。固定メンバーが望ましい。
- ❌ ×:依存関係は治療関係の歪みを招く。適切な距離感が重要。
問46(一般 1点)|うつ病患者のリワークの説明で適切なのはどれか。
- ⚪ 治療初期から導入する
- ⚪ 訪問支援が含まれる
- 🟢 集団プログラムで対人技能の向上を図る
- ⚪ 高ストレス者全般が対象である
- ⚪ 障害者職業センターで病状回復を目的に行う
正答:3
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リワーク(復職支援プログラム)では対人技能の向上を目的に集団プログラムを実施。SST等を含む。
- ❌ ×:治療初期ではなく回復期に導入。症状安定後に開始。
- ❌ ×:医療機関のリワークは通所型。訪問支援は含まれない。
- ✅ ○:集団プログラムで対人技能・生活リズム・作業能力の改善を図る。
- ❌ ×:高ストレス者全般ではなく、うつ病等で休職中の患者が対象。
- ❌ ×:障害者職業センターのリワークはリハビリテーション(職業準備支援)が目的で、病状回復ではない。
問47(一般 1点)|統合失調症の行動特性に合わせた作業療法士の対応で正しいのはどれか。
- ⚪ 緊張度を高める環境設定にする
- ⚪ 作業指示をまとめて伝える
- 🟢 作業環境を一定にする
- ⚪ 状況判断を求める課題を提示する
- ⚪ 無関係な話題で注意を引く
正答:3
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統合失調症患者は環境変化への適応が困難。作業環境を一定にすることで安心感を提供し、パフォーマンスを安定させる。
- ❌ ×:緊張度を高めるのは逆効果。リラックスできる環境が重要。
- ❌ ×:まとめて指示すると混乱する。1つずつ簡潔に指示。
- ✅ ○:作業環境の一定化は予測可能性を高め、安心感を与える。
- ❌ ×:状況判断は統合失調症患者には困難。具体的な手順を提示。
- ❌ ×:無関係な話は注意を妨げる。必要な情報のみ伝達。
問48(一般 1点) ⚠️2つ選べ|BPSD(行動・心理症状)はどれか。2つ選べ。
- ⚪ 失認
- 🟢 徘徊
- ⚪ 記憶障害
- 🟢 不潔行為
- ⚪ 実行機能障害
正答:2,4
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BPSDは行動・心理症状。徘徊と不潔行為が該当。失認・記憶障害・実行機能障害は中核症状。
- ❌ ×:失認は中核症状(認知機能障害そのもの)。
- ✅ ○:徘徊はBPSD(行動症状)。
- ❌ ×:記憶障害は中核症状。
- ✅ ○:不潔行為はBPSD(行動症状)。
- ❌ ×:実行機能障害は中核症状。
問49(一般 1点)|心神喪失者等医療観察法で対象者の処遇を決める機関はどれか。
- ⚪ 検察庁
- ⚪ 指定入院医療機関
- ⚪ 精神保健福祉センター
- 🟢 地方裁判所
- ⚪ 保護観察所
正答:4
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医療観察法で処遇(入院・通院・不処遇)を決定するのは地方裁判所。裁判官と精神保健審判員の合議。
- ❌ ×:検察庁は申立てを行う機関。処遇決定ではない。
- ❌ ×:指定入院医療機関は処遇を実施する機関。
- ❌ ×:精神保健福祉センターは相談・支援機関。
- ✅ ○:地方裁判所が裁判官と精神保健審判員の合議体で処遇を決定。
- ❌ ×:保護観察所は通院中の処遇実施と社会復帰調整官の配置。
午後
問10(実地 3点)|71歳男性。認知症の検査結果。疑われる認知症の重症度はどれか。
- ⚪ 正常
- 🟢 軽度
- ⚪ 中等度
- ⚪ 重度
- ⚪ 最重度
正答:2
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71歳男性の認知症検査結果(別冊)から軽度認知症が疑われる。MMSE等のスコアから重症度を判定。
- ❌ ×:検査結果から認知機能低下が示唆される。
- ✅ ○:検査スコアから軽度認知症の範囲に該当。
- ❌ ×:中等度ではない。
- ❌ ×:重度ではない。
- ❌ ×:最重度ではない。
問14(実地 3点)|18歳男子。統合失調症。症状で誤っているのはどれか。
- ⚪ 幻聴
- 🟢 行為心迫
- ⚪ 思考伝播
- ⚪ 被害妄想
- ⚪ 無為自閉
正答:2
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統合失調症の症状列挙で「誤っている」ものを選ぶ。幻聴・思考伝播・被害妄想・無為自閉は統合失調症の症状。行為心迫は含まれない。
- ❌ ×:幻聴は統合失調症の陽性症状。正しい。
- ✅ ○:行為心迫は統合失調症の典型的症状ではない。行為心迫は衝動制御の問題で統合失調症以外の疾患でみられる。
- ❌ ×:思考伝播は統合失調症の一級症状。正しい。
- ❌ ×:被害妄想は統合失調症の陽性症状。正しい。
- ❌ ×:無為自閉は統合失調症の陰性症状。正しい。
問15(実地 3点)|30歳女性。統合失調症。認知機能検査の図版。評価するのはどれか。
- ⚪ 運動機能
- 🟢 注意と処理速度
- ⚪ 言語流暢性
- ⚪ 言語記憶
- ⚪ ワーキングメモリー
正答:2
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統合失調症で認知機能検査を実施。図版の一部が示され、符号化や処理速度を評価する検査内容。BACS等の認知機能検査で注意と処理速度を評価。
- ❌ ×:運動機能は認知機能検査の対象外。
- ✅ ○:図版の内容から注意と処理速度を評価する課題(符号課題等)と判断。
- ❌ ×:言語流暢性は別の課題(単語列挙等)で評価。
- ❌ ×:注意と処理速度が正答。
- ❌ ×:ワーキングメモリーは別の課題(数字逆唱等)で評価。
問16(実地 3点)|30歳女性。うつ病で入院。作業療法開始時に収集すべき情報で適切でないのはどれか。
- ⚪ 睡眠の状態
- ⚪ 日中の過ごし方
- ⚪ 病気に対する認識
- ⚪ 疲労感
- 🟢 復職の希望時期
正答:5
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うつ病入院2週目の作業療法開始時。復職の希望時期を聞くのは時期尚早で不適切。まだ急性期の治療中であり回復に集中すべき段階。
- ❌ ×:睡眠の状態は基本的な生活リズムの把握に必要。適切。
- ❌ ×:日中の過ごし方は活動状態の把握に必要。適切。
- ❌ ×:病気に対する認識は心理教育の方針決定に必要。適切。
- ❌ ×:疲労感は作業負荷の設定に必要な情報。適切。
- ✅ ○:復職の希望時期は入院初期の作業療法開始時には不適切。回復途上で焦りを助長するリスクがある。
問17(実地 3点)|60歳女性。うつ病。外来作業療法開始。非自記式の尺度で適切なのはどれか。
- ⚪ BDI-II
- 🟢 HAM-D
- ⚪ L-SAS
- ⚪ SDS
- ⚪ STAI
正答:2
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うつ病外来。非自記式(検査者が評価する)のうつ病評価尺度はHAM-D(Hamilton Rating Scale for Depression)。
- ❌ ×:BDI-IIは自記式のうつ病評価尺度。
- ✅ ○:HAM-D(HRS-D)は検査者が面接で評価する非自記式うつ病評価尺度。17項目版が標準。
- ❌ ×:L-SAS(Liebowitz Social Anxiety Scale)は社交不安の評価。
- ❌ ×:SDS(Self-rating Depression Scale)は自記式。
- ❌ ×:STAI(State-Trait Anxiety Inventory)は不安の自記式評価。
問18(実地 3点) ⚠️2つ選べ|70歳男性。前頭側頭型認知症。対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⚪ 抽象的な指示を与える
- ⚪ 失敗を叱責する
- ⚪ 席替えを頻繁に行う
- 🟢 道具を見やすいところに置く
- 🟢 決まった手順で作業を行わせる
正答:4,5
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前頭側頭型認知症は常同行動が特徴。道具を見やすい場所に置く(環境調整)と決まった手順で行わせる(常同性の活用)が適切。
- ❌ ×:抽象的な指示は前頭側頭型認知症には理解困難。具体的で簡潔な指示が必要。
- ❌ ×:失敗を叱責するのは不適切。混乱や攻撃性を誘発するリスク。
- ❌ ×:席替えを頻繁に行うと環境変化への適応が困難。一定の環境を維持すべき。
- ✅ ○:道具を見やすいところに置く環境調整は前頭側頭型認知症に有効。
- ✅ ○:常同行動の特性を活かし、決まった手順で作業を行わせるのは効果的。
問19(実地 3点)|33歳女性。うつ病。「死なせて下さい」と訴え。作業療法士の対応で適切なのはどれか。
- ⚪ 他者と比較して励ます
- ⚪ 「頑張りましょう」と声をかける
- ⚪ 薬の効果を確認するよう促す
- 🟢 「なぜそのような気持ちになったのか聞かせてください」と傾聴する
- ⚪ 「我慢してください」と伝える
正答:4
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うつ病患者の「死なせてください」という希死念慮の訴えに対して、まず気持ちを傾聴し理由を聞くことが適切な初期対応。
- ❌ ×:他者との比較は患者の苦痛を軽視するメッセージ。不適切。
- ❌ ×:「頑張りましょう」はうつ病患者への禁句。プレッシャーを与える。
- ❌ ×:即座に薬効の問題にすり替えるのは患者の訴えを受け止めていない。
- ✅ ○:「なぜそのような気持ちになったのか聞かせてください」は傾聴の姿勢。患者の苦痛を受け止め、自殺リスクの評価にもつながる。
- ❌ ×:「我慢して」は患者の苦痛を無視する対応。不適切。
問20(実地 3点)|31歳女性。境界性パーソナリティ障害。治療法で適切でないのはどれか。
- ⚪ 認知行動療法
- ⚪ 力動的精神療法
- ⚪ 弁証法的行動療法(DBT)
- 🟢 TEACCHプログラム
- ⚪ メンタライゼーション療法(MBT)
正答:4
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31歳女性。境界性パーソナリティ障害(リストカット、依存的、衝動性)。TEACCHプログラムは自閉スペクトラム症の支援プログラムであり、BPDには不適切。
- ❌ ×:認知行動療法はBPDに有効。不適切ではない。
- ❌ ×:力動的精神療法はBPDの根本的治療に使用。不適切ではない。
- ❌ ×:弁証法的行動療法(DBT)はBPDに最も推奨される治療法。不適切ではない。
- ✅ ○:TEACCHプログラムは自閉スペクトラム症向けの構造化プログラム。BPDの治療には使用しない。
- ❌ ×:メンタライゼーション療法(MBT)はBPDに有効な治療法。不適切ではない。
問39(一般 1点)|アルコール依存症の離脱症状はどれか。
- ⚪ 解離症状
- ⚪ 観念奔逸
- ⚪ 強迫行為
- 🟢 幻視
- ⚪ 思考途絶
正答:4
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アルコール依存症の離脱症状には幻視(小動物幻視が典型)が含まれる。振戦せん妄の一部として出現。
- ❌ ×:解離症状はアルコール離脱の典型症状ではない。
- ❌ ×:観念奔逸は躁状態の症状。アルコール離脱ではない。
- ❌ ×:強迫行為は強迫性障害の症状。アルコール離脱ではない。
- ✅ ○:幻視はアルコール離脱の重要な症状。小動物(虫・ネズミ等)の幻視が典型的。振戦せん妄。
- ❌ ×:思考途絶は統合失調症の症状。アルコール離脱ではない。
問40(一般 1点)|「持続性・安定性」の評価で「現在の社会適応度」の項目を含む尺度はどれか。
- ⚪ BPRS
- ⚪ GAF
- 🟢 LASMI
- ⚪ Rehab
- ⚪ 精神障害者ケアアセスメント
正答:3
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LASMI(精神障害者社会生活評価尺度)は「持続性・安定性」の評価領域に「現在の社会適応度」の項目を含む。
- ❌ ×:BPRS(簡易精神症状評価尺度)は症状評価。社会適応度の項目なし。
- ❌ ×:GAF(全般的機能評価尺度)は全般的機能の1軸評価。個別項目なし。
- ✅ ○:LASMIは5つの下位尺度を持ち、「持続性・安定性」に社会適応度が含まれる。
- ❌ ×:Rehabは精神科リハの行動観察尺度。異なる構成。
- ❌ ×:精神障害者ケアアセスメントは別の構成。
問41(一般 1点)|睡眠衛生指導で正しいのはどれか。
- ⚪ 昼寝は2時間程度が良い
- 🟢 朝起きたらカーテンを開ける
- ⚪ 就寝時刻を固定する
- ⚪ 寝酒を勧める
- ⚪ 就寝前は明るい環境で過ごす
正答:2
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睡眠衛生指導では朝起きたらカーテンを開けることが推奨。朝の光を浴びることで体内時計がリセットされる。
- ❌ ×:昼寝は20-30分程度が推奨。2時間は長すぎて夜間の睡眠に影響。
- ✅ ○:朝の光曝露は体内時計のリセットに重要。カーテンを開けるのは基本的な睡眠衛生指導。
- ❌ ×:就寝時刻を固定するより起床時刻を固定する方が重要。眠くないのに無理に寝ようとしない。
- ❌ ×:寝酒は睡眠の質を低下させる。中途覚醒が増加し依存のリスクも。
- ❌ ×:就寝前は照明を落とし、ブルーライトを避ける。明るい環境はメラトニン分泌を抑制。
問42(一般 1点)|解離症に対する作業療法士の対応で適切なのはどれか。
- ⚪ 患者の希望通りに活動を行う
- 🟢 無意識の葛藤を安全に発散できる活動を行う
- ⚪ OTが作業を代行する
- ⚪ 健忘が生じたら即座に中止する
- ⚪ 時間外の個別活動を設定する
正答:2
解説を表示
解離症への対応では、無意識の葛藤を安全に表出・処理できる活動が有効。創作活動等で感情の言語化を促す。
- ❌ ×:患者の希望通りにするのは治療構造を崩すリスク。枠組みのある活動が重要。
- ✅ ○:無意識の葛藤を安全に発散・処理できる活動(創作的活動等)が解離症に適切。
- ❌ ×:OTが代行するのは依存を助長し自律性の回復を妨げる。
- ❌ ×:健忘が生じても作業療法を即座に中止する必要はない。安全な環境で継続検討。
- ❌ ×:時間外の個別活動は治療構造を崩し、境界の問題を生じさせるリスク。
問43(一般 1点)|精神科デイケアの小集団療法で適切なのはどれか。
- 🟢 メンバー間の相互交流を促す
- ⚪ 多数決で決定する
- ⚪ スタッフがリーダーシップを取る
- ⚪ 感情的な発言は取り上げない
- ⚪ 沈黙が生じたら即座に介入する
正答:1
解説を表示
精神科デイケアの小集団療法ではメンバー間の相互交流を促すことが重要。グループダイナミクスの活用。
- ✅ ○:メンバー間の相互交流はグループ療法の核心。社会性の回復・対人関係の改善に寄与。
- ❌ ×:多数決は少数意見を無視するリスク。コンセンサスを重視すべき。
- ❌ ×:スタッフはファシリテーター(促進者)として機能。リーダーシップを取りすぎるのは不適切。
- ❌ ×:感情的な発言も治療的に扱うべき。取り上げないのは機会損失。
- ❌ ×:沈黙はグループプロセスの一部。スタッフが即座に介入するのではなくメンバーの主体性を待つ。
問44(一般 1点) ⚠️2つ選べ|急性期後期のうつ病患者の作業療法導入期の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 🟢 経験のある作業を選択する
- ⚪ 複雑な作業を課す
- ⚪ 励ましを中心にする
- 🟢 休養が重要であることを説明する
- ⚪ 「気持ちの持ちよう」と伝える
正答:1,4
解説を表示
急性期後期のうつ病患者への導入期対応。経験のない作業は不安を増強→不適切。休養の重要性の説明は適切。
- ✅ ○(不適切ではない?):うーん、再検討。正答が1,4ということは「適切なもの」を2つ選べ。
- ❌ ×:複雑な作業は失敗体験を増やし自信を損なう。不適切。
- ❌ ×:励ましは「頑張れ」と同義でうつ病患者には負担になりうる。
- ✅ ○:休養が重要であることの説明は急性期後期に適切。無理をしない指導。
- ❌ ×:「気持ちの持ちよう」は精神論であり不適切。うつ病は疾患であることの理解が必要。
問45(一般 1点)|統合失調症の作業療法で観察される患者の特徴はどれか。
- ⚪ 活動への関心が拡大する
- 🟢 同じ工程で同じ失敗を繰り返す
- ⚪ 並行作業を容易にこなす
- ⚪ 他者の活動に口出しする
- ⚪ 予定外の出来事に柔軟に対処する
正答:2
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統合失調症の作業療法では認知機能障害により作業工程で同じ失敗を繰り返す特徴がみられる。
- ❌ ×:活動への関心は通常低下する(陰性症状の感情鈍麻・意欲低下)。拡大ではない。
- ✅ ○:認知機能障害(ワーキングメモリー低下等)により同じ工程で同じ失敗を繰り返しやすい。
- ❌ ×:並行作業は統合失調症では困難。単純で一つずつの課題が適切。
- ❌ ×:他者の活動に口出しするのはパーソナリティ障害等の特徴。統合失調症では対人交流が低下。
- ❌ ×:予定外の出来事への対処は統合失調症では困難(柔軟性の低下)。
問46(一般 1点)
正答:5
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自閉スペクトラム症患者へのOT対応ではSST(社会生活技能訓練)をコミュニケーション課題に用いるのが適切。
- ❌ ×:内省を促しても自閉特性により困難。行動面からのアプローチが有効。
- ❌ ×:省略した短文はかえって曖昧になり理解困難。具体的で明確な指示が必要。
- ❌ ×:無言での制止は理由が理解できず混乱を招く。言語で理由を説明すべき。
- ❌ ×:自由度の高い活動は構造化されておらず不安を増強。構造化された活動が推奨。
- ✅ ○:SSTは社会的スキルを具体的に練習する技法。ASD患者のコミュニケーション改善に有効。
問47(一般 1点)|注意欠如・多動症を強く示唆する患者の発言はどれか。
- ⚪ 「脳が溶けて流れ出した」
- ⚪ 「不気味で何かが起こりそう」
- 🟢 「じっとしているのが苦手で後先考えずに行動して失敗する」
- ⚪ 「現実感がない」
- ⚪ 「検査で異常ないのに末期癌と思う」
正答:3
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ADHD患者の特徴的発言。「じっとしているのが苦手で後先考えずに行動して失敗する」は多動性・衝動性の典型。
- ❌ ×:「脳が溶けて流れ出した」は体感幻覚・妄想で統合失調症の症状。
- ❌ ×:「不気味で何かが起こりそう」は不安障害の症状。
- ✅ ○:「じっとしているのが苦手」=多動性、「後先考えずに行動して失敗」=衝動性。ADHD の典型。
- ❌ ×:「現実感がない」は離人感・現実感消失症の症状。
- ❌ ×:「検査で異常ないのに末期癌と思う」は心気症・病気不安症の症状。
問48(一般 1点)|統合失調症の家族心理教育で正しいのはどれか。
- ⚪ 家族の範囲は専門家が決める
- ⚪ 家族を発病の原因と捉える
- 🟢 家族の対処能力の向上を目指す
- ⚪ 情緒的巻き込まれを促す
- ⚪ 高EE家族には接触時間を長くする
正答:3
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統合失調症の家族心理教育では家族の対処能力の向上を目指す。心理教育を通じてストレス対処スキルを高める。
- ❌ ×:家族の範囲は家族自身が決める。専門家が決めるのではない。
- ❌ ×:家族を原因と捉えるのは家族への偏見(家族病因論)。現在は否定されている。
- ✅ ○:家族心理教育は家族の疾病理解を深め、対処能力の向上を目指すアプローチ。
- ❌ ×:情緒的巻き込まれ(EE)は再発リスクを高める。促すのではなく軽減を目指す。
- ❌ ×:高EE家族には接触時間の短縮が推奨される。長くするのは逆効果。
学習戦略
- 統合失調症 — 急性期は環境一定化+具体的指示、回復期はSST+就労支援
- うつ病 — 「頑張れ」禁句、Borg11-13、復職は段階的(リワーク→OJT)
- 認知症 — AD=記憶障害、FTD=常同行動、DLB=幻視、BPSD≠中核症状
- 依存症 — アルコール離脱=振戦→幻視→せん妄、CRAFT=家族介入
- 評価 — HAM-D=非自記式うつ、NPI=認知症BPSD、LASMI=社会生活能力
出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成
※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。
最終更新:2026-07-27
監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)
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