親を預けることに罪悪感があるとき
「家族なのに、施設に頼ってしまっていいんだろうか」——見学に来られるご家族から、いちばん多く伺う気持ちです。このページは、その罪悪感について、私たちが日頃お伝えしていることをまとめたものです。
最終更新:2026年9月/制度改定等により内容は変わることがあります。
その気持ちは、ほとんどのご家族が通ります
「自分がもっと頑張れば、家で見られるのではないか」「親を他人に任せるなんて」——口に出されない方も含めれば、ほとんどのご家族がこの気持ちを通ると、私たちは感じています。まず、その罪悪感は、ご家族が真剣に介護と向き合ってきた証拠です。どうでもよければ、罪悪感は生まれません。
「自立」の意外な定義
障害当事者でもある研究者、熊谷晋一郎さんの言葉に「自立とは、依存先を増やすこと」というものがあります。
意外に聞こえますが、ご自身の生活を思い浮かべてみてください。私たちは電気に頼り、スーパーに頼り、職場に頼り、家族に頼って暮らしています。頼っていないのではなく、頼る先が多すぎて一つ一つが見えないだけです。頼る先がたくさんあるから、どれか一つが欠けても生活が続く——それが「自立した生活」の正体です。
逆に、頼る先が一つしかない生活は、その一つに全体重がかかります。ご本人の生活がご家族という一本の柱だけで支えられているとき、いちばん危ういのは、その柱が折れたときです。
デイに通うことは、柱を増やすこと
デイサービスを使い始めるとき、多くの方が「人の世話になる側になった」と感じます。でも実際に起きているのは、逆のことです。
ご本人は何も変わっていません。必要な支えの量も同じです。変わるのは、支えの分散のされ方だけ。家族一本に集中していた柱が、二本、三本になる。一本あたりの負担は軽くなり、生活は折れにくくなります。
だから、デイに通い始めた日は「自立から遠ざかった日」ではありません。生活が折れにくくなった日です。そして、ご家族が休める日ができることは、いちばん大切な柱を長持ちさせることでもあります。預けることは、手放すことではなく、柱を増やすことです。
最初の1ヶ月は、一度つらくなることがあります
正直にお伝えしておきたいことがあります。通い始めの1ヶ月ほどは、ご自宅で「行きたくない」とおっしゃる日が出ることが多いです。
新しい場所・新しい人・新しいリズムに慣れる途中で一度つらくなるのは、ほとんどの方に起きる自然なことです。多くの場合、週を追って少しずつ軽くなっていきます。その経過は、私たちから毎回お伝えします。もし1ヶ月たっても重くなっていくようなら、そのときは環境の見直しを一緒に考えさせてください。
まずは「見学だけ」から。ご家族だけでのご見学も歓迎しています。迷っている段階でも、どうぞお気軽に。