ご家族向けガイド

介護に疲れたと
感じたら

「もう限界かもしれない」——そう思うことは、あなたが冷たいからではありません。介護は、休みなく続けられるようにはできていないからです。ご家族が休むための制度と相談先を、具体的にご案内します。

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このガイドについて:高松市でデイサービス3施設(認知症・中重度ケア/リハビリ特化型)を運営する、現場スタッフの視点でまとめ、介護福祉士の金川真司(せと)・山本佳祐(せとリハビリステーション)・中村輝(やしまリハビリステーション)が監修しています。制度・費用の最終的なご確認は、担当ケアマネジャーや高松市の窓口をご案内しています。
最終更新:2026年7月/制度改定等により内容は変わることがあります。

「休みたい」は、制度が想定している気持ちです

介護保険にはレスパイトケアという考え方があります。レスパイトとは「小休止」。ご家族が介護から離れて休む時間をつくることは、サービスの目的のひとつとして正式に位置づけられています。

つまり、「家族が休むために使う」のは、制度の想定外の使い方ではありません。むしろ、そのために用意されている仕組みです。

介護は、いつ終わるか分からないまま続きます。短距離走のつもりで全力を出し続ければ、どこかで走れなくなります。休むことは、投げ出すことではなく、続けるための手立てです。

こんなサインが出ていませんか

疲れは、自分では気づきにくいものです。当てはまる項目が増えているなら、一度立ち止まる合図かもしれません。

  • 眠れない日が続いている、眠っても疲れが取れない
  • 以前は流せたことに、強くいらだつようになった
  • つい強い口調になり、あとで自分を責めてしまう
  • 自分の通院や食事を後回しにしている
  • 友人や親戚の誘いを断り続けている
  • 「この状態がいつまで続くのか」と考えると、息苦しくなる
  • 誰にも相談していない、話せる相手がいない

とくに最後のひとつは重く効いてきます。介護は家の中で完結しやすく、外から見えません。周りが気づけないまま、ご家族だけが消耗していくことがあります。

今すぐ誰かに話したいとき
担当のケアマネジャーがいれば、まずその方へ。まだいない場合は、お住まいの地域を担当する地域包括支援センターが窓口です(高松市内に複数あります。市の介護保険課で担当地区をご案内しています)。相談は無料で、介護保険を利用していない方でも相談できます。

家族が休むための選択肢

「休む」といっても、旅行に行くような大がかりなことではありません。まとまった数時間を確保するだけで、呼吸の深さが変わります。

方法できること
デイサービス
(通所介護)
日中の数時間〜1日、施設で過ごしていただきます。その間、ご家族は通院・仕事・家事・休息にあてられます。回数を増やす相談も可能です。
ショートステイ
(短期入所生活介護)
数日から一定期間、施設で宿泊して過ごしていただきます。ご家族の入院・冠婚葬祭・出張のほか、休養を理由に使うこともできます。
訪問介護
(ホームヘルプ)
自宅に来てもらい、身体介護や生活援助を受けられます。外出が難しい方に向いています。
家族会・介護者の集まり同じ立場の方と話せる場です。「うちだけではなかった」と分かるだけで、気持ちが軽くなることがあります。地域包括支援センターで紹介を受けられます。

どれを選ぶかは、ご本人の状態とご家族の事情によります。組み合わせ方を考えるのがケアマネジャーの仕事ですから、「休みたい」という希望をそのまま伝えて構いません。

「申し訳ない」と感じてしまう方へ

デイサービスの利用を決めたご家族から、こんな言葉をよくお聞きします。

「自分が楽をするために、本人を行かせるようで気が引ける」

その気持ちは、大切に思っているからこそ生まれるものだと思います。ただ、実際に通い始めた後のことも、あわせて知っていただきたいのです。

デイサービスは、ご本人にとっても居場所になります。家族以外の人と話し、体を動かし、季節の行事に参加する。家にこもっていた頃より表情が変わった、夜よく眠れるようになった——そうした変化を、ご家族から教えていただくことは少なくありません。

ご家族が休めることと、ご本人の毎日が豊かになること。この二つは、対立しません。

私たちの理念は「大切なひとを、大切にする」です。この「大切なひと」には、ご利用者様だけでなく、支えているご家族も含まれていると考えています。

まず、何から始めればいいか

1
状況を言葉にする眠れていない、いらだつことが増えた——事実をそのまま伝えて構いません。うまくまとめる必要はありません。
2
窓口に連絡する担当ケアマネジャー、または地域包括支援センターへ。介護認定をまだ受けていない場合は、申請の手続きから相談できます。
3
使える回数・サービスを見直す今のケアプランで回数を増やせるか、ショートステイを組み込めるかを一緒に検討します。
4
見学してみる実際の場所と人を見ると、任せられそうかどうかの感触がつかめます。ご家族だけでの見学もできます。

認定からの流れは介護保険でデイサービスを使い始める流れで詳しくご説明しています。

ご本人が「行きたくない」と言う場合

ご家族が休みたいと思っても、ご本人が拒むことがあります。これも、よくあることです。

私たちは「行きたくない」を拒否の言葉ではなく、80年、90年かけて作り上げた「いつも」を離れることへの、引っ越し前夜のような言葉だと考えています。説得よりも、その方の「いつも」をこちら側に少しずつ作っていくほうが、結果的に近道になります。

断られた日も、ご自身を責めないであげてください。詳しくは親がデイサービスを嫌がるときをご覧ください。

「疲れました」から始まるご相談で構いません。
見学は予約制・所要30〜60分・持ち物なし。ご家族だけでのご相談・ご見学も歓迎です。

よくあるご質問

家族が休むためにデイサービスを使ってもいいのですか?
はい。ご家族の休息は、介護保険サービスの目的のひとつとして正式に位置づけられています(レスパイトケア)。介護を続けられる状態を保つことは、ご本人が住み慣れた家で暮らし続けるための条件でもあります。後ろめたく思う必要はありません。
休みたいと言うと、本人に悪い気がします。
多くのご家族が同じことをおっしゃいます。ただ、疲れきった状態での介護は、言葉がきつくなったり、事故につながったりしがちです。休むことは投げ出すことではなく、介護を続けるための手立てです。「あなたのために続けたいから、少し休ませてほしい」——そう伝えて受け入れられたご家族もいらっしゃいます。
どこに相談すればいいですか?
すでに介護保険を利用中なら、担当のケアマネジャーが最初の窓口です。まだ認定を受けていない場合や、誰に言えばよいか分からない場合は、お住まいの地域を担当する地域包括支援センターにご相談ください。高松市の場合は市の介護保険課でも案内を受けられます。相談は無料です。
急に入院することになったら、介護を代われる先はありますか?
ショートステイ(短期入所生活介護)が、数日から一定期間お過ごしいただく制度です。急な事情に備え、あらかじめケアプランに組み込んでおくと動きやすくなります。空き状況は流動的なため、必要になってから探すより、事前に担当ケアマネジャーへ相談しておくことをおすすめします。
デイサービスは週に何回まで使えますか?
回数はケアプランで決まります。要介護度ごとに1か月に使えるサービス量の上限(区分支給限度基準額)があり、ほかのサービスとの兼ね合いで調整します。「もう少し回数を増やしたい」と感じたら、まず担当ケアマネジャーにお伝えください。
仕事と介護の両立が限界です。
介護休業・介護休暇という制度が法律で定められており、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できます(要件があります)。勤務先の担当窓口やお住まいの地域のハローワークにご相談ください。あわせて、サービスの回数を見直すことで日中の時間を確保できる場合もあります。

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